京都金杯

日本の中央競馬の重賞競走
スポニチ賞金杯から転送)

京都金杯(きょうときんぱい)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。競馬番組表での名称は「スポーツニッポン賞 京都金杯(スポーツニッポンしょう きょうときんぱい)」と表記している。

京都金杯
Sports Nippon Sho Kyoto Kimpai[1]
第56回京都金杯
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1963年1月3日
2024年の情報
距離 芝1600m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(特指)
負担重量 ハンデキャップ
出典 [2][3][1]
テンプレートを表示

正賞はスポーツニッポン新聞社賞[2][3]

概要 編集

 
優勝馬主に贈られる金杯(2014年)
 
京都金杯の優勝レイ(2014年)

1963年に創設された5歳(現4歳)以上の馬によるハンデキャップの重賞「迎春賞(げいしゅんしょう)」が、本競走の前身[4]。1966年から「金盃」、1970年に「金杯」と改称され、以来1995年まで中山競馬場で行われる同名の競走(現・中山金杯)とともに新年度の中央競馬の開幕を飾る重賞として施行してきた[5]が、1996年より東西の金杯を区別するため現名称に変更された。

負担重量は1966年から1980年まで別定だったが、1981年以降はハンデキャップに戻された[4]。施行距離は創設以来芝2000mで定着していたが、2000年より芝1600mに短縮され、短距離路線を目標とする馬にとって1年の活躍を占うレースへと位置づけが一変した[4]

外国産馬は1993年から、外国馬は2006年から、地方競馬所属馬は2020年からそれぞれ出走可能になった[4]

中山金杯と同じように競馬ファンからは金杯の格言として「一年の計は元旦にあり」をもじって「一年の計は金杯にあり」と言われている。

地上波テレビ放送局は開催日が日曜日固定でないため毎年変動し、開催日が月曜日土曜日の場合はKBS京都テレビ、日曜日の時は関西テレビで放送される。

競走条件 編集

以下の内容は、2024年[2][3][6]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:ハンデキャップ

賞金 編集

2024年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[2][3]

歴史 編集

  • 1963年 - 5歳以上の馬によるハンデキャップの重賞「迎春賞」の名称で創設、京都競馬場の芝2000mで施行[4]。正賞はYTV賞(1965年まで)[7]
  • 1966年
    • 名称を「スポーツニッポン賞 金盃」に変更[8]
    • 負担重量を別定に変更[4]
  • 1970年 - 名称を「スポーツニッポン賞 金杯」に変更。
  • 1981年 - 負担重量をハンデキャップに変更[4]
  • 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け。
  • 1993年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[4]
  • 1996年 - 名称を「スポーツニッポン賞 京都金杯」に変更[4]
  • 2001年 - 馬齢表記を国際基準へ変更したことに伴い、競走条件を「4歳以上」に変更。
  • 2006年 - 国際競走に指定、外国調教馬が4頭まで出走可能になる[4]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[4]
  • 2015年
    • 出走可能頭数を18頭に拡大。
    • 外国馬の出走枠を9頭に変更。
  • 2020年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能になる。
  • 2021年 - 京都競馬場の整備工事に伴い、中京競馬場で施行(2022年・2023年も同様)[9][10]。このため、出走可能頭数が16頭に変更される。

歴代優勝馬 編集

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

競走名は第1回から第3回まで「迎春賞」、第4回から第33回まで「金杯」[4]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1963年1月3日 京都 2000m スズカリユウ 牡5 2:07.4 松本善登 橋本正晴 三好笑子
第2回 1964年1月3日 京都 2000m カツラエース 牡5 2:05.9 松本善登 橋本正晴 牧市太郎
第3回 1965年1月3日 京都 2000m コウライオー 牡5 2:04.7 上田三千夫 吉田三郎 高田政治
第4回 1966年1月3日 京都 2000m キーストン 牡4 2:05.8 山本正司 松田由太郎 伊藤由五郎
第5回 1967年1月3日 京都 2000m ヤマニリユウ 牡4 2:04.7 高橋成忠 柏谷富衛 北沢元男
第6回 1968年1月3日 京都 2000m アトラス 牡4 2:03.4 武邦彦 戸山為夫 松岡重雄
第7回 1969年1月5日 京都 2000m ファインローズ 牝4 2:03.4 簗田善則 坪重兵衛 吉田久博
第8回 1970年1月4日 京都 2000m ホウウン 牡4 2:03.9 池江泰郎 梅内慶蔵 中井長一
第9回 1971年1月15日 京都 2000m ケイタカシ 牡6 2:07.2 池江泰郎 浅見国一 内田恵司
第10回 1972年1月5日 京都 2000m フイドール 牡4 2:07.8 武田博 武田文吾 小原菊枝
第11回 1973年1月7日 京都 2000m ユーモンド 牡4 2:08.3 福永洋一 武田文吾 新子政勇貴
第12回 1974年1月6日 京都 2000m ナオキ 牡5 2:01.4 佐々木昭次 田中康三 桜山ホース(株)
第13回 1975年1月6日 京都 2000m ハクサンホマレ 牡5 2:04.0 久保一秋 吉永猛 不破勝
第14回 1976年1月5日 京都 2000m スリーヨーク 牡5 2:04.4 出口隆義 諏訪佐市 永井商事(株)
第15回 1977年1月5日 京都 2000m コウイチサブロウ 牡4 2:02.8 松本善登 庄野穂積 桂土地(株)
第16回 1978年1月5日 京都 2000m リニアクイン 牝4 2:04.0 松田幸春 松田由太郎 桶谷辰造
第17回 1979年1月5日 京都 2000m インターグシケン 牡4 2:02.7 武邦彦 日迫良一 松岡正雄
第18回 1980年1月5日 阪神 2000m グレートタイタン 牡5 2:03.4 武邦彦 吉田三郎 長底定治郎
第19回 1981年1月5日 京都 2000m ウエスタンジョージ 牡5 2:00.9 加用正 北橋修二 西川商事(株)
第20回 1982年1月5日 京都 2000m タマトップ 牡5 2:03.2 古小路重男 夏村辰男 玉井政夫
第21回 1983年1月5日 京都 2000m ミスラディカル 牝4 2:02.5 音無秀孝 田中良平 小田切有一
第22回 1984年1月5日 京都 2000m ロンググレイス 牝4 2:03.6 田原成貴 小林稔 中井長一
第23回 1985年1月6日 京都 2000m メジロトーマス 牡4 2:02.3 村本善之 池江泰郎 (有)メジロ牧場
第24回 1986年1月5日 京都 2000m エーコーフレンチ 牡5 2:03.8 田島信行 安田伊佐夫 池内賢市
第25回 1987年1月5日 京都 2000m ドウカンヤシマ 牡7 2:03.2 清水英次 鹿戸明 新井興業(株)
第26回 1988年1月5日 京都 2000m タマモクロス 牡4 2:03.7 南井克巳 小原伊佐美 タマモ(株)
第27回 1989年1月5日 京都 2000m カツトクシン 牡4 2:00.5 松永幹夫 安田伊佐夫 渡辺典六
第28回 1990年1月5日 京都 2000m オサイチジョージ 牡4 2:01.9 丸山勝秀 土門一美 野出長一
第29回 1991年1月5日 京都 2000m ダイユウサク 牡5 2:00.1 熊沢重文 内藤繁春 橋元幸平
第30回 1992年1月5日 京都 2000m ホワイトアロー 牡6 2:02.2 田原成貴 小野幸治 東山ホース(株)
第31回 1993年1月5日 京都 2000m エルカーサリバー 牝4 2:01.4 山田泰誠 田中良平 (株)クレアール
第32回 1994年1月5日 阪神 2000m エイシンテネシー 牝5 2:02.8 田原成貴 坂口正則 平井豊光
第33回 1995年1月5日 京都 2000m ワコーチカコ 牝5 1:59.7 O.ペリエ 伊藤雄二 石田隆夫
第34回 1996年1月5日 京都 2000m テイエムジャンボ 牡5 1:59.7 河内洋 布施正 竹園正繼
第35回 1997年1月5日 京都 2000m イシノサンデー 牡4 2:02.3 四位洋文 山内研二 (株)イシジマ
第36回 1998年1月5日 京都 2000m ミッドナイトベット 牡4 2:00.6 O.ペリエ 長浜博之 (有)社台レースホース
第37回 1999年1月5日 京都 2000m ヒカリサーメット 牡5 1:59.5 河内洋 柳田次男 當山隆則
第38回 2000年1月5日 京都 1600m キョウエイマーチ 牝6 1:33.4 秋山真一郎 野村彰彦 松岡留枝
第39回 2001年1月5日 京都 1600m ダイタクリーヴァ 牡4 1:33.4 松永幹夫 橋口弘次郎 (有)太陽ファーム
第40回 2002年1月5日 京都 1600m ダイタクリーヴァ 牡5 1:33.8 武豊 橋口弘次郎 (有)太陽ファーム
第41回 2003年1月5日 京都 1600m サイドワインダー 牡5 1:33.7 四位洋文 北橋修二 (株)協栄
第42回 2004年1月5日 京都 1600m マイソールサウンド 牡5 1:33.3 本田優 西浦勝一 佐野清
第43回 2005年1月5日 京都 1600m ハットトリック 牡4 1:34.0 武豊 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第44回 2006年1月5日 京都 1600m ビッグプラネット 牡4 1:34.0 和田竜二 南井克巳 (有)ビッグ
第45回 2007年1月6日 京都 1600m マイネルスケルツィ 牡4 1:33.9 柴田善臣 稲葉隆一 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第46回 2008年1月5日 京都 1600m エイシンデピュティ 牡6 1:33.6 岩田康誠 野元昭 平井豊光
第47回 2009年1月5日 京都 1600m タマモサポート 牡6 1:32.9 津村明秀 藤岡健一 タマモ(株)
第48回 2010年1月5日 京都 1600m ライブコンサート 騸6 1:34.1 岩田康誠 白井寿昭 グリーンフィールズ(株)
第49回 2011年1月5日 京都 1600m シルポート 牡6 1:33.4 小牧太 西園正都 百万武夫
第50回 2012年1月5日 京都 1600m マイネルラクリマ 牡4 1:32.9 松岡正海 上原博之 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第51回 2013年1月5日 京都 1600m ダノンシャーク 牡5 1:33.5 C.ルメール 大久保龍志 (株)ダノックス
第52回 2014年1月5日 京都 1600m エキストラエンド 牡5 1:32.5 C.ルメール 角居勝彦 (有)社台レースホース
第53回 2015年1月4日 京都 1600m ウインフルブルーム 牡4 1:32.8 池添謙一 宮本博 (株)ウイン
第54回 2016年1月5日 京都 1600m ウインプリメーラ 牝6 1:33.0 川田将雅 大久保龍志 (株)ウイン
第55回 2017年1月5日 京都 1600m エアスピネル 牡4 1:32.8 武豊 笹田和秀 (株)ラッキーフィールド
第56回 2018年1月6日 京都 1600m ブラックムーン 牡6 1:34.3 武豊 西浦勝一 Him Rock Racing
第57回 2019年1月5日 京都 1600m パクスアメリカーナ 牡4 1:34.9 川田将雅 中内田充正 (株)山紫水明
第58回 2020年1月5日 京都 1600m サウンドキアラ 牝5 1:34.0 松山弘平 安達昭夫 増田雄一
第59回 2021年1月5日 中京 1600m ケイデンスコール 牡5 1:33.1 岩田康誠 安田隆行 (有)サンデーレーシング
第60回 2022年1月5日 中京 1600m ザダル 牡6 1:32.9 松山弘平 大竹正博 (有)キャロットファーム
第61回 2023年1月5日 中京 1600m イルーシヴパンサー 牡5 1:32.7 岩田望来 久保田貴士 草間庸文
第62回 2024年1月6日 京都 1600m コレペティトール 牡4 1:33.8 岩田康誠 中竹和也 加藤誠

参考文献 編集

  • 「スポーツニッポン賞京都金杯(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集 【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、7-71頁。 

脚注・出典 編集

注釈 編集

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典 編集

  1. ^ a b IFHA Race Detail The Sports Nippon Sho Kyoto Kimpai 2016年1月7日閲覧。
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 1. 2024年1月8日閲覧。
  3. ^ a b c d 令和6年第1回京都競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 歴史・コース:京都金杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  5. ^ 歴史・コース:中山金杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  6. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和5年度春季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年1月8日閲覧。
  7. ^ 中央競馬全重賞競走成績集、9-12頁
  8. ^ 中央競馬全重賞競走成績集、13頁では「スポーツニッポン賞 金盃(迎春賞)」と記載されている。
  9. ^ 令和3年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会 (2021年1月7日). 2020年10月20日閲覧。
  10. ^ 令和5年開催日割(PDF)日本中央競馬会、2022年10月17日閲覧

各回競走結果の出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集