バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(Back to the Future Part II)は1989年のアメリカ映画で、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の続編。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ3部作の2番目にあたる。SF映画。監督はロバート・ゼメキス。
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 | |
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Back to the Future Part II | |
監督 | ロバート・ゼメキス |
脚本 |
ロバート・ゼメキス ボブ・ゲイル |
製作総指揮 |
スティーヴン・スピルバーグ フランク・マーシャル キャスリーン・ケネディ |
出演者 |
マイケル・J・フォックス クリストファー・ロイド |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
撮影 | ディーン・カンディ |
編集 | アーサー・シュミット |
製作会社 | アンブリン・エンターテインメント |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 108分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $40,000,000[1] |
興行収入 |
$118,450,002[1]![]() $331,950,002 ![]() 95億円 ![]() |
配給収入 |
55億3000万円![]() |
前作 | バック・トゥ・ザ・フューチャー |
次作 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 |
シリーズの2作目と3作目は同時に製作され、6ヶ月間の間を空けて公開された。
あらすじ
1955年から1985年に帰還したマーティ・マクフライの目の前に、突然エメット・ブラウン博士(通称ドク)がデロリアンで現れた。未来においてマーティの息子がトラブルを起こし、それを機に未来のマクフライ家が破滅することが判明したという。それを回避するため、マーティとドクは彼のガールフレンド、ジェニファー共々30年後(=2015年10月21日)の未来にタイムトラベルするが、デロリアンが空中に炎の軌跡を残して消える瞬間を、ビフ・タネンが目撃していた。
2015年に着いたマーティは、将来的にジェニファーと結婚することと、彼女と自分の息子(マーティ・マクフライJr.)が弱く、だらしない性格で、ビフの孫であるグリフの言いなりになった挙句に窃盗容疑で捕まり、連鎖して娘が犯罪を犯し、マクフライ家の家族崩壊を引き起こしてしまうことを知る。ドクの作戦でマーティは息子本人になりすまし、グリフからの命令を断った。店内で喧嘩になり、ホバー・ボードによる追跡劇に発展するが何とか逃げ切り、マーティは息子が起こすはずだったトラブルをどうにか未然に防ぐことができた。未来からの帰りがけに、マーティは骨董品屋で1950年〜2000年のスポーツの試合結果が書かれた年鑑を買いスポーツ賭博で一儲けを企むがドクに見つかり「お金儲けのためにタイムマシンを発明したわけじゃないんだ」と叱られてゴミ箱に投棄される。そうこうしている内に眠らせていたジェニファーが2015年の本人と勘違いされ、警官に護送されてしまい、マーティとドクは未来のマクフライ家へジェニファーを助けに向かう羽目になる。目覚めたジェニファーは未来の暗雲たる自身の家庭と夫婦生活を知り、更に未来の自身と遭遇してしまったジェニファーはまたも気絶、どうにかドクによって回収された。
しかし一連の流れを見ていたビフ・タネン老人がデロリアンがタイムマシンである事を知り、ゴミ箱からスポーツ年鑑を回収。さらに夜、マーティが油断している隙を突いてデロリアンを盗み、1955年にタイムトラベルして高校時代の若き日の自分に年鑑を手渡し、デロリアンを元の位置に戻す。
マーティたちは何も気づかずデロリアンで1985年の夜に戻ったが、マーティの家であるはずの場所には別の家庭が住んでおり、窓から家へ入ると不審者扱いされて叩き出されてしまう。未来の自分から渡された年鑑によってビフはスポーツ賭博で大金持ちになり、辺り一帯を牛耳る大地主になっていた。そればかりでなく、マーティの父ジョージは1973年にビフによって殺害され、母のロレインはビフと再婚させられていた。さらに、ドクは1983年に精神異常者として精神病院に入院させられているなど、2人にとって最悪の状況になっていた。全ての原因があの年鑑にあると気づいたマーティは、ビフの事業を記念する娯楽施設「娯楽のパラダイス」に行き、ビフの部屋で年鑑を手に入れた経緯を聞き出す。危うく射殺されるところだったが、ドクの助けもあって何とか危機を脱したマーティは、ビフが年鑑を1955年11月12日に手に入れたことを掴んでいた。その日は折しも、マーティが時計台の落雷を利用して1985年に戻った日であった。自分達の未来を取り戻すため、ドクとマーティは再び1955年と旅立つ。
1955年に戻ったマーティはドクと別行動をとり、若き日のビフが2015年のビフ老人と接触するのを目撃し、ビフの車に乗り込む。ビフ老人から年鑑を受け取った若き日のビフはそのままダンスパーティーに向かい、マーティは年鑑を取り戻そうとするが邪魔が入って思うようにはいかなかった。ビフは年鑑を肌身離さず持ち歩いていたが、ストリックランドに見付かり取り上げられてしまう。マーティはストリックランドの部屋に忍び込み年鑑を手に入れるが、それはカバーを替えた別の雑誌だった。マーティはビフがジョージに殴られて気絶した場所に戻り年鑑を手に入れるが、ビフの仲間に見付かりパーティー会場に逃げ込む。ビフの仲間たちはステージで演奏する過去のマーティを見付け叩き出そうとするが、未来が変わることを阻止しようとする現在のマーティに倒される。
マーティは屋上で待機するドクの元に向かおうとするが、ビフに見つかり、挑発に乗ってしまったために襲われ、年鑑を奪われてしまう。会場を後にしたビフを追うため、マーティはドクと合流してデロリアンでビフを追跡する。マーティはホバー・ボードに乗り換えてビフの車に接近して年鑑を奪い返すことに成功し、年鑑を焼却する。年鑑が消えたことにより未来は変わり、マーティは元通りになった未来に帰ろうとデロリアンに乗ろうとするが、すんなり乗れず、デロリアンが落雷の衝撃でドクを乗せたまま消えてしまう。途方に暮れるマーティの元に、電報会社(ウエスタンユニオン)の男が現れ手紙を渡す。それは、落雷の影響で1885年に飛ばされていたドクが、マーティ宛てに書いた70年を経た手紙であった。とにかくマーティは1985年に戻るため、1955年のドクに助けを求めに向かうのだった。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
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ソフト版 | テレビ朝日版 | BSジャパン版[4][5][6] | ||
マーティ・マクフライ (Marty McFly) |
マイケル・J・フォックス | 山寺宏一 | 三ツ矢雄二 | 宮川一朗太 |
マーティ・マクフライJr. (Marty McFly Junior) | ||||
マーリーン・マクフライ (Marlene McFly) | ||||
エメット・ブラウン博士 (ドク) (Dr. Emmett "Doc" L. Brown) |
クリストファー・ロイド | 青野武 | 穂積隆信 | 山寺宏一 |
ビフ・タネン (Biff Tannen) |
トーマス・F・ウィルソン | 谷口節 | 玄田哲章 | 新垣樽助 |
グリフ・タネン (Griff Tannen) | ||||
ロレイン・ベインズ・マクフライ (Lorraine Baines McFly) |
リー・トンプソン | 佐々木優子 | 高島雅羅 | 小林沙苗 |
ジェニファー・パーカー (Jennifer Parker) |
エリザベス・シュー | 勝生真沙子 | 佐々木優子 | 白石涼子 |
ジョージ・マクフライ (George McFly) |
ジェフリー・ウェイスマン | 富山敬 | 千田光男 | 加瀬康之 |
クリスピン・グローヴァー[注 1] | ||||
ジェラルド・ストリックランド (Mr. Gerald Strickland) |
ジェームズ・トールカン | 大木民夫 | 宮内幸平 | 青山穣 |
ゴールディー・ウィルソン3世 (Goldie Wilson III) |
ドナルド・フュリラブ | 小室正幸 | 江原正士 | 川田紳司 |
ニードルス (Douglas J Needles) |
フリー | 古田信幸 | 沢木郁也 | 落合弘治 |
データ (Data) |
リッキー・ディーン・ローガン | 小野健一 | 荒川太郎 | 高坂宙 |
スパイク (Spike) |
ダーリーン・ヴォーゲル | 松本梨香 | 坂本千夏 | 竹内恵美子 |
ホワイティ (Whitey) |
ジェイソン・スコット・リー | 稲葉実 | 小室正幸 | 木村隼人 |
テリー (Terry) |
チャールズ・フライシャー | 秋元羊介 | 屋良有作 | 水野龍司 |
イトー・フジツー (Ito T Fujitsu) |
ジェームズ・イシダ | 藤本譲 | 坂詰貴之 | |
スキンヘッド (Skinhead) |
J・J・コーエン | 山口健 | 二又一成 | 加藤将之 |
3-D | ケイシー・シーマツコ | 小室正幸 | 星野充昭 | |
マッチ (Match) |
ビリー・ゼイン | 古田信幸 | 大滝進矢 | 佐々木啓夫 |
ビデオゲームの少年#1 | イライジャ・ウッド | 真柴摩利 | 紗ゆり | |
ビデオゲームの少年#2 | ジョン・ソーントン | 大谷育江 | 亀井芳子 | |
謎の一家(父) | アル・ホワイト | 秋元羊介 | 屋良有作 | 宇垣秀成 |
謎の一家(息子) | ショーン・ハンター | 松本梨香 | 坂本千夏 | 伊達朱里紗 |
ウェスタン・ユニオンの男 | ジョー・フラハティ | 納谷六朗 | 筈見純 | 大滝寛 |
ビフ・タネン博物館のナレーター | ニール・ロス | 千田光男 | 青山穣 | |
その他 | 石森達幸 竹口安芸子 深実りか 吉田美保 佐藤ユリ |
達依久子 横尾まり 亀井三郎 |
伊沢磨紀 相川奈都姫 川上ひろみ 空見ゆき 南波ゆき | |
演出 | 伊達康将 | 左近允洋 | 向山宏志 | |
翻訳 | 島伸三 | たかしまちせこ | ||
調整 | 小野敦志 | 飯塚秀保 | 髙見元太 | |
選曲 | 猪飼和彦 | |||
効果 | PAG | 桜井俊哉 | ||
担当 | 岩渕昇 (東北新社) |
別府憲治 宮地奈緒 | ||
プロデューサー | 圓井一夫 | 夏目健太郎 久保一郎 | ||
解説 | 淀川長治 | |||
制作 | 東北新社 | グロービジョン | HALF H・P STUDIO BSジャパン | |
初回放送 | 1992年10月4日 『日曜洋画劇場』 |
2018年7月4日 『シネマクラッシュ』 |
- ソフト版:VHS・LD・DVD・BD収録
- テレビ朝日版:2008年12月19日にユニバーサルの「思い出の復刻版DVD」シリーズの第一弾としてテレビ朝日版の吹き替えが収録されたDVDが発売。
- 2010年にソフト版とテレビ朝日版の吹き替えを収録したBlu-ray Discが発売された。
- 2020年発売の「バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー 35th アニバーサリー・エディション 4K Ultra HD+ブルーレイ」にはソフト版とテレビ朝日版の吹き替えに加えてBSジャパン版が収録。
スタッフ
- 監督:ロバート・ゼメキス
- 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ
- 脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
- 撮影:ディーン・カンディ
- SFX:ILM
テレビ放送履歴
回数 | テレビ局 | 番組名 | 放送日 | 放送時間 | 吹替版 |
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初回 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 1992年10月4日 | 21:02-23:12 | テレビ朝日版 |
2回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1994年4月2日 | 21:03-23:09 | |
3回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1995年12月8日 | 21:03-23:14 | |
4回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1997年9月27日 [注 2] | 21:00-23:09 | |
5回目 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 1999年6月24日 [注 2] | 21:02-22:54 | |
6回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 2002年11月22日 | 21:03-22:54 | |
7回目 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 2005年10月6日 | 21:05-23:04 | |
8回目 | 午後のロードショー | 2009年6月9日 [注 3] | 13:30-15:30 | ||
9回目 | TBS | 水曜プレミア | 2013年5月29日 | 21:00-23:04 | |
10回目 | BS-TBS | 2017年2月7日 | 21:00-23:24 | ソフト版 | |
11回目 | BSジャパン | シネマクラッシュ | 2018年7月4日 [注 4] | 19:50-21:54 | BSジャパン版 |
12回目 | BSテレ東 | 新春シネマスペシャル | 2020年1月1日 [注 5] | 23:00-翌1:05 | |
13回目 | 日本テレビ | 金曜ロードSHOW! | 2020年6月19日[注 4] | 21:10-23:04[注 6] | ソフト版 |
作品解説
パート2とパート3は元々1本の映画として企画され、当初は「パラドックス」という3時間半の大作になる予定だったが、上映時間の都合のため配給会社側から短くカットするよう要求された。しかし制作側は、上映時間短縮のためだけにアイディアを削ることはできないとし、結局2本の映画に分けた経緯がある。撮影時の仮タイトルはパート2は「PARADOX」、パート3は「THREE」であった。パート2は話が途中で終わってしまう物語であったため、一部の観客からは不満の声も上がったが、ロバート・ゼメキスはこの事について「ハン・ソロが解凍されるまで3年かかったことに比べたら、6ヶ月なんて大したことないよ」と述べていた。
この映画はラストのパート3の予告編までが本編である。ただし、予告編の映像にはパート3に使用されなかったカットがいくつか存在している。ビデオ版、テレビ朝日版には吹き替え音声も存在しているが[7]、思い出の復刻版disc2ではテレビ版はカットされている。テレビ初放送時は「来年をお楽しみに」というテロップが付けられ、翌年パート3が放送された。日本で最初に発売されたビデオ・LD版にも「PART3 1990年の夏をお楽しみに!」という字幕が付いていたが、以降に発売されたビデオ・DVDではカットされている。BDはすべて搭載済みである様子。
パート2のプロローグ(冒頭のシーン)は、パート1のラストシーンをそのまま流用したように見えるが、ジェニファー役がクローディア・ウェルズからエリザベス・シューに交代したため、ジェニファーが映っているカットのみ新たに撮り直されている。その他のカットはパート1の流用である。
1987年から1988年にかけてパート2を撮影した際に、ユニバーサル・スタジオ内の時計台広場を2015年のシーンのセットとして使用したが、時計台広場がユニバーサル・スタジオ内見学ツアーのトラムのコース上にあったことや、ティーザー効果を狙うこともあり、セットを見学ツアーのトラムに乗った観客に隠すことはしなかった。
配役
パート1でジョージ・マクフライ役を演じたクリスピン・グローヴァーは、本作では「他の役に挑戦したい」という理由から「役を引き受けるつもりはない」と断った。しかし、ボブ・ゲイルのインタビューでは「出演料の折り合いが付かなかったために降板した」と語られた[注 7]。そこで、パート2では時空の歪みが生んだもう1つの1985年、通称「1985年A(Alternate 1985)」において、ジョージは死亡しているという設定になった。パート2と3では、背格好が酷似したジェフリー・ウェイスマンが演じており、老人となった2015年のジョージ以外は顔が目立たないように撮影されている。グローヴァーに似せるために、偽の鼻や頬骨の特殊メイクを行い、結果彼のイメージを侵害することになった。
さらにパート2の冒頭のロレインと一緒に、マーティとジェニファーをドア越しに見るシーンと、1955年のシーン(ジョージの顔がはっきり写っているシーン)はパート1の映像を利用し、新聞の顔写真にもグローヴァーの写真を用いている。これら2点に関してグローヴァーは自身の許可を一切取っていなかったとして、ゼメキスとゲイルを相手取って訴訟を起こした。結局、示談の末グローヴァー側の要求が全面的に認められることとなり、俳優組合にも新しい協約が設けられることとなった。
パート1でジェニファー役を演じていたクローディア・ウェルズは、母親が癌と診断されたことで、看病のため女優業を一時休業したため、本作以降はエリザベス・シューにが代役を務めた。ウェルズはその後、1996年の映画『Still Waters Burn』で活動を再開した[注 8]。
当初、2015年のマーティの息子マーティJr.はパート1でジョージを演じたグローヴァーが、娘マーリーンはロレインを演じたリー・トンプソンが演じる予定だった。しかし前述の通りグローヴァーは降板したため、マイケルがマーティと息子と娘の三役を演じることになった。
特撮
当時、最新合成技術であったリアルタイムのモーション・コントロール・カメラ『ビスタ・グライド・システム』が使用されている。モーションコントロール・カメラでカメラの動きを完全制御し、小道具はすべてセットに固定し、同じ俳優を別位置で撮影し、フィルムの境界をぼかしながらつなげる技術である。このビスタ・グライド・カメラのお陰で従来のカメラを固定したままという制約から解放されている。合成の制約上、合成相手に触れたり、物を受け渡したり、フィルムAからフィルムBに移動することはできない。
2015年から1985年Aに戻ってきたデロリアンが空から降下しながらタイヤを変形させ、着地してそのまま道路を走るシーンは、空中のシーンから画面手前の街灯を通るまでは模型の、街灯を通り過ぎてからは実車のデロリアンで撮影されており、模型と実車をワンカットで連続して見せる事に成功している。
2015年
- 2015年が『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』で描かれた未来の年で、前作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から数えて30周年記念という記念イヤーでもある事から、バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズに関連したイベントや映像が公開された。
- 1985年のマーティーの愛車であるハイラックスを販売していたトヨタUSAは、2015年10月21日にバック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの主演キャスト2名を起用したトヨタ・MIRAIのCMの映像公開をしている[1]。
- 2015年10月21日(劇中でマーティとドクがタイムトラベルをした日)、『ジミー・キンメル・ライブ!』のコーナーにマイケル・J・フォックスがマーティ、クリストファー・ロイドがドクに扮しデロリアンに乗って登場。映画と実際の2015年の様々な違いに驚くというショーを行った。
- 2015年10月22日、『USAトゥデイ』は劇中に登場するマーティJr.逮捕の記事を載せた「ヒル・バレー版」の新聞を4.95ドルで実際に発行した。
- 現実の2015年において、冒頭のドクが使っていた時計による天気予報の受信など、いくつか実現したものもある。
劇中の2015年
- LD(レーザーディスク)
- デロリアンが2015年のヒル・バレーに到着した時、路地裏に停めてジェニファーを介護しているシーンで、大量にスクラップされ山積みとなっているのが見られる。現実におけるLDは既に2000年初頭に消滅し、より高性能なDVD、Blu-ray Disc、ネット配信のビデオ・オン・デマンドが広く普及している。
- 飛行する車
- 劇中の2015年では自動車が飛行する技術が存在し、デロリアンもこの改造を受けている。
- なお、2015年のシーンに出てくる未来の車に1982年の映画『ブレードランナー』のスピナーが登場する。また、マーティとグリフ達が空中戦をしている時に降りてきた車は着陸禁止の所に着陸している。
- 『ジョーズ19』
- マーティが2015年の未来で、3D映像に驚くシーンがあるが、このシーンには当初ゴジラの登場が予定されていた[9]。監督はスティーヴン・スピルバーグの実の息子であるマックス・スピルバーグということになっている。
- 2015年10月、ユニバーサル・ピクチャーズ・ホーム・エンターテインメントは、『ジョーズ19』のトレーラー映像をYouTubeで公開した。
- ロジャー・ラビット
- 2015年でマーティがスポーツ年鑑を買うアンティークショップのショーウインドウ内には、古ぼけたロジャー・ラビットのぬいぐるみが置かれている。これは映画『ロジャー・ラビット』が、本作と同じゼメキス監督によるものであるという、一種の楽屋ネタである。因みに、PART3でシェイマスが夕飯と称してウサギを見せるシーンがあるが、DVDに特典映像として収録されているNGシーンではウサギの代わりにロジャー・ラビットのぬいぐるみを持っている。
- 日本製の『ワイルドガンマン』
- 「Cafe 80's」にあるテレビゲームとして登場。『ワイルドガンマン』は日本ではマイナーゲームの位置にある作品であるが、アメリカではNintendo Entertainment System本体に一部同梱される形で1985年に発売され、広く人気を博した。なお、実際の2015年では稼動媒体自体が稀少となっているが、米国では2015年よりバーチャルコンソールでの再発売が行われている。
- 「Cafe 80's」
- 1980年代を模したカフェ喫茶。
- この「Cafe 80's」のシーンで使用されている楽曲は1983年にマイケル・ジャクソンが発表した『今夜はビート・イット』で、彼も店内のビデオモニターの中にウェイターとして登場している(ただし演じているのは本人ではなく、そっくりさんである)。なお、現実のジャクソンは2009年に死去した為、生きて2015年を迎えることは叶わなかった。
- Cafe 80's のウェイターには他にも、当時のアメリカ第40代大統領・ロナルド・レーガンと、アメリカと敵対関係にあった当時のイランの政治的指導者・ホメイニ師がおり、いずれもそっくりさんの演技を、マックス・ヘッドルーム風にビデオ処理してCGのように見せている。
- ホバーボード
- マーティが使ったピンクのホバーボードはよく見るとマテルの製品であることが確認できる。監督がテレビ向けのインタビューで「ホバーボードは実在するが、危険なのでメーカーが規制している。我々はうまくそれを入手できたんだ」と答え、実はこれはジョークだったのだが、それを信じた世界中の子供達から、マテル社にホバーボードの販売を促す手紙が殺到してしまった。2012年に、マテルは劇中同様のホバーボードのプロップレプリカを発売している。実働するホバーボードとしては、風を地面に吹き付けて浮遊するタイプのものは以前からあったが、長距離を安定して飛行するには装置が大掛かりでスケートボードのようなコンパクトな形のものは存在しなかった。リニアモーターカーと同様の原理で超電導磁石を使ったより実際のスケートボードの形に近いホバーボードとして、2011年にフランスのParis Diderot UniversityのチームがMag Surfを試作した。これは映画内のホバーボードよりもやや分厚く、金属板の上でしか動作しないが、直線の金属板の上を浮上しながら進むことができた[10]。2015年には、より映画の形に近いホバーボードが試作され、1985年のマーティーの愛車であるハイラックスを製造していたトヨタ傘下のブランドであるレクサスのCMに登場した。こちらも同じく超電導磁石が入ったボードが金属の表面を浮上するという原理であったが、大企業が自社の製品の宣伝用に作ったものであるため、セットはより金がかかった本格的なものになっている。金属板が埋め込まれたスケートパーク内をロンドンのプロのスケートボーダーがこのボードを使って駆け回るというもので、浅い水上を走行したり車の上をジャンプしたりとかなり映画の世界に近づいている[11]。
- ナイキのシューズ
- 2015年でマーティが履いていたナイキのシューズは、2011年にナイキ自身によって公式に忠実なレプリカとして発表され、オークションサイトeBayで1500足がチャリティ販売された[12]。ただし、ナイキは2009年に「自動靴ひも調整システム」についての特許を出願していたものの、この時点では形状の再現のみで実際に自動で紐が締まることはなかった。その後2015年10月21日に劇中のように自動で紐が締まる技術「Power Lace」を搭載したモデルが正式発表され、2016年春にオークション形式で販売される運びとなった[13]。どちらも収益はすべてマーティ役を演じたマイケル・J・フォックスが設立した「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」へ寄付される。
- ワールドシリーズ
- マーティが「シカゴ・カブスがフロリダ州マイアミの球団をスウィープで下して2015年のワールドシリーズを制覇」というニュースを目にして驚く場面がある。これは、カブスが85年当時弱小チームであった(ヤギの呪いを参照)、という点と「マイアミに野球チームが出来た」という二重の驚きということである。劇中でカブスがスウィープ優勝を決めたとされる2015年10月21日、奇しくも現実のカブスはニューヨーク・メッツとのリーグ優勝決定戦で4連敗でのスウィープ敗退を喫し、映画通りに優勝とはいかなかった[14]。ただ、1985年当時には存在しなかったマイアミの球団が、1993年にフロリダ・マーリンズ(現在のマイアミ・マーリンズ)として創設されたため、このニュースは一部が現実となっている。カブスとマーリンズは同じナショナルリーグに所属しているため、ワールドシリーズで対戦することはない。カブスのワールドシリーズ制覇は、映画の「予言」より1年遅れた2016年に現実のものとなった(相手はクリーブランド・インディアンス)。
DVD
2002年に初発売された3部作セットのDVD(バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジーBOXセット)およびその再発版も含め、それ以降単品として販売されていたものは、劇場版・LDワイドスクリーン版とは画面に写る範囲(画角)が異なっている(ビデオやテレビ放送をふまえて、画面比4:3のテレビサイズで撮影し、公開時に画面上下をマスキングして横長の画面で上映するという方式をとっているため、撮影されていてもワイド版では見えなくなる部分がある)。そのため劇場版・LD版と比べて上にあがってしまっていたり、拡大されていたりする場面があった。初発売後に指摘・批判がなされ、希望者には郵送でオリジナルの画角のものと交換が行われている[15]。なお、その他のボックスセットおよび現在発売されている単品(品番UNPD-37604)は、既にオリジナルの画角に修正されたものが収録されている。
備考
- 2015年のレトロ喫茶「Cafe 80's」でビデオゲームをしようとしている画面手前の少年は、当時6歳のイライジャ・ウッド。
- デロリアンの車内をよく見ると、1955年でタイマーとして使った目覚まし時計がそのまま置かれている。
- ドクは若返りの手術を行っており、マーティが気付かないだろうとフェイスマスクをしていたが、これは前作の主な役が1955年のドクであり、今回は1985年のドクが主な役柄のため、特殊メイクの手間を省くためのものである。
- マーティJr.逮捕の記事を見ると「Martin McFly Junior」となっており、マーティの正式な名前が「マーティン・マクフライ」であることが分かる(マーティはマーティンの愛称)。
- 2015年で時計台の募金を申し出てきた人は1955年の時に肥やしに衝突したビフの車を修理した人である。名前は“テリー”。
- 2015年のマクフライ一家が住む住宅街「ヒルデイル」の看板には、「The Address of Success(人生の成功者の住む所)」というキャッチコピーが併記されているが、「Success」の4文字目の「c」が「K」に、6文字目の「s」が「R」にそれぞれ赤のスプレーの上書きで変えられており、「The Address of Suckers(ゲス共の住む所)」になっている。元々は高級住宅街であったヒルデイルが、2015年では犯罪多発地帯と化してしまっていることを示している。
- 2015年のマクフライ家のシーンに、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーがマーティの悪友のニードルス役で登場する(テレビ電話越しの相手)。
- ニードルスとの会話の直後に画面に登場する2015年のマーティの上司(映画内のテレビ字幕では“Occupation Supervisor”、つまり業務上の上司)の名前はイトウ・T・フジツウ(Fujitu, Ito T)。イトウが名、フジツウが姓で、妻が Siva という人物、子供がなくタイ料理好きでメキシコ・ビールが嫌い、会社を信条としていることが字幕から読み取れる。マーティは彼に対して「フジツウサン、コニチワー」と挨拶している。なおこれが実在の日本の会社富士通と関係しているのかは定かではないが、その後の1993年2月に富士通は、新発売のホビー用の低価格帯PCに「FM TOWNS マーティー」との名を付け発売している。
- マーティ達が2015年から1985年Aに戻る直前、タイムサーキットの出発時間が「NOV 12 1955 6:38(1955年11月12日午後6時38分)」と表示されており、デロリアンに乗った老ビフが1955年に向かった伏線になっている。
- 1985年Aの「HILL VALLEY(ヒルバレー)」の看板は、「HILL」の2文字目の「I」が「E」に黒のスプレーの上書きで変えられており、「HELL VALLEY(ヘルバレー)」になっている。
- 1985年Aでビフが観賞している映画は、クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』。作中で鉄板を防弾チョッキ代わりにするシーンは、パート3でマーティがビュフォード・タネンと決闘する際にパロディとして活かされている。音声は実際のものとは違い、新たに録音されたものが使われている。
- パート2から常時装備されることとなるデロリアンの電力発生装置「ミスターフュージョン」だが、KRUPSというドイツの会社が製作したコーヒー豆挽き機をそのまま小道具として設置している。
- 前作パート1に引き続き1955年のビフが乗っている愛車は、1946年型フォード(1941年式の改良型)。マーティとドクがデロリアンでビフを追跡する際に、「奴の車の上に降りて潰してやろう」と言ったマーティに対して「こっちが銀紙みたいに引き裂かれるぞ」とドクが難色を示したのは、ある意味柔軟な造りをしているデロリアン(強化プラスチックとステンレス)ではフォードの頑丈な車体に太刀打ちできないからというのが理由である。
- またこの場面で、デロリアンが超低空飛行をし、マーティがホバーボードに乗りながら、デロリアンからビフの車に乗り移るシーンに於いて、デロリアンの下をよく見ると、車輪がついているのがわかる(つまりこのシーンのデロリアンは撮影用に改造されたもので自走できず、カメラアングルに入らない後方から別の車に押されて撮影しているものと思われる)。
脚注
注釈
- ^ 第1作の流用シーン
- ^ a b 先週にPART1が放送された。
- ^ 前日にPART1、翌日にPART3が放送された。
- ^ a b 先週にPART1、翌週にPART3が放送された。
- ^ 2019年12月30日にPART1、1月3日にPART3が放送された。
- ^ 『プロ野球DRAMATIC BASEBALL2020「巨人×阪神 開幕戦」』の中継(17:50 - 21:04)が延長したため、10分繰り下げ。
- ^ ゲイルの解説によると、グローヴァーがパート2の出演交渉で、フォックスの2倍のギャラを要求したため、話にならず降板したと語っている。一方グローヴァーは、後年のインタビュー[8]において、「ボブ・ゲイルの話は全くのデタラメ。自分は他のメインキャストの半額以下のオファーしか受けず、悔しい思いをした。前作の俳優が戻ってくるとき、誰かが出演料でも犠牲にならなければいけなかった。僕は求められていないと感じた」と語っている。
- ^ 『Still Waters Burn』は2008年2月にDVDとしてリリースされている。
出典
- ^ a b c “Back to the Future Part II (1989)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月11日閲覧。
- ^ “歴代ランキング - CINEMAランキング通信” (2016年3月28日). 2016年5月7日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去配給収入上位作品 (配給収入10億円以上番組) 1990年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月11日閲覧。
- ^ “ダークボのふきカエ偏愛録”. ふきカエル大作戦!!. 2018年6月1日閲覧。
- ^ “バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2”. BSジャパン. 2018年6月20日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “バック・トゥ・ザ・フューチャー 新録・吹き替え版”. ふきカエル大作戦!!. (2018年7月4日) 2018年7月4日閲覧。
- ^ BSジャパン版は初回放送はカットし、視聴者の声を受けて再放送では導入されたが吹替作業が行われていなかった為、原音対応。
- ^ Mike Hickerson (2010年3月19日). “Glover Says Why He Was Left Out of “Back to the Future” Sequels” (英語). Slice of SciFi(英: Slice of SciFi). Film News. 2019年2月26日閲覧。
- ^ 二見書房刊『大怪獣ゴジラ99の謎』より
- ^ Magsurf[リンク切れ]
- ^ LEXUS SLIDE
- ^ 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のナイキ MAG発売、1500足限定でチャリティオークション
- ^ http://news.nike.com/news/nike-mag-2015
- ^ Michael Zennie, "Chicago Cubs Swept Out of Playoffs on the Day They Were Predicted to Win World Series in Back to the Future," People.com, October 22, 2015. 2015年10月22日閲覧。
- ^ http://www.disc-support.com/bttf/bttf_faq.html#08