2011 日本女子サッカーリーグ
2011 日本女子サッカーリーグは、2011年4月から11月までにかけて行われた第23回目の日本女子サッカーリーグである。このシーズンもプレナス株式会社が協賛し、「プレナスなでしこリーグ2011」(1部)「プレナスチャレンジリーグEAST/WEST2011」(2部)として開催された。
大会概要編集
- 開催期間:2011年4月10日‐11月20日
- なでしこリーグ(1部)
- 2011年4月29日-11月20日
- 10チーム2回総当り。
- チャレンジリーグEAST(2部/東地区)・チャレンジリーグWEST(2部/西地区)
- 2011年4月10日-9月25日
- それぞれの地区6チームによる3回戦総当たり。
- なでしこリーグ/チャレンジリーグ入れ替え戦出場チーム決定戦
- (会期未定)
- チャレンジリーグ各地区の上位2チームのうち、「なでしこリーグ準加盟」の最上位チーム同士2チーム(各地区1チームずつ)による2試合制
- なでしこリーグ/チャレンジリーグ入れ替え戦
- (会期未定)
- 前述の「入れ替え戦出場チーム決定戦」を勝ち抜いたチームと、なでしこリーグ10位のチームによる2試合制の入れ替え戦
- チャレンジリーグ入れ替え戦出場チーム決定戦
- (会期未定)
- チャレンジリーグ参入を希望するチームのうち、チャレンジリーグ加盟に相当すると認められた4チームによる1回総当り
- チャレンジリーグ入れ替え戦
- (会期未定)
- チャレンジリーグ東西最下位チーム(なでしこリーグ準加盟のチームも含む)と、前述「入れ替え戦出場チーム決定戦」を勝ち抜いた上位2チームによる2試合制の入れ替え戦
- 試合時間
- 90分(45分ハーフ)。90分以内で勝敗が決しない場合は引き分けとする。
- 順位
- 勝ち点(勝利3点、引分1点、敗戦0点)の多いチームを上位とし、勝ち点の合計が同じ場合は以下の順序で順位を決める。
- 全試合の得失点差
- 全試合の総得点数
- 直接対決の成績(1.勝ち点2.得失点差)
- 順位決定戦(必要な場合のみ)
参加チーム編集
なでしこリーグ(1部)編集
- 浦和レッドダイヤモンズ・レディース(埼玉県さいたま市)
- 日テレ・ベレーザ(東京都稲城市 )
- INAC神戸レオネッサ(兵庫県神戸市)
- ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(千葉県市原市・千葉市)
- 岡山湯郷Belle(岡山県美作市)
- アルビレックス新潟レディース(新潟県新潟市・北蒲原郡聖籠町)
- ASエルフェン狭山FC(埼玉県狭山市)
- 伊賀フットボールクラブくノ一(三重県伊賀市)
- 福岡J・アンクラス(福岡県春日市)
- 本年度は昇格・降格チームがないため、2010年と顔ぶれは同じとなる予定だった。しかし、東京電力女子サッカー部マリーゼ(福島県双葉郡楢葉町・広野町)が福島第一原発事故の発生以後は活動休止状態となり、本拠地Jヴィレッジも使用不能になっており、チーム運営母体の東京電力が「今期の参加を自粛したい」と申し入れて、今大会を欠場することとなった。結果、9チームでリーグ戦を行うことになり、当初マリーゼと対戦する予定だったチームはその節の試合を休む日程となった。
チャレンジリーグ(2部)編集
チャレンジリーグ/EAST(東地区)編集
- ノルディーア北海道(北海道札幌市) - 2011年3月に準加盟申請承認[1]
- 常盤木学園高等学校サッカー部(宮城県仙台市)
- JFAアカデミー福島(福島県双葉郡楢葉町)
- ☆スフィーダ世田谷FC(東京都世田谷区)
- 日本体育大学女子サッカー部(神奈川県横浜市)
- AC長野パルセイロ・レディース(長野県長野市)
チャレンジリーグ/WEST(西地区)編集
- 静岡産業大学磐田ボニータ#(静岡県磐田市)
- バニーズ京都SC(京都府京都市)
- スペランツァF.C.高槻(大阪府高槻市)
- アギラス神戸#(兵庫県神戸市)
- ☆FC高梁吉備国際大学Charme(岡山県高梁市)
- ジュ ブリーレ 鹿児島(鹿児島県鹿児島市)
- 太字のチームが「なでしこリーグ準加盟チーム」。#印は準加盟申請をしており、現在承認待ちを受けている段階のチーム。
- ☆をつけたチームは2011年からチャレンジリーグ新参入
チャレンジリーグからなでしこリーグへの昇格方法編集
今年度のチャレンジリーグからなでしこリーグへの昇格は、前年度に続きなでしこリーグ準加盟(太字のチーム)のみに与えられるが、準加盟チームがそれぞれのディビジョンで2位以内に入り、その上での最上位のチームになでしこリーグ・チャレンジリーグ入れ替え戦出場チーム決定戦の出場権を与える。なおそれに該当するチームが1チームだけである場合は、決定戦なしで入れ替え戦出場となる。該当チームなしの場合は入れ替えを行わない。
東日本大震災の影響編集
東日本大震災の影響により次の変更が行われた。
- 「なでしこリーグ」の開幕時期変更
- 当初は4月3日からの開幕を予定していたが、震災の復旧作業や社会的な影響を考慮し、4月24日の第4節まで開催を自粛し、4月29日の第5節から「開幕する」。
- マリーゼは参加辞退となり、今季は下部リーグからの補充もせず9チームで行う。
- 延期となった試合の振り分け(括弧の数字はその日開催の試合数)
- 第1節 6月24日(1)、7月24日(1)、7月30日(1)、7月31日(1)
- 第2節 6月12日(2)、7月31日(1)、8月6日(1)
- 第3節 7月31日(1)、8月13日(2)、8月14日(1)
- 第4節 6月11日(1)、7月24日(1)、8月7日(2)
- ※7月24日、7月31日はそれぞれ異なる節の重複開催
- 「なでしこリーグカップ2011」取り止め
- 当初6月から開催する予定だった同大会の予選リーグ期間に、なでしこリーグの延期分を振り分けるため、日程調整の都合上なでしこリーグカップの開催を本年度については中止にする。これは2011 FIFA女子ワールドカップやロンドン五輪女子サッカー予選が本年度に行われるのと、選手の多くは平日仕事を持つアマチュアであることから、平日に代替開催することが難しいためとしており、リーグ戦を最優先することを目的としている。
- 「チャレンジリーグ」については予定通り
- 2012年「なでしこリーグ」は10チームに戻す
- 2011年7月26日の理事会の席で、2012年度は10チームに戻してリーグ戦を行うと発表された[2]。ただし、東京電力マリーゼについては新年度のなでしこリーグ(1部)残留は認めず、9月末までに新しい受け入れ先スポンサーが決まり「存続」となった場合、チャレンジリーグ(2部)に降格の上での参戦となる。またこれに伴いチャレンジリーグからの昇格の扱いも変更され、「入れ替え戦出場チーム決定戦」に勝利したなでしこリーグ準加盟チームが自動的に2012年度なでしこリーグに昇格する権利を得る。
- その後、なでしこリーグ理事会(10月13日)で次が承認された。[3]
- マリーゼの移管先としてベガルタ仙台と交渉する。承認された場合はマリーゼを系譜するチームとみなし、チャレンジリーグへ降格した上で参加することが可能となる
- チャレンジリーグに参加する「なでしこリーグ準加盟」のうち、入れ替え戦参加の内定チームがスペランツァ高槻の1チームのみであったため入れ替え戦を実施せず同クラブの2012なでしこリーグ自動昇格が承認された
- また上記と、チャレンジリーグWESTのアギラス神戸が2012年度のチャレンジリーグから撤退する方針を固めた為、チャレンジリーグ入れ替え戦についても変更され、地域リーグ上位による入れ替え戦出場チーム決定戦で優勝したチームを次年度のチャレンジリーグ自動昇格とし、2位チームについてはチャレンジリーグEAST6位のノルディーア北海道と入れ替え戦を行う
成績編集
なでしこリーグ編集
位 | チーム名 | 点 | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | INAC神戸レオネッサ | 42 | 16 | 13 | 3 | 0 | 49 | 8 | +41 |
2 | 日テレ・ベレーザ | 35 | 16 | 11 | 2 | 3 | 37 | 11 | +26 |
3 | 浦和レッズレディース | 33 | 16 | 10 | 3 | 3 | 28 | 16 | +12 |
4 | 岡山湯郷Belle | 28 | 16 | 8 | 4 | 4 | 33 | 21 | +12 |
5 | アルビレックス新潟レディース | 22 | 16 | 6 | 4 | 6 | 33 | 25 | +8 |
6 | 伊賀フットボールクラブくノ一 | 16 | 16 | 5 | 1 | 10 | 18 | 26 | -8 |
7 | ジェフ千葉レディース | 16 | 16 | 5 | 1 | 10 | 16 | 29 | -13 |
8 | ASエルフェン狭山FC | 10 | 16 | 3 | 1 | 12 | 21 | 53 | -32 |
9 | 福岡J・アンクラス | 4 | 16 | 1 | 1 | 14 | 13 | 59 | -46 |
チャレンジリーグ/EAST編集
位 | チーム名 | 点 | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 常盤木学園高等学校サッカー部 | 37 | 15 | 12 | 1 | 2 | 63 | 20 | +43 | |
2 | JFAアカデミー福島 | 30 | 15 | 9 | 3 | 3 | 44 | 23 | +21 | |
3 | スフィーダ世田谷FC | 27 | 15 | 8 | 3 | 4 | 35 | 22 | -13 | |
4 | 日本体育大学女子サッカー部 | 24 | 15 | 7 | 3 | 5 | 33 | 26 | +7 | |
5 | AC長野パルセイロ・レディース | 8 | 15 | 2 | 2 | 11 | 14 | 51 | -37 | |
6 | ノルディーア北海道 | 2 | 15 | 0 | 2 | 13 | 12 | 59 | -47 | 入替戦出場 |
チャレンジリーグ/WEST編集
位 | チーム名 | 点 | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | FC高梁吉備国際大学Charme | 38 | 15 | 12 | 2 | 1 | 87 | 12 | +75 | |
2 | スペランツァF.C.高槻 | 38 | 15 | 12 | 2 | 1 | 74 | 13 | +61 | なでしこリーグ昇格 |
3 | ジュ ブリーレ 鹿児島 | 21 | 15 | 8 | 3 | 4 | 35 | 22 | -13 | |
4 | 静岡産業大学磐田ボニータ | 18 | 15 | 6 | 3 | 6 | 32 | 24 | +8 | |
5 | バニーズ京都SC | 16 | 15 | 5 | 1 | 9 | 24 | 49 | -25 | |
6 | アギラス神戸 | 0 | 15 | 0 | 0 | 15 | 2 | 131 | -129 | チャレンジリーグ脱退 |
- (注)なでしこリーグ入れ替え戦に参加できるなでしこリーグ準加盟で各ディビジョン上位2位まで、なおかつその最上位に入ったのが高槻1チームのみであったため、入れ替え戦なしで高槻の2012なでしこリーグ昇格が内定。
表彰編集
個人賞編集
賞 | 受賞者(所属)[4] |
---|---|
最優秀選手賞 | 川澄奈穂美(I神戸) |
得点王 | 大野忍(I神戸) |
川澄奈穂美(I神戸) | |
新人賞 | 吉良知夏(浦和) |
敢闘賞 | 岩渕真奈(日テレ) |
優勝監督賞 | 星川敬(I神戸) |
ベストイレブン編集
ポジション | 選手名(所属) | 受賞回数 |
---|---|---|
GK | 海堀あゆみ(I神戸) | 初 |
DF | 近賀ゆかり(I神戸) | 5回目 |
矢野喬子(浦和) | 5回目 | |
岩清水梓(日テレ) | 6回目 | |
田中明日菜(I神戸) | 初 | |
MF | 宮間あや(湯郷ベル) | 3回目 |
阪口夢穂(新潟) | 2回目 | |
澤穂希(I神戸) | 10回目 | |
FW | 大野忍(I神戸) | 9回目 |
川澄奈穂美(I神戸) | 2回目 | |
岩渕真奈(日テレ) | 初 |
得点ランキング編集
順位 | 選手(所属) | 得点 |
---|---|---|
1 | 川澄奈穂美(I神戸) | 12 |
大野忍(I神戸) | ||
3 | 岩渕真奈(日テレ) | 9 |
吉良知夏(浦和) | ||
宮間あや(岡山) | ||
上尾野辺めぐみ(新潟) |
昇格決定戦・入れ替え戦編集
なでしこリーグ/チャレンジリーグ編集
上述の通り、東電マリーゼが今期不参加・降格扱いとなったため、今期は入れ替え戦を実施せず、チャレンジリーグから1チームが自動昇格することとされた。チャレンジリーグのチームのうち昇格資格を得たチームがウェストディビジョン2位のスペランツァF.C.高槻のみ(イーストディビジョンは上位2チームとも準加盟ではなかったため該当チームなし)であったため、高槻が昇格。
チャレンジリーグ/地域リーグ編集
今期のチャレンジリーグWEST最下位・アギラス神戸は次期のチャレンジリーグ参入を断念したため、チャレンジリーグからの入れ替え戦参加チームはEAST最下位・ノルディーア北海道のみとなった。またこのため、地域リーグからは1チームが自動昇格・1チームが入れ替え戦に進出となる。
チャレンジリーグ昇格を目指す地域リーグのチームは、「チャレンジリーグ入れ替え戦出場チーム決定戦」を行い、1位のチームが自動昇格、2位のチームが入れ替え戦に進出する。
チャレンジリーグ入れ替え戦出場チーム決定戦編集
6チームによるノックアウト方式で行われる[5]。
1回戦 | 準決勝 | 決勝 | ||||||||
11月5日 | ||||||||||
愛媛FCレディース | 3 | |||||||||
11月3日 | ||||||||||
つくばFCレディース | 1 | |||||||||
清水第八プレアデス | 1 (4) | |||||||||
11月6日 | ||||||||||
つくばFCレディース (PK) | 1 (5) | |||||||||
愛媛FCレディース | 1 | |||||||||
JAPANサッカーカレッジレディース | 2 | |||||||||
11月5日 | ||||||||||
JAPANサッカーカレッジレディース | 3 | |||||||||
11月3日 | ||||||||||
益城ルネサンス熊本FC | 1 | |||||||||
益城ルネサンス熊本FC | 2 | |||||||||
豊田レディースFC | 0 | |||||||||
1回戦
#1 | 2011年11月3日
11:00 |
---|
清水第八プレアデス | 1 - 1 (延長) |
つくばFCレディース |
---|---|---|
堀佳織 43分 | レポート | 三輪由衣 51分 |
PK戦 | ||
金城若菜 濵中沙希 堀佳織 谷口絵美 西ヶ谷紀恵 |
4 - 5 | 亀井祐美 須藤麻奈美 南知穂 鈴木稚菜 菅野博子 |
時之栖スポーツセンター(裾野E2グランド)
|
準決勝
#3 | 2011年11月5日
11:00 |
---|
愛媛FCレディース | 3 - 1 | つくばFCレディース |
---|---|---|
春山沙織 17分 山城見友希 77分 小西菜月 83分 |
レポート | 馬場遥か 64分 |
時之栖スポーツセンター(裾野E2グランド)
|
#4 | 2011年11月5日
14:00 |
---|
JAPANサッカーカレッジレディース | 3 - 1 | 益城ルネサンス熊本FC |
---|---|---|
田邊友恵 11分, 45分 坂口友紀 38分 |
レポート | 奥村紗代 90+3分 |
時之栖スポーツセンター(裾野E2グランド)
|
決勝
#5 | 2011年11月6日
11:00 |
---|
愛媛FCレディース | 1 - 2 | JAPANサッカーカレッジレディース |
---|---|---|
小川明莉 53分 | レポート | 坂口友紀 8分 社納未樹 69分 |
時之栖スポーツセンター(裾野E2グランド)
|
JAPANサッカーカレッジレディースがチャレンジリーグ昇格。愛媛FCレディースが入れ替え戦進出。
チャレンジリーグ入れ替え戦編集
対戦カード・日時は以下の通り[6]。
チーム #1 | 合計 | チーム #2 | 第1戦 | 第2戦 |
---|---|---|---|---|
愛媛FCレディース | 3 - 2 | ノルディーア北海道 | 2 - 1 | 1 - 1 |
結果、愛媛FCレディースがチャレンジリーグに昇格、ノルディーア北海道が地域リーグに降格[7]。なお北海道はなでしこリーグ準加盟会員の資格があったが、規定により準加盟資格を失った
脚注編集
- ^ “なでしこリーグ準加盟申請承認の件”. 日本女子サッカーリーグオフィシャルサイト (2011年3月8日). 2011年10月15日閲覧。
- ^ “なでしこL来季は10チーム 2部1位が昇格へ” (Japanese). スポニチANNEX (2011年7月27日). 2011年8月3日閲覧。
- ^ なでしこリーグリリース より
- ^ プレナスなでしこリーグ2011/プレナスチャレンジリーグ2011 表彰式受賞者発表
- ^ “2011 チャレンジリーグ入替戦予選大会”. 日本女子サッカーリーグオフィシャルサイト. 2011年10月21日閲覧。
- ^ “2011チャレンジリーグ入替戦について”. 日本女子サッカーリーグ (2011年11月8日). 2011年11月9日閲覧。
- ^ “チャレンジリーグ入替戦 第2日目の結果”. 日本女子サッカーリーグ公式サイト (2011年11月19日). 2011年11月19日閲覧。