ポリドール・レコード

イギリスのレコード会社
ポリドールレコードから転送)

ポリドール・レコードPolydor Records)は、イギリスに本部を置く、レコード会社レコード・レーベル)。ドイツ・グラモフォンが設立。ポリドール・アメリカは、欧州の巨大複合企業、フィリップス=シーメンスの在米子会社だった。その後、マーキュリー・レコードとともにポリグラム傘下となった。本社をアメリカ合衆国に置くユニバーサル ミュージック傘下のレーベルである。

ポリドール・レコード
Polydor Logo 1963 001.svg
親会社ドイツ・グラモフォン
設立1924年
販売元ユニバーサル ミュージック
ジャンルR&Bファンクロックポップスソウル・ミュージック
イギリスの旗 イギリス

ポリドール本社の歴史編集

 
ボレロ』のレコード(1930年)

ポリドールの歴史はひじょうに長く、戦前の1910年代にそのルーツを持っている。戦後はポップ音楽やクラシック音楽のレーベルとなり、指揮者ベルト・ケンプフェルトがビートルズを発見し、最初の録音「マイ・ボニー」はポリドールで録音されている[1][2][3][4][5]。ポルドールがアメリカ支社を設置した時期は案外遅く、1969年になってからである[6]。1970年代には、ビージーズと契約した[7]

ポリドールのアーティスト編集

過去に所属したアーティストを含む

日本のポリドール編集

社史には、日本ポリドール、日本グラモフォン、ポリドール株式会社など、社名変更の歴史も刻まれている。

  • 沿革:(1926-1947)[15]
  • 株式會社日本ポリドール蓄音器商會
  • 1926年、当時、ドイツ・グラモフォン社(ポリドールレコード)の国内での輸入元を務めていた阿南商會の阿南茂が、松本荘之助・鈴木幾三郎(銀座十字屋)・技師の塩崎仲吉とともにドイツに渡り、同社と折衝の結果、日本国内におけるレコードの製造許可を取得する。
  • 1927年5月30日、阿南正茂が『株式會社日本ポリドール蓄音器商會』を設立、ポリドール・レコードの国内での販売を開始する。
  • 1942年3月、戦時中の外国語使用禁止の風潮を先取りし、社名を『大東亞蓄音器株式會社』に変更。ブランド名については、邦楽部門を大東亜レコードに変更したものの、洋楽部門は引き続きポリドール・レコードを使用した。
  • 1943年12月、社名を大東亞航空工業株式會社に変更する(時期は諸説あり)。
  • 1944年1月新譜(1943年12月20日発売)を最後に商業レコードの新譜発売を中止。なお同月の月報は国立国会図書館音楽・映像資料室にて閲覧可能であり、従来の新譜中止月の誤りを確認出来る。この後に政府からの依頼で大東亜会議の模様を記録した組物を制作しており(P-5375〜5445)、更に東京都と連携した盤(P-5446)も存在するので、最終的な生産終了時期は不明。
  • 1945年4月13日、空襲で表参道の吹込所(東京都赤坂区青山北町6丁目)を焼失。
  • 同年4月15日、空襲にて池上の本社・工場(東京都大森区堤方町215番地)が類焼(全焼では無く、原盤は被害を受けなかった)。
  • 同年6月21日、福島県桑折に工場を新設し、疎開。
  • 同年8月15日終戦。
  • 戦後の1946年11月25日、日本コロムビアのスタジオにて、戦後初めての新録音を開始(1947年説は事実誤認)。
  • 沿革:(1947- )
  • 1949年3月20日、表参道の吹込所が復旧。
  • 1950年4月、『ポリドール蓄音器株式会社』に社名変更。
  • 1950年11月24日、桑折工場を失火で焼失、被害額2000万円との新聞報道。
  • 1952年10月、桑折工場が復旧し、新譜の発売を再開。
  • ポリグラム株式会社
  • 1993年12月1日、ポリドールK.K.の販売部門と販売元が、ポリグラム株式会社(以下ポリグラムK.K.、現:ユニバーサル ミュージック)に移管される。
  • 1998年、シーグラムがポリグラムを買収し、ユニバーサル ミュージックが発足。
  • 1999年7月1日、ポリグラムK.K.が、ユニバーサル ミュージックへ社名変更。ポリドールK.K.は制作会社として存続し、J-POPアーティストが用いていた「ポリドール・レコード」レーベルは、「ユニバーサル ポリドール」に名称変更(Polydorマークは継続使用)。
    • 2002年、ユニバーサル ミュージックK.K.がポリドールK.K.を吸収合併。「ユニバーサル ポリドール」レーベルは同社の社内カンパニーのユニバーサルJに移行。一部のアーティストは、同じく同社の社内カンパニーのNAYUTAWAVE RECORDSレーベル(現:EMI Recordsレーベル)へ移籍した。
  • NHKレコード(ポリドールが委託され販売を担当)
 
NHKレコード

NHKレコード(エヌエイチケイ- )とは、日本放送協会(NHK)テレビ番組テーマソング大河ドラマのテーマ曲、『みんなのうた』の楽曲、NHK交響楽団の演奏曲などをNHK独自のレーベルNHKサービスセンターが企画・制作、ポリドール(現在のユニバーサル ミュージック)が委託を受けて販売したレコードのレーベル名。

主な所属アーティスト編集

☆印はユニバーサル ミュージック内のNAYUTAWAVE RECORDS→EMI Recordsからリリースされた作品がある者、★印はユニバーサル ミュージック内のユニバーサルJからリリースされた作品がある者。(特に注釈のないアーティストについても、他レーベルに在籍歴がある可能性あり)


脚注編集

  1. ^ トニー・シェリダンとビートルズ accessdate 16 February 2023
  2. ^ Infosite, Beatlesource.com; accessed 19 April 2015.
  3. ^ Coleman, Miriam. “Beatles collaborator Tony Sheridan dead at 72”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/music/news/beatles-collaborator-tony-sheridan-dead-at-72-20130217 2023年2月16日閲覧。. 
  4. ^ “One-time Beatles frontman Tony Sheridan dies”. (2013年2月18日). http://www.nme.com/news/the-beatles/68758 2023年2月16日閲覧。 
  5. ^ Mark Lewisohn: All These Years Volume 1:The Beatles Tune In, Little Brown, London 2013,ISBN 978-0-316-72960-4
  6. ^ “College Music Contest Opens Talent Hunt”. Billboard (Nielsen Business Media, Inc.): 64. https://books.google.com/books?id=zygEAAAAMBAJ&q=polydor+++1969+++%22united+states%22&pg=PA64 2023年2月16日閲覧。. 
  7. ^ Bee Gees - Album Discography - AllMusic”. allmusic.com. 2023年3月20日閲覧。
  8. ^ 「リズム&ブルースの死」 p.274
  9. ^ 元モーメンツの3人。「スペシャル・レイディ」が1980年にヒット
  10. ^ スタックスが倒産した後ポリドールからディスコ曲「ドント・レット・ゴー」(1980)のヒットを放っている
  11. ^ ポリドールの在籍した人種、国籍融合のファンク・バンド
  12. ^ ポリドール(日)からライブ盤を発表したことあり
  13. ^ 1984年の「パーフェクト・ストレンジャー」がポリドール発売
  14. ^ アルバム「ポリド-ル・イヤーズ」がリリースされたことがある
  15. ^ >Polydor ポリドール・レコード 2023年2月28日閲覧
  16. ^ ポリドール 2023年3月11日閲覧
  17. ^ CBS・ソニー日本コロムビアに次いで3社目。当時、ポリグラム系のオランダ フィリップスの発売権を持っていた日本フォノグラムも同様に、同時期にコンパクト・ディスク・ソフトを発売する。
  18. ^ 初期はフォークスタイルで「ぼくの好きな先生」。チャボが加入してからは「雨上がりの夜空に」など、一連のロック曲を発表した。一時期ポリドールに在籍
  19. ^ 1983年、ポリドール30周年記念男性新人歌手としてデビュー
  20. ^ CBS・ソニーレコード/Epicより移籍
  21. ^ FLME(旧:フォーライフ)より復帰
  22. ^ 1968年シングル「あなたの面影」。一時期、CBS・ソニーに在籍、その後復帰
  23. ^ 渡辺音楽出版とトリオレコードの合弁レーベル・SMSレコードからデビュー→東芝EMI→ポリドール→ユニバーサル傘下のキティMME→徳間ジャパンコミュニケーションズを経て、2009年ユニバーサルミュージック社内カンパニーのFar Eastern Tribe Recordsへ復帰。2013年よりワーナーミュージック・ジャパン内の個人レーベルSAMURAI ROCKに在籍
  24. ^ 沢田研二の伴奏では、井上堯之バンドがレーベルにプリントされたこともある
  25. ^ 現在はユニバーサルJ所属だが、地球儀マークと併記する形でPolydorマークを続けて使用している。
  26. ^ a b c 原盤権渡辺音楽出版が所持。

関連項目編集

外部リンク編集