五郎丸歩

日本の元ラグビー選手 (1986-)

五郎丸 歩(ごろうまる あゆむ、1986年昭和61年〉3月1日 - )は、日本の元ラグビーユニオン選手、スポーツ科学者学位修士スポーツ科学)(早稲田大学2023年[1]

五郎丸 歩
秩父宮ラグビー場
(2021年3月6日撮影)
生年月日 (1986-03-01) 1986年3月1日(38歳)
出身地 日本の旗 日本福岡県福岡市
身長 1.85 m (6 ft 1 in)
体重 100 kg (15 st 10 lb)
学校 佐賀県立佐賀工業高等学校
大学 早稲田大学
愛称 Goro(ゴロウ)
親族 五郎丸亮(兄)
ラグビーユニオンでの経歴
ポジション フルバック
アマチュア経歴
チーム 出場 (得点)
2001-04
2004-08
佐賀県立佐賀工業高等学校
早稲田大学
()
シニア経歴
チーム 出場 (得点)
2008-16
2016
2017-2021
日本の旗ヤマハ発動機
フランスの旗RCトゥーロン
日本の旗ヤマハ発動機

5
(1081)
(0)
更新日:  2017年6月5日
スーパーラグビー
チーム 出場 (得点)
2016 オーストラリアの旗レッズ 8 (33)
代表
チーム 出場 (得点)
2005-2015  日本 57 (711)
更新日:  2021年5月20日

2歳年上(学年度では一つ違い)の兄、五郎丸亮コカ・コーラレッドスパークスで活躍したラグビー選手である。

プロフィール 編集

1986年3月1日、福岡県福岡市出身、身長185cm、体重100kg。ポジションはフルバック(FB)日本代表通算キャップ数は57。ニックネームはGoro(ゴロウ)、血液型B型

経歴 編集

3歳でラグビーを始める。福岡市南区鶴田小学校出身。小学校4年から6年まではサッカーに専念し、福岡市選抜に選ばれたこともある。同市南区老司中学校時代はサッカー部とラグビークラブに所属。佐賀工業高校時代には3年連続で花園に出場(いずれもベスト8)。U17日本代表にも選ばれる。早稲田大学スポーツ科学部スポーツ文化学科に進学し、1年時よりフルバックのレギュラーとして活躍。全国大学選手権優勝を経験。

2002年に行われた高知国体では、兄の亮と共に出場し、優勝。

2005年3月、大学生で日本代表に選出[2]。2005年4月16日、対ウルグアイ戦で日本代表デビュー[3]

2008年4月、トップリーグのヤマハ発動機ジュビロにプロ契約で入団したが、2010年度からヤマハ発動機の社員選手となる。2010年9月4日の対NECグリーンロケッツ戦で、1試合でのトップリーグ新記録となる8ペナルティゴールを記録[4]。2011年2月5日、2011-2012シーズンの得点王(182得点)およびベストキッカー(38G/32PG)を初受賞した[5]。2012年1月6日、2012-2013シーズンの得点王(160得点)およびベストキッカー(40G/25PG)を2年連続2回目の受賞[6]

2015年、ラグビーワールドカップ2015の日本代表に選ばれ[7]、本大会ではグループリーグ4試合に出場し1T/7G/13PGの合計58得点を記録、第3戦のサモア戦と最終戦のアメリカ戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選出。敗れはしたもののスコットランド戦前半終了間際に見せた、執念のタックルによって相手のトライを阻止したシーンも世界を驚嘆させた。大会終了後には大会ベストフィフティーンにも選ばれた。同年11月4日、2016年シーズンよりオーストラリアのスーパーラグビー所属のレッズに加入することが発表された(ただし、現所属のヤマハ発動機には属したままでの加入となる)[8]

2016年1月25日、2015-2016シーズンの得点王(83得点)を3季ぶり3回目の受賞、リーグ戦通算1000得点今季達成選手として特別賞を受賞した[9]。2016年3月末にヤマハ発動機を退社。その後2016年シーズンはフランスのRCトゥーロンに所属、11月に初出場し先発も経験したが、2017年4月、契約更新をしない方針を明らかにした[10]。2017年7月にヤマハ発動機にプロ契約で復帰。

2020年12月9日、2021年シーズン終了をもって、現役引退する事を表明した[11]

現役引退後は、静岡ブルーレヴズの「クラブ・リレーションズ・オフィサー」として主に広報活動を行っている。また、アサヒビールアサヒスーパードライ[12]日本財団のスポーツ貢献事業(HEROs)[13]佐賀県(SAGAスポーツピラミッド構想)[14]のアンバサダーを務めている。

2023年5月20日から11月20日まで、同年秋開催のラグビーワールドカップ2023において、日本ラグビーフットボール協会から「ラグビー日本代表応援サポーター」の1人に任命される[15]

人物 編集

記録 編集

ラグビー日本代表

  • テストマッチ通算711得点[16](2005年4月ウルグアイ戦より57試合出場、代表歴代最多得点)
  • ラグビーワールドカップ 1試合24得点[16](2015年9月19日 日本×南アフリカ戦
  • ラグビーワールドカップ 1大会通算58得点[16]ラグビーワールドカップ2015 1次リーグの全4戦 1トライ、7ゴール、13ペナルティーゴール)

ジャパンラグビートップリーグ

五郎丸ポーズ 編集

プレースキックを蹴る前のルーティンの1つに両手を組み精神統一を図るものがあるが、これは元イングランド代表のスタンドオフジョニー・ウィルキンソン(2003年ワールドカップ優勝メンバー及び大会得点王)に倣っている。五郎丸の場合は伸ばした左右の人差し指の先を合わせ、右手の中指、薬指も立てて拳に被せ気味にする独自の物となっている。キックする時にはボールを2回回して芝に2回軽く叩いてセット。3歩下がって2歩左に移動、ポーズをした後に右足でキックする。このポーズが「五郎丸ポーズ」と呼ばれるようになり、2015年の新語・流行語大賞にもノミネートされ[23]、「五郎丸(ポーズ)」としてトップテンに選出され、「五郎丸」として2015年度ネット流行語大賞金賞(第1位)を受賞した。また、このポーズが日本古来の忍者のイメージを思い起こさせるとして、同年12月16日には日本忍者協議会から「マスター・オブ・ニンジャ」に認定された[24]

なお、2017年7月の時点でルーティンを変更し、五郎丸ポーズは省略されるようになった[25]。これは五郎丸が移籍したRCトゥーロンに所属するキッカーを見た際に、全員すごくシンプルに蹴っていると感じ、必要ない動作とかをどんどん削ってよりシンプルにしようと思い、今までのルーティーンをあえて変えたそうである。その後キックの成功率は80%であったが、新たなルーティーンを採用してからは成功率が83%に向上した。尚、2014年のゴール成功率81.4%を記録しているが、2015年のワールドカップでは、85%の成功率を目標に掲げていた[26]

出演 編集

テレビ番組 編集

CM 編集

MV 編集

ECHOLittle Glee Monster(2019)

イベント 編集

著書 編集

  • 五郎丸歩 著、大友信彦 編『不動の魂 桜の15番 ラグビーと歩む』実業之日本社、2014年11月28日。ISBN 978-4408455280 

関連書籍 編集

関連商品 編集

受賞歴 編集

  • 2011-12得点王 ベストキッカー ベストフィフティーン
  • 2012-13得点王 ベストキッカー ベストフィフティーン
  • 2013-14ベストフィフティーン
  • 2014-15ベストフィフティーン
  • 2015-16得点王 ベストフィフティーン
  • 2017-18ベストキッカー
ラグビートップリーグ以外での受賞

脚注 編集

  1. ^ 【恵俊彰】早稲田大学大学院を卒業「毎日楽しくてしょうがなかった」”. TBSテレビ (2023年3月26日). 2023年3月26日閲覧。
  2. ^ [1] 日本ラグビーフットボール協会 2005年度日本代表スコッド(バックス)
  3. ^ [2] 日本ラグビーフットボール協会 「日本代表 vs ウルグアイ代表」試合結果
  4. ^ [3] 五郎丸 歩 選手(ヤマハ発動機ジュビロ)がトップリーグ1試合最多ペナルティゴール記録更新
  5. ^ [4] TOP LEAGUE OFFICIAL SITE 2011-2012シーズン、最多トライゲッター、得点王、ベストキッカー決定!!
  6. ^ [5] TOP LEAGUE OFFICIAL SITE 最多トライゲッター、得点王、ベストキッカー決定!!
  7. ^ [6] 日本ラグビーフットボール協会 日本代表「ラグビーワールドカップ2015」最終登録メンバー
  8. ^ St.George Queensland Reds sign Japanese Test fullback Ayumu Goromaru for 2016”. Official Website of Queensland Reds Rugby (2015年11月4日). 2016年1月28日閲覧。
  9. ^ [7] TOP LEAGUE OFFICIAL SITE 2015-2016 表彰
  10. ^ 東京新聞 2017年4月11日 夕刊
  11. ^ ラグビー元日本代表 五郎丸歩 来年のシーズン最後に現役引退へ - NHK NEWSWEB・2020年12月9日18時39分配信
  12. ^ ラグビー元日本代表の五郎丸歩氏が「アサヒスーパードライ・ラグビーアンバサダー」に就任|ニュースリリース|アサヒビール”. アサヒビール. 2023年5月31日閲覧。
  13. ^ HEROs ~アスリートの社会貢献~”. 日本財団 (2022年8月24日). 2023年5月31日閲覧。
  14. ^ SAGAスポーツピラミッド(SSP)構想”. 佐賀県. 2023年5月31日閲覧。
  15. ^ ジャパンラグビーアンバサダー2023 ならびに ラグビー日本代表応援サポーター2023 就任のお知らせ”. 日本ラグビーフットボール協会. 2023年5月31日閲覧。
  16. ^ a b c d e ラグビー五郎丸、代表でもTLでも通算得点歴代1位”. 日刊スポーツ (2020年12月10日). 2024年3月4日閲覧。
  17. ^ アンバサダー 五郎丸歩”. 日本財団. 2024年3月4日閲覧。
  18. ^ 2011-2012 得点ランキング”. 日本ラグビーフットボール協会. 2024年3月4日閲覧。
  19. ^ 2012-2013 得点ランキング”. 日本ラグビーフットボール協会. 2024年3月4日閲覧。
  20. ^ 2015-2016 得点ランキング”. 日本ラグビーフットボール協会. 2024年3月4日閲覧。
  21. ^ リーグ戦 第1節 試合リポート”. 日本ラグビーフットボール協会. 2024年3月4日閲覧。
  22. ^ トップリーグ2020 第5節”. 日本ラグビーフットボール協会. 2024年3月4日閲覧。
  23. ^ 「五郎丸ポーズ」…50語ノミネート 新語・流行語大賞”. 日本経済新聞 (2015年11月10日). 2015年11月12日閲覧。
  24. ^ “五郎丸、代名詞のポーズで忍者のイメージキャラクターに” (sankeibiz). (2015年12月17日). https://www.afpbb.com/articles/-/3070584 2016年1月24日閲覧。 
  25. ^ 五郎丸が新ルーティン披露、あのポーズ消えていた - ラグビー : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2019年4月13日閲覧。
  26. ^ 五郎丸歩「いい意味でのライバル心をずっと持ちながら高め合っていく」”. NHK (2023年12月16日). 2024年3月4日閲覧。
  27. ^ 五郎丸、CM“初トライ”共演の樹木希林に強烈タックルも!?”. スポニチアネックス (2015年12月4日). 2015年12月7日閲覧。
  28. ^ アサヒ、7年ぶりビール新ブランド=3月発売、CMに五郎丸選手”. 時事通信社 (2016年1月6日). 2016年1月6日閲覧。
  29. ^ “アサヒ ザ・ドリーム”ブランドサイト
  30. ^ JR博多シティの新たな“顔”に五郎丸選手”. 産経ニュース (2016年1月30日). 2016年2月27日閲覧。
  31. ^ 五郎丸、2.3キロのご飯ドカ食い「おいしく食べられた」”. ORICON STYLE (2016年3月3日). 2016年3月3日閲覧。
  32. ^ 「やっぱコレだろ!」五郎丸歩選手が部屋干しにおススメする洗剤!アタック 抗菌EX スーパークリアジェルの新TVCM、2016年3月17日より全国でオンエア開始”. CM JAPAN (2016年3月10日). 2016年3月16日閲覧。
  33. ^ 花王 ビオレu「健康肌は弱酸性」篇 CM 五郎丸歩”. 花王公式YouTubeチャンネル (2016年3月19日). 2016年3月20日閲覧。
  34. ^ ディップ 「バイトル」新CM 「仲間 代表5人登場」篇、2016年4月5日(火)から全国でCM放映開始!” (2016年4月11日). 2016年4月11日閲覧。
  35. ^ 五郎丸選手が登場するアテッサ新CMが地上波初オンエア” (2016年4月11日). 2016年4月11日閲覧。
  36. ^ “五郎丸歩選手:CMで新ルーティン披露”. MANTANWEB. (2016年5月13日). https://mantan-web.jp/article/20160512dog00m200028000c.html 2016年5月18日閲覧。 
  37. ^ 何を書く?ラグビー五郎丸歩選手の自由帳が発売”. ORICON STYLE (2015年12月10日). 2015年12月10日閲覧。
  38. ^ DIMEトレンド大賞:2015年は「インバウンド」 外国人旅行客が経済効果”. 毎日新聞 (2015年11月11日). 2015年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月12日閲覧。
  39. ^ 五郎丸歩、流行語ノミネートに「違和感」 “輝いた男”に選出も謙虚”. ORICON STYLE (2015年11月19日). 2015年11月20日閲覧。
  40. ^ 『ガジェット通信ネット流行語大賞2015』決定! 金賞はW杯で勝利を導いた”五郎丸”に! 銀賞はもちろんあのワード”. ガジェット通信 (2015年11月30日). 2023年1月30日閲覧。
  41. ^ “五郎丸堂々トップテン入り!新語・流行語大賞発表”. サンスポ: p. 2. (2015年12月2日). https://www.sanspo.com/article/20151202-UOTFHHVDHRNIHJPTXE73JJKGUE/2/ 2023年1月30日閲覧。 
  42. ^ Yahoo!検索大賞:“今年の顔”に三代目JSB 大賞受賞に「全ての方に感謝」”. MANTAN WEB (2015年12月9日). 2015年12月9日閲覧。
  43. ^ 【たけしのエンタメ賞・特別話題賞】たけし「SMAPは早く手を打つべきだった」”. 東スポWeb (2016年1月26日). 2016年1月26日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集