第94回全国高等学校野球選手権大会

2012年8月8日から8月23日までの15日間にわたって阪神甲子園球場で開催された選手権大会

第94回全国高等学校野球選手権大会(だい94かいぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんたいかい)は、2012年平成24年)8月8日から8月23日までの15日間にわたって阪神甲子園球場で行われた全国高等学校野球選手権大会である。

第94回全国高等学校野球選手権大会
試合日程 2012年8月8日 - 8月23日(15日間)
キャッチフレーズ 駆け上がれ!夏のテッペン
出場校 49校
参加校数 3985校
優勝校 大阪桐蔭大阪、4年ぶり3回目、春夏連覇
試合数 48試合
選手宣誓 下妻貴寛山形酒田南高校
始球式 猪狩駿(福島双葉高校投手)
金野利也(岩手大槌高校捕手)
開会式司会 浜口愛子兵庫小野高校
都関日女乃(兵庫・須磨東高校
入場先導 佐々木大地(宮城宮城農業高校
閉会式司会 松井愛(兵庫・小野高校)[注 1]
石丸典子(兵庫・小野高校)
総入場者数 809,000人(1日平均 53,933人)
大会本塁打 56本
 < 20112013 > 
全国高等学校野球選手権大会
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キャッチフレーズは、「駆け上がれ!夏のテッペン」。

日程

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  • 2012年
    • 4月20日 - 日本高等学校野球連盟が第1回運営委員会を開き、第94回大会の開催を決定。
    • 6月16日 - 沖縄大会が先陣を切って開幕。
    • 7月15日 - 浦添商沖縄)が49代表中、最初に出場が決定。
    • 7月30日 - 福井工大福井福井)が最後に出場を決め全49代表が決定。
    • 8月5日 - 大阪国際会議場で組み合わせの抽選を実施。
    • 8月8日 - 開会式。
    • 8月9日 - 大会2日目、第3試合の桐光学園神奈川)対今治西愛媛)で、桐光学園の2年生投手、松井裕樹が、甲子園最多となる9回までの奪三振数、22奪三振を記録し、87年ぶりに選手権大会の奪三振記録を更新した。
    • 8月13日 - 大会6日目、第2試合の済々黌熊本)対鳴門徳島)戦の7回裏において、野球漫画『ドカベン』に登場したルールブックの盲点が、ほぼそのままの形で再現された。これにより第4アウトの不成立による得点が、前年の第83回選抜大会に続いて、2年連続で発生した事になる。
    • 8月14日 - 豪雨による悪天候の為に2回戦全4試合中止、翌15日に順延。
    • 8月17日 - 作新学院の野球部員が16歳の少女に対する強姦・強盗の容疑で逮捕された(後に他の3人の女性に対する同罪も判明)。同日中に作新学院から報告を受けた大会本部は、過去の事例を鑑みて作新学院の出場を容認した[1]。詳細は作新学院高校野球部わいせつ事件
    • 8月18日 - 3回戦第3試合の新潟明訓新潟)対明徳義塾高知)戦で、7回表新潟明訓の攻撃中、雷雨による悪天候の為に2時間18分に渡って試合中断。これによって、試合再開後の同3回戦・第3試合と及び第4試合の倉敷商岡山)対秋田商秋田)戦が、当大会初めてのナイターとなった。
    • 8月22日 - 準決勝第1試合の大阪桐蔭大阪)対明徳義塾戦で、藤浪晋太郎が2安打完封の投球を見せ大阪桐蔭が勝利[2]、同第2試合で光星学院青森)も勝利し、両校が決勝に進出。同年春の第84回選抜大会の決勝と同一カードとなった。これは甲子園大会史上初めての出来事となる。
    • 8月23日 - 決勝戦、藤浪が決勝史上最多タイの14奪三振、決勝史上最速となる153km/hを記録する投球を見せ、大阪桐蔭が3-0で光星学院を下し、2010年第92回)の興南(沖縄)以来となる史上7校目の春夏連覇を達成した[3]。また準決勝、決勝の連続完封は1992年第74回)以来20年ぶりであった[4]。一方で、光星学院は初の3季連続準優勝となった。

東日本大震災の影響

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  • 2011年の東日本大震災東北地方太平洋沖地震)に関連する省エネ対策の一環(電力事情をかんがみて)として、出来るだけナイターになることを避けるため4月20日開催の「第1回運営委員会」にて、前年に続いて試合開始時間の繰上げを行うことを決定した。
    • 3-4試合日 : 開会式当日を除いて原則、午前8時から開始
    • 2試合日(準々決勝・準決勝) : 午前9時から開始
    • 決勝 : 午前10時30分から開始
  • 決勝が午前中から開始となるのは前回・第93回大会についで2年連続2回目。なお準々決勝以降は選手の体力面を考慮して開始時間を前回から1時間ずつ繰り下げ(第93回大会は決勝以外は原則8時から、決勝は9時30分から開始)とした[5]

代表校

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組み合わせ・試合結果

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1回戦 - 3回戦

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- 2回戦 3回戦
                   
 
8月12日(3)
 
 光星学院 4
 遊学館 0
 
8月18日(1):[注 2]
 
 光星学院 9
 神村学園 4
 
8月13日(1)
 
 智弁和歌山 2
 
 神村学園 3
      
      
- 2回戦 3回戦
                   
 
8月13日(2)
 
 鳴門 1
 済々黌 3
 
8月18日(2):[注 3]
 
 済々黌 2
 大阪桐蔭 6
 
8月13日(3)
 
 大阪桐蔭 8
 
 木更津総合 2
      
      
- 2回戦 3回戦
                   
 
8月13日(4)
 
 新潟明訓 6
 県岐阜商 1
 
8月18日(3):[注 4]
 
 新潟明訓 0
 明徳義塾 4
 
8月15日(1)
 
 明徳義塾 3
 
 酒田南 2
      
      
1回戦 2回戦 3回戦
                   
 
8月15日(2)
 
 倉敷商 8
 松阪 3
 
8月18日(4):[注 5]
 
 倉敷商 5
 秋田商 1
 
8月15日(3)
 
 秋田商 8
8月8日(1)  
 福井工大福井 3
 常葉橘 2     
 福井工大福井 4     
1回戦 2回戦 3回戦
                   
8月8日(2)
 飯塚 6
8月15日(4)
 広島工 4
 飯塚 3
8月8日(3)
 仙台育英 6
 佐賀北 2
8月19日(1):[注 6]
 仙台育英 8
 仙台育英 2
8月9日(1)
 作新学院 3
 佐久長聖 5
8月16日(1)
 作新学院 9
 作新学院 19
8月9日(2)、延長12回  
 立正大淞南 3
 盛岡大付 4     
 立正大淞南 5     
1回戦 2回戦 3回戦
                   
8月9日(3)
 今治西 0
8月16日(2)
 桐光学園 7
 桐光学園 7
8月9日(4)
 常総学院 5
 杵築 0
8月19日(2):[注 7]
 常総学院 14
 桐光学園 4
8月10日(1)
 浦添商 1
 浦添商 6
8月16日(3)
 愛工大名電 4
 浦添商 6
8月10日(2)  
 滝川二 1
 滝川二 5     
 北大津 4     
1回戦 2回戦 3回戦
                   
8月10日(3)
 天理 3
8月16日(4)
 宮崎工 1
 天理 6
8月10日(4)
 鳥取城北 2
 鳥取城北 3
8月19日(3):[注 8]
 香川西 1
 天理 6
8月11日(1)
 浦和学院 2
 高崎商 0
8月17日(1)
 浦和学院 6
 浦和学院 11
8月11日(2)  
 聖光学院 4
 日大三 1     
 聖光学院 2     
1回戦 2回戦 3回戦
                   
8月11日(3)
 宇部鴻城 5x
8月17日(2)
 富山工 4
 宇部鴻城 12
8月11日(4)
 佐世保実 7
 佐世保実 5
8月19日(4):[注 9]
 札幌第一 3
 宇部鴻城 2
8月12日(1)、延長11回
 東海大甲府 3
 龍谷大平安 9x
8月17日(3)
 旭川工 8
 龍谷大平安 2
8月12日(2)  
 東海大甲府 4
 成立学園 0     
 東海大甲府 3     

準々決勝

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試合日 試合順 勝利 スコア 敗戦 試合時間 勝利校の次戦
8月20日 第1試合 光星学院 3 - 0 桐光学園 1時間51分 光星学院は準決勝・2試合目へ
第2試合 大阪桐蔭 8 - 1 天理 2時間13分 大阪桐蔭は準決勝・1試合目へ
8月21日 第1試合 東海大甲府 8 - 4 作新学院 2時間6分 東海大甲府は準決勝・2試合目へ
第2試合 明徳義塾 4 - 1 倉敷商 2時間6分 明徳義塾は準決勝・1試合目へ

準決勝

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試合日 試合順 勝利 スコア 敗戦 試合時間
8月22日 第1試合 大阪桐蔭 4 - 0 明徳義塾 1時間42分
第2試合 光星学院 9 - 3 東海大甲府 1時間50分

決勝

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8月23日

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
光星学院 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 3
大阪桐蔭 0 0 0 1 2 0 0 0 X 3 7 1
  1. (光):金沢、伊藤、城間 - 田村
  2. (大):藤浪 - 森
  3. 審判
    [球審]若林
    [塁審]小山・古川・橘
  4. 試合時間:1時間56分
光星学院
打順守備選手
1[右]天久翔斗(3年)
2[左]関口隆祥(3年)
村瀬大樹(3年)
3[捕]田村龍弘(3年)
4[遊]北條史也(3年)
5[三]大杉諒暢(3年)
6[一]武田聖貴(3年)
7[二]投城間竜兵(3年)
8[中]木村拓弥(3年)
9[投]金沢湧紀(3年)
古寺真也(3年)
伊藤裕貴(3年)
砂子大吉(3年)
大阪桐蔭
打順守備選手
1[捕]森友哉(2年)
2[二]大西友也(3年)
3[右]水本弦(3年)
4[一]田端良基(3年)
5[左]安井洸貴(3年)
6[三]笠松悠哉(2年)
7[中]白水健太(3年)
8[遊]妻鹿聖(3年)
近田拓矢(2年)
水谷友生也(2年)
9[投]藤浪晋太郎(3年)

大会本塁打

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1回戦
  • 第1号:吉田紘大(作新学院)
  • 第2号:篠原優太(作新学院)
  • 第3号:森井駿太郎(佐久長聖)
  • 第4号:渡邊恭平(立正大淞南)
  • 第5号:椀田剛史(立正大淞南)
  • 第6号:松井裕樹(桐光学園)
  • 第7号:宮里泰悠(浦添商)
  • 第8号:笹川晃平(浦和学院)
  • 第9号:金子凌也(日大三)
  • 第10号:荒城英治(富山工)
  • 第11号:斉藤慎次郎(札幌第一)
  • 第12号:井澤凌一朗(龍谷大平安)
  • 第13号:井澤凌一朗(龍谷大平安)
2回戦
  • 第14号:北條史也(光星学院)
  • 第15号:西口貴大(済々黌)
  • 第16号:髙野勇太(木更津総合)
  • 第17号:笠松悠哉(大阪桐蔭)
  • 第18号:田端良基(大阪桐蔭)
  • 第19号:高橋快舟(県岐阜商)
  • 第20号:會田隆一郎(酒田南)
  • 第21号:大関匠太(秋田商)
  • 第22号:大﨑圭将(福井工大福井)
  • 第23号:早坂和晋(仙台育英)
  • 第24号:篠原優太(作新学院)
  • 第25号:高山良介(作新学院)
  • 第26号:山下勇斗(作新学院)
  • 第27号:當眞寿斗(浦添商)
  • 第28号:園部聡(聖光学院)
  • 第29号:笹川晃平(浦和学院)
  • 第30号:安西聡(聖光学院)
  • 第31号:佐藤拓也(浦和学院)
  • 第32号:金丸将(宇部鴻城)
  • 第33号:安田翔(宇部鴻城)
  • 第34号:渡邉諒(東海大甲府)
3回戦
  • 第35号:天久翔斗(光星学院)
  • 第36号:北條史也(光星学院)
  • 第37号:田村龍弘(光星学院)
  • 第38号:澤田圭佑(大阪桐蔭)
  • 第39号:森友哉(大阪桐蔭)
  • 第40号:田端良基(大阪桐蔭)
  • 第41号:藤井勝利(倉敷商)
  • 第42号:渡邊郁也(仙台育英)
  • 第43号:鈴木拓夢(桐光学園)
  • 第44号:水海翔太(桐光学園)
  • 第45号:照屋光(浦添商)
  • 第46号:高田涼太(浦和学院)
準々決勝
  • 第47号:森友哉(大阪桐蔭)
  • 第48号:藤浪晋太郎(大阪桐蔭)
  • 第49号:吉村昂祐(天理)
  • 第50号:石井信次郎(東海大甲府)
  • 第51号:藤井勝利(倉敷商)
  • 第52号:宋皞均(明徳義塾)
準決勝
  • 第53号:北條史也(光星学院)
  • 第54号:北條史也(光星学院)
  • 第55号:田村龍弘(光星学院)
決勝
  • 第56号:白水健太(大阪桐蔭)


記録

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個人記録

記録 選手名 対戦校 補足
最多奪三振 22 松井裕樹桐光学園 1回戦・今治西戦 大会新記録
連続奪三振 10

その他の主な出場選手

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高野連会長の問題発言

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閉会式の挨拶で講評に立った大会審判委員長・日本高野連の奥島孝康会長が「とりわけ残念なのは、花巻東大谷投手をこの甲子園で見られなかったことでした」と発言した。その直後「(岩手大会決勝戦で花巻東に勝利した)岩手代表の盛岡大付を侮辱し、大変失礼ではないか」という批判の電話やメールが寄せられた[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 次回大会開会式司会も担当。関西学院大学在学中の2017年8月22日には、同姓同名の毎日放送アナウンサーがパーソナリティを務める『松井愛のすこ〜し愛して♥』(MBSラジオ)に、同姓同名のチアダンス指導者と共にゲスト出演(3人の「松井愛」 ラジオで奇跡の生共演!アナ以外も“有名人”だった - スポーツニッポン2017年8月22日付記事)。
  2. ^ 光星学院は準々決勝・1試合目へ
  3. ^ 大阪桐蔭は準々決勝・2試合目へ
  4. ^ 明徳義塾は準々決勝・4試合目へ
  5. ^ 倉敷商は準々決勝・4試合目へ
  6. ^ 作新学院は準々決勝・3試合目へ
  7. ^ 桐光学園は準々決勝・1試合目へ
  8. ^ 天理は準々決勝・2試合目へ
  9. ^ 東海大甲府は準々決勝・3試合目へ

出典

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関連項目

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外部リンク

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