樋口真嗣

日本の特技監督、作画監督、アニメーター、装丁家 (1965-)

樋口 真嗣(ひぐち しんじ、1965年9月22日 - )は、日本特技監督映画監督・映像作家・装幀家。東京都新宿区出身で、茨城県古河市に居住していた。茨城県立古河第三高等学校卒業。ガイナックスGONZOMotor/lieZを経てオーバーロード所属。妻は、スタジオジブリでのハーモニー処理をしている高屋法子。IT企業のユビキタスエンターテインメントにおいてチーフ・ビジョナリー・オフィサーも務める。

ひぐち しんじ
樋口 真嗣
樋口 真嗣
2016年、『シン・ゴジラ』ワールドプレミアにて
生年月日 (1965-09-22) 1965年9月22日(56歳)
出生地 日本の旗 日本 東京都新宿区
職業 特技監督映画監督・映像作家・装幀
ジャンル 映画
活動期間 1984年 -
配偶者 高屋法子
事務所 オーバーロード
主な作品
平成ガメラシリーズ
ローレライ
日本沈没
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
のぼうの城
シン・ゴジラ
 
受賞
日本アカデミー賞
最優秀監督賞
2016年シン・ゴジラ
特別賞特殊技術賞
1995年ガメラ 大怪獣空中決戦
その他の賞
第17回ヨコハマ映画祭技術賞
『ガメラ 大怪獣空中決戦』
第26回東京スポーツ映画大賞監督賞
『シン・ゴジラ』
第37回日本SF大賞特別賞
『シン・ゴジラ』
第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞
『シン・ゴジラ』
テンプレートを表示

愛称は「シンちゃん」(由来などは#人物像で詳述)。

東京おもちゃショー2016 バンダイ『S.H.MonsterArtsゴジラシリーズ』新商品発表会 樋口真嗣.jpg

経歴編集

作風編集

  • 「まずミニチュアセットを作成し、その中に撮影対象となるキャラを配置して、それを如何に撮影するか」という従来の特撮制作方法に対して、「まず樋口の頭の中で完成画を発想し、それを具現化するためにミニチュアセットを組む」「イメージした素材以外、映像に現さない」というアニメーションの制作ノウハウにも通じる独自の画面デザインセンスを持つ[3]
  • 高校時代は音楽バンド活動を行なっており、音楽自体は才能の無さに挫折するが、この頃からYMOなどの影響でライブで流す8ミリ映像を製作していた[1]
  • 画作りが高く評価されており、多数の映画に画コンテを提供している。コンテの通りになかなか映像が出来あがらないことが、特技監督に手を染めた一因だという[1]。初期には特に『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』や『帝都物語』といった特撮作品に画コンテを提供しており、それらの作品の大木淳吉特技監督と中学生時代から現場を見学していた東宝の中野昭慶が、特技監督としての師匠である。大木は生前、デビュー前の樋口との共著で特撮のノウハウ本の発表を計画していたが、実現には至らなかった。
  • 強く影響を受けた作品として『帰ってきたウルトラマン』を挙げている[1]

人物像編集

  • ゲームでは『killer7』を高評価している[4]
  • 東日本大震災の発生時には節電協力を求めるヤシマ作戦のロゴを公開し、pixivに「リンバンテイデン」というユーザー名で輪番停電に関する複数の画像も投稿した[5]
  • 進撃の巨人』の批評に関してFacebook上の発言が元で炎上し、その後に謝罪した[6]
  • コロナ禍で外食できず、テイクアウトの弁当も冷めていたのをきっかけに料理を始め、洋菓子を家族に作ってはInstagramにアップするようになった。[7]

学生時代から『ゴジラ』への参加まで編集

中学生時代、CMの仕事をしていた叔母について東宝スタジオを見学し、特撮現場に初めて触れた[8]。この時、案内を受けた特殊技術課課長の唐沢登喜麿からの紹介で特技監督の中野昭慶とも知り合った[8]。それから撮影現場を度々訪れるようになり、映画『連合艦隊』の撮影などを見学していた[8]

その後、高校3年生の頃、見学者という身分ながら『さよならジュピター』や『零戦燃ゆ』などで特撮現場の手伝いを行うようになる[8]。『さよならジュピター』で日本の特撮が変わっていくことを実感し、大学受験をせず撮影現場に通い詰めるようになったという[8]。『零戦燃ゆ』では、撮影後の飲み会で酔いつぶれ、特殊効果の久米攻の車で嘔吐してしまい、その詫びとして特殊効果部で1ヶ月間タダ働きすることになった[8]

ゴジラ』は、当初は『零戦燃ゆ』からのスライドで特殊効果部で作業していたが、正規のスタッフではないことが問題となりアルバイトとして雇われる運びとなったものの、前後して特撮研究所から研修のスタッフが入ることになったため[注釈 1]、樋口の雇用は流れてしまう[8]

その後、特殊美術課課長の青木利郎の計らいにより、美術の井上泰幸の助手として正式に雇用される[8]。当時、井上は特殊美術課で作業していたが、あくまで外部(アルファ企画)の人間であったため特美から助手をつけることはできず、正規のスタッフではなかった樋口が選ばれたという[8]。井上の下では、図面に基づいた紙の裁断や、セットの模型製作が主な仕事であった[8]。ビルの造型時に、対比用のゴジラを練り消しゴムで作り直したところ、その技術が認められて造型部へ参加することになる[8]。樋口は、異動に際し井上から謝礼として『惑星大戦争』のスペースファイターとヘルファイターのミニチュアを譲り受けたという[8]

造型部では、安丸信行の下、パートの女性らとともに発泡ウレタンの成形などを行い、ゴジラのスーツが完成した後は撮影の手伝いをしていた[8]。撮影後はミニチュア倉庫の整理に従事し、『ゴジラ』で使用したミニチュアを収納するため過去の作品で使用した造形物を多数処分しなければならなかった[8]。倉庫整理を終えた頃には、特撮映画の製作が途切れていたため東宝を離れ、別作品への参加を経てガイナックスへ合流することとなる[8]

影響を受けた人物編集

参加作品編集

監督編集

テレビ(監督)編集

映画(監督)編集

PV(監督)編集

特技監督編集

映画(特技監督)編集

出演編集

映画(出演)編集

テレビ(出演)編集

YouTube(出演)編集

  • シン・特撮魂(2019年)- 清水亮と共演

ラジオ(出演)編集

DVD(出演)編集

アニメ(出演)編集

その他編集

受賞歴編集

著書編集

  • ローレライ、浮上(福井晴敏共著、講談社、2005年1月)
  • 映画「ローレライ」画コンテ集(講談社、2005年4月)
  • 爆発道場 福井晴敏×樋口真嗣 (福井晴敏共著、角川書店、2005年8月)
  • 「怪獣二十六号」※映画企画書、”「怪獣文藝の逆襲」(幽BOOKS)収録 東雅夫編集” KADOKAWA/角川書店 ISBN 4-04-102419-6

連載編集

  • 暮らしの手帖 週刊アスキー(アスキー・メディアワークス)
  • そんなにオモチャが欲しいならオモチャ屋の子になっちゃいなさい(終了)(フィギュア王 ワールドフォトプレス)
  • そんなに佃煮みたいに飾ってどうするの(フィギュア王 ワールドフォトプレス)
  • やどなし姫のお守り日記 自転車生活(エイ出版社)
  • ロケハン 特撮ニュータイプ(角川書店)
  • エンタ目(中日新聞、東京新聞では「つれづれ」)
  • 樋口真嗣の地獄の怪光線 (AV Watch インプレス

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 後に佛田洋三池敏夫と判明する[8]
  2. ^ 碇シンジの「シンジ」はのちに『踊る大捜査線』シリーズに登場する室井慎次柳葉敏郎)の名前の理由(つまり樋口の孫あて)にもなっている。
  3. ^ 島編で監督を庵野秀明から譲り受けた(庵野は「総監督」となる)。当時、角川書店から発行されたイラスト集では「NHKが送り込んだ老人演出家・樋口真嗣」のインタビュー記事が掲載されている[要文献特定詳細情報]
  4. ^ 「ヒグチしんじ」名義。
  5. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と同時上映。
  6. ^ 監督名も併記。
  7. ^ 同作の共同監督の犬童一心との受賞。

出典編集

  1. ^ a b c d e 石井博士ほか「特撮監督インタビュー - 樋口真嗣」『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年、390-392頁。ISBN 4766927060
  2. ^ “ゴジラ:12年ぶり日本版新作の総監督に「エヴァ」庵野秀明 監督に「進撃の巨人」樋口真嗣”. まんたんウェブ. (2015年4月1日). http://mantan-web.jp/2015/04/01/20150331dog00m200105000c.html 2015年4月1日閲覧。 
  3. ^ 講談社刊「GAINAX INTERVIEWS」ガイナックス著p.237より。
  4. ^ 『killer7』ホームページのコメントコーナーにコメントがある。
  5. ^ 「リンバンテイデン」のプロフィール - pixiv
  6. ^ 「進撃の巨人」監督、酷評炎上騒動を謝罪 試写状送ったスタッフに怒り」『Sponichi Annex』、2015年7月31日。2020年11月21日閲覧。
  7. ^ 樋口真嗣の場合:「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」で知られる映画監督は如何にして焼き菓子作りの沼にハマったか - 映画ナタリー” (2021年2月14日). 2021年2月16日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 夢のかけら 東宝篇 2021, pp. 106–108, 「原口智生×樋口真嗣」
  9. ^ 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』及びゴジラ新作映画に関する庵野秀明のコメント” (2015年4月1日). 2021年3月29日閲覧。
  10. ^ 「ひそねとまそたん」樋口真嗣から青木俊直へのオファーは「あまちゃんの絵を見て」- コミックナタリー(株式会社ナターシャ)” (2016年3月27日). 2017年12月4日閲覧。
  11. ^ 日本にフルCGアニメは根付くのか?”. CGWORLD.jp. 2013年3月13日閲覧。
  12. ^ 「ウルトラマン」の歴史が動く、すべての人に贈るエンターテイメント『シン・ウルトラマン』製作決定!” (日本語). 円谷ステーション - ウルトラマン、円谷プロ公式サイト. 2019年8月1日閲覧。
  13. ^ みうらじゅん×樋口真嗣”. NHK (2021年8月28日). 2021年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月3日閲覧。
  14. ^ 「映画監督とぶらり!まち歩き」登場監督へのインタビュー(監督ぶらりまち歩き篇)”. 福生市 (2017年12月4日). 2020年11月21日閲覧。
  15. ^ 「シン・ゴジラ監督と街歩き/福生市商工会がアニメ動画/観光・ロケ誘致 魅力伝える物語」『読売新聞』朝刊2017年12月24日(都民面)
  16. ^ “白石和彌の監督作「仮面ライダーBLACK SUN」に高橋泉、樋口真嗣、田口清隆が参加”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2021年10月4日). https://natalie.mu/eiga/news/447758 2021年10月4日閲覧。 

参考文献編集

外部リンク編集