あぐり
1997年前期のNHK連続テレビ小説第56作
『あぐり』は、1997年(平成9年)4月7日から10月4日まで放送されたNHK『連続テレビ小説』の第56作。
あぐり | |
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ジャンル | ドラマ |
原作 | 吉行あぐり |
脚本 | 清水有生 |
出演者 |
田中美里 野村萬斎 高嶋政伸 山田純大 馬渕英里何 松原智恵子 田村亮 名取裕子 草笛光子 星由里子 里見浩太朗 |
ナレーター | 堀尾正明 |
時代設定 | 明治40年〜昭和29年 |
製作 | |
制作 | NHK |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1997年4月7日 - 10月4日 |
放送時間 | 15分 |
回数 | 156 |
概要編集
美容家として知られる吉行あぐり[注 1] の実話エッセイをモチーフに展開されたドラマである。
ヒロイン・あぐり(田中美里)の美容師にかける情熱と、それを取り巻く人間関係を、当時の時代背景なども絡ませて描いた。中でも野村萬斎演じるヒロインの夫・エイスケが人気を集めたが、彼が急死する展開は視聴者に衝撃を与え、NHKに助命嘆願(「実は生きていた」という設定にして欲しい、など)が届くほどだったという。
あぐり美容室のモダンな外観は、日本の近代建築史に残る実物に即したものである。ただし戦後に全国チェーン店のオーナーになるといった設定など、多少脚色もある。
1997年の平均視聴率は28.4%、最高視聴率は31.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[1]。全156回。2004年度下半期(2004年9月27日 - 2005年3月25日)にNHK BS2でアンコール放送もされた。
前年度から行ってきた週タイトル(原則、1週間=6話を一つのくくりとしている)に加え、この作品では初めて出演者のナレーション入りによる次週予告が放送された。
2003年、総集編のDVDが発売され、2004年10月20日に完全版のDVDが発売された。
2021年3月29日から、BSプレミアムでアンコール放送の予定。
あらすじ編集
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スタッフ編集
キャスト編集
あぐりの家族編集
- (川村 → )望月( → 林) あぐり(もちづき あぐり)
- 演 - 秋定里穂→田中美里
- 幼いころから美に関心の強い少女だった。姉達や父を相次いでスペイン風邪で亡くし、一家破産。一家の大黒柱を失い、経済的に困窮した事から女学校に通っていた15歳の時に望月家に嫁ぐ。実は結婚前に絵を描いているエイスケと出会っているが、その際彼の絵を「闇夜のカラス」と酷評し、結婚式で夫となる男性と初めて顔を合わせる事になったが、それが「闇夜のカラス」の絵を描いていたエイスケであり、彼に「あの時の闇夜のカラスちゃん」と言われるなど彼に対する第一印象は最悪であった。後に上京して美容師となる。
- 望月 エイスケ(もちづき エイスケ)
- 演 - 野村萬斎
- あぐりの夫。小説家で本名は望月栄助。平気で他の女性とデートを重ねる奔放な夫だが、あぐりに対する良き理解者であり、あぐりが女学校を退学されそうになった際には学校に行き抗議したり、あぐりの美容師活動も応援するなど妻への愛情は深い。吉行エイスケがモデル。
- 望月 淳之介(もちづき じゅんのすけ)
- 演 - 鎌田佳祐→柴田卓也→生田斗真→大根田良樹→山田純大
- あぐりとエイスケの長男で吉行淳之介がモデル。はじめエイスケは「淳」と命名したが、望月組後継者としては弱々しい印象があるので「陽之介」に変えたいという健太郎の意向を汲んで、改めてエイスケが「淳之介」と命名した。戦争に動員されるが、持病の喘息のために無傷で送り返される。後に小説家となる。父とは違って堅い性格。林に対する思いは複雑で、あぐりが林と同居するようになってからは家を出て下宿するようになり、結婚式当日も欠席しようとした(燐太郎の説得により思いとどまる)。
- 望月( → 林) 和子(もちづき かずこ)
- 演 - 新穂えりか→楯真由子→浜丘麻矢→馬渕英里何
- あぐりとエイスケの長女。吉行和子がモデル。林には複雑な思いを抱き、なかなか父親として認めようとはしなかったが、彼女の誕生日の日、森と一緒にチェーホフの芝居を見に行き、夜遅くなった彼女を彼が本気で叱ったことと彼が誕生パーティーの準備をしていたことがきっかけで和解する。またこれがきっかけで女優を志すようになり、後に劇団に入る。
- 望月( → 林) 理恵(もちづき りえ)
- 演 - 碇由貴子→前田未来→藤原まゆか
- あぐりとエイスケの次女。吉行理恵がモデル。父エイスケの記憶がほとんどないため、林に父の面影をダブらせ、再婚には好意的だった。
- 望月 健太郎(もちづき けんたろう)
- 演 - 里見浩太朗
- エイスケの父。岡山で建築業「望月組」を営む。頭が固く、エイスケが小説家になることやあぐりが「奉公に出る(美容師になるために内弟子修業する)」ことには反対だった。しかしこれは彼なりの愛情の表れで、それ故に望月組のために自分の夢を捨てた形となった有造には複雑な思いを抱いている。時が経つにつれ頑固さも薄れ、あぐり美容院建設の土地と資金を提供したり、光代と片桐の交際を認めたりするようになる。戦後は俳句に凝るが、季語を二つ、しかも別々の季節のものを入れてしまう(本人は意に介していない)。一時、東京に出たりもした。林と再婚するつもりなら望月の家から送り出したいとあぐりへ伝えようとした電話の最中、光代とエイスケの後を追うように狭心症の発作で死亡。「春の日にカラスが食べる梅桃(ゆずらうめ)」が遺作となった。その死に世津子も涙した。
- 望月 光代(もちづき みつよ)
- 演 - 星由里子
- エイスケの母。夫・健太郎と不仲になり、東京のエイスケの家に住み、エイスケとあぐりを全面的に後押し。世津子とも仲良くなる。アキの登場により一度岡山へ戻るが、勇造の妻と喧嘩してまた東京に戻り、バイオリニストの片桐からバイオリンを習い、仲良くなる。あぐりと一緒に山梨へ疎開するが、肝臓癌を患って健太郎に引き取られ、岡山で死亡する。
- 望月 勇造(もちづき ゆうぞう)
- 演 - 若林久弥
- エイスケの弟。東京で自動車を作りたいという夢を持っていたが方針転換し、兄に代わり「望月組」を継ぐ。真面目な性格として描かれているが、吉行淳之介によれば、モデルとなった彼の叔父はかなり豪快な人物だったらしい。代替わりしてからは豪快な面が少し描かれている。
- 佐伯 苳子(さえき ふきこ)
- 演 - 磯野貴理子
- エイスケの姉。岡山市内に嫁いでいるが、ちょくちょく実家に帰ってくる。典型的な小姑であぐりに嫌味を言ったり意地悪をすることが多い。出来がいい嫁とは言い難いようで、料理はできない。
- 川村 晃(かわむら あきら)
- 演 - 田村亮
- あぐりの父。弁護士で、あぐりが幼少の頃に病気で他界。生死をさまようあぐりの夢にも登場。最終週では美佐とともに夢の中に登場した。
- 川村 美佐(かわむら みさ)
- 演 - 松原智恵子
- あぐりの母。経済観念にうとく、夫の死後に困窮する主因となる。
- 川村 紀美子(かわむら きみこ)
- 演 - 白鳥夕香
- あぐりの長姉。神戸の繊維問屋に嫁ぐが、程なくしてスペイン風邪で急死。父同様、妹の富美子とともにあぐりの夢にも登場した。
- 川村 富美子(かわむら とみこ)
- 演 - 山崎宏美
- あぐりの次姉。望月家の親戚と婚約中だったが、姉の死から20日後に同じ病で亡くなる。
- 川村 五喜(かわむら いつき)
- 演 - 倉沢桃子→井原由希
- あぐりの妹。岩見に騙されたことがきっかけで他人を信用できなくなり独身を貫いていたが、美佐が亡くなる頃に結婚する。
- 川村 正彦(かわむら まさひこ)
- 演 - 小此木優也→高村祐毅
- あぐりの弟で末っ子。後に京都の大学に入学する。
- 林 晃(はやし あきら)
- 演 - 高嶋政伸
- 吉行あぐりが再婚する辻復がモデル。新聞記者で、民子の知り合いだった。エイスケのファンで、その愛情が高じて彼を誤解し、彼を誹謗する記事を書いてしまったことがある。火事で焼け出されたことがきっかけであぐりの家に息子とともに住み込み、紆余曲折の末、あぐりと再婚。元々は画家志望だったが、それが元で妻の命を縮めたと悔やんで筆を折った過去がある。だがあぐりの勧めで、また絵を描き始める。最終週で絵の勉強のため、あぐりを置いてパリへ旅立った。
- 林 洋介(はやし ようすけ)
- 演 - 後藤拓也
- 林晃の息子。理恵と歳が同じで小学校も同じだった。母の思い出があまりないことから、林とあぐりの再婚を歓迎する。
エイスケの文士仲間編集
- 上原 世津子(うえはら せつこ)
- 演 - 草笛光子
- 文士が集う喫茶店「カフェ・セラヴィ」のマダム。文士を育て、後に雑誌「婦人現代」を創刊する。愛称はせっちゃん。エイスケを支援する。芸者時代に健太郎とも「つきあい」があったが、当の健太郎は岡山での生活(婚約者だった光代)を選んだという過去がある。その後、ある作家と一緒になることを夢見て尽くしたが、彼が有名になった途端に捨てられて金持ちの女性にとられたという過去もある。プロレタリア文学の作家も支援したことで当局から目をつけられ、森潤を逃走させた後、自らも姿を消した。その後は上海へ逃走し、終戦後に帰国。戦争を通じて人間の愚かさを思い知り、エイスケの死もあって文士を育てることからは手を引こうとするが、淳之介の書いた小説を読み、かつての熱情を取り戻す。
- 辻村 燐太郎(つじむら りんたろう)
- 演 - 野村宏伸
- エイスケの文士仲間。ドイツ語もできる。二枚目のためよくもて、チェリー山岡の娘真知子と中村民子から思いを寄せられる。あぐりに好意を寄せていたが、今村つた子と結婚する。淳之介にいち早く文才(というよりはエイスケの姿)を見出し、彼が高校に通っていた頃から指導していた。終戦直後は自分の書いた戦争を鼓舞する作品がある兵士を死に追いやったと自分を責めてスランプに陥っていたが、同じく自分の書いた詩がある人の自殺を思いとどまらせたことを知り、立ち直った。
- 森 潤(もり じゅん)
- 演 - 森本レオ
- エイスケの文士仲間。辻潤がモデル。特高に狙われ上海へ高跳びするも、戦後にいち早く帰国。淳之介と遭遇し、彼を指導する。金には困っているが、たかりの名人。健太郎、エイスケ、淳之介の三人からたかっており、本人曰く「三代からたかった」とのこと。
- 川原 甚八
- 演 - 東根作寿英
- エイスケの文士仲間。プロレタリア作家。
- 高山 ヒロシ(たかやまヒロシ)
- 演 - 秋山武史
- 「カフェ・セラヴィ」のマスター。世津子失踪後も「カフェ・セラヴィ」をギリギリまで守り続けた。そして終戦後にジャズ喫茶として復興させた。
- 鈴音(すずね)
- 演 - 小林恵
- 深川の芸者。エイスケの友人。スズメと呼び間違えられるのが悩みの種。戦後は登場しなかった。
チェリー山岡とその関係者編集
- チェリー山岡(チェリーやまおか)
- 演 - 名取裕子
- 本名:山岡桜子。美容師。あぐりに美容の基礎を教える。戦後もあぐりを手助けしたり支援を求めたりする。山野千枝子がモデル。
- 山岡 真知子(やまおか まちこ)
- 演 - 吉野紗香
- チェリーの娘。仕事優先で自分にかまってくれないチェリーに反発し、あぐりにもチェリーが淳之介にプレゼントしようとしたおふるの靴を燃やすなどの意地悪をする。だが燐太郎を好きになったことをきっかけに心を開き始め、淳之介と離れて暮らすあぐりを見るうちにチェリーへのわだかまりも解ける。そして通いを許されたあぐりに淳之介へのプレゼントの靴を渡して送り出した。
- 山岡 さち
- 演 - 大森暁美
- チェリーの母。
- 山岡 武史
- 演 - 平松卓真
- チェリーの息子。真知子同様の理由であぐりに意地悪をするが、彼女より先にあぐりに心を開く。
- 川田 雪(かわだ ゆき)
- 演 - 多田慶子
- チェリーの弟子。一番弟子で性格は比較的温厚。技術も高い。横浜の支店を任されなかったショックから石坂和子の引き抜きに応じ、チェリーの元を去るが、体よく捨てられ、新橋の焼鳥屋で働くまでに落ちぶれる。そこをあぐりに見つけられ、詫びを入れてチェリーの元へ戻った。戦後はアメリカへ移ったチェリーの店を引き継いだことが、チェリーの口から語られている。
- 市川 和代(いちかわ かずよ)
- 演 - 及森玲子
- チェリーの弟子。雪と一緒に石坂和子のところへ移るが、雪とほぼ同様の経緯でチェリーのところへ戻る。
- 石森 時子(ときこ)
- 演 - こだま愛
- チェリーの弟子。「岡山の隣」の姫路出身。新しい髪型への感性は雪よりも高かったことと石坂和子への対抗策から、銀座山岡美容院の横浜の支店を任せられる。
- 山本 花枝(やまもと はなえ)
- 演 - 洪仁順
- チェリーの弟子。時子とともに横浜の支店に移ることになる。
- 岩崎千代子(いわさき ちよこ)
- 演 - 吉本多香美
- チェリーの弟子。チェリーの家ではあぐりと同室。あぐりが独立する直前に郷里の北海道で縁談話が持ち上がり、それを機に退職する。
- 沢田 稔(さわだ みのる)
- 演 - 中条きよし
- チェリー山岡の「支援者」。戦後もチェリーとの関係は続き、市ヶ谷の土地を担保にあぐり美容院再開資金を出資するなど、チェリーとあぐりに関わっていく。
- 石坂 和子(いしさか かずこ)
- 演 - 高橋ひとみ
- アメリカ帰りの美容師でチェリー山岡のライバル。
- 長堀 喜美子(ながぼり きみこ)
- 演 - 岩本多代
- 山岡美容院の客。実は小説家・長堀シュンスケの妻。
あぐり美容院 → 光美堂の関係者編集
- 中野(大久保)辰子(なかの(おおくぼ)たつこ)
- 演 - 鈴木砂羽
- チェリーの弟子。チェリーからの「開店祝い」であぐり美容院に移籍し、あぐりの右腕となる。あぐりとは違ってしっかり者。それゆえ、あぐりのマイペースぶりに呆れることも多い。後に結婚し、戦地に行った夫の子供を妊娠したことが判明するが、その直後に南方で夫が戦死する。
- 太田 とめ(おおた とめ)
- 演 - 細川ふみえ
- あぐりの最初の弟子。家出して父親(演 - 石井愃一)に追いかけられてあぐり美容院に駆け込んだことがきっかけで美容師に興味を持ち、そのまま弟子入りした。辰子より2つ年上。仕事は丁寧だが時間がかかり過ぎるのが欠点。のんびりした性格だが人を和ませる。戦局の悪化によりあぐり達を連れて実家に帰り、戦後は幼馴染みの冨士雄と結婚。山梨の実家が経営するブドウ農園を手伝う。他に姉がいるが、彼女はあぐりに様々な意地悪をした。
- 本谷(太田)冨士雄 (ふじお)
- 演 - 小西博之
- とめの幼馴染。初登場時は40歳くらい。妻に先立たれ、独りで三人の子供を育てている。とめに好意を抱いており、戻ってきたとめと疎開してきたあぐり達の面倒もみた。後にとめと結婚する。
- 安田(木村)沢子(やすだ(きむら)さわこ)
- 演 - 三浦理恵子
- あぐりの弟子。静岡出身。弟子入り時は未成年で病気の父と姉がいた。元々は盗みの常習犯で、有名人のところに「弟子入り」しては盗みを繰り返していた。あぐり美容院でも盗みを働くが、あぐりが被害届を出さずに彼女をかばい、さらに髪をきってあげたことにより改心し、改めて弟子入りする。盗みの被害に遭った鈴音や既にあぐり美容院に移籍していた辰子は猛反対したが、世津子は彼女にマッサージをさせることで彼女の意志を認め、弟子入りを後押しした。ちなみにあぐりの前に現れたのはとめより早いが、一度警察に捕まった後、とめが弟子入りした後で正式に弟子入りしたため、二番弟子の扱いとなっている。戦後はいち早く復帰し、主任として活躍。千花のことで頭を痛める。
- 木村 県一
- 演 - 尾崎英二郎
- 沢子の恋人。召集を前にプロポーズをするかどうか迷っていたが、あぐり美容院が取り壊される直前にプロポーズ。あぐり美容院で結婚式をあげ、沢子を自分の実家に疎開させた。だが戦死した。
- 生田 千花(いくた ちはな)
- 演 - 麻生かおり
- あぐりの弟子。終戦直後に弟子入りした。あぐりのお客様の血縁で、その人のたっての頼みで弟子入りした。民主主義を勘違いしているところがあり、弟子入り直後は様々な騒動を起こした。
- 佐藤 弘子(さとう ひろこ)
- 演 - 沢村亜津佐
- 千花の後に入ったあぐりの弟子。
- 経理課長
- 演 - 高村尚枝
- あぐりが沢田の後押しで始めた美容院のチェーン店光美堂(こうびどう。光代と美佐から一字ずつ取った)の経理課長。
淳之介の仲間編集
- 池田 諒子(いけだ りょうこ)
- 演 - 小倉星羅→大路恵美
- 淳之介の小学校時代の同級生で学校のマドンナ。鎌倉へ引っ越して一度は淳之介と別れる。実は片桐の妹の孫でピアノを片桐から習っていた。安吉が出征の際に、彼のためにF・ショパンの『別れの曲』を演奏し聴かせた。高校生の時に片桐の家で淳之介と再会し、付き合うようになる。音楽大学に進学してからは国分寺に下宿している。戦後はジャズバンドに入り、演奏活動を行なう。終戦直前に淳之介と一度は別れていたが、ジャズ喫茶となったカフェ・セラビで再会することになる。
- 岩本 尚久(いわもと なおひさ)
- 演 - 西翔平→宮沢祐輔→関口知宏
- 淳之介の親友。諒子が好きで、小学生の時に淳之介にラブレターの代筆を頼んだが、皮肉にも、これが諒子と淳之介接近のきっかけとなってしまう。もっとも、彼自身は諒子の眼中にはなかった様子。本人に悪気はないようだが卑怯なところがある。理工系のため召集されず、軍関係の研究所に勤務。様々な情報を聞きつけては淳之介に伝えた。戦後は実家の建築業を継ぐ。
- 福沢 南(ふくざわ みなみ)
- 演 - 松田聡也→宮本大輝→池内万作
- 小学校からの淳之介の親友。召集されたが房総の部隊に配置されたため無事に終戦を迎えた。戦後は弁護士になる。
- 安吉(やすきち)
- 演 - 坂本修聡→小磯勝弥
- 諒子の幼馴染。子供の頃は乱暴者だったが、諒子のために人形の家を作ってやるなど優しい一面もある。諒子へのラブレター代筆騒動で淳之介とも仲良くなるが、諒子が引っ越した直後に宮大工になるために新潟へ修業に行く。淳之介とは恋のライバルであったが、諒子の淳之介への思いに気づいており、彼に諒子を託して出征。その半年後に戦死する。
望月組関係者編集
- 磯部(いそべ)
- 演 - 山本晋也
- 「望月組」の幹部。経理担当。健太郎の死がきっかけで認知症になってしまう。
- 伊沢 妻五郎(いざわ つまごろう)
- 演 - 苅谷俊介
- 「望月組」の幹部。建築現場の指揮担当。いかつい顔のため、健太郎の指示で光代を連れ戻しに東京に出た時は押し売りに間違えられるなどの騒動が起きた。
- しお
- 演 - 梅沢昌代
- 望月家の女中頭。
- かよ
- 演 - 青木麻由子
- 望月家の奉公人。勇造に恋していたが、仕事に身が入らず、農家へ嫁ぐことになる。
- アキ
- 演 - 一色彩子
- 光代が家を出てから入った女中。未亡人で健太郎は彼女を気にいっている。これを察知した光代が岡山に戻ることになる。
- 千吉(せんきち)
- 演 - 峰野勝成
- 勇造への代替わり後に入った「望月組」の男衆。
岡山の人達編集
- 中村(五十嵐)民子(なかむら(いがらし)たみこ)
- 演 - 笹峰愛
- あぐりの親友。エイスケの大ファンで、あぐりがエイスケと結婚することを知ると怒って絶交してしまうが、妊娠して学内で孤立したあぐりを助けて友情が復活する。後に軍人と結婚して東京に出たが、燐太郎への片思い、別居を経て二・二六事件の朝に夫が自決し、岡山へ帰った。夫と別居した頃から「婦人現代」編集の仕事を手伝っていた。岡山に帰ってからは新聞記者をしていたが、戦後に世津子の依頼で「婦人現代」編集長に就任。淳之介を厳しく指導する。
- 山神 鶴子(やまがみ つるこ)
- 演 - 山田邦子
- あぐりの担任の教師。英語担当。体面を重んじ、あぐりの行動にすぐ目くじらを立てる。ズレをなおそうとメガネに手を添えるクセがある。あだ名はヤマンバ。あぐり退学時に、生まれてくる子供のために、と英語の辞書を餞別として渡す。戦後は、淳之介が勤める女学校の校長となり、淳之介の男女関係が問題となった時、あぐりと再会。淳之介を擁護するが、同時に教師よりも向いた仕事があることも見抜き、さらには美容院を再開するかどうか悩んでいたあぐりを励ます。
- 津島(つしま)
- 演 - 佐々木功
- あぐりが通う岡山女子高等学校の教師。山神と違って進歩的であぐりの行動にも肯定的。
- 岡山の警察署長
- 演 - 水野晴郎
- 岩見(いわみ)
- 演 - 斉藤晴彦
- 元はあぐりの父晃の知り合いだったが美佐からお金をだまし取って失踪。その後、エイスケの前に現われて同じように昆布相場の話を持ちかけて詐欺を働こうとするが美佐と遭遇したことによりそのことが発覚。これをきっかけに改心し、美佐からだまし取った分とエイスケが損を出した分を昆布相場で儲けてお金を返す。
東京の人達編集
- 岩渕 うめ(いわぶち - )
- 演 - 菅井きん
- エイスケの東京での住居の隣人。春子の姑。典型的な下町気質で、あぐり一家が市ヶ谷のあぐり美容院へ転居するまで、ちょくちょく覗き見しては世話を焼いていた。
- 岩渕 春子(いわぶち はるこ)
- 演 - 川俣しのぶ
- うめの嫁。夫が大工職人をやっている。うめとはよく悪口を言い合っている。
- 平山 真佐子(ひらやま まさこ)
- 演 - 吉行和子
- 作家。あぐり美容院の客。伯爵夫人の横入りも許さなかったあぐりを気にいり、常連となる。世津子とも面識がある。余談だが、二人目の子供(望月和子)を妊娠したあぐりに「次は女の子だと思うわ。」と言うお遊びのシーンがある。
- 綾小路 貴子(あやのこうじ たかこ)
- 演 - 西田ひかる
- 令嬢。あぐり美容院の客。
- 大澤 祥子(おおさわ さちこ)
- 演 - 津島恵子
- 綾小路貴子おつきの女性。
- 鳥海 三津子(とりうみ みつこ)
- 演 - 林真理子
- あぐり美容院の客。
- 今村(辻村)つた子(いまむら(つじむら)つたこ)
- 演 - 麻乃佳世
- 新聞記者。燐太郎と結婚する。燐太郎のあぐりへの思いには気づいていた。
- 質屋の主人
- 演 - 横山あきお
- 銀座の警察官
- 演 - 津村鷹志
- 警察官
- 演 - 高橋克実
- あぐり美容院からものを盗んだ沢子を連行してあぐり美容院へやってくる。
- 佐々木
- 演 - 尾藤イサオ
- 墓石屋で森の友人。広告を出すことを条件に婦人現代創刊時に1万円出資した。
- 片桐 真二郎(かたぎり しんじろう)
- 演 - 中山仁
- 光代のヴァイオリンの先生。淳之介の通う小学校のそばで教室を開いている。妻に先立たれた彼は光代との交際を健太郎に申し出る。上述の通り、諒子と淳之介再会のきっかけも作った。だが空襲により死亡。光代はショックを受けて無口になるが、生前にレコードを健太郎に送っており、それを健太郎に見せてもらい励まされたことにより、再び元気を取り戻した。
- 緑川 靖子(みどりかわ やすこ)
- 演 - 中川安奈
- エイスケの死後に発覚した愛人。エイスケの子供も妊娠していた。当初はあぐりの世話にはならないとしていたが、最終的にはあぐりからのお金を受け取り、パリへ旅立った。
- 編集者
- 演 - 木村靖司
- 文芸部長
- 演 - 長克巳
- 大徳寺 喜久(だいとくじ きく)
- 演 - 角替和枝
- 隣組班長。あぐり美容院を訪れては散々嫌味を言う。実は尚久の知り合いで、ビルマで息子が戦死していた。
- 野々村 美和子(ののむら みわこ)
- 演 - 床嶋佳子
- 淳之介と尚久の下宿先の大家。三鷹在住で元々は尚久だけが投宿していた。大学があるため、疎開したあぐり達と別れた淳之介が入居した前日に夫の戦死の報せが入り、若くして戦争未亡人となる。そして淳之介に接近し、諒子と淳之介の別れの遠因になる。
- 三枝 稔(さえぐさ みのる)
- 演 - 高山広
- 諒子のバンド仲間。淳之介と再会した頃、諒子は彼と同棲していた。音楽の芸術性をわかろうともしない客の前で演奏することに疑念を抱き、荒んだ生活を送るようになった。
- 土屋デスク
- 演 - 螢雪次朗
- 社会部時代の林の上司。
その他編集
- 雪江(ゆきえ)
- 演 - 江口由起
- 望月健太郎(演 - 里見浩太朗)がお気に入りの遊女。エイスケとも友人。エイスケは雪江のいる遊郭で感性の刺激を受け、執筆活動に励んだ。
- 高田萠子(たかだもえこ)
- 演 - 和泉ちぬ
- 列車の中で男(演 - 石塚英彦)に絡まれたあぐりを助けた婦人。あぐりに色々と忠告し、宝石のついた指輪をプレゼントするが、実はかみそりお京という名のスリで相棒の韋駄天の銀次(あぐりに絡んだ男)と組んであぐりから全財産をすりとってしまった。
- 石川あさ子(いしかわ あさこ)
- 演 - 大島蓉子
- とめの姉。東京から疎開してきたあぐりを快く思わず、様々な意地悪をする。とめ曰く、子供の頃から意地悪だったらしい。また夫に隠れて浮気しているのをとめに目撃されてもいた。
- その他
- 演 - 村上冬樹、沼崎悠、木村多江、下村恵里、愛禾みさ、松田真知子、下村彰宏、伊藤眞、猪又太一、大竹竜二、田中さゆり、金澤江美、山梨ハナ、古川慎、春延朋也、山上賢治、高井純子
ほか
放送日程編集
放送週 | 放送日 | サブタイトル | 次回予告のナレーション |
---|---|---|---|
第 | 1週1997年4月 | 7日 - 4月12日花嫁は15歳 | 望月あぐり:田中美里 |
第 | 2週1997年4月14日 - | 4月19日エイスケの秘密 | しお:梅沢昌代 |
第 | 3週1997年4月21日 - | 4月26日謎の女 | 望月勇造:若林久弥 |
第 | 4週1997年4月28日 - | 5月 3日親の心 | 磯部:山本晋也 |
第 | 5週1997年5月 | 5日 - 5月10日赤ちゃん誕生 | 辻村燐太郎:野村宏伸 |
第 | 6週1997年5月12日 - | 5月17日はじめての東京 | 岩渕春子:川俣しのぶ |
第 | 7週1997年5月19日 - | 5月24日夢は美容師 | 佐伯苳子:磯野貴理 |
第 | 8週1997年5月26日 - | 5月31日内弟子1年生 | 山本花枝:洪仁順 |
第 | 9週1997年6月 | 2日 - 6月 7日先生の醜聞(スキャンダル) | 鈴音:小林恵 |
第10週 | 1997年6月 | 9日 - 6月14日父の背中 | 中野辰子:鈴木砂羽 |
第11週 | 1997年6月16日 - | 6月21日噂の断髪(ショートヘア) | 伊沢妻五郎:苅谷俊介 |
第12週 | 1997年6月23日 - | 6月28日でっかいお年玉 | 岩崎千代子:吉本多香美 |
第13週 | 1997年6月30日 - | 7月 5日美容院開店 | 安田沢子:三浦理恵子 |
第14週 | 1997年7月 | 7日 - 7月12日母からの贈りもの | 望月淳之介:鎌田佳祐 |
第15週 | 1997年7月14日 - | 7月19日男と女の間には | 川村五喜:井原由希 |
第16週 | 1997年7月21日 - | 7月26日別れの曲 | 五十嵐民子:笹峰愛 |
第17週 | 1997年7月28日 - | 8月 2日受験生の母 | 望月エイスケ:野村萬斎 |
第18週 | 1997年8月 | 4日 - 8月 9日エイスケ死す | 太田とめ:細川ふみえ |
第19週 | 1997年8月11日 - | 8月16日淳之介の初恋 | 高山:秋山武史 |
第20週 | 1997年8月18日 - | 8月23日さよなら東京 | 岩本尚久:関口知宏 |
第21週 | 1997年8月25日 - | 8月30日母と子の暑い夏 | 望月光代:星由里子 |
第22週 | 1997年9月 | 1日 - 9月 6日夢ふたたび | 福沢南:池内万作 |
第23回 | 1997年9月 | 8日 - 9月13日立ち直る力 | 望月淳之介:山田純大 |
第24週 | 1997年9月15日 - | 9月20日最後の親孝行 | 望月和子:浜丘麻矢 望月理恵:前田未来 |
第25週 | 1997年9月22日 - | 9月27日人生は冒険旅行 | 林あぐり:田中美里 |
第26週 | 1997年9月29日 - 10月 | 4日素晴らしき日々へ |
総集編編集
放送回 | サブタイトル |
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第1回 | 花嫁は15歳 |
第2回 | 夢は美容師 |
第3回 | 別れの曲 |
最終回 | 素晴らしき日々へ |
受賞歴編集
- 第15回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- 助演男優賞(野村萬斎)
脚注編集
注釈編集
出典編集
外部リンク編集
NHK 連続テレビ小説 | ||
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あぐり
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