しなの鉄道株式会社(しなのてつどう、: Shinano Railway Co., Ltd.)は、長野県上田市常田一丁目3番39号に本社を置き、県内で北陸新幹線並行在来線を経営する第三セクター鉄道事業者である。

しなの鉄道株式会社
Shinano Railway Co., Ltd.
Shinano Railway Symbolmark.svg
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 しな鉄
本社所在地 日本の旗 日本
386-0018
長野県上田市常田一丁目3番39号
設立 1996年5月1日
業種 陸運業
法人番号 9100001010566
事業内容 旅客鉄道事業 他
代表者 代表取締役社長 玉木淳
資本金 23億9,245万円(2016年3月31日時点)[1]
発行済株式総数 48,409株[1]
売上高 44億2百万円(2016年3月期)[1]
営業利益 3億34百万円(2016年3月期)[1]
純利益 3億17百万円(2016年3月期)[1]
純資産 33億47百万円(2016年3月末時点)[1]
総資産 79億70百万円(2016年3月末時点)[1]
従業員数 267人(2016年4月1日現在)
決算期 3月31日
主要株主 長野県 73.64%
長野市 3.88%
その他沿線10市町 12.98%
八十二銀行 2.69%
その他6金融機関 3.71%
交通事業者5社 2.89%
その他 0.21%
(2013年7月22日時点)[2]
外部リンク www.shinanorailway.co.jp/
特記事項:並行在来線を経営する目的で設立
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本項では、しなの鉄道が運行している観光列車「ろくもん」についても記述する。

目次

概要編集

北陸新幹線高崎駅 - 長野駅間の先行開業に際し、東日本旅客鉄道(JR東日本)から並行在来線として経営移管されることとなった信越本線軽井沢駅 - 篠ノ井駅間を経営する会社として設立された。同区間は1997年(平成9年)10月1日、新幹線開業と同時にしなの鉄道に移管され、しなの鉄道線として開業した。

長距離客が新幹線に移乗したことなどにより開業当初から経営は苦しく、2001年9月の中間決算では累積赤字が24億円以上になり、資本金23億円を上回る債務超過状態に陥った。そのため、同年に「しなの鉄道経営改革に向けての提言」を策定。2002年6月、エイチ・アイ・エス澤田秀雄に再建を要請し、同社から杉野正を社長に迎え、退任するまでの2年間に高齢者の乗降介助を行う「トレインアテンダント」やサポーター制度の新設といった経営合理化を進めた。不公平な契約の解消など様々な無駄の削減や第三セクター特有のお役所仕事的な社風の変革などに取り組んだ一方、2002年に連絡乗車券の発売駅・発売範囲を大幅に縮小するなど旅客サービスの後退もあった。

杉野の半ば体育会系営業マン的な経営手法により、しなの鉄道は減価償却費前の利益で黒字計上するに至ったものの、2004年には減損会計導入を進めたい当時の長野県知事田中康夫と「上下分離方式」を主張する杉野が対立を起こして社長を辞任。スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)の元社長井上雅之を社長に迎えて減損会計に踏み切り、その結果、2005年度決算において開業以来の初めて最終損益において黒字を計上するに至った。井上の下でも駅構内で宝くじを販売するなど異業種的な発想が実行された。

井上は2008年9月30日付で退任し、空席となっていた社長のポストには、2009年6月からJR東日本出身の浅海猛が就任。分離元鉄道事業者の社長は設立以来初めてのことであった。これは、2015年(平成27年)春に予定される北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴い、JRから経営分離される信越本線の長野以北区間の経営主体として、しなの鉄道が候補である点を睨んでの起用である旨を、当時の長野県知事村井仁が示唆している[3]

その長野駅以北の県内区間にあたる信越本線の長野駅 - 妙高高原駅間についても、しなの鉄道が運営主体となる旨が2012年(平成24年)4月に決定し、2013年3月には同区間の路線名称を「北しなの線」とする旨を発表した[4][5]。北しなの線は同新幹線の延伸開業日にあたる2015年(平成27年)3月14日に開業し[6]、同日以降、しなの鉄道が運営する鉄道路線は前者のしなの鉄道線と、後者の北しなの線の2路線となる。なお篠ノ井駅 - 長野駅間は同新幹線の延伸開業後も引き続きJR東日本が運営するため、しなの鉄道線と北しなの線は同区間を挟んで直接接続しない飛地路線となった(北しなの線の経営の経緯は「しなの鉄道北しなの線」を参照)。

歴史編集

駅の新設・路線の設備・列車の運行関係は「しなの鉄道線#歴史」「しなの鉄道北しなの線」を参照。

  • 1996年平成8年)
  • 1997年(平成9年)
    • 6月19日:軽井沢 - 篠ノ井間 65.1km の第一種鉄道事業免許を取得[7]
    • 10月1日:しなの鉄道線 軽井沢 - 篠ノ井間が開業[7]
  • 2001年(平成13年)3月22日:運賃改定(10%値上げ)。JR東日本との乗継割引額を縮小。
  • 2002年(平成14年)
    • 3月25日:本社を長野市から上田市に移転。
    • 4月1日:滋野駅の業務を有限会社しげのマツバタクシーに委託。
    • 7月12日:レールサポーター・トレインサポーター募集開始。
    • 9月9日:主要駅や列車に「トレインアテンダント」を配置。
    • 10月1日:JR各社との連絡運輸取扱範囲縮小。
  • 2003年(平成15年)4月1日:中軽井沢駅の業務を星野リゾートへ委託。
  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)
    • 1月21日:3月20日までの毎日、篠ノ井 - 小諸の各駅から軽井沢駅までを利用する乗客を対象にした往復割引切符「軽井沢“Qっと”往復割引フリーきっぷ」を販売。通常運賃で各駅から軽井沢駅までを往復利用するより、約15%割引の発売額で設定。乗車日から2日間有効で、乗車駅から軽井沢駅までの間は乗降自由。
    • 7月1日:「しなの鉄道ファンクラブ」創設。
    • 11月:軽井沢・プリンスショッピングプラザで「プラチナバーゲン」にあわせて23、25、26の各日、臨時の「プラチナバーゲン列車」を運行するとともに、バーゲン期間中に利用できるフリー切符を発売。軽井沢 - 篠ノ井間で1日乗り降り自由で発売額は大人1200円、子供600円。このほかに1000円分の金券と食事券(特別メニューで1600円相当)、ショッピングクーポンブックが付いた「プラチナゆぅみぃ土日フリーきっぷセット」(大人3800円、子供3200円)も販売。
  • 2007年(平成19年)
    • 6月1日:運賃改定(12.5%値上げ。初乗り運賃が160円から180円に)およびJR東日本との乗継割引運賃の割引率を縮小。通年回数券名称「連絡11回数券」を改め「千曲川回数券」に変更。
    • 10月1日:全線(軽井沢 - 篠ノ井)が1日乗り放題となる「開業10周年記念フリーきっぷ」を発売。大人用は1300円で500枚、小人は650円で250枚を販売。
  • 2012年(平成24年)
    • 4月17日:臨時株主総会で北陸新幹線長野 - 金沢間開業に伴い経営分離される信越本線のうち、長野 - 妙高高原間の経営引き受けを決定[5]
    • 9月1日:公式サイトが大幅にリニューアル。
  • 2013年(平成25年)
    • 3月27日:長野 - 妙高高原間の路線名を「北しなの線」に決定[5]
    • 4月29日:さよなら運転を最後に169系電車の運用終了。
    • 10月1日:「しなてつファンクラブ」創設[8]
    • 12月6日:しなの鉄道が国土交通省に北しなの線の鉄道事業許可を申請[5]
  • 2014年(平成26年)
  • 2015年(平成27年)3月14日:北しなの線 長野 - 妙高高原間が開業[5][6]

路線編集

営業する路線についての詳細は下記の記事を参照のこと。

篠ノ井 - 長野間の譲渡問題編集

1997年(平成9年)に軽井沢 - 篠ノ井間の並行在来線区間がしなの鉄道へ移管した後も、信越本線の篠ノ井 - 長野間についてはJR東日本側が「篠ノ井線の特急列車[注 1]ダイヤ調節のため」などを理由に経営分離せず引き続き運営を継続していることから、しなの鉄道は最も運賃収入が見込まれる同区間について早期の経営権譲渡を求めていた。当時の社長である杉野正は「いいとこ取り、初めから知ってたんだと思います」[11]と批判し「JR東日本の都合のいいように契約が結ばれている」と不満を述べていた[12]

長野県とJR東日本長野支社が2002年(平成14年)に実施した共同調査によると、同区間の運賃収入は年間約14億円にのぼるとされ、県としなの鉄道ではこれを基に同区間の経営権を見直す旨について検討を進めてきた。しかし、2009年(平成21年)6月4日に開かれた「長野以北並行在来線対策協議会」の幹事会において、仮にしなの鉄道が同区間の経営権を得た場合、JR東日本をはじめとするJRグループ各社[注 2]との間で列車の運行調整を担うのは技術や経費等の問題から困難である点が指摘され、また当時のしなの鉄道の実績を基に人件費・駅管理費等の維持コストを推計して営業損益を試算したところ、年間約10億円の損失が生じるとの結果が報告されるなど、予想以上にコストを要することが判明した。これらを基に検討した結果、同区間については引き続き従来通りJR東日本が運営し、しなの鉄道が乗り入れる方式を継続することが適当とする結論に至り、JR東日本に経営権の見直しを求めない方針に転換した[13]

車両編集

2016年(平成28年)9月27日時点で保有している車両は、JR東日本から譲渡された国鉄形電車の115系のみで、3両編成15本、2両編成7本の、計59両22本が配備されている。開業時点での在籍車両は3両編成のみであったが、同社より追加で譲渡された2両編成を2013年3月16日のダイヤ改正実施時から運用開始した。また3両編成のうち1本は、後述の観光列車「ろくもん」編成である。

全線でワンマン運転を行っているため(一部列車を除く)、ろくもんを除く全ての編成にドア開閉や自動放送等を運転士が操作するための対応設備が搭載されている。また全車両のドアにはドアチャイムが設置されているほか、3両編成は各車両のドア上3箇所に15インチの液晶ディスプレイを装備し(ただし、S8・12 - 16は未装備)、自社のPR映像やスポンサー企業のCMなどが放映されている。

軌道架線信号の検測にはJR東日本の検測車 E491系 (East i-E) が使用される。

このほか、1997年の軽井沢 - 篠ノ井間の運営継承時にJR東日本から169系3両編成3本を譲り受け、1998年に同社から1本を追加譲受し(S54編成)、計4本が配備されていた。2013年3月15日をもって定期運行を終了、同年4月29日の「さよなら運転」をもって全ての運行を終了し廃車となっている。

現有形式編集

115系(59両)
3両編成15本(S1 - 4・6 - 16編成)、2両編成7本(S21 - 27編成)が在籍。
塗装はしなの鉄道オリジナル色である。ただし、S13・15・16編成は長野色にしなの鉄道シールを貼り付けただけの塗色である。
S7編成は2017年7月から9月まで開催される信州デスティネーションキャンペーンに合わせ、同年4月8日より「アイボリーホワイト」を基調とした初代長野色として運行されている[14]
S3編成は同様の理由により同年5月20日から湘南色として運行されている[15]。なお、同年7月にも1編成が横須賀色(山スカ)に塗装変更され、7月29日より運行を開始している[16][17][18]
3両編成
編成番号 クモハ
115
モハ
114
クハ
115
備考
S1 1004 1007 1004
S2 1012 1017 1011 2012年8月4日から[19]2013年11月25日までアニメ「あの夏で待ってる」のラッピング。2013年12月25日をもって元の色に戻される[20]
S3 1013 1018 1012 湘南色[15]
S4 1066 1160 1209
S5 1069 1166 1212 2013年8月1日付で廃車[21]
S6 1002 1003 1002
S7 1018 1023 1017 初代長野色[14]
S8 1529 1052 1021 観光列車「ろくもん」用[22]
S9 1527 1048 1223
S10 1067 1162 1210
S11 1020 1027 1019 2017年1月から2018年1月まで田窪恭治の作品「イイヅナのリンゴ」ラッピング[23]
S12 1036 1047 1037
S13 1070 1167 1213 長野色
S14 1010 1015 1010
S15 1015 1020 1014 長野色
S16 1072 1170 1215 横須賀色[18]
2両編成
編成番号 クモハ
115
クモハ
114
備考
S21 1011 1507
S22 1528 1508
S23 1037 1509 2013年9月24日から[24]2014年12月8日まで[25]プロサッカークラブ「AC長野パルセイロ」のラッピング
S24 1005 1510
S25 1075 1511
S26 1076 1512 2014年10月5日から2015年8月14日まで小諸市小諸青年会議所50周年記念事業の一環として、同市内の子供たちによって書かれた絵がラッピングされ、「ドリーム列車“絆”」の愛称を付けて運行
S27 1040 1514

過去の保有形式編集

169系
3両編成(S51 - S54編成)4本(12両)が在籍していた。
定期運転は2013年3月15日で終了しており、S51編成は定期列車での運用を終了後、同年3月27日は坂城駅での静態保存が決まり、その後、同社のサプライズイベントとしての臨時列車で運用するため、S51編成を湘南色に復元した。 S52編成は、2008年、旧信越本線軽井沢 - 関山間開業120周年記念として、湘南色に復元した。その後2009年3月末に一旦しなの鉄道色に戻されたが、2010年9月18日に再び湘南色に復元された。鉄道に関する技術上の基準を定める省令が改正されたことを受け[要出典]、2011年7月1日にはJR東日本管内での営業運転を終了した[26]。S54編成は1998年にJR東日本から譲受。2012年1月21日の屋代駅での運行終了記念イベント後、同年2月2日に長野総合車両センターに廃車回送された[27]。残りの3本も2013年4月27日 - 29日に行われたさよなら運転をもって運用を終了し[28][29]、同年8月1日までに全車廃車となった。
編成番号 クモハ
169
モハ
168
クハ
169
備考
S51 1 1 27 2013年3月末に湘南色に復元・坂城駅で全車静態保存
S52 6 6 19 2010年9月以降湘南色・クハ169-19のみ(旧)軽井沢駅舎記念館(閉館)に保存
S53 23 23 20  
S54 13 13 13 2012年に廃車

車両導入計画編集

しなの鉄道では2012年(平成24年)2月9日に開かれた「しなの鉄道活性化協議会」平成23年度第3回協議会において、5箇年計画で実施する輸送設備更新の一環として、2016年度に2両編成3本の新造車両を導入する計画案を示し、その予算を9億円と見込んでいた[30]

また2013年(平成25年)3月に、しなの鉄道が策定した「第三次中期経営計画」において「老朽化が進む115系車両に代わる次期主力車両について、導入に向けた準備を進める」との計画が示され[31]、2015年(平成27年)4月に公表された同計画の改訂版では、輸送設備更新と乗客サービスの向上を目的に「115系車両の更新時期を見据え、平成27年度を目途に中長期的な車両更新計画を策定し、導入に向けた準備を進める」とし、同年度中の計画具体化を目指すとしている[32]

なお、2017年1月に、2017年度中の中古のリクライニングシート車の導入計画が発表されており、平日はライナー列車、休日は軽井沢駅 - 妙高高原駅間を直通する観光列車への充当が計画されている[33][34]

車両基地編集

仕業検査は戸倉駅構内の車両基地で、交番検査・重要部検査・全般検査は屋代駅構内の長電テクニカルサービス屋代車両検査場で、それぞれ行われる。

なお、しなの鉄道では「ろくもん」用のS8編成を除き、トイレの運用を中止している。これはしなの鉄道管内に汚物処理施設が設置されていないことによるもので[35]、しなの鉄道は各列車でトイレ非設置の旨を車内アナウンスするなどして、利用者に理解と協力を求めている。

観光列車「ろくもん」編集

ろくもん
 
S8編成「ろくもん
概要
種類 快速列車
現況 運行中
運行開始 2014年7月11日
運営者   しなの鉄道
  東日本旅客鉄道(JR東日本)
路線
起点 軽井沢駅
終点 長野駅
営業距離 74.4 km(軽井沢 - 長野間)
使用路線 しなの鉄道:しなの鉄道線
JR東日本:信越本線
車内サービス
クラス 普通車
技術
車両 115系S8編成
(しなの鉄道所属)
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ろくもんは、しなの鉄道が軽井沢駅 - 長野駅間をしなの鉄道線信越本線経由で運行している観光列車である。

運行概況編集

しなの鉄道は輸送人員の減少傾向や施設・設備の更新費用の増加など、開業以来抱えている問題に加え、2015年(平成27年)3月の北陸新幹線金沢開業と、それに伴う北しなの線開業に向けた経営基盤の強化などが課題となっていた。こうしたことから2013年(平成25年)8月、新たな営業戦略の一環として、しなの鉄道の利用促進と沿線地域の活性化を図るため観光列車を導入し、2014年(平成26年)夏の運行開始を目指すとする方針を発表した[36]

改造には115系3両編成(S8編成)が充当されることになり[22]、2014年1月にはデザインなどが発表され[37]、3月25日には車両改造工事の安全祈願式が執り行われた[38]。改造費用は約1億円[39]

列車愛称は、沿線地域ゆかりの真田氏の「六文銭(六連銭)」に因む「ろくもん」に決定。デザインは水戸岡鋭治が担当した。車内は車両の床、イス、テーブル等に長野県産材を使用。1号車はファミリーやグループ向けの車両とし、中央に子供の遊び場(木のプール)を設置。2号車は沿線地域の景観を楽しみながら食事ができるカウンター席とソファ席を配置しているほか、様々な交流や情報提供が可能となるサロンスペース、最低限の食事サービスを提供できるキッチンを設置。3号車は2人組の旅客が個室的な空間の中で、食事を楽しむことができる車両となっている。また、3号車にはしなの鉄道保有の車両としては初となるバリアフリー対応のトイレが設置された。水戸岡は本列車について「ななつ星in九州を除けば、全国の観光列車のナンバーワン」と発言している[39]

4月28日には改造中の車体が報道陣に公開され[40]、7月2日には車両が完成し、本社前の電車留置線で内覧会が行われ[41]、7月11日より運行を開始した[10]

全席普通車指定席で、1日あたり下り2本、上り1本を運行している。食事付きプラン(しなの鉄道1日乗車券・指定券込)は、しなの鉄道本社の予約センターと軽井沢駅、小諸駅、上田駅、戸倉駅、屋代駅の窓口で、旅行予定月の2か月前の1日から発売している。また指定券(乗車券が別途必要)は前述の各駅窓口とJTB、近畿日本ツーリストで、運行日の1か月前から取り扱っている。

2014年11月28日から表示幕(前サボ)が専用デザインとなった[42]

使用車両編集

115系電車3両編成 - しなの鉄道所属、S8編成(ろくもん編成)

停車駅編集

停車駅については「しなの鉄道線#駅一覧」を参照。

沿革編集

  • 2013年(平成25年)8月27日:観光列車の導入を発表。
  • 2014年(平成26年)
    • 1月21日:観光列車の概要を発表。愛称が「ろくもん」に決定する。
    • 7月11日:運行開始。

運賃編集

 
車内販売の乗車券

大人普通旅客運賃(小児半額、10円未満は切り上げ)(2014年4月1日改定[43]

北しなの線開業後も変更はなく、両線で共通の運賃となっている[44]。しなの鉄道線の「駅一覧」および北しなの線の「駅一覧」から乗車駅・降車駅間の営業キロを計算して1km単位に切り上げ、それを下表に当てはめたものが運賃となる。

対キロ運賃表(しなの鉄道線・北しなの線共通)
キロ程 運賃(円)
- 3km 190
4 - 6 230
7 - 9 240
10 - 11 250
12km以上 20.05円×営業キロ(1km未満端数切上げ)×1.08(消費税)

(10円未満切り上げ)

連絡運輸・乗継割引編集

JR東日本およびえちごトキめき鉄道の以下に示す区間との間で設定されている[45]。ただし、妙高高原駅はえちごトキめき鉄道の管轄であるため、えちごトキめき鉄道に準じた発券体制となる[44][46]

しなの鉄道線の開業直後には多くの駅でJR東日本線への連絡乗車券が発売されていたが、2002年に連絡乗車券の発売駅・発売範囲が大幅に縮小された。その後、北しなの線開業を経て現在の形となっている。

JR東日本 えちご

トキめき鉄道

小海線 篠ノ井線 信越本線 飯山線
しなの鉄道線 (小諸接続)
東小諸 - 小海
(篠ノ井・長野接続)
松本 - 篠ノ井 - 長野[注 3]
なし なし
北しなの線 なし (豊野接続)
信濃浅野 - 森宮野原[注 4]
(妙高高原接続)
妙高はねうまライン全線[注 5]
妙高高原駅 なし なし

なお、当社線に途中下車せずに乗り継ぐ、または当社線から当該線区へと乗り継ぐ場合、当社線内の営業キロが8km以下であるときは当社線の運賃が80円、8kmを越え11km以下であるときは40円が割り引かれる。

通過連絡運輸編集

しなの鉄道ではしなの鉄道線と北しなの線を信越本線経由で結ぶ通過連絡運輸を実施している。

なお、この場合、JR区間(篠ノ井 - 長野:9.3km…200円)を挟んだ前後のしなの鉄道区間の営業キロを通算して運賃を計算する特例が適用される。

発着駅 経由 発着駅
しなの鉄道線
軽井沢 - 屋代高校前
信越本線
(篠ノ井 - 長野)
北しなの線
北長野 - 妙高高原[注 6]

JR東日本側ではしなの鉄道各線を通過する通過連絡運輸として、以下のものが設定されている[47]

発着駅 経由 発着駅
小海線
東小諸 - 小海
しなの鉄道線
(小諸 - 篠ノ井)
篠ノ井線
松本 - 稲荷山
信越本線
今井 - 長野
篠ノ井線・信越本線
松本 - 安茂里
北しなの線
(長野 - 豊野)
飯山線
信濃浅野以遠の全線
北しなの線
妙高はねうまライン
(長野 - 直江津)
信越本線
黒井 - 新潟

途中下車編集

同社では片道の営業キロが100kmまでの乗車券では途中下車ができない[48]

自社線内のみで片道101km以上の乗車券は存在しないため、途中下車が可能なのはJR線など他社にまたがる連絡乗車券等に限られることになる。

企画乗車券編集

  • 軽井沢・長野フリーきっぷ
    • しなの鉄道線・JR信越本線篠ノ井 - 長野間の快速を含む普通列車が指定の1日間乗り降り自由の乗車券。信濃追分、平原、篠ノ井、妙高高原の各駅を除くしなの鉄道各駅と長野駅しなの鉄道きっぷ売り場で発売。発売額は、大人2350円、小人1180円。[49]
  • 北しなの線フリーきっぷ
    • 北しなの線が指定の1日間乗り降り自由の乗車券。長野駅しなの鉄道きっぷ売り場、北長野、三才、豊野、牟礼、黒姫の各駅と、えちごトキめき鉄道妙高高原駅(2015年12月1日から)で発売。発売額は、大人1000円、小人500円[50]。「軽井沢・長野フリーきっぷ」所持者・同時購入者には北しなの線フリーきっぷと同効力の「北しなの線リレーきっぷ」を大人500円・小人250円で発売[51]

特記事項編集

映画・テレビ撮影などの誘致編集

2005年より、鉄道施設内での映画テレビドラマコマーシャル撮影の誘致を開始し、同年より撮影が行われている。

しなてつファンクラブ編集

しなの鉄道では、利用促進につながるサービスの提供や情報発信を行い、利用の拡大及び利用者・沿線住民とのコミュニケーションの強化を目指すことを趣旨として、2002年(平成14年)からファンクラブ制度を導入している。

2002年、しなの鉄道が経営改革の一環として公表した「20の改革メニュー」に、車両の維持費や保線費用を、沿線や県内のみならず全国に支援を求める策として「しなの鉄道レール&トレインサポーター」の制度導入が盛り込まれ、同年7月に発足、翌8月から運営を開始した。レールの保守費を支援する「レールサポーター」と車両の保守費を支援する「トレインサポーター」の2種類が設けられ、会員登録者には会員証を送付するだけでなく、会員の氏名を駅構内の枕木や車両内に掲示するサービスを実施した。これがファンクラブ制度の前身である。

2006年(平成18年)、前掲のサポーター制度を発展統合する形で「しなの鉄道ファンクラブ」が創設された。年会費は10,000円(一般・子供とも同額)で、会員登録者には会員証の送付をはじめ、期間限定フリーきっぷの進呈、ビアトレインなどイベント列車ツアーへの招待などが特典として付与された。

だが会員は鉄道ファンが中心で入会者数も100人程度と伸び悩んだことから、しなの鉄道社長の藤井武晴は2013年(平成25年)6月18日の株主総会後の記者会見でファンクラブ制度のリニューアルを実施する方針を明らかにし、より多くの人が入会できるよう会費を引き下げるのをはじめ、各種割引の付与や、しなの鉄道の取り組みを知らせる会報の発行など、特典内容を見直す意向を示した[52]

このリニューアルは同年10月1日付で実施し、組織名称も「しなてつファンクラブ」に改称した。年会費が一般会員1000円・子供会員500円(入会時小学生以下で保護者の入会も必要)に引き下げられたのに加え、新たにポイント制度が導入された。会員登録者は、しなの鉄道の窓口等で定期券・フリーきっぷ・企画乗車券・オリジナルグッズを購入したり、ファンクラブイベントへ参加したりする際、会員証を兼ねるポイントカードを提示するとポイントが付与され、貯まったポイント数に応じてノベルティグッズや、しなの鉄道の利用券と交換できる。会員にはその他、しなの鉄道が主催する旅行商品を割引価格で利用できるほか、春休み・夏休みに開催する無料車両基地見学など会員限定イベントへの参加、年2回のファンクラブ会報の送付などの特典がある[8]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 特急「しなの」などが存在する
  2. ^ 篠ノ井 - 長野間にはJR東日本の列車のみならず、特急「しなの」をはじめとする、中央西線飯田線といった東海旅客鉄道(JR東海)管内との直通列車も走行する。加えて、1997年時点では名古屋 - 長野間の特急「しなの」の大阪発着便(2016年廃止)や夜行急行「ちくま」(2005年廃止)など、西日本旅客鉄道(JR西日本)管内からの列車もあった。さらに、この区間には北長野駅へ向け日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物列車も乗り入れるため、調整先は1997年のしなの鉄道線開業時点でJRグループ4社にまで及んでいた。
  3. ^ 北しなの線開業前の連絡運輸の北限は豊野までであった。
  4. ^ JR側で発売する場合は森宮野原 - 越後川口も発売範囲に含む
  5. ^ 妙高高原駅は日本海ひすいラインも含む。詳細はえちごトキめき鉄道#運賃を参照。
  6. ^ 妙高高原駅での発券は不可

出典編集

  1. ^ a b c d e f g 第20期貸借対照表および損益計算書 (PDF)
  2. ^ 出資者一覧 (PDF)
  3. ^ しなの鉄道社長に浅海氏、初のJR出身 - 信濃毎日新聞、2009年5月29日(インターネットアーカイブ)。
  4. ^ しなの鉄道、長野以北の経営引き受け決議 臨時株主総会 - 信濃毎日新聞、2012年4月18日(インターネット・アーカイブ)。
  5. ^ a b c d e f 長野以北開業準備状況 - しなの鉄道(2014年6月27日閲覧)
  6. ^ a b “北しなの線の開業日の決定について” (プレスリリース), しなの鉄道, (2014年8月29日), http://www.shinanorailway.co.jp/news/2014/08/1484.php 2014年9月2日閲覧。 
  7. ^ a b c 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成十八年度、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.79
  8. ^ a b 「しなてつファンクラブ」の創設について(会員募集中) - しなの鉄道、2013年10月1日(2014年7月14日閲覧)
  9. ^ “しなの鉄道(株)、えちごトキめき鉄道(株)、あいの風とやま鉄道(株)及びIRいしかわ鉄道(株)申請の第一種鉄道事業許可について” (プレスリリース), 国土交通省, (2014年2月26日), http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo03_hh_000054.html 2014年2月26日閲覧。 
  10. ^ a b ろくもんとは - しなの鉄道(2014年5月5日閲覧)
  11. ^ SBCスペシャル「在来線はどこへ -新幹線建設の光と影-」 - 信越放送、2004年2月19日放送。
  12. ^ プレジデントオンライン 杉野正 構成=高馬卓史 撮影=鈴木直人 2012年11月13日(火) 性格が悪い自分が皆に好かれるには 上司の気懸かり10篇 PRESIDENT 2012年6月4日号 - 『PRESIDENT』2012年6月4日号より
  13. ^ 長野-篠ノ井間はJRで 県、現行維持に方針転換 - 信濃毎日新聞、2009年6月4日(インターネット・アーカイブ)。
  14. ^ a b 115系S7編成が初代長野色に - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2017年4月9日
  15. ^ a b しなの鉄道115系S3編成が湘南色に - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2017年5月22日
  16. ^ 115系電車 懐かしの車体カラー | お知らせ | しなの鉄道株式会社”. しなの鉄道. 2017年6月17日閲覧。
  17. ^ しなの鉄道の旧塗装化プロジェクト、第3弾は「山スカ」初登場 7月29日から”. レスポンス (2017年6月16日). 2017年6月17日閲覧。
  18. ^ a b しなの鉄道115系S16編成が横須賀色に - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2017年7月30日
  19. ^ しなの鉄道でアニメ「あの夏で待ってる」のラッピング列車 - 交友社鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2012年8月6日
  20. ^ 「あの夏で待ってる」ラッピング列車 最後のお披露目について[リンク切れ]
  21. ^ 『JR電車編成表』2014冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2013年、p.107。ISBN 9784330424132
  22. ^ a b しなの鉄道『ろくもん』はどんな車両?…車内外のデザインを見る[写真蔵] - レスポンス、2014年7月6日
  23. ^ しなの鉄道115系に「イイヅナのリンゴ」のラッピング - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2017年1月30日
  24. ^ 「AC長野パルセイロ」ラッピング列車の運行について - しなの鉄道、2013年9月20日(2014年9月2日閲覧)。
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  29. ^ しなの鉄道で169系さよなら運転 - 『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース(交友社) 2013年4月28日
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  35. ^ お客様の声 - 設備・車両についてのお問合せ - しなの鉄道(2014年12月27日閲覧)
  36. ^ 観光列車の導入について (PDF) - しなの鉄道(2013年8月)
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  39. ^ a b 「しな鉄」が軽井沢駅に遊園地を開設するワケ - 東洋経済ONLINE・2017年4月3日
  40. ^ しなの鉄道の観光列車「ろくもん」「赤備え」車両お披露目 - 信濃毎日新聞、2014年4月29日
  41. ^ 長野)観光列車「ろくもん」完成 しなの鉄道 - 朝日新聞、2014年7月3日
  42. ^ ろくもんの表示幕(前サボ)が専用デザインになりました - ろくもん専用ホームページ
  43. ^ 消費税率引き上げに伴う運賃改定について - しなの鉄道、2014年3月7日(2014年4月3日閲覧)
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  45. ^ お客様の声”. しなの鉄道. 2017年1月11日閲覧。
  46. ^ 北しなの線 住民説明会資料 (PDF) - しなの鉄道(2015年3月18日閲覧)
  47. ^ 私鉄経由の乗車券は申込めますか?”. えきねっとQ&A よくあるご質問. えきねっと. 2017年1月20日閲覧。
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  49. ^ 軽井沢・長野フリーきっぷ - しなの鉄道ホームページ、2015年3月18日閲覧
  50. ^ 北しなの線フリーきっぷ - しなの鉄道ホームページ、2015年3月18日閲覧
  51. ^ 北しなの線リレーきっぷ - しなの鉄道ホームページ、2015年3月18日閲覧
  52. ^ しなの鉄道が今秋、新ファンクラブ設立へ”. 読売新聞社 (2013年6月19日). 2013年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月14日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集