メインメニューを開く

クリア・チャンネル社のメモ

ウィキメディアの一覧記事

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の後、全米で最多のラジオ局を所有するクリア・チャンネル・コミュニケーションズ社(現アイハートメディア英語版社)は、事件の直後にオンエアするには「歌詞的に問題がある」と番組ディレクターが感じた曲のリストを含む内部メモを回覧した[1]

事件の直後、多くのテレビ局とラジオ局は事件に応えて通常番組を変更した。そして、クリア・チャンネル社とその傘下の局が「問題がある」と判断した歌詞を含む曲のリストを定めた、という噂が広まった。そのリストはオンエアしないように要求するものではなく、むしろ「オンエアしたくないと思われる曲」の提案だった。リストはアイハートメディア社の傘下ではない独立系ニュースレターのHits Daily Doubleによって公にされた[2]スノープスはこの件の調査を行い、リストはラジオ局への提案として実在するものであるが、問題の曲を全面禁止にしたものではないと結論付けた[3] 。発表された当時、まとめられたリストはメディアの注目の的となった[3]

このリストには、「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのすべての曲」といった単一の項目や、複数のアーティストによってレコーディングされた特定の曲(例として、ガンズ・アンド・ローゼズの"Knockin' on Heaven's Door (天国への扉)"と、ボブ・ディランによる同曲のオリジナル・バージョン)など、165項目の提案が含まれている[4]。いくつかの例では、ある曲の特定のバージョンのみリストに含まれている。例えば、"Smooth Criminal (スムーズ・クリミナル)"のエイリアン・アント・ファームによるカバーはリストに載っている一方で、マイケル・ジャクソンのオリジナル・バージョンはリストに含まれていない。同様に、"Last Kiss"のJ. Frank Wilson英語版のバージョンは含まれているが、パール・ジャムのバージョンは含まれていない。"Dancing in the Street英語版"のマーサ&ザ・ヴァンデラスのオリジナル・バージョンと、ヴァン・ヘイレンのカバー・バージョンは含まれているが、デヴィッド・ボウイミック・ジャガーのバージョンはリストから除外されている。"Leaving on a Jet Plane (悲しみのジェット・プレーン)"のピーター・ポール&マリーのバージョンは含まれているが、作曲者のジョン・デンバーのバージョンは含まれていない。AC/DCの曲が最も多くリストに載っており、7曲にのぼる。

曲のリスト編集

アーティスト 曲名
3ドアーズ・ダウン "Duck and Run"
311 "Down"
AC/DC "Dirty Deeds Done Dirt Cheap"
"Hells Bells"
"Highway to Hell"
"Safe in New York City"
"Shoot to Thrill"
"Shot Down in Flames"
"T.N.T."
The Ad Libs英語版 "The Boy from New York City"
アフロ・ケルト・サウンド・システム feat. ピーター・ガブリエル[注 1] "When You're Falling"
アリス・イン・チェインズ "Down in a Hole"
"Rooster"
"Sea of Sorrow"
"Them Bones"
エイリアン・アント・ファーム "Smooth Criminal"
アニマルズ "We Gotta Get Out of This Place"
ルイ・アームストロング "What a Wonderful World (この素晴らしき世界)"
バングルス "Walk Like an Egyptian"
ベアネイキッド・レディース "Falling for the First Time"
Fontella Bass英語版 "Rescue Me"
ビースティ・ボーイズ "Sabotage (サボタージュ)"
"Sure Shot"
ビートルズ "A Day in the Life (ア・デイ・イン・ザ・ライフ)"
"Lucy in the Sky with Diamonds (ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ)"
"Ob-La-Di, Ob-La-Da (オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ)"
"Ticket to Ride (涙の乗車券)"
パット・ベネター "Hit Me with Your Best Shot"
"Love Is a Battlefield"
ブラック・サバス "Sabbath Bloody Sabbath"
"War Pigs"
ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ "And When I Die"
ブルー・オイスター・カルト "Burnin' for You"
ボストン "Smokin'"
Los Bravos英語版 "Black Is Black"
ジャクソン・ブラウン "Doctor My Eyes"
バディ・ホリー "That'll Be the Day"
ブッシュ "Speed Kills"[注 2]
The Chi-Lites英語版 "Have You Seen Her"
ペトゥラ・クラーク "A Sign of the Times"
ザ・クラッシュ "Rock the Casbah (ロック・ザ・カスバ)"
フィル・コリンズ "In the Air Tonight"
サム・クック "Wonderful World (ワンダフル・ワールド)"
クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン "Fire"
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル "Travelin' Band"
ザ・カルト "Fire Woman"
ボビー・ダーリン "Mack the Knife (マック・ザ・ナイフ)"
デイヴ・クラーク・ファイヴ "Bits and Pieces"
スキータ・デイヴィス "The End of the World (この世の果てまで)"
ニール・ダイアモンド "America"
ディオ "Holy Diver"
ドアーズ "The End (ジ・エンド)"
ドリフターズ "On Broadway"
ドラウニング・プール "Bodies"
ボブ・ディラン "Knockin' on Heaven's Door (天国への扉)"
Everclear英語版 "Santa Monica"
シェリー・フェブレー "Johnny Angel (ジョニー・エンジェル)"
フィルター "Hey Man, Nice Shot"
フー・ファイターズ "Learn to Fly"
Fuel英語版 "Bad Day"
The Gap Band英語版 "You Dropped a Bomb on Me"
ゴッドスマック "Bad Religion"
グリーン・デイ "Brain Stew (ブレイン・シチュー)"
ノーマン・グリーンバウム "Spirit in the Sky (スピリット・イン・ザ・スカイ)"
ガンズ・アンド・ローゼズ "Knockin' on Heaven's Door (天国への扉)"
ザ・ハプニングス "See You in September"
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス "Hey Joe"
ハーマンズ・ハーミッツ "Wonderful World (ワンダフル・ワールド)"
ホリーズ "He Ain't Heavy, He's My Brother"
ジャン&ディーン "Dead Man's Curve"
ビリー・ジョエル "Only the Good Die Young"
エルトン・ジョン "Bennie and the Jets"
"Daniel (ダニエル)"
"Rocket Man"
ジューダス・プリースト "Some Heads Are Gonna Roll"
カンサス "Dust in the Wind"
キャロル・キング "I Feel the Earth Move"
コーン "Falling Away from Me"
レニー・クラヴィッツ "Fly Away"
レッド・ツェッペリン "Stairway to Heaven (天国への階段)"
ジョン・レノン "Imagine (イマジン)"
ジェリー・リー・ルイス "Great Balls of Fire"
リンプ・ビズキット "Break Stuff"
Local H英語版 "Bound for the Floor"
レーナード・スキナード "Tuesday's Gone"
Johnny Maestro & the Brooklyn Bridge英語版 "The Worst That Could Happen"
マーサ&ザ・ヴァンデラス "Dancing in the Street"
"Nowhere to Run"
デイヴ・マシューズ・バンド "Crash into Me"
ポール・マッカートニー&ウイングス "Live and Let Die (007 死ぬのは奴らだ)"
バリー・マクガイア "Eve of Destruction (明日なき世界)"
ドン・マクリーン "American Pie (アメリカン・パイ)"
メガデス "Dread and the Fugitive Mind"
"Sweating Bullets"
ジョン・メレンキャンプ "Crumblin' Down"
"Paper in Fire"
メタリカ "Enter Sandman (エンター・サンドマン)"
"Fade to Black"
"Harvester of Sorrow (ハーヴェスター・オブ・ソロー)"
"Seek & Destroy"
スティーヴ・ミラー・バンド "Jet Airliner"
アラニス・モリセット "Ironic (アイロニック)"
マッドヴェイン "Death Blooms"
リッキー・ネルソン "Travelin' Man (トラベリン・マン)"
ネーナ "99 Red Balloons (ロックバルーンは99)"
ナイン・インチ・ネイルズ "Head Like a Hole"
オアシス "Wonderwall (ワンダーウォール)"
オインゴ・ボインゴ "Dead Man's Party"
オジー・オズボーン[注 3] "Suicide Solution"
Paper Lace英語版 "The Night Chicago Died"
ジョン・パー "St. Elmo's Fire (Man in Motion)"
ピーター&ゴードン "I Go to Pieces (アイ・ゴー・トゥ・ピーセス)"
"A World Without Love (愛なき世界)"
ピーター・ポール&マリー "Blowin' in the Wind (風に吹かれて)"
"Leaving on a Jet Plane (悲しみのジェット・プレーン)"
トム・ペティ "Free Fallin'"
ピンク・フロイド "Mother"
"Run Like Hell"
P.O.D. "Boom"
エルヴィス・プレスリー "(You're the) Devil in Disguise"
プリテンダーズ "My City Was Gone"
クイーン "Another One Bites the Dust (地獄へ道づれ)"
"Killer Queen (キラー・クイーン)"
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン 全曲
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ "Aeroplane"
"Under the Bridge"
R.E.M. "It's the End of the World as We Know It (And I Feel Fine)"
ローリング・ストーンズ "Ruby Tuesday (ルビー・チューズデイ)"
Mitch Ryder & the Detroit Wheels英語版 "Devil with a Blue Dress On"
サライヴァ "Click Click Boom"
サンタナ "Evil Ways"
サヴェージ・ガーデン "Crash and Burn"
サイモン&ガーファンクル "Bridge over Troubled Water (明日に架ける橋)"
フランク・シナトラ "New York, New York (ニューヨーク・ニューヨーク)"
スリップノット "Left Behind"
"Wait and Bleed (ウェイト・アンド・ブリード)"
スマッシング・パンプキンズ "Bullet with Butterfly Wings"
サウンドガーデン "Black Hole Sun"
"Blow Up the Outside World"
"Fell on Black Days"
ブルース・スプリングスティーン "I'm Goin' Down"
"I'm on Fire"
"War"
エドウィン・スター "War"
Steam "Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye"
キャット・スティーヴンス "Morning Has Broken"
"Peace Train"
ストーン・テンプル・パイロッツ "Big Bang Baby"
"Dead and Bloated"
シュガー・レイ "Fly"
The Surfaris英語版 "Wipe Out"
システム・オブ・ア・ダウン "Chop Suey!"
トーキング・ヘッズ "Burning Down the House (バーニング・ダウン・ザ・ハウス)"
ジェームス・テイラー "Fire and Rain (ファイアー・アンド・レイン)"
テンプル・オブ・ザ・ドッグ "Say Hello 2 Heaven"
サード・アイ・ブラインド "Jumper"
ザ・スリー・ディグリーズ "When Will I See You Again (天使のささやき)"
トゥール "Intolerance"
The Trammps英語版 "Disco Inferno"
U2 "Sunday Bloody Sunday (ブラディ・サンデー)"
ヴァン・ヘイレン "Jump"
"Dancing in the Street"
J. Frank Wilson and the Cavaliers英語版 "Last Kiss"
ヤングブラッズ "Get Together (ゲット・トゥゲザー)"
Zager and Evans英語版 "In the Year 2525 (西暦2525年)"
ゾンビーズ "She's Not There"[5]
  1. ^ "When You're Falling"はピーター・ガブリエルによる曲とリストに記載されているが、実際はアフロ・ケルト・サウンド・システムがガブリエルをゲスト・ボーカルに迎えた曲である。
  2. ^ 曲の元のタイトルは"Speed Kills"だったが、2011年9月11日の事件の後、ブッシュは曲名を"The People That We Love"に変更した。
  3. ^ "Suicide Solution"はブラック・サバスによる曲とリストに記載されているが、実際はブラック・サバスのリード・シンガーのオジー・オズボーンの曲である。


脚注編集

[ヘルプ]
  1. ^ Wishnia, Steven (2001年10月24日). “Bad Transmission: Clear Channel's Hit List”. Reviews. LiP magazine. 2008年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月18日閲覧。
  2. ^ Dutton, Jeremy; Puchert, William. (2001年10月10日). “Music industry responds to terrorism”. Zephyr. オリジナルの2008年6月20日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080620024102/http://zephyr.unr.edu/zephyr/arts/archives/art_dutpuch_musicindustry.html 2008年5月24日閲覧。 
  3. ^ a b Radio, Radio”. Snopes.com (2001年9月18日). 2008年5月24日閲覧。
  4. ^ Truitt, Eliza (2001年9月17日). “It's the End of the World as Clear Channel Knows It”. Slate.com. 2007年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月14日閲覧。 Slate published what it claimed was a copy of the list.
  5. ^ CNN, Thurston Hatcher ||. “CNN.com - Radio stations retool playlists after attacks - September 20, 2001”. www.cnn.com. 2018年6月5日閲覧。

関連書籍編集

  • Bertin, Michael (2001年11月30日). “Imagine: The music business in a post-911 world”. The Austin Chronicle. 2011年4月17日閲覧。
  • “Clear Channel Says National "Banned Playlist" Does Not Exist” (プレスリリース), Clear Channel Communications, Inc., (2001年9月18日), オリジナルの2002年9月23日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20020923200949/http://content.clearchannel.com/corporate/article/NationalBannedPlaylist.pdf 2008年8月3日閲覧。 
  • Friedlander, Paul; Peter Mill (2006). Rock and Roll: A Social History. Basic Books. pp. 309–310. ISBN 0-8133-4306-2. 
  • Klinenberg, Eric (2007). Fighting for Air: The Battle to Control America's Media. Macmillan. ISBN 0-8050-7819-3. 
  • Kolodzy, Janet (2006). Convergence Journalism: Writing and Reporting Across the News Media. Rowman & Littlefield. ISBN 0-7425-3886-9. 
  • Milner, Andrew (2004). Literature, Culture And Society. Routledge. pp. 154–155. ISBN 0-415-30785-6. 
  • Strauss, Neil (2001年11月19日). “The Pop Life; After the Horror, Radio Stations Pull Some Songs”. Arts (The New York Times). https://www.nytimes.com/2001/09/19/arts/the-pop-life-after-the-horror-radio-stations-pull-some-songs.html 2008年8月4日閲覧。 

関連事項編集