大創産業
株式会社大創産業(だいそうさんぎょう)は、広島県東広島市に本社を置く、100円ショップのダイソー(DAISO)を運営する日本の企業である。日本国内に約4,360店舗、世界26の国家・地域に、約990店舗を展開している[1]。
大創産業本社 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | ダイソー、DAISO |
本社所在地 |
日本 〒739-8501 広島県東広島市西条吉行東一丁目4番14号[注釈 1] |
設立 | 1977年(昭和52年)12月[1] |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 7240001022681 |
事業内容 | オリジナル商品の開発、及び国内外5,542店舗の「ダイソー」チェーン展開 |
代表者 | 矢野靖二(代表取締役社長) |
資本金 | 27億円 |
売上高 | 5,493億円(2022年2月末) |
従業員数 | 22,821名(2022年3月)(臨時従業員含む) |
決算期 | 3月末日 |
主要子会社 | #関連会社参照 |
関係する人物 | 矢野博丈(創業者) |
外部リンク | https://www.daiso-sangyo.co.jp/ |
概要
- 創業
当初はスーパーマーケットの駐車場に店舗を構える、移動販売・露店方式の100円ショップを運営していた。
1980年頃の100円ショップは、問屋からすべての商品を70円以下で仕入れて100円で売る状態であったことから商品の質にも限界があった。当時、ある主婦客の一人が「安物買いの銭失い」とつぶやくのを創業者である矢野博丈が目にし、それ以来仕入れのスタイルを変えた。時には98円で仕入れた商品を100円で売ることもあるなど、売価100円の範囲で可能な限り質にこだわった商品構成に変更した。これにより「矢野の100円ショップは商品がいい」と評判を呼び、全国から引き合いが増えるようになった[2]。
スーパーマーケットのオーナーからテナントでの出店を誘われたことが、現在のダイソーのルーツとなる。100円商品は安価で品質は劣るという先入観を払拭するため、仕入れ原価が100円に近いものや原価割れしている商品も100円として販売する手法を取った。また、テナント形式の店舗により、顧客はいつでも来店して買い物することができ、商品に問題があった場合は店舗にクレームを申し入れられるようになったため、移動販売に比べて格段の信頼を得ることにもつながった。それらの理由により、屋内の店舗形式による100円ショップを展開していく大きな原動力となった。
1991年3月、同社初めての直営100円均一ショップを、香川県高松市の丸亀町商店街内に開店する[3][注釈 2]。創業時初期は商店街等への出店が多かった。また店舗にはNo.○○とナンバリングをしており、小倉魚町店(No.16)等、現在もその時期の外装で営業する店舗も存在する。
- 店舗展開
バブル崩壊後の平成不況時代(失われた10年)において、消費者の購買意欲が低下している経済状況がチャンスとなり、安価な商品を求める当時の消費者のニーズに応えた。
また生活に関わる雑貨品を中心に、多岐にわたるジャンルの商品を陳列し、「100円ショップ=多数のジャンルの商品がある」とのイメージを付加した。安価の魅力の他に、一度の来店で多様なジャンルの雑貨が購入できる利便性が、来店者数増加・売り上げ拡大の要因ともなる。
付加価値の高い商品を多く揃えられた背景には、
- 平成大不況時代において商品の原価や原材料の市中価格は著しい低水準価格であったこと
- 製造メーカーや卸売業者から大量の商品・商材を、現金取引で行うことで、通常より仕入れコストを抑えていたこと
が要因である。
そして、積極的な出店を展開し、豊富な商品の品揃えの中で100円均一というスタイルが、近所の評判やメディアを通じて知名度を一気に上げ、ダイソーは全国区レベルの小売業に成長する結果となった。絶大なる知名度と大不況時代の国民からの支持により、売り場面積1,000 - 2,000坪超の超大型店舗や、アジアやアメリカ合衆国を中心とした日本国外への出店も実現した。
製造メーカーが生産した商品でも、製造メーカー名を伏せて大創産業の社名のみと自社のロゴ(「素材発信」や「ザ○○」など)を明記して自社オリジナル商品仕様にすることにより、単なる小売業ではなく商品開発・管理が特化している企業となり、消費者からは「ダイソーのオリジナル商品」の呼称も多く見受けられるようになり、商品開発力をも持ち合わせる店舗として捉えられることにもなった。
バブル崩壊後の平成不況時代の末期ごろから、「高額商品」という呼称で100円以上の商品の販売が開始された。当初は150円や200円などの、従来の100円商品に多少の付加価値を加えた程度の商品が多く、100円ショップの概念を打ち壊して批判を受けたり疑問を抱かれる不安材料があったものの、100円ショップブームが終焉して経営不振になることを懸念したため、脱・100円ショップ路線を模索する形で実施に踏み切った。これは創業者であり社長である矢野の創業以来の考えであった。
結果的には極端な来店者数の減少を招くことなく、豊富な商品ラインナップにより来店する客が多いことを機軸にして、高額商品を自然な形で定着することができた。
社名
創業当時、「会社の規模はまだまだ小さいけど、名前だけは大きな物にしよう」という意気込みから、「大きく創る」を「大創」としたのが社名の由来である[4][注釈 3]。
キャッチコピー
「だんぜん!ダイソー」
店舗ブランド
店舗によっては、「DAISO」・「Standard Products」・「THREEPY」の3業態がワンフロア内に集結した店舗や、「THREEPY」と「DAISO」又は「Standard Products」の2業態を1つの店舗で展開する複合店舗が存在する。3業態複合店は東京都・大阪府・兵庫県・愛知県・福岡県などに展開している。
100円ショップ
- ダイソー (DAISO) - 以前は「ザ・ダイソー」の名で出店していたが、2019年3月、店名の表記が「ダイソー」に変更された[6][7]。
- オレンジ - 株式会社中部商会が運営していた100円ショップ。2015年10月にダイソーが買収した時点では54店舗存在していたが[8]、「ダイソー」への転換や閉店が進み[9]、2023年3月5日時点で現存するのは、泉たてば店(横浜市泉区)のみである[10]。
300円ショップ
- Standard Products(スタンダードプロダクツ) - 2021年3月26日、渋谷マークシティ1階に1号店をオープンしたのを皮切りに、2024年9月時点で北海道・東北(山形県は未出店)、関東、北陸・中部(福井県は未出店)、近畿、中国(岡山県・鳥取県は未出店)、四国、九州・沖縄(佐賀県は未出店)に139店舗を展開している。
- THREEPPY(スリーピー)[11] - 若い女性にターゲットを絞り、専用ウェブサイトやInstagram公式アカウントを開設して宣伝している[12]。2024年9月時点で全国に508店舗を展開している。
- CouCou(クゥクゥ)[13](一部500円の商品もある) - かつてはビルジャンが運営していたが、2020年5月1日に大創産業がビルジャンから事業譲受した[14][15]。2024年9月時点で東京都・神奈川県・愛知県・広島県・福岡県に6店舗を展開。Instagramの公式アカウントが「THREEPPY」と統合されている。
過去のブランド
- PlusHeart(プラスハート) - 「THREEPPY」の商品も取り扱っていた。2023年11月時点では岩手県・埼玉県・愛知県に3店舗を展開していた。
- Natural Coordinate(ナチュラルコーディネート) - 2021年4月に1号店としてリンクス梅田にオープンしたが、2023年1月9日に閉店した。
沿革
- 1972年(昭和47年) - 矢野博丈が家庭用品の販売を目的として矢野商店を創業[1]。
- 1977年(昭和52年) - 株式会社大創産業として法人化[1]。
- 1987年(昭和62年) - 「100円SHOPダイソー」の展開に着手[1]。
- 1997年 - 通産大臣賞「貿易貢献企業賞」を受賞[1]。
- 2001年 - 台湾に出店[1]。以後、世界各国に出店。
- 2015年10月27日 - 100円ショップオレンジを展開する中部商会の全株式を取得し、完全子会社化[8]。
- 2019年3月5日 - CI及びロゴマークを刷新。
- 2019年4月1日 - ダイソー女子駅伝部を創部[16]。
- 2023年12月 - 韓国で「ダイソー(다이소)」を運営する亜成(アソン)HMPは、協業先の大創産業から合弁会社「亜成大創」の株式すべてを5500億ウォン(約550億円)で買い取り、合弁を解消した[17][18][19]。
歴代社長
取扱商品
商品アイテム数
取り扱いアイテム数は数十億点に及ぶと顧客にアピールしている。加えて新商品販売についても積極的にアピールしている。豊富なバリエーションの商品陳列により、再来店しても飽きることなく、新鮮味を帯びた店舗雰囲気の維持に意欲的である。
地域限定商品
日本コカ・コーラの飲料はウエスト社→コカ・コーラボトラーズジャパン社製品を扱っているため、コカ・コーラボトラーズジャパン社管轄エリア外店舗でコカ・コーラボトラーズジャパン社限定品を購入することができる。
品質管理
100円商品の特徴である耐久性・品質の劣化等を抑えるために品質管理や変更も行われる。そのために店舗のスタッフは、取り扱い商品について客から寄せられた意見・要望、または自身が気づいた点を商品情報として記入することを業務の中でされ、本社から週に一度の提出を求められる店舗もある。
高額商品
税抜き150円以上の商品は「高額商品」として扱われ、300円までは50円刻み、以降は100円刻みとなる(表記した価格はいずれも税抜き価格)。高額商品の登場や拡大によって、日常生活に関わる雑貨類の取り扱い領域が拡大した。
価格は本体価格としては主に100円から1000円以上の商品が中心である。
値札や価格表示がない商品は原則として100円商品となり、高額商品には○○円商品であることを示すラベルや値札タグを商品に取り付けている。また、会計の時に高額商品は高額商品であることの確認がある。これらのラベル・タグは、白地に赤色でおおよそ統一されている(2016年2月頃までは赤地に黄色もしくは白色の書体であった)。
出版物
株式会社大創出版(或いは創美出版株式会社)として、冊子形態の書籍を刊行し、店内で販売している。累計発行部数は2億冊を超える[21]。
- クロスワードマガジン Vol.1 - 16
- パズルランド Vol.1 - 14
- パズルワールド Vol.1 - 26
- クロスワードチャレンジ Vol.1 - 15
- 漢字&ナンプレチャレンジ Vol.1 - 5
- 懸賞パズルマガジン Vol.1 - 22
- 懸賞クロスワードマガジン Vol.1 - 22
- 懸賞パズルミラクル Vol.1のみ
- 懸賞クロスワードミラクル Vol.1 - 現在
- 懸賞ナンプレマガジン Vol.1 - 現在
- 懸賞ナンプレマガジンDX Vol.1 - 2
- 懸賞まちがいさがしマガジン Vol.1 - 現在
- 懸賞てんつなぎマガジン Vol.1のみ
- ダイソーコミックシリーズ(絶版)
- ダイソーミステリーシリーズ(絶版)
- ダイソーミニ辞典シリーズ
- ダイソー小説シリーズ(絶版)
発売元がダイソー(大創産業)である商品
パッケージが製造会社名の入ったものではなくダイソー独自の商品番号とダイソー専用パッケージに入って販売されている商品の一部は、ダイソー以外の100円ショップ(セリア・キャンドゥ・ワッツなどの有名な店舗や全国展開していない業者の店舗)で、製造元企業の名前が入ったパッケージで販売されていることがある。一例として、丸七社の小物電化製品(100円販売のランタン型懐中電灯やヘッドフォン、小型のスピーカーなど)や、コンピューター関係の周辺機器には一体型USBケーブルを電源として用いた音響機器である小型のスピーカー(ステレオスピーカー仕様)がある。携帯電話の周辺機器には記録メディア製品では主にデータ記録用と番組録画用のDVD(ただしこれに類する製品の内、現在ではVHSビデオテープは既に完全撤退しているが、録音用の音楽カセットテープは引き続き継続して販売されている。)販売元が大創産業名義のTMIジャパン(パッケージには製品に関するサポートの委託をしていると表記。)とヴァーテックスが輸入元の1枚入り(1枚入りパッケージでいずれも本体価格100円である。)のBlu-ray Disc(以前のパッケージには販売メーカーが大創産業と表記されていたものが店頭の棚に並んでいた。)がある。サナダ精工株式会社の調理器具類(プラスチック製ボウルや食品用密閉容器など)などが挙げられる。その他、USBケーブルからの電源を使う小型の扇風機がある。イスになる収納ボックスの販売もしており、玩具類では300円からなるDAISOブランドのぬいぐるみが販売されている。他にも最安値でお手頃に買える女性向け(主に10代世代中心とされる。)の製品にも力を入れているらしい(もっとも詳しい情報は外部リンクにあるDAISOの各種公式SNSを参照)。DAISOブランドの製品が今後ラインアップが増えつつある。公式のInstagram(主に更新頻度が多い)と公式Twitter(現在はInstagramよりも更新頻度が少ない)にはDAISOからの新製品の情報が公開されている。
ダイソーセレクト
2013年から始まった、ダイソーのプライベートブランド。食品が中心のブランドであるが、ポケットティッシュなど一部の日用雑貨なども「ダイソーセレクト」として販売されている。食品の内、大手の製菓企業(主な製品のメーカーはヤマザキビスケットのルヴァンシリーズ)からもDAISOセレクトのロゴ入りパッケージになっていて、通常の同一製品とは仕様が異なっており、入り個数や内容量を変えてダイソーセレクトブランドとして提供され、販売しているお菓子もある。高品質な窓ガラス用ワイパーなども販売。
店舗
出店店舗の詳細は公式サイト「店舗情報」を参照。47都道府県すべてに店舗が存在する。
店舗は直営店舗のほかに販売代理店の形態でダイソー商品を取り扱う店舗が存在する[22]。
面積1,000坪以上の店舗
2,000坪以上の店舗は店名に「ギガ」を冠する(2019年現在、ギガ船橋店のみ)。
地域名 | 店舗名(面積) |
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北海道 |
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東北地方 |
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関東地方 | |
中部地方 | |
近畿地方 | |
中国地方 |
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四国地方 |
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九州・沖縄地方 |
旗艦店
東京のマロニエゲート銀座2店と、福岡の博多バスターミナル店は、ダイソーに加えTHREPPY、Standard Productsを1フロアで一挙に取り扱うことから、それぞれ東日本と西日本の旗艦店と位置づけられている[23][24]。
ダイソービズ
- 東京都心部のオフィスビル内に「ダイソービズ」名で出店。店舗面積は比較的小さいが、ビジネス客向けの品揃えとしているのが特徴。パレスサイドビルディング、富国生命ビルなど。
POSシステム
- POSシステムは主にNECプラットフォームズ(旧・NECインフロンティア)製のものが使用されている(POS導入店舗)。かつてPOS化には消極的であったが、近年では導入する店舗が増加傾向にある。なお、POS未導入(導入前)の店舗では主に東芝テック製のスタンドアローン型キャッシュレジスターを使用してきた(但しフレッセイやひらせいホームセンター系などの店舗では現在も使用されている場合がある)。
- 近年はセルフレジ化が進んでおり、一部店舗に導入されているフルセルフレジでは寺岡精工製を使用している[25]。
- なお、店舗によっては入居している商業施設で導入しているレジシステムをそのまま使用しているところもある。
現金以外の支払い方法
この節の加筆が望まれています。 |
店舗によってはクレジットカード・電子マネーなど、現金以外の決済が可能である。店舗情報に利用可能な決済方法が記載されているが、実際にはホームページに記載のない決済方法でも利用可能な場合があるので、店頭で確認するのが望ましい。
直営店では一部店舗を除いて、QR・バーコード決済も導入されており、2019年10月1日からPayPay[26]、2022年2月1日からメルペイとau PAY[27]、同年3月1日から楽天ペイ[27]、同年11月1日からd払い[28] がそれぞれ利用可能である。
ポイントサービス
2020年4月現在、全店舗共通で利用可能なポイントサービスはないが、一部店舗では1回の会計が税込300円毎に1枚シールを配布し、一定枚数貯めると期間内に販売される限定商品を割引価格で購入できるサービスを行っている[29]。
一部店舗では入居するテナントで導入しているポイントサービスが利用可能である。主な例ではイオングループの商業施設内の店舗では現金専用のWAON POINTカードが、ローソンストア100内の店舗ではPonta・dポイントが、島忠内の店舗ではTポイントが、コーナン内の店舗では楽天ポイントが利用可能である。
裁判
商標権侵害裁判
2012年に韓国でダイソー(다이소)を運営する大創アソン産業(日本の大創産業と韓国のアソン産業の合弁会社)が、ダイソーと同様に生活用品や雑貨を販売している「ダサソー」(다사소、韓国語の方言で「全部買ってください」の意味。仮処分申請を受けて「ダサヨー」(다사요)に改名)を相手に、商標使用禁止などを求める裁判を起こした。一審はダイソー側の敗訴となったが、二審では逆転勝訴。高裁判決では、「ダサソーの標章は外見や呼称、観念などを総合的に観察すると、取引上、一般消費者や取引業者がダイソーと誤認、混同する恐れがある」とし、「ダサソーがダイソーの周到性に便乗しようとする意図が推断できる」とも指摘した[30]。2015年、韓国の最高裁判所である大法院によってダイソー側の勝訴が確定した[31][32]。2017年、水原地方裁判所はダサソー側の敗訴確定後もダサソー名で営業を続けたとして、経営者に500万ウォンの罰金刑を言い渡したと公表した[33]。
不祥事
下請法違反
2012年3月27日、下請会社に支払う代金を不当に減額したとして、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受ける[34]。
2014年に2度目の勧告。公正取引委員会が大創産業に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第4条第1項第4号(返品の禁止)及び同項第5号(買いたたきの禁止)の規定に違反する行為が認められたため、2014年7月15日、下請法第7条第2項の規定に基づき、勧告を行う。[35]
発癌性物質
同社が2015年8月から発売開始したマニキュアの新製品について、全148商品のうち26商品から、発癌性物質の一つであるホルムアルデヒドが検出されたとして、同社は発売を中止し自主回収を実施した[36]。
その後、同年10月22日に全商品の検査の終了を受け、ホルムアルデヒドが検出された製品が当初の26商品から76商品に拡大したことを発表するとともに、万全を期すために、発売中止と自主回収の対象品をホルムアルデヒドが検出されなかった製品を含む全種類に拡大した。併せて、問い合わせの電話が繋がらない、質問内容に対する回答が曖昧、店頭での不遜な対応に客から叱りを受けるなど、返金の際に不適切な対応があったとして謝罪している[37]。
著作権侵害
子会社の大創出版が2017年12月に刊行し、ダイソーの店舗で発売していた「トリックアートギャラリー」・「トリックアートミュージアム」の2冊について、立命館大学教授の北岡明佳が考案した作品5点を無断転載していたことが2018年3月16日に明らかになった。北岡が同年2月下旬に「著作権侵害に該当する」として大創出版に警告書を送付。これを受けて大創出版は北岡に対して著作権侵害を認め謝罪すると同時に発売の中止と店舗からの回収を発表した。大創出版は「錯視自体には著作権がないと考え、錯視を利用した作品も同様だと考えていた」と釈明している[38][39]。
白髪染めから有害物質検出など
台湾で製造され、京都市の化粧品メーカー・サンパルコが輸入し、ダイソーの店舗で販売していた白髪染め3製品から、日本の基準で配合が認められていない有害物質のホルムアルデヒドが検出されたことが2018年4月13日に判明し、サンパルコが自主回収することを発表した。回収は200万個に及ぶという[40][41]。またサンパルコはダイソー向けに発売していたファンデーションなど75品目についても必要な成分を表示していなかったとして自主回収することも合わせて発表した[41]。
輸入書類改ざん
台湾でダイソーを展開する台湾大創百貨が、輸入を禁止されている福島県など5県産食品を、他県産と偽って輸入を申請し、経済部から半年間の輸入停止処分が下された後も、輸入書類を改ざんするなどして輸入を続けていたとして、台湾台北地方法院(地裁)は2020年2月17日、同社の元課長に対して猶予付きの有罪判決を言い渡した[42]。
商標法違反
2023年3月3日、高級ブランド「フェンディ」のロゴ入りの布を東京都と神奈川県内の店舗で不正に販売していたとして、同社と仕入れ担当の20代女性社員が商標法違反の疑いで神奈川県警察に書類送検された。布は90センチ四方のはぎれとして販売され、「FENDI」のロゴが入っていた。この布は元々フェンディの正規ライセンスを保有していた業者が傘製造用として生産した物であったが、検品で不合格となり、業者によって保管していたものの、業者が倒産したため、外部に流出した可能性があるといい、下請けから大量に仕入れた布に含まれていた。女性社員は同県警の調べに対し「仕入れ先から大丈夫と言われ、それ以上確認しなかった」と供述しているという[43][44]。3月28日、横浜地方検察庁は同社と同社社員について不起訴処分とした[45]。
ダイソー&アオヤマ
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒721-0965 広島県福山市王子町二丁目14番38号 青山王子ビル 1階 |
設立 | 1999年(平成11年)6月 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 4240001033120 |
事業内容 | ダイソー&アオヤマ 100YEN PLAZAのチェーン展開 |
代表者 | 畑山房則(代表取締役社長) |
資本金 | 2億円 |
売上高 | 159億円(2018年2月28日) |
従業員数 |
社員:99名 パート・アルバイト:1,329名 |
決算期 | 毎年2月 |
主要株主 |
青山商事 40% 大創産業 35% 青山理 25% |
外部リンク | https://www.100yenplaza.com/ |
ダイソー&アオヤマ 100YEN PLAZAは、広島県福山市に本社を構える「洋服の青山」を運営する青山商事と、大創産業が合弁で設立した100円ショップ。株式会社青五(せいご)が運営している。社名は青山商事創業者の青山五郎に由来している。
現在、北海道から沖縄県までの各地に青山併設店舗、青山の不採算店舗をリニューアルした単独店舗など141店舗を展開している。
取り扱い商品は直営のダイソーと同一であるが、100円超の高額商品は原則として取り扱っていない。ただし売り場のレイアウト方法は直営店と趣が異なり、陶器やグラスなどの陳列量が比較的多かったり、生活消耗品などの雑貨が多いなど、バラエティあふれる豊富さを重視するよりも、主婦を意識した生活密着型の店舗であることが特徴である。
関連会社
解散済み
社会公益
経済的理由から大学進学をあきらめざるをえない学生のために、返済不要の奨学金を供与するため、DAISO財団[1] を組織している。
スポーツ活動
テレビ番組
- 日経スペシャル カンブリア宮殿 安くても高品質!100均の王者が登場 唯一無二の薄利多売ビジネス(2018年1月18日、テレビ東京)[48]
書籍
関連書籍
- 「社長の哲学」(共著者:青木定雄 鍵山秀三郎 鳥羽博道 矢野博丈)(2005年5月2日、致知出版社)ISBN 9784884747121
- 「百円の男 ダイソー矢野博丈」(著者:大下英治)(2017年10月6日、さくら舎)ISBN 9784865811223
- 「百円の男 ダイソー矢野博丈」(著者:大下英治)(2020年2月14日、祥伝社 祥伝社文庫)ISBN 9784396346027
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 大創産業. “会社概要”. 2019年5月12日閲覧。
- ^ ダイソー「100円ショップ」躍進の秘密に迫る--その1 富士通 2000年9月6日
- ^ 会社概要
- ^ ダイソー豆知識(ダイソー公式サイト)
- ^ 学会員も親近感!? "学会系"と噂の企業を直撃!(前編) サイゾー 2008年6月9日
- ^ ダイソー|ダイソーホームページ|会社概要(2016年8月)
- ^ ダイソー|ダイソーホームページ|会社概要(2016年9月)
- ^ a b “静岡の100円ショップ、ダイソー子会社に 円安で収益厳しく”. 日本経済新聞. 株式会社日本経済新聞社 (2015年11月3日). 2023年3月5日閲覧。
- ^ “100円ショップ『オレンジ』 - あれもこれも100円”. 株式会社中部商会. 2019年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
- ^ “キーワード検索:オレンジ”. 株式会社大創産業. 2023年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
- ^ THREEPPY 大創産業
- ^ 300円SHOP THREEPPY・CouCou・PH (@threeppy_coucou_plusheart) - Instagram
- ^ キュートな雑貨が300円!「CouCou」(クゥクゥ)
- ^ “CouCou事業の譲受に関するお知らせ”. 株式会社大創産業. 2020年11月24日閲覧。
- ^ “大創産業/300円ショップ「CouCou」事業34店を取得”. 流通ニュース. 株式会社ロジスティクス・パートナー. 2020年11月24日閲覧。
- ^ “「ダイソー女子駅伝部」創部のお知らせ”. 大創産業 (2019年3月20日). 2022年7月7日閲覧。
- ^ 韓国ダイソー運営会社、大創保有株を取得 550億円で 2023年12月13日 日本経済新聞閲覧。
- ^ 韓国ダイソー株を売却 大創産業、現地運営会社に 2023年12月14日付 日本経済新聞閲覧。
- ^ 韓国ダイソー、大創産業の保有株を全取得し完全独立へ。売上高3300億円と飛躍的成長。今後は海外市場などで本家・ダイソーとしのぎの削り合いか? 2023年12月15日 MONEY VOICE閲覧。
- ^ 大創産業、創業来初の社長交代 次男の矢野靖二副社長が昇格 :日本経済新聞
- ^ ダイソー「100円本」のクオリティがすごすぎる! 100円で作れるワケを中の人に聞いてみた、ウレぴあ総研、2015年6月7日 10:30。
- ^ フランチャイズを希望します。申し込み方法はありますか?
- ^ 3ブランドのグローバル旗艦店、銀座に4月15日オープン - 大創産業 2022年3月7日(2023年2月17日閲覧)
- ^ 西日本初の3ブランド旗艦店を、2月4日に博多バスターミナルへオープン - 大創産業 2022年3月7日(2023年2月17日閲覧)
- ^ TERAOKA フルセルフレジ 導入事例:株式会社大創産業 - 寺岡精工 2023年2月5日閲覧
- ^ スマホ決済サービス「PayPay」を一斉導入
- ^ a b “ダイソー、メルペイ・au PAY・楽天ペイを導入”. Impress Watch (2022年2月1日). 2022年2月2日閲覧。
- ^ 金子麟太郎 (2022年10月31日). “DAISO(ダイソー)で「d払い」が利用可能に 2022年11月から”. ITmedia Mobile. 2022年11月14日閲覧。
- ^ シールキャンペーン
- ^ 「ダイソー」と「ダサソー」が争う商標権侵害…「模倣天国」韓国が進める“知財保護”の皮肉 産経新聞 2014年(平成26年)10月1日
- ^ ダイソーの勝訴が確定 「ダサソー」は類似商標=韓国、聯合ニュース、2015年10月16日 19:06。
- ^ 韓国大法院で「ダイソー」側の勝訴確定、「ダサソー」は類似商標、知財情報局、2015年10月20日。
- ^ “「ダサソー」経営者に罰金刑50万円 韓国地裁 ダイソー類似商標で営業続け起訴”. 産経ニュース. (2017年2月26日). オリジナルの2017年2月27日時点におけるアーカイブ。 2023年9月12日閲覧。
- ^ ダイソー、下請け代金を不当減額…公取委勧告 読売新聞 2012年3月27日
- ^ (平成26年7月15日)株式会社大創産業に対する勧告について - 公正取引委員会 2014年(平成26年)7月15日
- ^ “マニキュア商品から発がん物質 ダイソーが販売中止”. 産経ニュース. (2015年10月18日). オリジナルの2015年11月19日時点におけるアーカイブ。 2023年9月12日閲覧。
- ^ エスポルールネイルお詫びと回収のお知らせ (PDF) - 大創産業株式会社 2015年10月22日(2015年11月26日閲覧)
- ^ ダイソーの「錯視」本に著作権侵害…販売を中止(2018年3月16日時点のアーカイブ) - 読売新聞、2018年3月16日配信、2018年3月17日閲覧
- ^ “錯視アート本販売中止 立命館大教授の作品無断掲載”. 日刊スポーツ (2018年3月16日). 2018年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月15日閲覧。
- ^ “100均ショップの「白髪染め」に有害物質 京都の化粧品メーカー自主回収”. 産経WEST. (2018年4月13日). オリジナルの2018年4月14日時点におけるアーカイブ。 2023年9月12日閲覧。
- ^ a b “ダイソーで販売の白髪染めに有害物質 200万個回収”. サンケイスポーツ. (2018年4月13日). オリジナルの2018年4月15日時点におけるアーカイブ。 2018年4月15日閲覧。
- ^ 台湾ダイソーの元課長に猶予付き有罪判決 輸入書類改ざんで 台北地裁 フォーカス台湾 2020年2月18日
- ^ “ダイソーに“FENDI”なぜ? 110円で勝手に販売か 担当者「仕入れ先から大丈夫と」”. テレ朝news. (2023年3月3日). オリジナルの2023年3月3日時点におけるアーカイブ。 2023年3月4日閲覧。
- ^ 阿部育子、原晟也 (2023年3月3日). “ダイソー「FENDI」のロゴ入り布販売 商標法違反容疑で書類送検”. 朝日新聞 2023年3月3日閲覧。
- ^ “ダイソー社員ら不起訴 フェンディのロゴ不正使用疑い―横浜地検”. 時事通信. (2023年3月28日) 2023年3月28日閲覧。
- ^ “100均「ダイソー」に女子駅伝部 監督は世羅高率いた名将”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. (2019年3月21日) 2019年3月21日閲覧。
- ^ “クイーンズ駅伝 in 宮城~第41回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会~”. ダイソー女子駅伝部 (2021年11月28日). 2023年10月20日閲覧。
- ^ 安くても高品質!100均の王者が登場 唯一無二の薄利多売ビジネス - テレビ東京 2018年1月18日
関連項目
- プチ電車シリーズ
- 福山通運
- ほぼ100円ショップ - テレビ番組『はねるのトびら』内のコーナーで、「ダイタイソー」という名のパロディ店が登場した。また、100円に見えない100円商品を提供していた。
- 天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 - 2015年から協賛し、地元中国放送制作によるラジオ中継の冠スポンサーも務める。
外部リンク
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- ダイソー財団
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