ポリドール・レコード
ポリドール・レコード(Polydor Records)はイギリスに本部を置く、レコード会社(レコード・レーベル)。ドイツ・グラモフォンが設立し、現在は本社をアメリカ合衆国に置くユニバーサル ミュージック傘下のレーベル。
ポリドール・レコード | |
---|---|
親会社 | ドイツ・グラモフォン |
設立 | 1924年 |
販売元 | ユニバーサル ミュージック |
ジャンル | ポップス、ロック |
国 | ![]() |
本社編集
沿革編集
- 1924年 - ドイツ・グラモフォン(DGG Deutsche Grammophon Gesellschaft)の独立分社として設立。当時はダブルホーン型蓄音機を擬人化したマークを使っていた。
- 1946年 - DGGがクラシックに特化したレーベルになり、ポリドールがポピュラー音楽へ進出した。
- 1962年 - フィリップス・レコード(フォノグラム)の親会社・フィリップスとDGGの親会社・シーメンスが、お互いの音楽子会社に相互出資して、グラモフォン・フィリップスグループ(GPG)を結成。
- 1972年 - DGGとフォノグラムが経営統合し、ポリグラムの傘下に入った。
- 1998年 - シーグラムがポリグラムを買収、シーグラムの所有するユニバーサル ミュージックと合併したことにより、ポリドールはこの一部となった。
主なアーティスト編集
かつて所属していたアーティストを含む
日本のポリドール編集
1927年に、株式会社日本ポリドール蓄音器商會として設立。
現在は本社がユニバーサル ミュージックと統合したことにより、日本支社も統合(=ユニバーサル ミュージック合同会社)された。
沿革編集
株式會社日本ポリドール蓄音器商會編集
- 1926年、当時、ドイツ・グラモフォン社(ポリドールレコード)の国内での輸入元を務めていた阿南商會の阿南茂が、松本荘之助・鈴木幾三郎(銀座十字屋)・技師の塩崎仲吉とともにドイツに渡り、同社と折衝の結果、日本国内におけるレコードの製造許可を取得する。
- 1927年5月30日、阿南正茂が『株式會社日本ポリドール蓄音器商會』を設立、ポリドールレコードの国内での販売を開始する。
- 1942年3月、戦時中の外国語使用禁止の風潮を先取りし、社名を『大東亞蓄音器株式會社』に変更。ブランド名については、邦楽部門を大東亜レコードに変更したものの、洋楽部門は引き続きポリドールレコードを使用した。
- 1943年12月、社名を大東亞航空工業株式會社に変更する(時期は諸説あり)。
- 1944年1月新譜(1943年12月20日発売)を最後に商業レコードの新譜発売を中止。なお同月の月報は国立国会図書館音楽資料室にて閲覧可能であり、従来の新譜中止月の誤りを容易に確認出来る。この後に政府からの依頼で大東亜会議の模様を記録した組物を制作しており(P-5375〜5445)、更に東京都と連携した盤(P-5446)も存在するので、最終的な生産終了時期は不明。
- 1945年4月13日、空襲で表参道の吹込所(東京都赤坂区青山北町6丁目)を焼失。
- 同年4月15日、空襲にて池上の本社・工場(東京都大森区堤方町215番地)が類焼(全焼では無く、原盤は被害を受けなかった)。
- 同年6月21日、福島県桑折に工場を新設し、疎開。
- 1946年11月25日、日本コロムビアのスタジオにて戦後初めての新録音を開始(1947年説は事実誤認)。
- 1949年3月20日、表参道のスタジオが復旧。
- 1950年4月、『ポリドール蓄音器株式会社』に社名変更。
- 1950年11月24日、桑折工場を失火で焼失、被害額2000万円との新聞報道。
- 1952年10月、桑折工場が復旧し、新譜の発売を再開。
日本ポリドール株式会社 → 日本グラモフォン株式会社 → ポリドール株式会社編集
- 1953年4月1日、新資本による日本ポリドール株式会社が設立される(東京都港区赤坂青山北町6丁目57番地)。富士電機製造が株式の一部を取得し、古河グループの一員となる。
- 同年11月20日、12月新譜を新会社の第1回発売分とする。
- 1956年、『日本グラモフォン』 (Nippon Grammophone Co., Ltd.) に改組。
- 1959年、ステレオ・レコードの発売開始。第1号はロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルによる、ベートーヴェン作曲交響曲第5番「運命」(SLGM-1)。
- 1969年、目黒区大橋に自社ビルが完成。
- 1971年11月、ポリグラム傘下の『ポリドール株式会社』(Polydor K.K.、以下ポリドールK.K.)に社名変更。
- 1982年10月21日、当時の西独ポリグラムから輸入したコンパクト・ディスク・ソフトの発売を開始する[1]。
- 1984年、富士電機との資本提携を解消と、第一勧銀グループや古河グループの系列から脱退している。業績不振のロンドンレコードを吸収合併。
ポリグラム株式会社編集
- 1993年12月1日、ポリドールK.K.の販売部門と販売元が、ポリグラム株式会社(以下ポリグラムK.K.、現:ユニバーサル ミュージック合同会社(ユニバーサル ミュージックLLC))に移管される。
- 1998年、シーグラムがポリグラムを買収し、ユニバーサル ミュージックが発足。
- 1999年7月1日、ポリグラムK.K.が、ユニバーサル ミュージック株式会社へ社名変更。ポリドールK.K.は制作会社として存続し、J-POPアーティストが用いていた「ポリドール・レコード」レーベルは、「ユニバーサル ポリドール」に名称変更(Polydorマークは継続使用)。
- 2002年、ユニバーサルミュージックK.K.がポリドールK.K.を吸収合併。「ユニバーサル ポリドール」レーベルは同社の社内カンパニーのユニバーサルJに移行。一部のアーティストは、同じく同社の社内カンパニーNAYUTAWAVE RECORDSレーベル(現:EMI RECORDSレーベル)へ移籍した。
主な所属アーティスト編集
☆印はユニバーサル ミュージック (日本)のナユタウェイブレコーズ→EMIレコーズからリリースされた作品がある者、★印はユニバーサル ミュージック (日本)内のユニバーサルJなどからリリースされた作品がある者。特に注釈のないアーティストについても、他のレーベルに在籍していたあるいはしていることもありえる。
- RCサクセション(一時ポリドールに在籍していた)
- 愛田健二
- 青葉笙子
- 赤木圭一郎
- 浅草染千代
- 麻見和也 (1983年ポリドール30周年記念男性新人歌手としてデビュー)
- 麻生よう子(CBS・ソニーレコード/Epicより移籍)
- 有島通男
- 淡谷のり子
- 石井亀次郎
- 池田綾子
- 磯崎健史
- 一条英一(現:五木ひろし)
- 井上陽水(現:FLME(旧:フォーライフ) → 自主レーベル → ユニバーサル ミュージック復帰)
- INSPi
- 上原敏
- 歌川二三子☆
- 宇多川都
- 内田栄一
- EGO-WRAPPIN'(現:トイズファクトリー所属)
- X JAPAN(プラチナム・レコード)
- 榎本健一(専属前はコロムビアの「リーガル」レーベルやビクターからレコードを出していた。)
- 近江俊郎
- 奥田良三
- 小椋佳
- 海援隊(ELECレコード、テイチク/ブラックレコードより移籍)☆
- 武田鉄矢☆
- 甲斐よしひろ(1978年ワンショット契約。2003年から2006年まで、しばらくユニバーサル ミュージックに在籍。)
- CASCADE(現:アミューズソフトエンタテインメント所属)
- 加藤登紀子(一時、ソニーレコード(←CBS・ソニー)に在籍していた)
- カヒミ・カリィ(ポリスターより移籍、現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント所属)
- Calyn(リズメディア系、その後Rhythmedia Tribeへ移籍)
- カルメン・マキ
- KAN(アップフロント系、現:アップフロントワークス/zetima所属)
- 神田広美
- 如月俊夫
- 北廉太郎
- 吉川晃司(渡辺音楽出版とトリオレコードの合弁レーベル・サウンズマーケティングシステムからデビュー、ポリドールへ移籍、東芝EMIを経てユニバーサル傘下のキティMMEレーベル、徳間ジャパンコミュニケーションズへ、2009年にユニバーサル ミュージックへ復帰、2013年よりワーナーミュージック・ジャパン内の個人レーベルSAMURAI ROCKに在籍)
- 木元ゆうこ(ポリドール30周年記念女性アイドル歌手としてデビュー)
- 杏子 (オーガスタ系、現:ソニー・ミュージックレーベルズ/オーガスタレコード所属)
- 京本政樹
- 草川祐馬
- 黒沢浩
- 桂銀淑
- 香西かおり☆
- 香坂みゆき
- 小林旭(大ヒット曲「熱き心に」(大瀧詠一プロデュース作品)を在籍時に放つ。現在は夢レコード所属)
- 小林千代子
- 西城秀樹☆
- ZARD(ビーイング専用レーベル“b-gram”(ビーイングの『ビー』とポリグラムの『グラム』)に所属、1993年に両社の合弁によるB-Gram RECORDS設立に伴い移籍。)
- 三丁目文夫
- C-C-B★
- シグナル
- 島崎和歌子(Risky名義にて avex trax よりシングルリリース、歌手活動休止中)☆
- 島津英夫
- 東海林太郎
- シルヴィア
- 新橋喜代三
- スィートショップ
- SUGIZO
- スターボー
- スピッツ★[2]
- 菅原昭子
- 菅原洋一
- 関種子
- Cellophane
- センチメンタル・シティ・ロマンス
- 園まり[3]
- ザ・タイガース[3]
- 沢田研二 (1982年にプライベート・レーベル“JULIE LABEL”を設立。のちにEMIミュージック・ジャパン → JULIE LABEL(インディーズレーベル)。『渚でシャララ』・『JULIE with THE WILD ONES』 のみavex trax J-more レーベルよりリリース)
- 高城丈二
- 高杉妙子
- 高田浩吉
- 高田真樹子
- 高山美枝子
- 竹下景子
- 田端義夫(戦前に在籍。戦後はテイチクレコードへと移籍した。)
- 田村直美(パブリック・イメージ専用レーベル“Primitive”に所属)
- Char
- テレサ・テン★
- DOGGY BAG
- 中条きよし
- 中畑幾久子(ビーイング専用レーベル“b-gram”に所属)
- 流
- 西川きよし(協力:YOSHIMOTO R and C 現:ヨシモトミュージックエンタテインメント)
- 西田佐知子
- 日本橋きみ栄
- 野口五郎(ポリドール → ニュートーラス → BMGジャパン → 現:avex io)
- HEAT WAVE
- 久石譲(アーティストとしてはNECアベニューより移籍)
- PYG
- P-MODEL
- 日野てる子
- 氷室京介(現:ワーナーミュージック・ジャパン所属)
- ピンクジャガー(元セイントフォーの濱田のり子&鈴木幸恵によるデュオ)
- FANTA ZERO COASTER
- フィッシュマンズ
- FENCE OF DEFENSE(EPIC・ソニー → マーキュリー・ミュージックエンタテインメントより移籍。パブリック・イメージ専用レーベル“Primitive”に所属))
- 藤田まこと[3]
- BLANKEY JET CITY
- HOLiDAYS
- 牧村三枝子
- 松平晃
- 松たか子(ソニー・ミュージックレーベルズ/アリオラジャパン所属)
- Monday満ちる
- 水島由紀子(ビーイング専用レーベル“b-gram”に所属)
- MO'SOME TONEBENDER
- 泰葉(TSUBASAレコーズ、アイアンキャンドルレーベル)
- 山口由佳乃(現:劇団四季団員・鈴木釉佳之)
- 山弦
- 山崎まさよし(杏子と同様にオーガスタ系)☆
- 山中みゆき
- 結城道子
- 横山やすし(協力:YOSHIMOTO R and C)
- La'cryma Christi
- revenus(エクスタシー系)
- ロス・インディオス
- ロス・インディオス&シルヴィア
- 渡辺香津美(アーティストとしては日本コロムビアより移籍)
- 渡哲也(ニュートーラス(←トーラスレコード) → ウェブ・クウ)
NHKレコード編集
NHKレコード(エヌエイチケイ- )とは、日本放送協会(NHK)のテレビ番組のテーマソングや大河ドラマのテーマ曲、NHK交響楽団の演奏曲などをNHK独自のレーベルでNHKサービスセンターが企画・制作、ポリドール(現在のユニバーサル ミュージック)が委託販売したレコードのレーベル名。
ポリドール映像販売編集
ポリドール映像販売(ポリドールえいぞうはんばい)とは、ポリドールK.K.,および現在のユニバーサル ミュージックによるミュージックビデオ以外の映像ソフトの企画・発売部門。ポリドール・レコード消滅後も現存している。→ユニバーサル ミュージック (日本)#ポリドール映像販売会社参照。
その他編集
全ての所属アーティストの伴奏を担当したわけではないが、ポリドール・オーケストラは他のレコード会社のオーケストラよりも多く管楽器(horns)を使っていた。沢田研二の伴奏では、井上堯之バンドがレーベルにプリントされ、また鮎川ゆみの伴奏は、ケニーウッドオーケストラとプリントされていた。
脚注編集
関連項目編集
- ユニバーサル ミュージック グループ
- ポリグラム
- 富士電機
- 筒美京平 - 作曲家になる以前は旧日本グラモフォンに(洋楽部門のディレクターとして)約4年間勤務していた。