マッテオ・ベレッティーニ
マッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini, 1996年4月12日 - )は、イタリア・ローマ出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス8位、ダブルス105位。これまでにATPツアーでシングルス3勝、ダブルス2勝を挙げている。身長196cm。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
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![]() マッテオ・ベレッティーニ | ||||
基本情報 | ||||
国籍 |
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出身地 | 同・ローマ | |||
居住地 |
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生年月日 | 1996年4月12日(25歳) | |||
身長 | 196cm | |||
体重 | 95kg | |||
利き手 | 右 | |||
バックハンド | 両手打ち | |||
ツアー経歴 | ||||
デビュー年 | 2015年 | |||
ツアー通算 | 5勝 | |||
シングルス | 3勝 | |||
ダブルス | 2勝 | |||
生涯獲得賞金 | 5,431,649 アメリカ合衆国ドル | |||
4大大会最高成績・シングルス | ||||
全豪 | 4回戦(2021) | |||
全仏 | 3回戦(2018・20) | |||
全英 | 4回戦(2019) | |||
全米 | ベスト4(2019) | |||
4大大会最高成績・ダブルス | ||||
全仏 | 2回戦(2019) | |||
キャリア自己最高ランキング | ||||
シングルス | 8位(2019年11月4日) | |||
ダブルス | 105位(2019年7月22日) | |||
2019年11月5日現在 |
生い立ち編集
テニス好きな両親のもと、幼くしてラケットを握ったベレッティーニは、サッカーや水泳、柔道もやっていたものの、2歳下の弟ヤコポ(同じくテニス選手)にせがまれて一緒にプレーしていたことから次第にテニスに熱を入れるようになった[1]。
来歴編集
2015年にプロ転向したが、当初は膝の故障に悩まされていた[1]。
2017年 ツアーデビュー編集
2017年のBNLイタリア国際でワイルドカードを獲得してATPツアーデビューを果たした[2]。1回戦で同胞のファビオ・フォニーニに敗れた。この年はいくつかのITFやチャレンジャー大会で優勝し、世界ランキングを300位近く上げる躍進を見せた[1]。
2018年 ツアー初優勝、トップ100入り編集
2018年全豪オープンの予選を勝ち上がり、グランドスラム初出場。ハンガリー・オープンの1回戦でツアー初白星を挙げた。全仏オープンではグランドスラム初勝利を記録し、3回戦でこの年準優勝するドミニク・ティームに1セット取るも敗れた。7月のスイス・オープン・グシュタードシングルスでフェリシアーノ・ロペスらを下して初の決勝進出すると、決勝ではロベルト・バウティスタ・アグートを7–6, 6–4で破りATPツアー初優勝を果たした。また、ダブルスでも優勝を収め、単複両方でATPツアー優勝となった[3]。年間最終ランキングは54位まで上がった。
2019年 全米ベスト4、トップ10入り編集
2019年2月にデビスカップ初出場および初勝利した[1]。4月のハンガリー・オープン決勝でフィリプ・クライノビッチに4-6, 6-3, 6-1で勝利し、ツアー2勝目を挙げる。翌週のBMWオープンでも決勝に進出したが、クリスチャン・ガリンに敗れた。BNLイタリア国際2回戦では世界ランキング4位のアレクサンダー・ズベレフを破り、対トップ10初勝利[4]。好調は続き、6月のメルセデス・カップではフェリックス・オジェ=アリアシムを6-4, 7-6(11)で下して、大会中一度もブレークを許すことなく優勝を決めた[5]。ウィンブルドン選手権では、この大会限りでの引退を表明していたマルコス・バグダティスを2回戦で破ると[6]、続く3回戦ではディエゴ・シュワルツマンをフルセットで下し自身初のグランドスラムベスト16入りを果たす。4回戦で第2シードのロジャー・フェデラーに敗れた。
躍進を遂げたのは全米オープン。準々決勝のガエル・モンフィス戦では3-6, 6-3, 6-2, 3-6, 7-6(5)のフルセットの激闘を制し、イタリア人としてはコラド・バラズッティ以来42年ぶりのベスト4進出を果たした[7]。準決勝ではラファエル・ナダルと対戦し、6-7(6), 4-6, 1-6で敗れた。上海マスターズではロベルト・バウティスタ・アグートやドミニク・ティームを下してベスト4入り。準決勝でズベレフに敗れた。続くエルステ・バンク・オープンは準決勝でティームにリベンジされるも、大会終了後の世界ランキングで9位になり、トップ10入りを果たした[8]。パリ・マスターズでは初戦敗退するも、ATPファイナルズ初出場が決まった。ATPファイナルズではジョコビッチとフェデラーに敗れてラウンドロビン敗退が決まったが、第3戦でティームを7-6(3), 6-3で破り、イタリア人選手として同大会初白星を挙げた[9]。
選手としての特徴編集
イタリアの次代の星として期待される逸材。ATPから「サーブ王」と呼ばれるように、196cmの長身から繰り出す強烈なサーブが最大の武器で、切れ味鋭いバックハンドのスライスなどショットのバラエティも豊富。また、タイブレークや決勝のようなプレッシャーがかかる場面での精神的な強さも目立つ。それについて、本人は「サービスゲームをキープできるので、自信をもって試合に臨むことができる」と話している[1]。
ATPツアー決勝進出結果編集
シングルス: 4回 (3勝1敗)編集
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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優勝 | 1. | 2018年7月22日 | グシュタード | クレー | ロベルト・バウティスタ・アグート | 7–6(11–9), 6–4 |
優勝 | 2. | 2019年4月28日 | ブダペスト | クレー | フィリプ・クライノビッチ | 4–6, 6–3, 6–1 |
準優勝 | 1. | 2019年5月5日 | ミュンヘン | クレー | クリスチャン・ガリン | 1–6, 6–3, 6–7(1–7) |
優勝 | 3. | 2019年6月16日 | シュツットガルト | 芝 | フェリックス・オジェ=アリアシム | 6–4, 7–6(13–11) |
ダブルス: 2回 (2勝0敗)編集
結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | パートナー | 対戦相手 | スコア |
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優勝 | 1. | 2018年7月22日 | グシュタード | クレー | ダニエレ・ブラッキアリ | デニス・モルチャノフ イゴール・ゼレナイ |
7–6(7–2), 7–6(7–5) |
優勝 | 2. | 2018年9月23日 | サンクトペテルブルク | ハード(室内) | ファビオ・フォニーニ | ロマン・ジェバリー マトウィ・ミドルクープ |
7–6(8–6), 7–6(7–4) |
成績編集
4大大会シングルス編集
- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | P | WG | Z# | PO | G | S | SF-B | NMS | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, P=開催延期
WG=デビスカップワールドグループ, Z#=デビスカップ地域ゾーン, PO=デビスカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, SF-B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, NH=開催なし.
大会 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 通算成績 |
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全豪オープン | A | 1R | 1R | 2R | 1–3 |
全仏オープン | A | 3R | 2R | 3R | 5–3 |
ウィンブルドン | A | 2R | 4R | NH | 4–2 |
全米オープン | LQ | 1R | SF | 4R | 8–3 |
大会最高成績編集
大会 | 成績 | 年 |
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ATPファイナルズ | RR | 2019 |
インディアンウェルズ | 2R | 2018 |
マイアミ | 1R | 2019 |
モンテカルロ | 1R | 2019 |
マドリード | Q1 | 2019 |
ローマ | QF | 2020 |
カナダ | 出場なし | |
シンシナティ | 3R | 2019, 2020 |
上海 | SF | 2019 |
パリ | 2R | 2019, 2020 |
オリンピック | 出場なし | |
ATPカップ | F | 2021 |
脚注編集
- ^ a b c d e “次代のテニス界を牽引する若手選手~イタリア生まれのサーブ王マッテオ・ベレッティーニ~”. テニスデイリー. 2019年10月25日閲覧。
- ^ “ATP/WTA ROMA - Prequalificazioni: Berrettini e Chiesa nel main draw!” (イタリア語). Tennis World Italia. 2019年10月25日閲覧。
- ^ “世界84位ベレッティーニ「本当に幸せ」。シングルス、ダブルス同時にツアー初優勝を飾る[ATP250 グシュタード]”. テニスデイリー. 2019年10月25日閲覧。
- ^ “昨季準Vのズベレフが初戦敗退、クレー不調を脱却できず イタリア国際”. www.afpbb.com. 2019年10月25日閲覧。
- ^ “イタリアのベレッティーニがグラスコートでブレイク、ツアー3度目の優勝 [メルセデス・カップ]”. tennismagazine.jp. 2019年9月9日閲覧。
- ^ “「さよなら、マルコス」元世界8位バグダティスがウインブルドンで現役生活に別れ”. tennismagazine.jp. 2019年9月9日閲覧。
- ^ “ベレッティーニがモンフィスとの熱戦制す、伊勢42年ぶりの全米4強入り”. www.afpbb.com. 2019年9月9日閲覧。
- ^ “ベレッティーニの世界トップ10入りが確定、最終戦出場にも近づく”. www.afpbb.com. 2019年10月28日閲覧。
- ^ “Matteo Berrettini Defeats Dominic Thiem In London”. ATP Tour. 2019年11月16日閲覧。
外部リンク編集
- マッテオ・ベレッティーニ - 公式サイト
- マッテオ・ベレッティーニ - ATPツアーのプロフィール (英語)
- マッテオ・ベレッティーニ - デビスカップのプロフィール (英語)
- マッテオ・ベレッティーニ - 国際テニス連盟のプロフィール (英語)
- Matteo Berrettini (matberrettini) - Instagram
受賞 | ||
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先代: ステファノス・チチパス |
ATP最も上達した選手賞 2019 |
次代: |