KARATEKA』(カラテカ)は、日本音楽ユニットである電気グルーヴの3枚目のオリジナル・アルバム

『KARATEKA』
電気グルーヴスタジオ・アルバム
リリース
録音 1992年
サウンドアライブ
ジャンル テクノ
エレクトロニック
ヒップホップ・ミュージック
エレクトロ
ブレイクビーツ
時間
レーベル Ki/oon Sony Records/トレフォート
プロデュース 電気GROOVE
渡辺省二郎 (Ram Jam World)
チャート最高順位
電気グルーヴ アルバム 年表
UFO
1991年
KARATEKA
1992年
FLASH PAPA MENTHOL
1993年
EANコード
『KARATEKA』収録のシングル
  1. SNAKEFINGER
    リリース: 1992年10月21日
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1992年10月21日Ki/oon Sony Records/トレフォートよりリリースされた。

帯のキャッチコピーは「空手のマネして新聞配る-これ究極のKARATEKAなり。ポップにヒート・アップした電気GROOVEのサード・アルバム。」(これはメンバー自ら考案したものではない)。前作まで歌詞カードに記載されていた収録曲のBPM表記が本作から記載されなくなった。

概要

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このアルバムのタイトルは元々『ガンダム』という名称を予定していた。それは、1980年代に活動していたイエロー・マジック・オーケストラの「ライディーン」がテレビアニメ『勇者ライディーン』から命名されたことに対し、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』に因んで『ガンダム』というタイトルの曲を作成しアルバムタイトルにも使用する意図で制作された。しかし、著作権上の問題で「ガンダム」という名称の使用許可が下りず、『KARATEKA』というタイトルになった[注釈 1]

後年ではメンバーの中では最低の評価がなされているアルバムで、後のライブで本作からの曲が演奏されることはほとんど無かった。実際、セルフ・トリビュート・アルバムThe Last Supper』(2001年)では、本作からは一曲も選曲されていない[注釈 2]。同グループの中心人物である石野卓球は当時のことを振り返り、「自分には新しくやりたい音楽が出来たのに、パブリックイメージ通りのものを作らなければならない辛さがあった」という趣旨の事を語っている。この葛藤から、次作『VITAMIN』(1993年)が制作されることとなった。

本作は1992年11月2日付けのオリコンチャートにて最高位13位となり、売り上げ枚数は4.7万枚となった[1]

構成

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歌詞カードには以下のサンプリング元となったミュージシャンなどの名称が記載されている。


収録曲

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一覧

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#タイトル作詞作曲ミックス時間
1.スネークフィンガー(Snake Finger)石野卓球石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
2.Twist Of The World石野卓球石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
3.ザ・ケトルマン(The Kettle Man)ピエール瀧石野卓球、良徳砂原渡辺省二郎、良徳砂原
4.人事を尽くさず天命を待つ(Comfortablism)石野卓球石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
5.ドカベン(Dokashit)ピエール瀧ピエール瀧、良徳砂原渡辺省二郎、良徳砂原
6.Hi-Scoreピエール瀧石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
7.デマリンピック(Demalynpic)ピエール瀧石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
8.KARATEKA 良徳砂原渡辺省二郎、良徳砂原
9.March石野卓球石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
10.Let's Go! 無間地獄(Let's Go! Mugen-Jigoku)石野卓球良徳砂原渡辺省二郎、良徳砂原
11.DS Massive石野卓球、ピエール瀧石野卓球渡辺省二郎、石野卓球
合計時間:

楽曲解説

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  1. スネークフィンガー」 - Snake Finger
    2枚目のシングルとしてリリースされた。詳細は「SNAKEFINGER」を参照。
  2. Twist Of The World
    NHK教育テレビの教育番組『まんが日本史』(1992年 - 1993年)のオープニング・テーマとして使用された。本作収録バージョンでは歌詞が変更され、体だけが目的で女と付き合う男の歌になっている。砂原は当時のインタビューにおいて、ライブで本曲のイントロを演奏すると盛り上がると述べている[1]
    エコー&ザ・バニーメンの楽曲「ザ・カッター英語版」(1983年)をサンプリングしている。その為か音楽配信サービスのアルバムでは収録されていない[2]
    間奏に人生時代の楽曲「男の中の男」のメロディが含まれている。
  3. ザ・ケトルマン」 - The Kettle Man
    禿げている人達を題材とした曲である。瀧は本曲について「ほんとにいい曲だと思いますよ」と述べている[1]
  4. 人事を尽くさず天命を待つ」 - Comfortablism
    本曲はギターバンドのような雰囲気を目指して制作したと石野は述べており、ストーン・ローゼズの楽曲「アイ・アム・ザ・レザレクション英語版」(1992年)をサンプリングしたところ見事に調和したと述べている[1]
  5. ドカベン」 - Dokashit
    子供の頃の夢から挫折した人々を題材とした曲。瀧は歌詞の最後に「ドカベン」という言葉が使用されていることを指摘している[1]
  6. Hi-Score
    ゲーマー及びゲームセンターを題材とした曲。石野は本曲がテクノであると述べた上で、テレビゲームは電気グルーヴのテーマの内の1つであると述べている[1]
    9-10-Boyの楽曲「Robocop」(1991年)をサンプリングしているが、卓球がマイク・ヴァン・ダイクと出会ってからダイクの作品であることが発覚し、「訴えないで」と事後承諾を取った。
  7. デマリンピック」 - Demalynpic
    世の中の矛盾している事や、都市伝説をテーマにした曲。本曲では1980年代のオルタナティヴ・ロックインダストリアルからしかサンプリングされていないと石野は述べている[1]
    曲の最後に入る瀧の歌は即興で歌詞をつけて歌ったもの。後に没にされたテイクがニッポン放送ラジオ番組『電気グルーヴのオールナイトニッポン』(1991年 - 1994年)で披露されている。
  8. KARATEKA
    インスト曲。俳優の熊倉一雄がナレーションで参加している。
    YMOの楽曲「ライディーン」(1980年)がテレビ朝日系テレビアニメ『勇者ライディーン』(1975年 - 1976年)に因んで名づけられたことに対抗して、当初の曲名はテレビ朝日系テレビアニメ『機動戦士ガンダム』(1979年 - 1980年)に因んで「ガンダム」とする予定であったが、著作権上の問題により使用できなったと砂原は述べている[1]
  9. March
    当時のインタビューにおいて石野は、テクニック的に向上した「N.O.」(1994年)であると発言したほか[注釈 3]、電気グルーヴの解散を想定して書いた曲であるとも述べている。
    2017年のコンサートツアー「TROPICAL LOVE TOUR」以降のライブではよく披露されており、2018年以降は歌詞もややポジティブに改められた「三月はマーチ」として演奏されている。
  10. Let's Go! 無間地獄」 - Let's Go! Mugen-Jigoku
    XTCをサンプリングしている。普通の家庭で育った子供が、成長していくにつれて悪い方向に道を踏み外していく様を風刺した曲。
    砂原は一生懸命この曲を制作したと述べているが、石野が心の底では本曲を気に入っていないとも述べている[1]
  11. DS Massive
    「DS」とは「土方スピリッツ」の略だが、レコード会社側の自主規制で音声がピー音で消されている。
    石野は本曲について、アルバム『FLASH PAPA』(1991年)収録の「電気ビリビリ」、アルバム『UFO』(1991年)収録の「B.B.E. (Bull Beam Express)」に続くハードテクノ路線の曲であると述べている[1]
    本曲の最後に熊倉一雄のナレーションでこのCDを捨ててもう一枚新しく買えと言うメッセージが入っている。

スタッフ・クレジット

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電気グルーヴ

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参加ミュージシャン

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スタッフ

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  • 安部良一 - ディレクター
  • 上畠基生 - アシスタント・エンジニア
  • 濱口篤 - アシスタント・エンジニア
  • 田中三一 - マスタリング・エンジニア
  • 後藤伸一 - マネージメント
  • スージー甘金+コガネ虫スタジオ - アート・ディレクション、デザイン
  • 今元秀明 - 写真撮影
  • 宇山弥和子 - スタイリング
  • 会田茂一&ミッキー - スペシャル・サンクス
  • CRAZY SKB - スペシャル・サンクス
  • 増渕俊之 (JICC) - スペシャル・サンクス
  • 野田努 - スペシャル・サンクス
  • 野村昌史 (CAJA de MUSICA) - スペシャル・サンクス
  • 詩人の血 - スペシャル・サンクス
  • 岩井政佳 - スペシャル・サンクス

  • 野村祐子 - スペシャル・サンクス
  • 佐藤雅彦 (ONE POINT) - スペシャル・サンクス
  • 真島三夫(東京舞台照明) - スペシャル・サンクス
  • 田中晃一 (HIBINO) - スペシャル・サンクス
  • 島田由夫 - スペシャル・サンクス
  • 間定巳(東京舞台照明) - スペシャル・サンクス
  • 高橋徳富 (ONE POINT) - スペシャル・サンクス
  • マドモアゼル朱鷺 - スペシャル・サンクス
  • 天久聖一 - スペシャル・サンクス
  • SECRET GOLD FISH - スペシャル・サンクス
  • 耳切坊主 - スペシャル・サンクス
  • 宮城健人 - スペシャル・サンクス
  • 近藤進太郎 - スペシャル・サンクス
  • 日出郎 & PINK SODA - スペシャル・サンクス
  • 伊集院光 - スペシャル・サンクス
  • 浅草キッド - スペシャル・サンクス
  • 加藤晋(サウンドマン) - スペシャル・サンクス
  • 赤松裕介 - スペシャル・サンクス
  • 勝島康一 - スペシャル・サンクス

  • 板倉洋行(サウンドマン) - スペシャル・サンクス
  • 椎名基樹 - スペシャル・サンクス
  • 山本圭三 - スペシャル・サンクス
  • 今利光(アフターワークス) - スペシャル・サンクス
  • 関智行 (TAR) - スペシャル・サンクス
  • NEEDLES - スペシャル・サンクス
  • 田中秀幸(アスタリスク) - スペシャル・サンクス
  • ディスクガレージ - スペシャル・サンクス
  • ジェイルハウス - スペシャル・サンクス
  • キョードー大阪 - スペシャル・サンクス
  • キョードー西日本 - スペシャル・サンクス
  • キョードー東北 - スペシャル・サンクス
  • キャンディープロモーション - スペシャル・サンクス
  • WESS - スペシャル・サンクス
  • DETENTE - スペシャル・サンクス
  • 33 - スペシャル・サンクス
  • HEVEN - スペシャル・サンクス
  • 後藤修平 - スペシャル・サンクス

リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1992年10月21日 Ki/oon Sony Records/トレフォート CD KSC2 18 13位
2 1996年3月20日 Ki/oon Sony Records/トレフォート MD KSY2 2012 -

脚注

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注釈

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  1. ^ 初期タイトル案の名残か、『機動戦士ガンダム』からのボイスサンプリングが行われた個所もいくつかある。
  2. ^ スネークフィンガー」と「Hi-Score」などがライブで演奏されることはある
  3. ^ しかしこの時点では「N.O.」はメジャーにおいてはリリースされておらず、インディーズ時代にリリースされたアルバム『662 BPM BY DG』(1989年)に「無能の人 (LESS THAN ZERO)」として収録されていた。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j WHAT's IN? 1993, p. 13- 「SELF LINER NOTES '92 〜1992年のBEST50CD全曲解説〜」より
  2. ^ 井原邦雄 (2020年6月29日). “祝・電気グルーヴ作品復活! ライブやMVを家で楽しめる電気の映像作品徹底ガイド”. Mikiki (タワーレコード). https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/25524?page=2 2020年6月30日閲覧。 

参考文献

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外部リンク

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