Apasionado!!』(アパショナード)は宝塚歌劇団の舞台作品。作・演出は藤井大介 [1] [2] [3] [4]

解説 編集

※『宝塚歌劇100年史(舞台編)』の宝塚大劇場公演[5]参考。

"Apasionado"とはスペイン語で「熱い」「情熱の男」という意味。「熱」をテーマに、熱いリズム、熱い血潮、燃え上がる恋、嫉妬の炎、命を懸けた情熱など、様々な「熱」の形を具現化した、情熱的でエネルギーに満ちたダンシング・レビュー。パッショネイトな新紅の炎、強いエネルギー、そして、時にはクールさの中の青い炎を感じさせる作品。

公演記録 編集

2008年・月組『Apasionado!!』
11月7日(金)から12月11日(木)まで宝塚大劇場[1]で公演。
2009年1月3日(土)から2月8日(日)まで東京宝塚劇場[2]で公演。
形式名は「ファナティック・ショー[5]」、24場[5]
併演作品は『夢の浮橋[1][2]』。
2009年・宙組Apasionado!!II
8月3日(月)から8月25日(火)まで博多座[3]で公演。
形式名は「ファナティック・ショー[6]」、24場[6]
併演作品は『大江山花伝[3]』。
2012年・宙組『Apasionado!!II』
2月1日(水)から2月24日(金)まで中日劇場[4]で公演。
形式名は「ファナティック・ショー[4]」。
併演作品は『仮面のロマネスク[4]』。
2016年・月組『Apasionado!!III
3月19日 - 4月17日まで全国ツアーとして公演。
形式名は「ファナティック・ショー」。
併演作品は『激情』。
主演は、珠城りょう愛希れいか[7]
全国ツアーの公演日程
公演日 公演場所
3月19日(土) 梅田芸術劇場メインホール(大阪府
3月20日(日)
3月21日(月)
3月24日(木) 岩手県民会館
3月26日(土) 愛知県芸術劇場大ホール
3月27日(日)
3月28日(月) 羽島市文化センタースカイホール(岐阜県
3月30日(水) 幸田町民会館さくらホール(愛知県
3月31日(木) 三重県文化会館
4月2日(土) オーバード・ホール富山県
4月3日(日) 金沢歌劇座石川県
4月5日(火) ひたちなか市文化会館茨城県
4月6日(水) いわき芸術文化交流館アリオス福島県
4月8日(金) よこすか芸術劇場神奈川県
4月9日(土) 市川市文化会館千葉県
4月10日(日)
4月12日(火) 新潟県民会館
4月13日(水) 上越文化会館新潟県
4月14日(木) ホクト文化ホール(長野県県民文化会館
4月16日(土) 福岡市民会館福岡県
4月17日(日)

スタッフ(月組 宝塚・東京) 編集

※氏名の後ろに「宝塚[8]」「東京[9]」の文字がなければ両劇場共通。

出演者(月組 宝塚・東京) 編集

※氏名の後ろに文字がなければ2008、9年当時、月組所属者。宝塚[10][8]・東京[11][9]共通。

構成(月組 宝塚・東京) 編集

※宝塚[8]・東京[9]共通。()は配役。

前夜 編集

  • 音楽:青木朝子
  • 振付:羽山紀代美

第1場

一面氷の世界。氷の女王・レイナ(城咲あい)と、氷イエロたちが目覚める。雷トゥルエノス(萬あきら)、風ビエント(磯野千尋)、雨ジュビア(梨花ますみ)が語る。「私たちをめくるめく夢に誘う熱い熱が、今近づく・・・」。

第1夜 情熱(パシオン) 編集

  • 音楽:青木朝子
  • 振付:羽山紀代美

第2場

新紅の大階段。巨大なマントに包まれたグラドス(瀬奈じゅん)が静かに歌いだす。


第3場

眠っていたグラドス(瀬奈じゅん)が熱に生まれ、熱く激しい主題歌を歌う。男たちのスパニッシュダンスが繰り広げられ、カロル男S(霧矢大夢)が歌い、女たちが踊る。


第4場

金色のアパショナード(瀬奈じゅん)が登場し、総踊りとなる。

第2夜 熱毒(ベネノ) 編集

  • 音楽:手島恭子
  • 振付:羽山紀代美

第5場

一人残ったアパショナード(瀬奈じゅん)が、ほてった熱を冷ますようにバラードを歌う。4人の妖艶な女たち(美鳳あや・音姫すなお・天野ほたる・憧花ゆりの)が絡む。清楚な少女チカ(羽桜しずく)が通りかかり、アパショナードは薔薇を一輪渡して去っていく。トゥルエノス(萬あきら)、ビエント(磯野千尋)、ジュビア(梨花ますみ)が現れ、惑わされたチカは薔薇の棘で指をさしてしまう。


第6場

廃墟。幽霊ファンタスマたちの中心にバンビロ伯爵(霧矢大夢)がいる。血の舞踏会、獲物はチカ(羽桜しずく)であった。バンピロ伯爵は情熱の高まりを歌い、ファンタスマたちは激しく踊りだす。チカも次第にバンビロ伯爵の妖しい魅力に落ちていく。

第3夜 熱視線(ケンチ・オリャール) 編集

  • 音楽:青木朝子
  • 振付:ANJU

第7場

3人のアクトル(青樹泉・龍真咲・明日海りお)がいつかスターになりたいと歌う。


第8場

ヴァレンチノの二番目の妻・ナターシャ(城咲あい)がヴァレンチノ(瀬奈じゅん)を懐かしんで歌う。あちらこちらからヴァレンチノに関わりのあった女たちが登場し、ヴァレンチノのシルエットが浮かぶ。


第9場

三つの映画の中で、ヴァレンチノ(瀬奈じゅん)と女たちの妖艶なダンスが繰り広げられる。


第10場

ヴァレンチノ(瀬奈じゅん)がスターの孤独な心を静かに歌いだす。喪服のナターシャ(城咲あい)が静かに通る。

第4夜 熱帯夜(トロピコス・ノチェ) 編集

  • 音楽:青木朝子
  • 振付:若央りさ

第11場

南国に咲き誇る花々が美を競い合い、カーニバルが始まる。


第12場

蜜蜂の王アベハ(瀬奈じゅん)が登場。祭りのボルテージが上がる。


第13場

夜になり、一人残ったアベハ(瀬奈じゅん)の前に、一輪の蘭オルキデア(霧矢大夢)が現れる。二人は恋に落ち、静かに、けれども情熱的に踊る。


第14場A

再び日が昇り、オルキデア(霧矢大夢)が歌い、グアパロサ(城咲あい)を中心とした踊りに発展する。


第14場B

会員が迎える中、カリエンテ(瀬奈じゅん)が登場。南国の花たちの情熱的なパレードが繰り広げられる。


第15場

祭りの後、トゥルエノス(萬あきら)、ビエント(磯野千尋)、ジュビア(梨花ますみ)が歌う。

第5夜 熱烈(カリエンテ) 編集

  • 音楽:青木朝子
  • 振付:KAZUMI-BOY

第16場

満天の星空が荒野。数組の恋人たちが穏やかに恋を楽しんでいる。


第17場

激しいリズムになり、半獣のレイ(瀬奈じゅん)率いるレオンたち(遼河はるひ 他)が現れ、数組の恋人たちを襲う。レイは一人の残った娘・エンブラに何故か手を出せない。レイの中に何かが芽生えかける。再び激しいリズムとなり、戻ってきたレオンたちは、裏切ったレイを追い詰め殺してしまう。

第6夜 熱愛(ケンチ・アモル) 編集

  • 音楽:青木朝子
  • 振付:KAZUMI-BOY

第18場

エンブラの涙が水となり、海となり、大勢の涙ラグリマたち(霧矢大夢(男S)・城咲あい(女S) 他)が静かに、やがて力強く踊り出す。


第19場

ラグリマたち(霧矢大夢(男S)・城咲あい(女S) 他)の情熱がエネルギーとなり、最高の熱・アパショナード(瀬奈じゅん)が生まれる。アパショナードはラグリマたちと共に、命の喜びを歌いあげる。

第7夜 熱狂(アパショナード) 編集

  • 音楽:手島恭子
  • 振付:御織ゆみ乃

第20場

カンタオル(遼河はるひ)が若いバイラオル(美翔かずき・響れおな・宇月颯・瑞羽奏都・貴千碧・紫門ゆりや)を引き連れて歌う。


第21場

エルモソ(瀬奈じゅん)と娘役エルモサたち(城咲あい 他)のダンス。


第22場

モナS(涼城まりな)を中心としたモナたちのロケット。


第23場A

アパショナード(瀬奈じゅん)と男役グアポたち(霧矢大夢 他)のダンス。


第23場B

一人残ったアパショナード(瀬奈じゅん)が、グアポS(霧矢大夢)の歌で踊りあげる。


第24場(配役を含む)

主題歌によるパレード。

  • Apasionado - 瀬奈じゅん
  • アモル男S - 霧矢大夢
  • アモル女S - 城咲あい
  • アモル男A - 遼河はるひ・桐生園加・青樹泉・星条海斗・龍真咲・明日海りお
  • アモル女A - 羽桜しずく
  • アモル男(エストレジャ) - 研ルイス
  • アモル女(エストレジャ) - 憧花ゆりの・羽咲まな
  • アモル男(Wトリオ) - 千海華蘭・煌月爽矢
  • アモル女(Wトリオ) - 咲希あかね・蘭乃はな・花陽みら・紗那ゆずは

(他全員)

脚注 編集

参考資料 編集

  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(舞台編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14600-3 
  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚大劇場公演プログラム』阪急コミュニケーションズ、2008年11月7日。 
  • 監修・著作権者:小林公一『東京宝塚劇場公演プログラム』阪急コミュニケーションズ、2009年1月3日。 

外部リンク 編集