優希比呂

日本の男性声優 (1965-)

優希 比呂(ゆうき ひろ、1965年2月13日[4][7] - )は、日本男性声優フリー[3]東京都大田区蒲田出身、千葉県育ち[2]。旧芸名結城 比呂(読みは同じ)[4]。本名の露崎 照久(つゆざき てるひさ)[1]の名で活動していたこともある。

ゆうき ひろ
優希 比呂
プロフィール
本名 露崎 照久(つゆざき てるひさ)[1]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本東京都大田区蒲田[2]千葉県[2]
生年月日 (1965-02-13) 1965年2月13日(59歳)
血液型 B型[3]
職業 声優
事務所 フリー[3]
公称サイズ(時期不明)[4]
身長 / 体重 163 cm / 50 kg
活動
活動期間 1988年[5] -
デビュー作 売り子A
(『シャーロックホームズ 赤の怪事件』)[6]
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

来歴 編集

幼稚園の頃まで東京都大田区蒲田にいて、その後、千葉県に引っ越す[2]

子供の頃の夢は東京都にいた時から家は八百屋をしていたため、家を継ぐ、父親のあとを継ぐというのがまず一つの夢で、もう一つの夢は日本国有鉄道京浜東北線の運転手になりたかったという[2]

千葉県に引っ越してからの小学生の頃に木の実ナナ細川俊之による『ショーガール』をテレビの劇場中継を見て「楽しそうだな」と強く印象を持って役者を志す[2][8]。中学生の頃には「この道へ進みたい」と考えていたが、中学高校時代は演劇部も放送部がなく「大学へ行ったら必ず」と考えていた[2][8]。高校は元々、機械いじりなど、図面を引くのが好きで、工業高校に進学[2]

高校生の時に一度だけ、渋谷エピキュラスで舞台を見ていた[2]。そこに出演していた役者の中に水島裕戸田恵子玄田哲章などの声優が出演しており、そのパンフレット見て、「ああそうか、アニメの吹き替えをやってらっしゃる…アニメの声優が舞台もやるんだ」と知った[2]。その時、「声をあてるなんて大変だろうなー、でも、僕は舞台やるんだから、アニメの声優なんて関係ないや」と思ったという[2]

大学の演劇部を見学に行ってもピンとこなず[8]、高校卒業後、大学に進学と同時に劇団樹間舎[4]に入団[5]し、舞台俳優として活動[2][9]。ロシア戯曲等を経験する[5]。初舞台は『イルクーツク物語』[9]

夢の第一歩が踏み出し、数年間は無我夢中で取り組んでいた[8]。しかしある日、日舞台に立っており、何かつかみどころがなくなってしまった[8]。演出家の言うことが理解できず、演出家がダメ出しをするその価値基準が見えなかった[8]。何でこれが良くて、何でこれがダメなのかわからなくなったという[8]。次第に「どうしたら人に喜んでもらえる芝居ができるんだろうか?」と責任の重さに耐え切れなくなり、芝居の基本からやり直すため、劇団の先輩に相談し、芝居の基本である台詞を勉強するために声優の養成所に入ることを進められる[6]。挫折せずに役者の道を続けることができ、声優というもうひとつの世界が広がったことから2000年時点でもその先輩には感謝しているという[9]。声優デビューはOVA『シャーロックホームズ 赤の怪事件』の吹き替え[6]。声優活動を開始したころは、戸惑いがあり、今まで舞台でしていたことは通用しない世界で、「声優は僕には向かないんじゃないか」と感じていた[9]。「やることなすことすべてが舞台とは違う」と思い、このまま続けられるか不安だったといい、2000年時点でもその不安は持っているという[9]。元々コンプレックスが強く、声優の仕事をし始めて、少し聞きなれるようになった[9]。ないものねだりをしないで、手持ちのものに磨きをかけて、それが客に「受けられるなら、いいのではないか」と思い、その後は磨き力を入れるようになったという[9]

賢プロダクションを経て[4]2007年6月1日に、結城比呂から優希比呂と改名し、フリーとして活動している[10]。以後は声優養成所専門学校で後進の育成にも力を注いでいる。

人物 編集

高音域の声で、二枚目役、善人役、少年役を多くこなす[9][11]

初主役でもある『覇王大系リューナイト[8]にて主役アデュー・ウォルサム役を演じた時には、声の若さから他の声優から新人と誤解されていたことがある。『覇王大系リューナイト』のオーディションに合格した時は呆然としてしまった[8]。演出家にずいぶん厳しく教えてくれたことは感謝しており、無我夢中で体当たりするしかなかった[8]。キャラクターが口を大きくあけて大声で怒鳴っていると、同じように口を大きくあけて体を使って演じることしか考えられなかったという[8]。力の配分ができずに張りきり過ぎてしまい、その結果、案の定、声がつぶれてしまった[8]。病院でのどに筋肉注射のようなものを打ってもらったという[8]。この熱血漢役をくれたのは幸運だったと語る[8]。この新陳代謝のおかげで色々な役を演じてくれており、この番組が叫び水になり、その後は色々なチャンスに恵まれたという[8]。オーディションにはたくさん落ち、落ちるほうが圧倒的に多く、合格したものは片手で済んでしまうくらいの数だった[8]。「声優をやめてしまおうか」とそういう気持ちにはなく、「むずかしいな」とも思っており、「どうやったら役がもらえるのか」と、真剣に考え悩みもしていた[8]。この仕事が好きだったということもあったが、負けず嫌いだったことから「悔しい」という思いが原動力になっていたんだと語る[8]アフレコの前日の夜は、作品のイメージを当日まで守るために電話の音を消してしまうことがある[6]

趣味・特技は読書[3]免許自動二輪免許第一種普通免許、製図検定二級[4]

出演 編集

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ 編集

1989年
  • 昆虫物語 みなしごハッチ(1989年 - 1990年、バッタ、コガネムシ、バッタ(C)、クマバチ(3)、アリ(B)、コオロギの男、スズメバチ(A))
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2012年
2013年
2014年
2018年
2019年

劇場アニメ 編集

1992年
1994年
1995年
1997年
1998年
2005年
2007年
2010年
2012年
2019年

OVA 編集

1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2006年
  • ぞくぞく村のオバケたち(風船男)
2012年

Webアニメ 編集

ゲーム 編集

1993年
1994年
  • 爆伝 アンバランスゾーン(はんど宅人)
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
  • Close to 〜祈りの丘〜(藤碕龍作)
  • 仙界通録正史 〜TVアニメーション仙界伝封神演義より〜(太公望
  • テラ・ストーリー 1 Premium 告白(ケイスケ)
  • テラ・ストーリー 2 Premium 僕の天使(ケイスケ)
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2015年
2017年
2018年
2019年
2021年
2023年

ドラマCD 編集

吹き替え 編集

映画 編集

テレビドラマ 編集

アニメ 編集

特撮 編集

ラジオ 編集

CD-ROM 編集

CM 編集

  • ケロッグコーンフレーク東京理科大学
  • ゲーム・サウルス'93
  • ブロッサム
  • hiro〜sepia(TV CM.日本コロムビア)
  • スーパーロボット大戦NEO ※本作に参戦している『リューナイト』のアデュー・ウォルサムとして

テレビ番組 編集

プロデューサー 編集

  • 最終神話戦争イデアオペラ オリジナルドラマCD 第1章 罅割れたミュトス(2006年)
  • 最終神話戦争イデアオペラ オリジナルドラマCD 第2章 彷徨う冥界の扉(2006年)

脚注 編集

シリーズ一覧

  1. ^ 第1期(1996年)、第2基『WGP』(1997年)
  2. ^ 第1期(1998年) 第2期『グリーエン』(2002年 - 2003年)
  3. ^ 第1期『1』(2004年)、第2期『-日米決戦編-』(2006年)、第3期『景道編』(2010年)、第4期『世界大会編』(2011年)
  4. ^ 第2シリーズ『AXESS』(2004年)、第3シリーズ『Stream』(2004年 - 2005年)、第4シリーズ『BEAST』(2005年 - 2006年)、第5シリーズ『BEAST+』(2006年)
  5. ^ 第1期『心のめざめる時』(2006年)、第2期『かがやきの明日』(2007年)
  6. ^ 『Yes!プリキュア5』(2007年 - 2008年)、続編『Yes!プリキュア5GoGo!』(2008年 - 2009年)
  7. ^ 第1弾『シト新生』(1997年)、第2弾『Air/まごころを、君に(1997年)
  8. ^ 第1作『』(2007年)、第2作『』、第3作『Q(2012年)、第4作『シン・エヴァンゲリオン』(2021年)
  9. ^ 『はれときどきぶたの交通安全』(1999年)、『地震用心日記』(1999年)
  10. ^ 『GGENERATION』(1998年)、『ZERO』(1999年)、『F』(2000年)、『F.I.F』(2001年)、『SEED』(2004年)、『PORTABLE』(2006年)、『SPIRITS』(2007年)、『WARS』(2009年)、『WORLD』『3D』(2011年)、『OVER WORLD』(2012年)、『CROSSRAYS』(2019年)
  11. ^ 『ヒーローズ』(2012年)、『アルティメットミッション』(2013年)、『アルティメットミッション2』(2014年)、『スーパードラゴンボールヒーローズ』(2016年)、『アルティメットミッションX』(2017年)

出典 編集

  1. ^ a b 掛尾良夫編「声優事典 男性篇 結城 比呂」『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年3月30日、ISBN 4-87376-160-3、318頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 神谷明「結城比呂●いろんな人の叫びを聞いて研究したんです」『声優ハートフルトーク21』青磁ビブロス、1995年7月1日、53-66頁。ISBN 4-88271-342-X 
  3. ^ a b c d 優希 比呂|声優名鑑”. 声優グランプリweb. 2019年10月26日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 結城 比呂”. 賢プロダクション. 2007年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月20日閲覧。
  5. ^ a b c Profile”. HIRO-YUUKI OFFICIAL WEB SITE. 2018年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月9日閲覧。
  6. ^ a b c d 三木浩也編「今さら友だちのWA!!(結城比呂→?)」『アニメV 1997年9月号』学習研究社、1997年9月1日、雑誌01591-09、38頁。
  7. ^ 『日本音声製作者名鑑2007』、115頁、小学館、2007年、ISBN 978-4095263021
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 市原光敏『「しゃべり」を仕事にする本』2002年11月25日、98-107頁。ISBN 978-4-9210-2344-7 
  9. ^ a b c d e f g h 市原光敏『「声優」を仕事にする本』2000年2月22日、50-61頁。ISBN 978-4-921-02350-8 
  10. ^ Message”. HIRO-YUUKI OFFICIAL WEB SITE. 2009年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月20日閲覧。
  11. ^ 小川びい『こだわり声優事典'97』徳間書店〈ロマンアルバム〉、1997年3月10日、153頁。ISBN 4-19-720012-9 
  12. ^ ムカムカパラダイス”. 日本アニメーション. 2016年6月18日閲覧。
  13. ^ 作品概要”. 勇者Web. 勇者警察ジェイデッカー. サンライズ. 2024年3月23日閲覧。
  14. ^ a b 獣戦士ガルキーバ”. サンライズワールド. サンライズ. 2022年12月31日閲覧。
  15. ^ 赤ちゃんと僕”. スタジオぴえろ 公式サイト. ぴえろ. 2023年2月17日閲覧。
  16. ^ VS騎士ラムネ&40 炎”. 葦プロダクション. 2020年11月23日閲覧。
  17. ^ 勇者指令ダグオン”. サンライズワールド. サンライズ. 2022年3月11日閲覧。
  18. ^ 勇者指令ダグオン”. 勇者Web. サンライズ. 2021年8月17日閲覧。
  19. ^ スーパーフィッシング グランダー武蔵”. 日本アニメーション. 2016年6月15日閲覧。
  20. ^ "キャスト紹介". Arc The Lad. 2023年4月1日閲覧
  21. ^ 地球防衛企業ダイ・ガード”. メディア芸術データベース. 2016年11月27日閲覧。
  22. ^ スタッフ&キャスト”. STAR OCEAN EX. テレビ東京. 2001年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月27日閲覧。
  23. ^ クロト・ブエル CHARACTER 機動戦士ガンダムSEED”. 機動戦士ガンダムSEEDシリーズ公式サイト. 機動戦士ガンダムSEED. サンライズ. 2023年2月17日閲覧。
  24. ^ スピードグラファー”. GONZO公式サイト. 2016年6月28日閲覧。
  25. ^ IZUMO 猛き剣の閃記”. メディア芸術データベース. 2017年3月14日閲覧。
  26. ^ 恋する天使 アンジェリーク 〜心のめざめる時〜”. メディア芸術データベース. 2022年12月27日閲覧。
  27. ^ 恋する天使 アンジェリーク ~かがやきの明日~”. メディア芸術データベース. 2023年4月2日閲覧。
  28. ^ 日曜日の朝に放送中のテレビアニメーション「トリコ」に出演しております。”. 優希比呂Twitter. 2012年11月22日閲覧。
  29. ^ スタッフ&キャスト”. 宇宙戦艦ヤマト2199公式サイト. 2016年6月7日閲覧。
  30. ^ 豪華キャスト出演決定!”. TVアニメ「魔法少女 俺」公式サイト (2018年4月1日). 2018年4月1日閲覧。
  31. ^ ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる|キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション. 2022年6月10日閲覧。
  32. ^ a b Staff&Cast”. 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 公式サイト. サンライズ. 2022年12月11日閲覧。
  33. ^ 劇場版「ロックマンエグゼ 光と闇の遺産」スタッフ & キャスト”. 2023年4月16日閲覧。
  34. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 TV版”. 金曜ロードSHOW!. 2016年6月6日閲覧。
  35. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q”. メディア芸術データベース. 2016年8月9日閲覧。
  36. ^ 猫だらけのオムニバス映画 ダヤンとタマと飛び猫と~3つの猫の物語~公開決定!”. タマ&フレンズ~うちのタマ知りませんか?~. ソニー・クリエイティブプロダクツ (2019年2月22日). 2019年2月25日閲覧。
  37. ^ STAFF&CAST|新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO”. 新世紀GPXサイバーフォーミュラ OFFICIAL WEB. 2022年9月30日閲覧。
  38. ^ STAFF&CAST|新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA”. 新世紀GPXサイバーフォーミュラ OFFICIAL WEB. 2022年9月30日閲覧。
  39. ^ CHARACTER”. SDガンダム GGENERATION CROSSRAYS. バンダイナムコエンターテインメント. 2019年1月30日閲覧。
  40. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 完全攻略ガイド』(角川書店)44頁。
  41. ^ スタッフロール”. 機動戦士ガンダムオンライン. バンダイナムコオンライン. 2024年1月18日閲覧。
  42. ^ B's-LOG』2015年4月号、エンターブレイン、2015年2月20日。 
  43. ^ 20周年を記念して製作される『スクライド』設定資料集に付属する完全新作ドラマCDのキャスト発表!”. 電撃ホビーウェブ (2021年10月29日). 2021年11月14日閲覧。
  44. ^ クレイジー・イン・アラバマ”. SONY PICTURES. 2023年8月16日閲覧。

外部リンク 編集