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大井川鐵道大井川本線

日本の静岡県島田市と榛原郡川根本町を結ぶ大井川鐵道の鉄道路線

大井川本線(おおいがわほんせん)は、静岡県島田市金谷駅と同県榛原郡川根本町千頭駅とを結ぶ大井川鐵道鉄道路線である。

Daitetsu logomark.svg 大井川本線
大井川本線の普通列車
大井川本線の普通列車
概要
起終点 起点:金谷駅
終点:千頭駅
駅数 19駅
運営
開業 1927年6月10日 (1927-06-10)
最終延伸 1931年12月1日
所有者 大井川鐵道
車両基地 新金谷車両区
使用車両 大井川鐵道#車両を参照
路線諸元
路線総延長 39.5 km (24.5 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
最小曲線半径 200 m
電化 直流1,500 V 架空電車線方式
運行速度 最高65 km/h (40 mph)[1]
最急勾配 22.0
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蒸気機関車 (SL) の動態保存・運行が行われている路線として知られる。また、元近鉄特急用車両、元南海急行用車両が、大井川鐵道に譲渡される前の塗色のままで運転されている。

路線データ編集

  • 路線距離(営業キロ):39.5km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:19駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:スタフ閉塞式(金谷駅 - 新金谷駅間)、自動閉塞式(新金谷駅 - 千頭駅間)
  • 最高速度:65km/h[1]

運行形態編集

2016年3月12日改正のダイヤでは、金谷駅 - 千頭駅間の全線通し運行の普通電車が1日9往復運行されているほか[2]、金谷駅 - 新金谷駅間、金谷駅 - 家山駅間の区間系統の普通電車がある[3]。後述の蒸気機関車牽引列車(SL列車)が新金谷駅発着に変更された2011年10月1日のダイヤ改正以降は、金谷駅からの利用者のため、SL列車運転日に運転される金谷駅 - 新金谷駅間の区間運転電車も設定されている。

電車は全線でワンマン運転を実施している。

SL急行編集

大井川本線名物のSL列車はSL急行「かわね路号」の名で、臨時列車の扱いだが原則として毎日、新金谷駅 - 千頭駅間に1日1往復運行される。休日など期間によっては2往復または3往復に増便されることもある。列車愛称は「南アルプス号」や「トラストトレイン」もあったが、2011年10月1日のダイヤ改正で「かわね路号」に統一されている。主に冬季には検査などで運休になる日もある(主に火・木曜日)。SL急行に乗車するには運賃に加えて急行料金820円(2019年10月現在[4])が必要である。

SLは客車を最短3両(試運転時は2両以下の場合もある)、最長7両牽引するが、長編成ではSL単機での牽引は不能となるため、最後尾に補助機関車(補機)として電気機関車E10形E31形ED501のいずれか)を連結する。補機を連結する条件は、牽引機の形式と客車の編成長によって変わり、C10C11形は客車5両から、C56形は客車4両から補機を連結する。SL不調時等は、客車の編成長に関係なく補機が連結される。

かつて大井川本線を走行するSLは、全て千頭駅側に正面を向けており、下り金谷駅発千頭駅行きでは正方向、上り千頭駅発金谷駅行きではバック運転(逆機)で客車を牽引していたが、列車の最前部にSLが連結されることは変わらず、補機が連結される場合も同様で、補機は列車の最後尾に連結される。ただし、展望車スイテ82 1)を連結して運行する際は、最後尾を展望デッキとするため、SLの次位に補機を連結することもある。また2011年9月30日まで運行されていた新金谷車両区 - 金谷駅間の回送列車はこの逆となり、補機が最前部となっていた。

千頭駅に転車台があるのにもかかわらずSLが下り列車では正方向で、上り列車では逆機で客車を牽引していたのは新金谷駅に転車台がなかったからである。ただし、イベントや映画の撮影の際、千頭駅の転車台で方向転換が行われ、上下列車とも正方向で客車を牽引する場合もあった。その次の運行では、上下列車とも逆機で客車を牽引していた。そのまた次の運行では、通常の運行形態(下り列車は正方向で、上り列車は逆機で客車を牽引)に戻っていた。

静岡県島田市は、大井川鐵道のSLの向きを回転させるための転車台を、新金谷駅に新設する方針を決定。新転車台は2011年9月に同駅に設置され、同年10月7日に使用を開始した。これにより逆機は解消された[5]。同時に、周辺は「SL広場」として整備された。この転車台は通常は動力で動作するが、観光目的などで手動で回転させることも可能である。これにあわせ、SL列車は2011年10月1日から全列車が新金谷駅 - 千頭駅間での運転となり、下りのSL列車は新金谷駅で金谷駅からの新金谷行き列車から連絡するダイヤとなった。

急行編集

電車による急行列車。停車駅はSL急行と同じ。2003年8月に神尾駅で土砂崩れが発生する前まで定期列車として運行され、その後は臨時列車として多客時やイベント開催時に運行されている。イベントや電車不足の際は、電気機関車牽引の客車列車が充当されることがある。乗車には急行券150円が必要だったが、2016年6月11日から10月10日に運転された臨時電車急行から不要になった[6]。ただし電車急行料金の設定は残っており、2019年10月1日に160円に改定された[4]。また同日から電気機関車牽引の急行にはEL急行料金(大人500円・小児250円)が新設された[4]

過去の列車編集

 
元小田急3000形SSE車によるロマンス急行「おおいがわ」

かつては東海道本線と線路が繋がっており、実際に日本国有鉄道(国鉄:現在のJR)の列車の乗り入れに使用されていたほか、貨物営業を行っていた頃には、貨車の収受も行っていた(同駅の入れ換え作業も同社の電気機関車が行っていた)。ここから東海道本線直通列車として静岡駅発着の「奥大井」、浜松駅発着の「すまた」といった快速列車が乗り入れていたほか、大井川鐵道への譲渡車両を国鉄路線経由で搬入する際の入り口にもなっていた。1983年にはミステリー列車の乗り入れで、サロンエクスプレス東京が大井川本線を走った。現在ではこの線路は撤去されており、譲渡車両の搬入やSLの貸し出しには陸路を使用している。

小田急の3000形SSE車の譲渡を受け「ロマンス急行」と銘打ち運転していたことがあった(「小田急3000形電車 (初代)#大井川鉄道へ譲渡」参照)。しかし、5両編成[7]と乗客の収容数が同線にしては多く、SL急行ほどの人気が得られず、ワンマン運転仕様に改造することも不可能なことから、次第に持て余すようになり、結局休車・廃車となった。しばらく千頭駅構内に留置された後、新金谷駅構外の側線(大代川側線)に移動、解体された。

歴史編集

駅一覧編集

  • 全駅静岡県に所在。全線直流電化。
凡例
●:停車、▽:かわね路1号のみ停車、▲:上り千頭発新金谷行きのみ停車、|:通過
普通列車は省略(各駅に停車)
線路(全線単線)…◇・∧:列車交換可、|:列車交換不可
駅名 駅間キロ 営業キロ SL急行 接続路線 線路 所在地
金谷駅 - 0.0 東海旅客鉄道CA 東海道本線静岡地区)(CA25) 島田市
新金谷駅 2.3 2.3  
代官町駅 1.5 3.8  
日切駅 0.5 4.3  
五和駅 0.7 5.0  
神尾駅 4.8 9.8  
福用駅 2.5 12.3  
大和田駅 2.5 14.8  
家山駅 2.3 17.1  
抜里駅 1.7 18.8  
川根温泉笹間渡駅 1.2 20.0  
地名駅 2.9 22.9   榛原郡
川根本町
塩郷駅 1.4 24.3  
下泉駅 3.1 27.4  
田野口駅 3.6 31.0  
駿河徳山駅 3.1 34.1  
青部駅 2.0 36.1  
崎平駅 1.1 37.2  
千頭駅 2.3 39.5 大井川鐵道:井川線

新駅計画編集

新東名高速道路島田金谷インターチェンジ付近に計画されている「賑わい交流拠点」施設内に新駅を設置することで関係者が合意したことが、2019年8月2日に発表されている[26]

大井川鉄道沿線でロケが行われた作品編集

脚注編集

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  1. ^ a b 寺田裕一『日本のローカル私鉄 (2000)』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ 3月12日(土) 大井川鐵道本線 ダイヤ改正を実施 (PDF) - 大井川鐵道、2016年2月22日
  3. ^ 時刻表 - 大井川鐵道、2016年3月18日閲覧
  4. ^ a b c 消費税率引上げに伴う鉄道旅客運賃及び料金の改定について実際に適用する運賃・料金 (PDF) - 大井川鐵道、2019年9月11日
  5. ^ 「SLバック運転見納め 新金谷駅に転車台完成/静岡」朝日新聞デジタル(2011年9月21日)2019年11月17日閲覧
  6. ^ 【2016年6月11日〜10月10日】トーマス号・ジェームス号運転日の臨時電車運転について - 大井川鐵道、2016年8月12日閲覧
  7. ^ ただし同車は連接方式であり、20mボギー車に換算すると3両程度になる。
  8. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1921年7月7日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 『鉄道省鉄道統計資料. 大正11年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「鉄道起業目論見変更」『官報』1923年2月24日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1927年6月17日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1928年7月31日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1929年12月7日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  14. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1930年7月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  15. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1930年9月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  16. ^ 『地方鉄道及軌道一覧 : 附・専用鉄道. 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  17. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1931年2月7日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  18. ^ 駿河徳山駅-青部仮駅間は当分の間貨物営業のみの註。「地方鉄道運輸開始」『官報』1931年4月24日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  19. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1931年12月9日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  20. ^ 「鉄道記録帳2002年2月」『RAIL FAN』第49巻第5号、鉄道友の会、2002年5月1日、 24頁。
  21. ^ 「鉄道記録帳2003年8月」『RAIL FAN』第50巻第11号、鉄道友の会、2003年11月1日、 20頁。
  22. ^ 「鉄道記録帳2003年9月」『RAIL FAN』第50巻第12号、鉄道友の会、2003年12月1日、 22頁。
  23. ^ 「鉄道記録帳2003年10月」『RAIL FAN』第51巻第1号、鉄道友の会、2004年1月1日、 19頁。
  24. ^ 文化財を登録文化財に登録する件(文部科学省告示第二百十四号) (PDF) 」 『官報』号外第242号、国立印刷局、2018年11月2日、2018年11月21日閲覧。
  25. ^ “新金谷駅 駅舎が「登録有形文化財」となりました。” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 大井川鐵道, (2018年11月13日), オリジナルの2018年11月15日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20181115005604/http://oigawa-railway.co.jp/archives/18229 2018年11月21日閲覧。 
  26. ^ 「島田市のにぎわい交流拠点 施設内に大井川鉄道新駅」日本経済新聞』朝刊2019年8月3日(静岡面)2019年11月17日閲覧
  27. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak 『静岡の文化』第28号、静岡出版社、1992年、19頁。

参考文献編集

  • 『静岡の文化』第28号(静岡出版社、1992年)

関連項目編集