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ウエスト・サイド物語

ウエスト・サイド物語』(ウエスト・サイドものがたり、West Side Story)は、アーサー・ローレンツ脚本、レナード・バーンスタイン音楽、スティーヴン・ソンドハイム歌詞のブロードウェイミュージカル。原案ジェローム・ロビンズ1957年初演。『ウエストサイドストーリー』とも呼ばれる[1]

シェイクスピア戯曲ロミオとジュリエット』に着想し、当時のニューヨークの社会的背景を織り込みつつ、ポーランド系アメリカ人プエルトリコ系アメリカ人との2つの異なる少年非行グループの抗争の犠牲となる若い男女の2日間の恋と死までを描く。

1961年に映画化された(ウエスト・サイド物語 (映画) を参照)。

目次

あらすじ編集

第1幕編集

ニューヨークのウエスト・サイド。午後5時。ポーランド系アメリカ人の少年非行グループ「ジェッツ」(ジェット団)と、新参のプエルトリコ系アメリカ人の少年非行グループ「シャークス」(シャーク団)は、なわばりを巡って対立している。今日も2グループの間で争いが起きるが警官の呼子笛の音に止められる(“Prologue”「プロローグ」)。クラプキ巡査シュランク警部補が現れて少年たちに説教をして帰っていく。

ジェッツのリーダー・リフはシャークスとの関係をはっきりさせるために決闘しようと言い出し、ジェッツのメンバーが賛成する。ついては決闘についての取り決めをシャークスとする必要があり、リフは自分の副官にトニーを選ぶ。メンバーは初めトニーはもう抜けたと反対するが、リフは(海兵隊のように)「一度ジェッツになったら死ぬまでジェッツだ」と歌う。メンバーもついには了解し、夜に中立地帯である体育館で行われるダンスパーティでシャークスのリーダー・ベルナルドに決闘の申し込みをすることにし、全員で「ジェッツが一番だ」と歌い踊る(“Jet Song”「ジェット・ソング」)。

午後5時半。ドックの経営するドラッグストアで働くトニーに、リフがパーティに来るよう頼んでいる。追い払おうとするトニーはなぜジェッツに興味を失ったのか聞かれ、ここ一月何かが来るのを予感して毎晩目が覚めること、その何かを楽しみにしていることを語る。せがむリフに遂に折れ、トニーはパーティに行くことにする。後悔するだろうと言うトニーにリフがそれはわからない、ダンスでその何かがまっているかもしれないと言って去っていくと、トニーはその言葉を受けて、素晴らしい「何か」が確かに今晩来るかもしれない、と歌う(“Something's Coming”「何かが起こりそう」)。

6時。ブライダルショップ。アニタマリアコムニオン用の白いドレスをパーティ・ドレスに作り替えている。マリアが胸元をもう少し広げるように頼むが、アニタはベルナルドとの約束を持ち出して聞かない。セリフからマリアがチノと結婚するために合衆国に来てまだ一月であることがわかる。完成したドレスをマリアが着たところにベルナルドとチノが現れる。マリアが「今夜が私のアメリカの若い女性としての人生の始まり」と言って回り出すのをきっかけに場面転換。

夜10時。体育館のダンスパーティーでジェッツとシャークスが踊っている。グラッド・ハンドとクラプキが現れ、2つのグループを一緒に踊らせようとするが失敗し、マンボのリズムに乗ったダンス合戦になる。その渦の中に現れたトニーはマリアと出会い、2人は瞬く間に恋に陥る。唇を交わそうとしたところにベルナルドが妹に近付くなと現れ、チノにマリアを連れて帰るよう命じる。帰っていくマリアにチノが「さあ、マリア」と声をかけたのを聞き、トニーは彼女の名を知る。トニーに迫ろうとするベルナルドにリフが割り込み、一時休戦とドラッグストアでの話し合いを約束する(“The Dance at the Gym”「体育館でのダンス」)。トニーは一人夢見心地で、マリアの名を幾度も口にして称える(“Maria”「マリア」)。

11時。トニーは裏路地でマリアを探しまわり、建物上階の窓に彼女を見つける。2人は彼女の家の非常階段で互いの気持ちを確かめあう(“Tonight”「トゥナイト」)。別れ際に翌日の夕方にマリアの働くブライダルショップで会う約束を交わす。

トニーと入れ替わりにシャークスの面々が帰ってくる。マリアをコントロールしようとするベルナルドに、ここは女性も自由に楽しめる国アメリカだとアニタは言う。話題はトニーに及び、移民2世でもアメリカ生まれである故に「アメリカ人」の彼と「外人」扱いの自分たちの境遇の違い、アメリカに来た時の期待、プエルトリコへ帰って錦を飾る希望を彼らは語る。アニタに促され、ベルナルドは少年たちを率いてドックの店へ向かう。そんなに故郷がいいんなら帰ればというアニタをきっかけに、美しい故郷を懐かしむロザリアと、故郷を嫌悪しアメリカを称える他の少女たちが歌いあう(“America”「アメリカ」)。

12時。ドラッグストアでシャークスを待つジェッツ。興奮したメンバーにリフは「落ち着け、クールに振る舞え」と歌う(“Cool”「クール」)。シャークスが現れ、決闘の条件の話し合いが始まる。翌日、高速の高架下まで決まり、武器で揉めている最中、入ってきたトニーの提案で一対一の素手を決定し、ジェッツからはディーゼルが選ばれる。シュランクが現れ、ギャング団たちは去る。シュランクは決闘について聞き出そうとするがドックとトニーは口を割らない。シュランクが去った後、トニーはドックに自分が恋に落ちたことを話す。

翌日午後5時半、ブライダルショップ。マリアがアニタを先に帰そうとしているとトニーが現れる。アニタが去った後、マリアはトニーに素手であろうと争うのはよくないと決闘の場へ行ってやめさせるよう約束させる。それから2人は結婚式の真似事をしてお互いの愛を再確認する(“One Hand, One Heart”「ひとつの心」)。

6時。ジェッツとシャークスのメンバーは今夜の決闘を、アニタは決闘後のベルナルドとのデートを、そしてトニーとマリアは夜の再会を心待ちにする思いをそれぞれ歌う(“Tonight (Quintet)” 「トゥナイト(クインテット)」)。

9時。高速道路の高架下で決闘が始まる。遅れて現れたトニーは決闘をやめさせようとするがうまくいかず、ベルナルドのトニーへの嘲笑に逆上したリフが手を上げ、ベルナルドとリフはナイフを持ち出して争い出す。リフはベルナルドを追い詰めるが、押さえつけるディーゼルの手を振り払い止めに入ろうとしたトニーに気を取られた一瞬の隙に、ベルナルドがリフを刺し、トニーもリフのナイフでベルナルドを刺す。乱闘となるが、警察の笛の音、続くサイレン音に少年たちは殺された2人とトニーを残して散る(“The Rumble” 「決闘」)。マリアの名を呼び立ち尽くしているトニーを戻ってきたエニバディズが我に返らさせ、2人も逃げていく。

第2幕編集

9時15分。部屋でコンスェーロ、ロザリアが決闘後のデートに向けて身支度をしていると、同じく着飾ったマリアが現れ、決闘はない、今夜は私の結婚式と告げる。私はなんてかわいいんでしょうと弾けるよろこびを歌う彼女をコンスェーロたちは怪しむ(“I Feel Pretty”「素敵な気持ち」)。

そこに決闘から逃げてきたチノが現れ、決闘の経緯を語り始める。ベルナルドについて話そうとするチノを遮ってマリアがトニーの安否を尋ねるとチノは凍りつき、そして「やつが君の兄さんを殺した」と伝える。マリアは嘘だと叫びながら自室にこもり、チノは家具の後に隠されたベルナルドの銃を懐にしまい部屋を去る。マリアが自室の処女マリア像に祈りを捧げているとトニーが現れる。マリアは人殺しと罵り叩くが、トニーが言い訳の中で警察に行くと口にすると、それをとめる。トニーがどこか遠くへ連れて行くよ、どこかに僕たちの居場所があるはずさと歌うと、皆が仲良く暮らす夢の世界が現れて2人を包む。オフステージの女声が皆が仲良く暮らせる世界がどこかにある、そこへ行こうと歌う(“Somewhere” 「どこかへ」)。しかし美しい世界が崩れ始め、ベルナルドとリフが現れ、恋人たちは引き裂かれる。2人は現実世界に引き戻され、不安を追い払うように「私の手をとって、もうすぐそこ」と歌の最後の節を繰り返す(“Procession and Nightmare” 「行列と悪夢」)。

10時。決闘の場から散った後再会できたA-ラブベイビー・ジョン。市警のクラプキ巡査と出くわしてしまい、決闘についての訊問をかわそうとしてしょっ引かれそうになるが上手く誤魔化して追い払う。他のジェッツの仲間たちと合流し、自分たちを人間扱いしない警察やたらい回しにする役所の物真似に絡めて、自分たちが不良になったのは家庭環境や社会のせいと歌う(“Gee, Officer Krupke” 「クラプキ巡査どの」)。エニバディズが現れ、チノがトニーの命を狙っていることを知らせる。ジェッツたちは手分けしてトニーを探し出すことを決めて散る。

11時半。マリアの寝室のベッドでは恋人たちが寝ている。アニタが現れ、トニーはドックの店で会うことを約束して窓から逃げる。トニーがいたことに気付いたアニタは、自分の恋人でありマリアの兄であるベルナルドを殺したトニーのような男など忘れろとマリアに言うが(“A Boy Like That” 「あんな男」)、結局はマリアのトニーに対する愛情の強さに2人の関係を認め、チノがトニーを探していることを教える(“I Have Love” 「私は愛している」)。シュランクがマリアの事情聴取に訪れ、アニタはマリアの頼みを受け入れ彼女が遅れることを伝えるために渋々ながらドラッグストアへ向かう。

11時40分。ドックの店ではジェッツが集まり、ドックとトニーは地下にいる。そこへアニタが訪れ、ドック、更にはトニーに会わせるように頼むが、アニタを信じない少年たちは彼女をからかい、辱めはじめる。すんでのところでドックが現れ、驚いて少年たちを叱りつけるが、怒りに燃えるアニタは「マリアはチノに殺されたとあんたらの友人に伝えな」と嘘を言って去る(“Taunting Scene” 「あざけりの場面」)。11時50分。アニタの嘘を本当だと思い込んだドックは、地下室に匿っているトニーにその話を伝える。自暴自棄になったトニーは店の外へ出てチノを呼び、僕も殺せと叫びまわる。

12時。チノを呼び回るトニーをエニバディズが止めようとするがトニーは聞かない。と、影の中からトニーはマリアの姿を見つけ、駆寄ろうとするが、その瞬間チノの銃弾に斃れる。倒れたトニーを抱くマリアのもとへジェッツ、シャークスの双方が駆けつける。トニーが自分の信が足りなかった、ここでは2人は一緒にさせてもらえないといい、マリアはどこかへ行こうと答える。2人は “Somewhere” の一節を歌うが、トニーはマリアの腕の中で息を引き取る。マリアはしばし歌い続けようとするも現実を悟り、トニーの体を地面に置く。アクションがチノに近付こうとするがマリアはこれを制し、チノから拳銃を取り上げ、ジェッツやシャークスの面々に銃口を向け「みんなが彼を殺したのよ。兄さんもリフも」と叫び、今や憎しみを抱いた自分も人を殺せるのだ、一発を自分に残してと言うが引き金を引くことはできずその場に泣き崩れる。シュランクが現れトニーの遺体に近付こうとすると、マリアは遺体に飛びついて触らせず、トニーに接吻をする[2]。ベイビー・ジョンが地面に落ちたショールを拾ってマリアの頭にかけ、ジェッツとシャークスのメンバーが共にトニーの遺体を運び、葬列のように皆がそれに続く。遂にマリアも立ち上がり、頭を高く上げて列の最後に続いて退場し、大人たちだけが舞台になすすべなく取り残される。

その後 トニーの死後、ドックの店を継ぐためにアクション、アイス、チノ、ぺぺがアルバイトとして働く。

登場人物編集

白人非行グループ「ジェット」編集

リフ (Riff)
ジェットのリーダー。勢いがある一方で、賢くやや風変わり。叔父と住むのが嫌なため、ジェットを共に結成したトニーの家に居候している。「ロミオとジュリエット」のマキューシオにあたる。
トニー (Tony)
ポーランド系アメリカ人。ジェットをリフと共に作った。現在はドックの店で真面目に働いている。劇中、本名は「アントン」とマリアに告げる場面があり、またベルナルドのセリフに母がポーランドからの移民だとある。「ロミオとジュリエット」のロミオにあたる。アーサー・ローレンツは当初トニーの設定をシチリアンにするつもりであったが、脚本を作成する段階で現代アメリカの事情に合わせるためポーランド系に変更した[1]
アクション (Action)
メンバー中で一番攻撃的で、怒りっぽい。
ディーゼル (Diesel)
リフの副官的存在。大柄で、落ち着きがある。
A-ラブ (A-Rab)
明るくすべてをふざけてとらえようとする性格。
ベイビー・ジョン (Baby John)
ジェットの一番若いメンバーで背伸びをしようとまだ必死である。A-ラブと仲がいい。劇中漫画『スーパーマン』を読み、A-ラブともに心酔していることを窺わせる。
スノーボーイ (Snowboy)
めがねをかけた自称エキスパート。
ビッグ・ディール (Big Deal)
ジーター (Gee-Tar)
以下は脚本上のセリフがない役。
マウスピース (Mouthpiece)
タイガー (Tiger)
ジョイボーイ(joy boy)

ジェットの女編集

グラジェラ (Graziella)
リフの恋人。自信家。
ヴェルマ (Velma)
アイスの恋人。若くてセクシー。天然で抜けているところがある。
ミニー (Minnie)
以下2人は脚本上のセリフがない役。
クラリス (Clarice)
ポーリーン (Pauline)
エニィボディズ (Anybodys)
ジェッツの団員になりたがっている男勝りの少女。ジェッツの面々からは邪魔者扱いされている。「ロミオとジュリエット」のロミオの召使いバルサザーにあたる部分がある。

プエルトリコ系アメリカ人非行グループ「シャーク」編集

ベルナルド (Bernardo)
シャークのリーダー。ハンサムでプライドが高い。「ロミオとジュリエット」のティボルトにあたる。
マリア (Maria)
ベルナルドの妹。まだ幼さが残り、とても愛らしい。ブライダルショップでお針子をしている。「ロミオとジュリエット」のジュリエットにあたる。ローレンツの当初の構想ではユダヤ系アメリカ人であったが、後に脚本を作る段階で現代の事情に合わせるためプエルトリコ系アメリカ人と設定変更された[2]
アニタ (Anita)
ベルナルドの恋人。鋭く、利口でセクシー。「ロミオとジュリエット」のジュリエットの乳母にあたる部分がある。
チノ (Chino) [3]
マリアの婚約者。シャイで優しい青年。「ロミオとジュリエット」のパリスにあたる部分がある。
ペペ (Pepe)
ベルナルドの副官。
インディオ (Indio)

以下は脚本上のセリフがない役。

ルイス (Luis)
アンクシャス (Anxious)
ニブレス (Nibbles)
ジュアノ (Juano)
トロ (Toro)
ムース (Moose)

シャーク団の女編集

ロザリア (Rosalia)
インディオの恋人。あまり賢いとは言えない。
コンスェーロ (Consuelo)
ペペの恋人。
テレシタ (Teresita)
以下4人は脚本上のセリフがない役。
フランチスカ (Francisca)
エステラ (Estella)
マルガリータ (Margarita)

大人たち編集

ドック (Doc)
ドラッグストアの店長でトニーの雇い主。ろくな親がいないジェッツの少年たちにとってただ一人の理解者であり、彼らに非行を止めスポーツなどをするよう勧めるが、ドックの若かった頃とは違うと少年たちには聞き入れられない。「ロミオとジュリエット」のローレンス修道士にあたる部分がある。リフの死後、少年達の更生のため奮闘する。
シュランク警部補 (Lt. Schrank)
ニューヨーク市警察ウエスト・サイド分署の警部補。非行少年たちの抗争に悩まされており、プエルトリカンを快く思っていないためシャークスを特に嫌う。交通課へ格下げされることを恐れている。
クラプキ巡査 (Officer Krupke)
ウエスト・サイド分署の巡査部長。シュランクの腰巾着的存在。高慢な上、四角四面で融通の利かない性格。保身的な人物でジェッツの少年からはシュランク以上に嫌われている。
グラッド・ハンド (Glad Hand)
ダンスパーティのお目付け役。30歳前後の男性。

楽曲編集

第1幕
  1. Overture (序曲)(作曲者自身は序曲を作曲しておらず、出版楽譜にも含まれない。)
  2. Prologue (プロローグ)
  3. Jet Song (ジェットソング):リフ、アクション、ベイビー・ジョン、A-ラブ、ビッグ・ディール、ジェッツ
  4. Something’s Coming (何か起こりそう):トニー
  5. The Dance at the Gym (体育館でのダンスパーティ)
    1. Blues (ブルース)
    2. Promenade (プロムナード)
    3. Mambo (マンボ)
    4. Cha-cha (チャチャ)
    5. Meeting Scene (出会いのシーン):マリア、トニー
    6. Jump (ジャンプ)
  6. Maria (マリア):トニー
  7. Tonight (トゥナイト、Balcony Scene とも):マリア、トニー
  8. America (アメリカ):アニタ、ロザリア、シャークスの女たち
  9. Cool (クール):リフとジェッツ
  10. One Hand, One Heart (ひとつの心):トニー、マリア
  11. Tonight (Quintet) (トゥナイト):リフとジェッツ、ベルナルドとシャークス、アニタ、トニー、マリア
  12. The Rumble (決闘)
第2幕
  1. I Feel Pretty (アイ・フィール・プリティ):マリア、女の子たち
  2. (Somewhere)
    1. Ballet Sequence (バレエ):トニー、マリア
    2. Transition to Scherzo (スケルツォへの変容)
    3. Scherzo (スケルツォ)
    4. Somewhere (どこかへ):ある女の子
    5. Procession and Nightmare (行列と悪夢):トニー、マリア、全員のコーラス
  3. Gee, Officer Krupke (クラプキ巡査どの):アクション、スノーボーイ、ディーゼル、A-ラブ、ベイビー・ジョン、ジェッツ
  4. A Boy Like That/I Have Love (あんな男に〜私は愛している):アニタ、マリア
  5. Taunting Scene (あざけりの場面)
  6. Finale (フィナーレ):マリア、トニー

楽器構成編集

上演編集

ブロードウェイ初演編集

1957年8月20日にワシントンD.C.でトライアウト(試験興行)として初演、フィラデルフィアでのトライアウトを経て、同年9月26日にマンハッタンウィンター・ガーデン・シアターでブロードウェイ初演が行われた。演出・振り付けはジェローム・ロビンズで、この上演によりその年のトニー賞最優秀振付賞を受賞した。他にオリバー・スミスがトニー賞舞台美術賞を受賞している。キャストのほとんどは無名の新人であった。732公演を重ねた後、ツアーを行い、1960年にウィンター・ガーデン・シアターに戻り更に253公演行った。

ウエスト・エンド初演編集

ヨーロッパ初演は1958年12月、ロンドンウエスト・エンドハー・マジェスティーズ・シアターで行われ、1961年6月まで1039公演を重ね、その後1962年2月からスカンジナビア・ツアーを行った。ウエスト・エンド公演でもロビンズが演出・振り付けを担当し、Peter Gennaro が振り付けを共同担当した。

この公演では1961年の映画版でベルナルド役を演じアカデミー賞を受賞したジョージ・チャキリスがリフ役で出演している。またアニタ役はブロードウェイと同じくチタ・リヴェラが演じた。

リバイバル公演編集

1960年代より世界各地で公演が重ねられているが、特筆される公演として1980年のブロードウェイのリバイバル公演が上げられる。この公演はオリジナル公演と同じく演出・振り付け・ロビンズ、舞台・オリバー・スミスにより、1980年2月14日よりミンスコフ劇場で行われ、11月30日の千秋楽までに333公演行った。

 
アーサー・ローレンツ(Arthur Laurents,2009年撮影)

2000年にはスカラ座の公演にかかり、話題となった。

2008年8月より、マイケル・ブレナー制作BBプロモーション主催「50周年記念ワールドツアー」として、オリジナル脚本のアーサー・ローレンツ演出にもとづき、ジョーイ・マクニーリー(上記スカラ座公演以降も担当)演出で世界各地を公演している。ドイツ、フランス、スイス、オーストリア、スペイン、オランダ、イタリア、日本、シンガポール、中国、台湾などを巡回中。

2009年3月19日より、ニューヨーク、ブロードウェイのパレス・シアターにてオリジナル脚本のアーサー・ローレンツ演出によるリバイバル公演が行われた。このリバイバル公演では、プエルトリコ人の若者の物語であることを、今回の公演で脚本も担当しているアーサー・ローレンツ自身がより強調したいとの思いから、一部の楽曲の歌詞やセリフに、スペイン語が多く取り入れられていた。

日本における公演編集

日本においては1964年にブロードウェイのキャストによる公演が行われた。

その後、1968年に宝塚歌劇団において公演が行われ(ウエストサイド物語 (宝塚歌劇) を参照)、1974年以降に劇団四季によって公演が重ねられている(ウエストサイド物語 (劇団四季) を参照)。そのほか、2004年に少年隊などによって演じられたことがある。

日本での上演権は現在株式会社インターナショナル・ミュージカルス新社が保有している。

また、前述のマイケル・ブレナー制作BBプロモーション主催「50周年記念ワールドツアー」が日本に巡回し、2009年7月から8月に名古屋東京西宮で上演された。

2017年7月には東急シアターオーブ5周年記念公演の一環として、レナード・バーンスタイン生誕100年記念のワールドツアーが来日し公演が行われた。

TBSなどによりIHIステージアラウンド東京において『ウエスト・サイド・ストーリー』として長期公演が予定されている。2019年8月から10月にかけての来日公演、同年11月から2020年1月にかけての日本語版Season1公演、それ以降に日本語版Season2・Season3の公演が行われる。

録音編集

公演や、さまざまなアレンジ版の録音が発表されている。

1957年にブロードウェイのオリジナルキャストによる録音が行われた(Columbia CK 32603)。1961年の映画版のサウンドトラックも同年発表された。

1984年に、バーンスタイン自らが初めて指揮をし、著名なオペラ歌手を起用したアルバムが作成された (RCA DG 4152531)。マリアにキリ・テ・カナワ、トニーにホセ・カレーラス、アニタにタティアナ・トロヤノスを配し、“Somewhere” をマリリン・ホーンが歌っている。またマリアとトニーのダイアログ部分はバーンスタインの子であるニナとアレクサンダーが務めている。この時の録音の様子は映像に収められ、ドキュメンタリーとして公開された。

全曲完全録音は1997年に John Owen Edwards 指揮、National Symphony Orchestra により初めて行われた。

2007年には50周年記念としてマリアにヘイリー・ウェステンラ、トニーにヴィットリオ・グリゴーロを配したアルバムが発表された。

シンフォニック・ダンス編集

レナード・バーンスタインは1960年に、シド・ラミンとアーウィン・コスタルの手を借りてミュージカル中の主要曲を集めて編曲し、オーケストラのための演奏会用組曲「『ウエスト・サイド物語』からのシンフォニック・ダンス」(Symphonic Dances from 'West Side Story')を作った。初演は1961年2月13日カーネギー・ホールで、ルーカス・フォス指揮のニューヨーク・フィルハーモニックによって行なわれた。

バーンスタイン自身による複数の録音(1961年 ニューヨーク・フィルハーモニック、1983年 ロサンジェルス・フィルハーモニック)がある他、しばしばオーケストラのレパートリーとして実演や録音が行なわれている。

構成は次の通りで、全曲が切れ目なく演奏される。演奏時間は約30分。

  1. プロローグ (Prolog)
  2. サムウェア (Somewhere)
  3. スケルツォ (Scherzo)
  4. マンボ (Mambo)
  5. チャチャ (Cha-Cha)
  6. 出会いの場面 (Meeting Scene) 〜クール (Cool) 〜フーガ (Fugue)
  7. ランブル (Rumble)
  8. フィナーレ (Finale)

小説化編集

アーヴィング・シュルマンによって小説化されている。この中でシュルマンはトニーにウィチェック (Wyzek)、マリアとベルナルドにヌネス (Nunez)、リフにロートン (Lorton)、チノにマルティン (Martin)、アニタにパラチオ (Palacio)という姓を与えている。

映画化編集

脚注編集

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  1. ^ http://westsidestory.jp/ では『ウエストサイドストーリー』と書かれている。
  2. ^ 1961年の映画では接吻の後スペイン語で “Te adoro, Anton” (大好きよ、アントン)と呟く。このマリアの最後のセリフは1984年のバースタイン指揮のレコード版でも採用されるなど、他の演出にも取り入れられることがある。
  3. ^ サントラ盤のジャケットでは「ニーノ」表記

外部リンク編集