渋谷公園通り

東京・渋谷にある通り
プチ公園通りから転送)

渋谷公園通り(しぶやこうえんどおり)は、東京渋谷渋谷マルイ渋谷MODI付近から代々木公園に通じる緩やかな坂道である[1]1972年昭和47年)、渋谷区役所通商店街(当時)が、渋谷PARCO開店を機に命名した。名称は、「パルコ(parco)」がイタリア語で「公園」を意味すること、さらに、この通りが代々木公園に通じていることに由来する。

神南一丁目交差点の前に建つ、渋谷MODI(写真は前身のマルイシティ渋谷店当時のもの)。左側(西側)が「渋谷公園通り」、右側(東側)が「ファイヤー通り

渋谷公園通り 編集

 
ディズニーストア渋谷店
 
GAP渋谷店(2017年に閉店)
 
渋谷パルコ(2019年12月29日撮影)
 
渋谷区役所(2018年10月16日撮影)
 
渋谷公会堂(2019年12月29日撮影)
 
NHK放送センター
 
国立代々木競技場

概要 編集

東京都渋谷区宇田川町から神南に通じる道路の愛称で、端の「神南一丁目」交差点から、端の「渋谷区役所前」交差点までの緩やかに登る坂道(約450 メートル)。ファッションビル飲食店公共施設などが建ち並ぶ繁華街となっている。

由来 編集

1970年昭和45年)、渋谷区役所渋谷公会堂が現在地に完成し、これに合せて「区役所通り」と呼ばれていた。1973年(昭和48年)6月14日西武百貨店系列(当時)の渋谷PARCOがオープンしたことを機会に、当時の渋谷区役所通商店街による発案で改称して「渋谷公園通り」と命名された。北側の代々木公園へ至る坂道であり、「パルコ(parco)」がイタリア語で「公園」を意味していたことが由来である[2][3]

交通環境整備 編集

2002年平成14年)、渋谷区制施行70周年に合わせ、公園通りの道路環境が整備された。渋谷公園通商店街振興組合の協力と共に全国に先駆けて新しい交通環境整備システムを導入し、交通渋滞違法駐車などが大幅に改善されている[4]

渋谷区役所前駐車場
2002年(平成14年)7月に竣工。総面積3900 m²、駐車台数650台、24時間営業の地下駐車場渋谷区役所前の公園通りから直接進入でき、慢性的な駐車場不足を解消した。
道路整備工事
2002年(平成14年)10月に竣工。車道の幅を、流通用の荷捌きスペースを除き9mから7mに縮小、違法駐車が減少した。縮小した2m分は歩道の幅の拡大に充て、歩行者の通行をスムーズにした。また、景観向上策として、季節を植えたプランターが車道と歩道の境界として設置されている。

特徴とランドマーク 編集

大型複合店のファッションビルや、セレクトショップと呼ばれる中小規模のブティックテナントカフェファストフードなどの飲食店、各種の公共施設などが数多く建ち並んでいる。渋谷ファッション流行を象徴するメインストリートの一本で、昼夜を問わず人々が往来する繁華街である。以下、側(渋谷駅方面)から側(渋谷区役所NHK方面)へ向かって、立地順に代表的なランドマークを挙げる。

神南一丁目交差点から勤労福祉会館前交差点まで
勤労福祉会館前交差点から宇田川町交差点まで
宇田川町交差点から渋谷区役所前交差点まで
渋谷区役所前交差点から北側
ここより北側には代々木公園明治神宮原宿駅などがある。

プチ公園通り 編集

概要 編集

プチ公園通り(プチこうえんどおり)は、渋谷公園通りの東側にあるファイヤー通りとの間に挟まれ、神南一丁目の神南坂フレーム(旧「12ヶ月ビル」)辺りから北谷公園辺りへ抜ける細い路地坂道)の愛称通称)である。

由来 編集

自然発生的な愛称であり、誕生した時期をはっきりと特定することはできない。公園通りにほぼ並走する細い路地であることから、フランス語で「小さい」ことを意味する「プチ(petit)」が付け加えられたことが由来とされる。渋谷若者文化流行を象徴するとして一般社会に認識されるようになった1980年代頃から、ファッション雑誌の案内地図に記載されるなどして知られるようになった。なお、このエリアは愛称としてパークアヴェニューと呼ばれることもある。英語で、「パーク(park)」は「公園」、「アヴェニュー(avenue)」は「南北に延びる路地」を意味する[2]

特徴とランドマーク 編集

からへ登る細い路地で、緩やかな坂道である。このエリアには、最先端の流行を取り入れた中小規模のセレクトショップブティックギャラリーカフェ美容院などが建ち並ぶ。以下、側(渋谷駅方面)から側(渋谷区役所NHK方面)へ向かって、立地順に代表的なランドマークを挙げる。

南側(渋谷駅方面)
北側(渋谷区役所・NHK方面)

音楽と公園通り 編集

 
渋谷CLUB QUATTRO。公園通りの西側、宇田川町三丁目にある。
 
TOKYO FM渋谷スペイン坂スタジオ渋谷PARCOのPART-1内、スペイン坂上にあった。

渋谷公園通りの南側の坂下周辺には「CLUB QUATTRO」や「渋谷屋根裏」など多くのライブハウスが所在している。また坂道をのぼって北側へ行くに従って「渋谷公会堂」や「NHKホール」、「国立代々木競技場」などが建ち並び、日本の音楽業界との関わりが深いエリアとなっている。その為、「公園通りの坂上がり」という、ミュージシャンが人気の上昇と共にコンサート会場を大規模な施設へ移していく様子をたとえた言葉も生まれた。DREAMS COME TRUEのライブビデオなどにもその様子を表現したシーンが収録されている[7][8]

音楽に敏感な顧客層が多く集まるエリアであることから、新曲やコンサートのプロモーション専用のアドトラックが、公園通りやファイヤー通りなどを集中的に巡回したり、夜になるとストリートミュージシャン路上ライブを開催するといった光景もよく見られる。また、渋谷パルコ(旧施設のPART-1)にはTOKYO FMサテライトスタジオもあった。公園通りがオシャレなイメージだった1980年代を中心に、多くのミュージシャンから公園通りやそのエリアをモチーフにした楽曲が発表されている。

アーティスト名「曲名」(発表年度順)

最寄駅 編集

ターミナル駅渋谷駅
東日本旅客鉄道(JR東日本)「渋谷駅」 ⇒ 山手線埼京線湘南新宿ライン
東急電鉄(東急)「渋谷駅」 ⇒ 東急東横線(東横線)・東急田園都市線
京王電鉄(京王)「渋谷駅」 ⇒ 井の頭線
東京地下鉄(東京メトロ)「渋谷駅」 ⇒ 銀座線半蔵門線副都心線

脚注 編集

  1. ^ 通りの名前 渋谷区ウェブサイト、平成23年4月16日閲覧
  2. ^ a b 「渋谷区/通りの名前」 渋谷区役所による道路の愛称や由来の解説より。
  3. ^ 東京時間旅行「荷風!Vol.17」18頁(2008年日本文芸社)より。当誌は、国立代々木競技場の建設当時の様子が表紙となっている。また、渋谷パルコのオープン時の宣伝キャッチコピーは「すれちがう人が美しい 〜渋谷公園通り〜」であった。
  4. ^ シブヤ経済新聞「公園通りのオトナ化に拍車をかけるパルコ大規模リニューアルと環境整備」(2002年9月27日・シブヤ経済新聞)より。
  5. ^ hotel koé tokyo
  6. ^ 12カ月ビル跡地に大型商業施設「神南坂フレーム」2005年5月24日・シブヤ経済新聞)より。
  7. ^ 中村正人の赤ドリ青ドリブログ「公開開始の「FLOWERS」の感動は静かに広がりつつあります」2010年6月14日読売新聞 yorimo)より。DREAMS COME TRUE中村正人が、デビュー当時の渋谷公園通りについて回想している。
  8. ^ DREAMS COME TRUE「史上最強の移動遊園地ドリカムワンダーランド '91」(DVD発売は2003年エピックレコードジャパン)。

関連項目 編集

地理・道路 編集

下記の「渋谷区の町名」テンプレートも参照のこと。

文化 編集

公共施設・NPO 編集

外部リンク 編集