大野 敬正(おおの けいしょう、1975年12月1日 - )は、新潟県新潟市出身の三味線プレイヤー(津軽三味線奏者)。血液型 O型。

大野敬正
基本情報
出生名 大野敬正
別名 ケーショー
生誕 (1975-12-01) 1975年12月1日(48歳)
出身地 日本の旗 日本新潟県新潟市
学歴 新潟江南高等学校卒業
ジャンル ワールドミュージックRockオルタナティブ・ミュージック
職業 奏者作曲家
担当楽器 津軽三味線
活動期間 2002年 -
レーベル DAIPRO-X
事務所 Honky Monkey Music
公式サイト [1]

初代高橋竹山の流れを汲む竹山節本流継承者であるが、伝統曲の独奏に限らず、三味線の新たな可能性に挑戦し、バンド活動や他ジャンルとのセッション、および作曲も手がける若手奏者の一人である。

『伝統音楽を守りながら伝統音楽を壊す』がモットー。三味線の固定観念を打ち破る斬新な演奏スタイルと高い演奏技能で、世界46か国100都市以上で公演するなど海外を中心に人気を集めている。

人物・来歴 編集

8歳より母親の影響で津軽三味線を始め、津軽三味線の大家、初代高橋竹山の直弟子高橋竹栄に師事する。12歳の若さにして名取りとなり「竹児(ちくじ)」を襲名。

14歳で初代高橋竹山に認められ竹山節本流継承者となる。

2000年、独立。話芸を学ぶため活動の拠点を大阪に移す。

2004年、映画評論家水野晴郎監督作品シベリア超特急4の舞台音楽を担当。

2006年、アメリカで開催された世界最大のライブイベント「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)Music Festival」に出演。(津軽三味線奏者としての出演は史上初。) 同時期に全米ツアー(ニューヨークシカゴオークランドロサンゼルス)を実施。

2007年、アルバム『三味線魂!~Shami Spirits~』(DAIPRO-X)でメジャーデビュー。プロデューサーは新田一郎(元スペクトラム (日本のバンド)

2008年、活動の拠点を東京に移し、「大野敬正 with SHOGUN」を結成。「大野敬正 with SHOGUN」名義で2ndアルバム『SAMURAI』を制作。 同年フランスルクセンブルクツアーを実施。

2009年、ヨーロッパ4カ国(フランス、オランダベルギー、ルクセンブルク)をまわるツアーでは全会場チケットが完売。三味線の固定観念を打ち破るエンタテインメントなステージが反響を呼び、海外メディアから取材が殺到。注目を集める[注釈 1]

2010年、フランス・ドイツツアーを実施[注釈 2]。 同年2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ共和国大会においては日本代表のアーティストとして国際サッカー連盟(FIFA)会長のゼップ・ブラッターら関係者が出席するレセプションパーティーにてライヴパフォーマンスを披露した。

2011年、フランスのレーベルよりアルバム『KAMOME』で欧州デビュー。 Japan Expo 2011のメインステージでは最終日のトリをつとめ、3千人超のオーディエンスが熱狂し華々しいデビューを飾った。 震災復興支援チャリティーコンサートを開催したフランス・トゥルニュ市ではその功績により市長より勲章を授与され、その後4カ国18公演のヨーロッパツアーも大成功におさめた。 また同年、ワールドカップで優勝した女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」のダイジェスト映像に楽曲「奇跡」が起用。iTunes国内売り上げ3位のセールス(純邦楽界では異例ともいえる)記録を残した。

2012年、活動の拠点をパリにも築く。以降、日本はもとよりヨーロッパ各国での演奏活動の他、北アフリカ中東地域にまで活動範囲を広げた。

2013年、アルバム『Spark』『敬』を2枚同時リリース。 同年、エチオピア アディスアベバで開催されたTICAD V 第五回アフリカ開発会議準備会合のサイドイベントにおいては、アフリカ54ヶ国の外務大臣や関係閣僚らを前に[注釈 3]、エチオピア国立民族舞踏団とのコラボレーションを披露。日本や日本文化への関心を喚起することに貢献した[1]

2014年、ロックバンドURUSHIを結成。同年、パリで開催された経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会議レセプション[注釈 4]にてアンヘル・グリア事務総長およびG7参加国を含め先進34ヶ国の要人ら[注釈 5]を前に演奏。先進国の要人を前に日本文化への関心を喚起することに貢献した。 また、アフリカ・ジブチ共和国公演の際にはソマリア沖の海賊対策として活動する自衛隊(派遣海賊対処行動航空隊 [DAPE])を訪問し、演奏。労をねぎらった。

2018年、日仏友好160周年記念イベント「ジャポニスム2018:響きあう魂」公式企画に出演。Japan Expo 2018 のメインステージにて披露されたパフォーマンスはジャポニスム2018のテーマでもある“世界にまだ知られていない日本文化の魅力”を紹介することに大きく貢献した。

2019年、在ダバオ総領事館開館式典[注釈 6](フィリピン)にて記念演奏を披露。 その他、ジャパン・ハウス ロンドンでのソロ公演や、ラテンアメリカ最大規模の文化イベントであるセルバンティーノ国際芸術祭(メキシコ・グアナファト)では和太鼓奏者との共演で喝采を博した。

2022年、毎年ワシントンD.C.で春に開催され、本年で110年目の歴史を迎えた 全米桜祭りNational Cherry Blossom Festival|オープニングセレモニーにおいて演奏。

海外公演実績 編集

2005年 編集

2006年 編集

2008年 編集

2009年 編集

2010年 編集

2011年 編集

2012年 編集

2013年 編集

2014年 編集

2015年 編集

2016年 編集

2017年 編集

2018年 編集

2019年 編集

2020年 編集

2022年 編集

作品 編集

CD 編集

  • STORMING BLUE(2003.1.18発売、サウンドワークス)
  • アンビエンス(2003.12.1発売、サウンドワークス)
  • Inside out(2005.4.17発売、サウンドワークス)
  • SPIRAL LOOP(2006.12.1発売、サウンドワークス)
  • 三味線魂! 〜Shami Spirits〜(2007.4.25発売、ビクターエンタテインメント
  • SAMURAI(2008.2.20発売、ビクターエンタテインメント
  • 道(2010.3.3発売、サウンドワークス)
  • 鴎(2011.2.23発売、THK INC.)
  • Spark(2013.3.1発売、THK INC.)
  • 敬(2013.3.1発売、Honky Monkey Music)

DVD(音楽制作関連作品) 編集

連載 編集

  • 三味線のきた道(2005.5 - 6発行・全10回/篠原知存 著、産經新聞大阪本社)
  • 新関西笑談 伝統芸能×現代音楽 津軽三味線奏者大野敬正 特集(2009.2.23 - 28発行・全6回/木村さやか 著、産經新聞大阪本社)

出版物 編集

  • 伝統芸能へのアプローチ『喝采座』第一幕(2008.3.1発売、奈良テレビ

出演 編集

テレビ 編集

ラジオ 編集

イベント 編集

2003年
2004年
  • 津軽三味線と二胡の異空間(京都南禅寺
  • 大阪府民コンサート(和泉市弥生の風大ホール)
  • 京を吹き抜ける津軽の風(京田辺国際交流協会)
  • 天神祭船上ライブ
  • 津軽三味線&アフリカンパーカッションコラボ(大阪府阪南市サラダホール/奈良県高取町リベルテホール)共演:B.B.モフラン(アフリカンパーカッション)
2005年
2006年
2007年
  • 奈良テレビ エントランスコンサート(主催/奈良テレビ放送
  • 酒蔵コンサート(泉佐野市)
  • Apple Storeインストアライブ(アップルストア心斎橋店)
  • 渋谷パラダイス(渋谷ハチ公前特設ステージ)
  • 栄ミナミ音楽祭(名古屋市矢場公園特設ステージ)
  • わくわく宝島〜OBPでウッキッキー!〜(主催/讀賣テレビ放送
  • 中之島Music Carnival〜大阪中華文化祭〜(主催/関西テレビ放送
  • 客船「飛鳥II」クルーズライブ(郵船クルーズ)
  • カウントダウンコンサート(大津プリンスホテル
2008年
  • フランスツアー凱旋コンサート(三田市総合文化センター/茨木市市民総合センター)
  • 東京メトロ副都心線開業記念ライブ(渋谷駅ハチ公前 特設ステージ)
  • 京都清水寺 奉納演奏
  • 世界移植DAY(大阪府立国際会議場
  • 読売新聞読者限定ライブ(太閤園)
  • クリスマスディナーショー(大阪リバーサイドホテル)
2009年
  • ニューイヤーディナーショー(グランドプリンスホテル高輪)
  • 読売新聞読者限定ライブ(太閤園)
  • 御堂筋アートグランプリ2009 ゲスト出演
  • J-MUSIC FESTIVAL#2(フランス リヨン
  • 渋谷時代祭(渋谷駅ハチ公前 特設ステージ)
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
  • 全米桜祭り(アメリカ ワシントンD.C.
  • ジャポニスム2018 響きあう魂「日仏友好160周年記念イベント」公式企画(フランス ヴィルパント
  • ござれGO-SHU!(滋賀県甲賀町)
2019年

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 欧州メディアからは「三味線ロックンローラー」「三味線サムライ」などと愛称が付けられ15社を超える取材を受けた。
  2. ^ RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)や、マルセイユで開催されたJapan Expo Sud 2010への出演、またフランス国鉄の協力により、地下鉄構内での演奏やTGV車内でのライヴも実施された。
  3. ^ 日本からは、 岸田外務大臣が出席
  4. ^ 36年ぶり2度目の議長国を務めた日本は「失われた20年」といわれた日本経済の再生復活を印象付けるため、伝統芸能や食など、文化の発信に力を注いだ。
  5. ^ 日本からは、 茂木経産大臣、岸田外務大臣、甘利経済財政政策担当大臣、林農水大臣らが出席
  6. ^ 日本からは、 河野太郎外務大臣が出席

出典 編集

  1. ^ 在エチオピア日本国大使館 広報文化班「TICAD閣僚級準備会合における津軽三味線公演」より。https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/local/pdfs/ticad1307.pdf

外部リンク 編集