モニカ・ニクレスクMonica Niculescu, 1987年9月25日 - )は、ルーマニアスラティナ出身の女子プロテニス選手。自己最高ランキングはシングルス28位、ダブルス11位。これまでにWTAツアーでシングルス3勝、ダブルス8勝を挙げる。身長168cm、体重63kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

モニカ・ニクレスク
Monica Niculescu
モニカ・ニクレスク
基本情報
フルネーム Monica Niculescu
国籍  ルーマニア
出身地 同・スラティナ
居住地 同・ブカレスト
生年月日 (1987-09-25) 1987年9月25日(36歳)
身長 168cm
体重 63kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2002年
ツアー通算 11勝
シングルス 3勝
ダブルス 8勝
生涯獲得賞金 6,883,299 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 3回戦(2011・12・14)
全仏 2回戦(2014)
全英 4回戦(2015)
全米 4回戦(2011)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト4(2018)
全仏 ベスト8(2010)
全英 準優勝(2017)
全米 3回戦(2009・10・16・17)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 28位(2012年2月27日)
ダブルス 11位(2018年4月2日)
2020年3月21日現在

来歴 編集

ニクレスクは5歳でテニスを始め2002年にプロに転向した。5年間ITFサーキットのサーキット大会に出場して、シングルスで15勝、ダブルスで21勝を挙げている。

2007年から4大大会の予選に挑戦し始め、2008年全豪オープンで初めて予選を勝ち上がり4大大会に初出場する。8月のニューヘイブン大会のダブルスでソラナ・チルステアと組み初めての決勝に進出したが、クベタ・ペシュケ&リサ・レイモンド組に 6–4, 5–7, [7–10] で敗れ準優勝となった。

2009年7月のブダペスト大会のダブルスでアリサ・クレイバノワと組みツアー2回目の決勝に進出する。決勝ではアリョーナカテリナのボンダレンコ姉妹に 6–4, 7–6(5) で勝利し初のツアータイトルを獲得した。

2011年全豪オープンで第32シードのツベタナ・ピロンコバに 6-4, 6-1 で勝利し、4大大会では初の3回戦に進出した。3回戦では第6シードのフランチェスカ・スキアボーネに 0-6, 6-7(2) で敗れた。全米オープンでは全豪に続き3回戦に進出し、第27シードのルーシー・サファロバに 6-0, 6-1 で完勝し、初の4回戦に進出を果たした。4回戦ではアンゲリク・ケルバーに 4-6, 3-6 で敗れた。

10月の北京大会では予選から勝ち上がり、1回戦で地元の全仏優勝者李娜に 6-4, 6-0 で勝利して勢いに乗り、ベスト4に進出した。続くルクセンブルク大会はツアー初のシングルス決勝に進出。ビクトリア・アザレンカに 2-6, 2-6 で敗れたが、後半3大会の好成績によりトップ30入りを果たした。

2012年全豪オープンでは第31シードになり4大大会シングルスで初めてシード選手になった。シードを守って勝ち上がり3回戦で第1シードのキャロライン・ウォズニアッキに 2-6, 2-6 で敗れた。イリーナ=カメリア・ベグと組んだダブルスではノーシードからベスト8に進出している。2月のカタール・トータル・オープンではベスト8に進出しランキングを自己最高の28位に上げたが、その後は早期敗退が多くなりロンドン五輪ルーマニア代表に選ばれていたが欠場した。ルクセンブルク大会では単複で決勝に進出したが、シングルスはビーナス・ウィリアムズに 2–6, 3–6 、イリーナ=カメリア・ベグと組んだダブルスもアンドレア・フラバーチコバ&ルーシー・ハラデツカ組に 3–6, 4–6 で敗れ準優勝に終わった。

2013年3月のブラジル・テニス・カップの決勝でオリガ・プチコワを 6-2, 4-6, 6-4 で破りシングルスツアー初優勝を果たした。2014年9月の広州国際女子オープンアリーゼ・コルネを 6–4, 6–0 で破り2勝目を挙げた。

2017年ウィンブルドン選手権では詹皓晴と組んだ女子ダブルスで決勝に進出した。決勝ではエカテリーナ・マカロワ&エレーナ・ベスニナ組に 0–6, 0–6 で1ゲームも奪えずに敗れ準優勝となった。

WTAツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 8回 (3勝5敗) 編集

大会グレード
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
プレミア・マンダトリー (0–0)
プレミア5 (0-0)
WTAエリート・トロフィー (0-0)
プレミア (0–0)
インターナショナル (3–5)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2011年10月23日   ルクセンブルク ハード (室内)   ビクトリア・アザレンカ 2–6, 2–6
準優勝 2. 2012年10月21日   ルクセンブルク ハード (室内)   ビーナス・ウィリアムズ 2–6, 3–6
優勝 1. 2013年3月2日   フロリアノーポリス ハード   オリガ・プチコワ 6-2, 4-6, 6-4
優勝 2. 2014年9月20日   広州 ハード   アリーゼ・コルネ 6–4, 6–0
準優勝 3. 2015年6月15日   ノッティンガム   アナ・コニュ 6–1, 4–6, 2–6
準優勝 4. 2016年9月25日   ソウル ハード   ララ・アルアバレナ 0–6, 6–2, 0–6
優勝 3. 2016年10月22日   ルクセンブルク ハード (室内)   ペトラ・クビトバ 6–4, 6–0
準優勝 5. 2017年1月14日   ホバート ハード   エリーズ・メルテンス 3–6, 1–6

ダブルス: 26回 (9勝17敗) 編集

大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–1)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-3)
ティア II (0–1) プレミア (1-3)
ティア III (0–0) インターナショナル (8-9)
ティア IV & V (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2008年8月23日   ニューヘイブン ハード   ソラナ・チルステア   クベタ・ペシュケ
  リサ・レイモンド
6–4, 5–7, [7–10]
優勝 1. 2009年7月12日   ブダペスト クレー   アリサ・クレイバノワ   アリョーナ・ボンダレンコ
  カテリナ・ボンダレンコ
6–4, 7–6(5)
準優勝 2. 2009年8月2日   スタンフォード ハード   詹詠然   セリーナ・ウィリアムズ
  ビーナス・ウィリアムズ
1–6, 4–6
準優勝 3. 2010年1月16日   ホバート ハード   詹詠然   クベタ・ペシュケ
  荘佳容
6–3, 3–6, [7–10]
準優勝 4. 2010年7月18日   プラハ クレー   アグネシュ・サバイ   ティメア・バシンスキー
  タチアナ・ガルビン
5–7, 6–7(4)
準優勝 5. 2011年7月23日   バクー ハード   ガリナ・ボスコボワ   マリヤ・コリツェワ
  タチアナ・ポウチェク
3–6, 6–2, [8–10]
優勝 2. 2012年1月14日   ホバート ハード   イリーナ=カメリア・ベグ   荘佳容
  マリーナ・エラコビッチ
6–7(4), 7–6(4), [10–5]
準優勝 6. 2012年9月22日   広州 ハード   ヤルミラ・ガイドソバ   張帥
  タマリネ・タナスガーン
6-2, 2-6, [8-10]
準優勝 7. 2012年10月21日   ルクセンブルク ハード
(室内)
  イリーナ=カメリア・ベグ   アンドレア・フラバーチコバ
  ルーシー・ハラデツカ
3–6, 4–6
準優勝 8. 2013年6月22日   イーストボーン   クララ・ザコパロバ   ナディア・ペトロワ
  カタリナ・スレボトニク
3-6, 3-6
優勝 3. 2014年1月4日   深圳 ハード   クララ・ザコパロバ   リュドミラ・キチェノク
  ナディヤ・キチェノク
6–3, 6–4
優勝 4. 2014年1月11日   ホバート ハード   クララ・ザコパロバ   リサ・レイモンド
  張帥
6–2, 6–7(5), [10–8]
準優勝 9. 2014年4月13日   カトヴィツェ ハード
(室内)
  クララ・クーカロバ   ユリア・ベイゲルジマー
  オリガ・サブチュク
6–4, 5–7, [10–7]
準優勝 10. 2015年1月17日   ホバート ハード   ビタリア・ディアチェンコ   キキ・ベルテンス
  ヨハンナ・ラーション
5–7, 3–6
準優勝 11. 2015年10月3日   武漢 ハード   イリーナ=カメリア・ベグ   マルチナ・ヒンギス
  サニア・ミルザ
2–6, 3–6
準優勝 12. 2015年10月23日   モスクワ ハード
(室内)
  イリーナ=カメリア・ベグ   ダリア・カサトキナ
  エレーナ・ベスニナ
3–6, 7–6(7), [5–10]
優勝 5. 2016年1月9日   深圳 ハード   バニア・キング   徐一幡
  鄭賽賽
6–1, 6–4
優勝 6. 2016年7月23日   ワシントンD.C. ハード   ヤニナ・ウィックマイヤー   青山修子
  尾﨑里紗
6–4, 6–3
準優勝 13. 2016年7月31日   モントリオール ハード   シモナ・ハレプ   エカテリーナ・マカロワ
  エレーナ・ベスニナ
3–6, 6–7(5)
優勝 7. 2016年8月27日   ニューヘイブン ハード   サニア・ミルザ   カテリナ・ボンダレンコ
  荘佳容
7–5, 6–4
準優勝 14. 2016年10月22日   ルクセンブルク ハード
(室内)
  パトリシア・マリア・ティグ   キキ・ベルテンス
  ヨハンナ・ラーション
6–4, 5–7, [9–11]
優勝 8. 2017年4月16日   ビール/ビエンヌ ハード
(室内)
  謝淑薇   ティメア・バシンスキー
  マルチナ・ヒンギス
5–7, 6–3, [10–7]
準優勝 15. 2017年7月15日   ウィンブルドン   詹皓晴   エカテリーナ・マカロワ
  エレーナ・ベスニナ
0–6, 0–6
準優勝 16. 2017年8月19日   シンシナティ ハード   謝淑薇   詹詠然
  マルチナ・ヒンギス
6–4, 4–6, [7–10]
優勝 9. 2019年2月3日   ホアヒン ハード   イリーナ=カメリア・ベグ   アンナ・ブリンコワ
  王雅繁
2–6, 6–1, [12–10]
準優勝 17. 2019年8月23日   ニューヨーク ハード   マルガリータ・ガスパリアン   マリア・ホセ・マルティネス・サンチェス
  ダリヤ・ユラク
5–7, 2–6, [7–10]

4大大会シングルス成績 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 通算成績
全豪オープン LQ 1R 2R 1R 3R 3R 1R 3R 1R 2R 1R 1R 1R 1R 8–13
全仏オープン LQ 1R 1R LQ 1R 1R 1R 2R 1R 1R 1R A A 1–9
ウィンブルドン LQ 2R 1R 2R 2R 1R 1R 1R 4R 2R 1R 1R 2R 8–12
全米オープン LQ 1R 1R 1R 4R 1R 1R 2R 2R 3R 3R 1R 1R 9–12

外部リンク 編集