ゴルフ日本シリーズ(ゴルフにっぽんシリーズ)は、1963年から毎年12月上旬に開催される日本ツアーの最終戦である。

ゴルフ日本シリーズJTカップ
Golf Nippon Series JTCUP
トーナメント情報
創設 1963年
開催地 東京都
開催コース 東京よみうりカントリークラブ
基準打数 Par70(2021年)[1]
ヤーデージ 7023Yards(2021年)[1]
主催 日本テレビ放送網
報知新聞社
読売新聞社[2]
ツアー 日本ゴルフツアー機構
競技方法 ストロークプレー
賞金総額 1億3000万円(2021年)[1]
開催月 12月
最高記録
通算スコア - 26 日本の旗 尾崎将司(1996年)[3]
最新優勝者
日本の旗 蟬川泰果(2023年)
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概要 編集

第1回は日本オープン日本プロ関東オープン関西オープン関東プロ関西プロの公式戦大会優勝者5人で開催された。

それ以後はその年の日本ゴルフツアー(JGTO)公認トーナメント優勝者、賞金ランキング上位者など、年間を通して顕著な活躍をしたプロゴルファーだけが出場できる「最優秀プロ決定戦」という位置づけがなされており、それ故にかつては「アマチュア選手除外」の規定が存在していた。しかし2007年5月、当時アマチュアで高校生であった石川遼が史上最年少でツアー優勝したことを受けて、JGTOでは同年7月30日の理事会でこの規定を削除し、アマ選手の出場が承認された。

優勝者には赤色のチャンピオンブレザーと大ペナント、JTカップが授与されるほか、副賞として日産自動車の車両(2022年・2023年はアリアリーフサクラの3車種から1車種を選択)[4]、さらに向こう3年間の日本ツアーシード権が与えられる。

1998年までは日本プロゴルフ協会(PGA)が主催する公式戦だった。現在は報知新聞社、読売新聞社、日本テレビ放送網が主催している。1988年から1997年までは日立製作所が協賛し、1998年からはJTが特別協賛。その他、日産自動車ブリヂストンスポーツ二階堂酒造アメリカン・エキスプレスエアトリが協賛している。かつてはシチズン時計東武百貨店ダンロップNTT DATAコンパック日興證券理想科学工業コニカミノルタ松下電工等が協賛していた時期もあった。

大会創設当初は前半2日間を大阪よみうりカントリークラブ・東コース読売テレビ運営)、1日の移動日を挟んで後半2日間を東京よみうりカントリークラブよみうりランド運営)で行っていた。第28回(1991年)から第31回(1994年)は1年ごとに東京と大阪の交互で開催。第32回(1995年)からは東京よみうりCCに会場が固定されて開催されている。

東京よみうりCCの18番ホールにはホールインワン賞が設定されており、達成者には賞金200万円とJT傘下のテーブルマークのさぬきうどん1年分が贈呈される。2014年までは缶コーヒールーツ1年分が与えられたが、JTの飲料事業撤退により2015年から変更になっている。日立が協賛していた時代には家電製品が贈られていた。ホールインワン賞は1998年の3日目にエドアルド・エレラ英語版が唯一達成している。

本大会出場資格 編集

本大会の出場者は30名である。

  1. 前年度優勝者
  2. その年のシーズン開幕戦から日本シリーズ前週までの日本ツアー競技優勝者(2007年以降はアマチュアも含む)
  3. その年のシーズン開幕戦から本大会当週までの日本ツアー賞金ランキング上位20位以内の選手
  4. 日本ツアーメンバーであり、そのシーズンのPGAツアーもしくはヨーロピアンツアー優勝者
  5. 日本ツアーメンバーであり、本大会前週時点でのオフィシャルワールドゴルフランキング100位までの選手
  6. それでも満たない場合は本大会当週時点での賞金ランク上位選手(30名に達するまで)

ただし2020年は5試合しか開催されず、シーズン開幕戦からダンロップフェニックスまでの日本ツアー競技で3位タイまでの選手が追加された。ただしアマチュアは対象外。なおそれでも満たない場合は6の資格で追加されることになっている。2021年の大会には2020年東京オリンピックのゴルフ競技代表選手も出場資格が追加された。

歴代優勝者 編集

開催回 開催時期 優勝者名 開催コース
ゴルフ日本シリーズ
第1回 1963年11月5日11月6日11月8日11月9日   石井朝夫 大阪よみうりカントリークラブ・東コース[5]
紫カントリークラブすみれコース(千葉)
第2回 1964年11月4日、11月5日、11月7日、11月8日   陳清波 大阪よみうりカントリークラブ・東コース
(1975年からは大阪よみうりカントリークラブに変更)[5]
東京よみうりカントリークラブ[6]
第3回 1965年11月10日11月11日11月13日11月14日   杉原輝雄
第4回 1967年11月11日、11月12日、11月14日、11月15日   河野高明
第5回 1968年11月27日11月28日11月30日12月1日
第6回 1969年11月26日、11月27日、11月29日、11月30日   杉本英世
第7回 1970年11月25日、11月26日、11月28日、11月29日   杉原輝雄
第8回 1971年11月17日11月18日11月20日11月21日   尾崎将司
第9回 1972年11月15日11月16日、11月18日、11月19日
第10回 1973年11月29日 - 12月2日   杉原輝雄
第11回 1974年11月14日 - 11月17日   尾崎将司
第12回 1975年11月13日 - 11月16日   村上隆
第13回 1976年11月17日、11月18日、11月20日、11月21日[7]   前田新作
第14回 1977年11月30日、12月1日12月3日12月4日   尾崎将司
第15回 1978年11月29日、11月30日、12月2日、12月3日   青木功
第16回 1979年11月28日、11月29日、12月1日、12月2日
第17回 1980年12月3日、12月4日、12月6日12月7日   尾崎将司
第18回 1981年12月5日、12月6日[8]   羽川豊 東京よみうりカントリークラブ
第19回 1982年12月1日、12月2日、12月4日、12月5日   中嶋常幸 大阪よみうりカントリークラブ[5]
東京よみうりカントリークラブ
第20回 1983年11月30日、12月1日、12月3日、12月4日   青木功
第21回 1984年11月28日、11月29日、12月1日、12月2日   中村通
第22回 1985年12月4日、12月5日、12月7日、12月8日   尾崎健夫
第23回 1986年12月3日、12月4日、12月6日、12月7日   中村通
第24回 1987年12月2日、12月3日、12月5日、12月6日   青木功
  デビッド・イシイ[9]
ゴルフ日本シリーズ日立カップ
第25回 1988年11月30日、12月1日、12月3日、12月4日   尾崎直道 大阪よみうりカントリークラブ
(1990年に 「読売ゴルフ・メンバーコース」 に変更。)[5]
東京よみうりカントリークラブ
第26回 1989年11月29日、11月30日、12月2日、12月3日   大町昭義
第27回 1990年11月28日、11月29日、12月1日、12月2日   尾崎直道
第28回 1991年12月5日 - 12月8日 東京よみうりカントリークラブ
第29回 1992年12月3日 - 12月6日   陳志明英語版 読売ゴルフ・メンバーコース
第30回 1993年12月2日 - 12月5日   中嶋常幸 東京よみうりカントリークラブ
第31回 1994年12月1日 - 12月4日   佐々木久行 読売ゴルフ・メンバーコース
第32回 1995年11月30日 - 12月3日   尾崎将司 東京よみうりカントリークラブ
第33回 1996年11月28日 - 12月1日
第34回 1997年12月4日 - 12月7日   丸山茂樹
ゴルフ日本シリーズJTカップ
第35回 1998年12月3日 - 12月6日   宮本勝昌 東京よみうりカントリークラブ
第36回 1999年12月2日 - 12月5日   細川和彦
第37回 2000年11月30日 - 12月3日   片山晋呉
第38回 2001年11月29日 - 12月2日   宮本勝昌
第39回 2002年12月5日 - 12月8日   片山晋呉
第40回 2003年12月4日 - 12月7日   平塚哲二
第41回 2004年12月2日 - 12月5日   ポール・シーハン
第42回 2005年12月1日 - 12月4日   今野康晴
第43回 2006年11月30日 - 12月3日   ジーブ・ミルカ・シン
第44回 2007年11月29日 - 12月2日   ブレンダン・ジョーンズ
第45回 2008年12月4日 - 12月7日   ジーブ・ミルカ・シン
第46回 2009年12月3日 - 12月6日   丸山茂樹PO
第47回 2010年12月2日 - 12月5日   藤田寛之
第48回 2011年12月1日 - 12月4日[10]
第49回 2012年11月29日 - 12月2日
第50回 2013年12月5日 - 12月8日   宮里優作
第51回 2014年12月4日 - 12月7日   宮本勝昌[11]
第52回 2015年12月3日 - 12月6日   石川遼[12]
第53回 2016年12月1日 - 12月4日   朴相賢英語版(パク・サンヒョン)[13]
第54回 2017年11月30日 - 12月3日   宮里優作[14]
第55回 2018年11月29日 - 12月2日   小平智PO[15]
第56回 2019年12月5日 - 12月8日   石川遼PO[16]
第57回 2020年12月3日 - 12月6日   チャン・キム[17][18]
第58回 2021年12月2日 - 12月5日   谷原秀人[1][19]
第59回 2022年12月1日 - 12月4日
第60回 2023年11月30日 - 12月3日   蟬川泰果

PO プレーオフでの決着。

1966年カナダカップ(現在:ワールドカップ)の開催と日程的に重なったため開催されず。

賞金 編集

2021年現在、賞金総額1億3000万円、優勝賞金4000万円[1]。ただし2020年は新型コロナの影響で経費の増加が見込まれることから賞金総額を1億円(優勝賞金2500万円)に減額した上で無観客で開催された。

順位 賞金 (¥) 順位 賞金 (¥) 順位 賞金 (¥)
優勝 40,000,000 11 3,117,593 21 1,505,592
2 15,000,000 12 2,857,593 22 1,401,592
3 10,000,000 13 2,597,593 23 1,297,592
4 6,211,593 14 2,337,593 24 1,193,592
5 5,171,593 15 2,207,593 25 1,141,592
6 4,651,593 16 2,077,593 26 1,089,592
7 4,261,593 17 1,947,593 27 1,087,592
8 3,936,593 18 1,817,593 28 985,592
9 3,637,593 19 1,713,593 29 933,592
10 3,377,593 20 1,609,592 30 881,592
第58回 ゴルフ日本シリーズ JTカップ 2021年12月5日撮影

テレビ放送 編集

エピソード 編集

  • 1970年の第7回で、関東オープンを制し、杉原を2打差で追っていた謝永郁は、東京よみうりCCに向かう最中に小田急線遅延の影響で、スタートに間に合わず失格となった。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e “谷原秀人が今季2勝目、賞金王はチャン・キムに決定”. nikkansports.com. 日刊スポーツNEWS. (2021年12月5日). https://www.nikkansports.com/sports/golf/news/202112050000512.html 2021年12月5日閲覧。 
  2. ^ 1998年までは日本プロゴルフ協会(PGA)も主催していたが、ボランティア業務に関しては引き続きPGAが委託している。
  3. ^ 【記録・国内男子】ツアー最多アンダーパー記録(72ホール) - ゴルフダイジェスト・オンライン(2014年10月12日現在) ※2014年10月13日閲覧
  4. ^ 過去にはエルグランドセドリックシーマフーガスカイライン等が贈られたことがある。
  5. ^ a b c d 前半2日間を大阪、後半2日間は東京で実施。
  6. ^ 報知新聞社ウェブサイト内の 「ゴルフ日本シリーズの歴史」 によると、1964年の第2回大会だけは、アウト・インが現在とは逆で、今の10番ホールからスタートし、今の9番ホールでフィニッシュするレイアウトになっていた。
  7. ^ 3日目は豪雨に見舞われホールアウトできたのは4選手だけだったため、最終日はサスペンデッドゲームとして再開。
  8. ^ 兵庫県一帯に降雪があったため大阪での試合を中止し、東京での試合のみ実施。
  9. ^ 1日目と最終日が雪の影響により中止、2日間しか競技することができなかったため異例の2人優勝となった。
  10. ^ 大会3日目が雨のため中止。3日間54ホール競技に短縮。
  11. ^ 小田孔明が初の賞金王!宮本勝昌が最終戦を制す - ゴルフダイジェスト・オンライン(2014年12月7日)
  12. ^ 石川遼が優勝、初の日本タイトル…男子ゴルフ YOMIURI ONLINE(2015年12月6日)
  13. ^ 朴相賢が初V、2位池田勇太は2億超で初の賞金王 - 日刊スポーツ、2016年12月4日閲覧
  14. ^ 宮里優作が逆転で初賞金王!現職選手会長として初 - 日刊スポーツ、2017年12月3日閲覧
  15. ^ 【日本S】小平智が優勝 古閑美保さん「もっと稼いで」 POで石川遼と黄重坤を下す - スポーツ報知、2018年12月2日閲覧
  16. ^ 石川遼が逆転で最終戦V、史上最年少10億円到達 今平周吾は2年連続賞金王”. ALBA.Net (2019年12月8日). 2019年12月8日閲覧。
  17. ^ チャン・キムが逆転で日本シリーズ初制覇 金谷拓実5位、石川遼6位”. ALBA.Net (2020年12月6日). 2020年12月6日閲覧。
  18. ^ “C・キム 最難関の18番パーセーブで歓喜 「まさか2人とも落とすとは…。信じられない」”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. (2020年12月7日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2020/12/07/kiji/20201207s00043000047000c.html 2020年12月7日閲覧。 
  19. ^ “65の谷原秀人が4打差逆転で大会6人目の連覇 通算17勝目 石川遼は2差5位 今季最終戦”. スポーツ報知. (2022年12月4日). https://hochi.news/articles/20221204-OHT1T51098.html?page=1 2022年12月4日閲覧。 
  20. ^ 出典:2000年12月2日と12月3日の東奥日報テレビ欄。

関連項目 編集

外部リンク 編集