銭形幸一

「ルパン三世」シリーズの登場人物

銭形 幸一(ぜにがた こういち)は、モンキー・パンチ漫画作品及びそれを原作とするアニメルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。一般的には銭形警部の名前で知られる。アメリカン・コミックスのキャラクター、ディック・トレイシーがモデルとなっている。ルパン三世一味からは「とっつぁん」という愛称で呼ばれる。

銭形幸一 警部
ルパン三世のキャラクター
登場(最初) 『ルパン三世颯爽登場』
作者 モンキー・パンチ
声優 近石真介
大塚周夫
納谷悟朗
加藤精三
山寺宏一
演じた俳優 伊東四朗
エド山口
浅野忠信
夢乃聖夏
鈴木亮平
プロフィール
生年 1938/12/25
性別 男性
親戚 銭形平次
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2017年に日本テレビWOWOWHuluで銭形が主人公の実写ドラマが放送、配信されている[1]

人物編集

ルパン三世の逮捕に執念を燃やす警察官で、階級は警部江戸時代の有名な岡っ引銭形 平次 (ぜにがた へいじ、小説『銭形平次捕物控』の主人公)の子孫にあたり、彼から数えて6代目(来孫)となる[注 1]。仕事熱心かつ真面目で人が良い性格で正義感、責任感が強い。

ルパン三世の宿敵であるが、作中ではルパンの死を誰よりも(仲間である次元大介らも含む)悲しみ、『TV第1シリーズ』最終回でルパン達がアジトごと自爆した(と思わせて脱出した)場面を目撃した際に「俺はこれからどうすりゃいいんだ…」と泣き崩れるなど、ルパンのことを憎からず思っている節があり、いつの間にか奇妙な友情のようなものが互いにできあがっている[注 2]。その為、互いに助け合ったり、長年の腐れ縁から抜群のコンビネーションを発揮したりすることも多く、ゲーム『魔術王の遺産』ではルパンを殺そうとするレオポルト・ラングを止めようとしたり、『ルパンには死を、銭形には恋を』では光琳に縄で縛られた際にお互いの特技を活かしてピンチを乗り切り、『ルパンVS複製人間』ではミサイルによる爆撃の真っ只中を二人三脚で疾走して避難したりしている。

いつしか「ルパンを捕まえること」が銭形の生きがいとなっており、TVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』では「人生に於ける最大の喜び」「座右の銘」などを聞かれて全て「ルパン逮捕」と答え、『ルパンVS複製人間』では「ルパンという人間がいるかぎり、私は日夜永遠に追い続ける義務があるんだよ」とルパンを追うことは自分の宿命であると語り、『ハリマオの財宝を追え!!』でラッセルを逮捕した際は普段の習慣から「逮捕だ、ルパァ~ン!!」と叫んでしまっている(「御用だ!」「神妙にお縄を頂戴しろ!」など、先祖の影響を受けた台詞を言うこともある)。

相手が誰だろうが、悪党にはワッパ(手錠)をかける!それが俺の主義なんだよ‼」(『ワルサーP38』)と言い切る根っからの正義漢かつ刑事であり、時にはルパン逮捕よりも組織犯罪や悪事の摘発を優先させる[注 3]。黒幕を逮捕できず地団駄を踏むこともあるが、最終的にルパン達の活躍で逮捕できている場面も多く、場合によってはルパン達と共闘する事もあり、劇場版『カリオストロの城』ではカリオストロ公国による国家ぐるみの偽札製造の摘発のために一時的にルパンと手を組んでいる。大統領選挙の立候補者が金づるを逃したくないがために非合法カジノを見逃していると知った際には「腐っとるのぉ」と呆れ[ep 1]、同作の終盤で黒幕のテリー・クラウンに自身を盾に取られてしまったときには、「俺を撃てばテリーを倒せる」と自らの命を捨てる覚悟でルパンに告げた(この時ルパンはテリーの肩を撃ち、決着を銭形に託した)。『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』では首都高速道路にてマイケル・スズキの策略で自身の命令を無視してルパンを攻撃したトレーラーが引き起こした、負傷者77名、被害車両48台にも及ぶ大惨事の責任を自ら取るなどの責任感の強さを見せる。しかし、聖人君子という訳ではなく俗物的な面も多々あり、簡単に色仕掛けに引っ掛かったり、『へミングウェイ・ペーパーの謎』では飲み屋の領収書を捜査経費で落とそうとしたことを経理部から咎められたり、『TV第2シリーズ』第57話では自身の不祥事を誤魔化したいが為にルパンに金庫破りを頼んだり(しかも、当初はその理由に関しては嘘をついていた)もしている。

上司や部下、相棒に恵まれないジンクスのようなものも持つ。TVスペシャルでは『トワイライト☆ジェミニの秘密』のジャン・ピエール、『アルカトラズコネクション』のテリー・クラウン、『盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』のブライアン・マーフィー、『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』のエミリー・オブライエンなど、仲間が黒幕だったというパターンが多く、正義感の強さを利用されることが多い。逆に味方が信頼できた例は『ワルサーP38』のビッキー・フラナガンと『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』の警視総監と一色まりあ、『EPISODE:0 ファーストコンタクト』のジョージ刑事、PART5の八咫烏五郎ぐらいである。『the Last Job』の神楽坂飛鳥は銭形に自身が忍者であることを明かし、モルガーナとの戦いに巻き込みたくない彼を仮死状態にして助け、クライマックスで共にルパンを逮捕しようとした。銭形を主人公としたスピンオフ漫画『警部銭形』では、自らに刑事の基礎を教えた元上司・菊田孝之を逮捕している。

ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では警視庁捜査二課の中森警部が謹慎し、特例として[注 4]捜査一課から佐藤刑事と高木刑事が銭形警部のルパン捜査に同行し、共に捜査する。『血の刻印〜永遠のMermaid』では部下らしき刑事も登場している。

一人称は「ワシ」を使うことが多いが、上司や一般人に対しては「私」を使う。パイロットフィルム版や一部の登場作品においては「俺」と言うこともあり、『sweet lost night 〜魔法のランプは悪夢の予感〜』で記憶喪失となった際は「ボク」と言った。

好物はラーメン(インスタントを含む)らしく、外食や出張先でたびたび食している描写がある。またアニメでは、石川五ェ門ほど顕著ではないが洋食が続くと和食に対するホームシック状態に陥る描写もあり、劇場版『ルパンVS複製人間』では警視総監と共にコロンビアの日本料理店で食事し、TVスペシャル『ワルサーP38』では病院食は口に合わないという理由でニューヨーク市街の日本料理店で納豆ご飯などを食べ、PART5第18話では味噌の匂いを嗅ぎつけて(それと知らず)ルパンのアジトに来訪し、五ェ門の打った蕎麦をご馳走になり帰っていった[注 5]。また、時折ファーストフード店でハンバーガーホットドッグを食する描写もある。

実力編集

上層部からは失敗続きのためかあまり良い評価をされておらず[注 6]、『1$マネーウォーズ』で一度出した辞表を撤回しようとした際には「もういらない」「役立たず」とまで言われており、インターポール(ICPO)は銭形がルパンを逮捕できないことに業を煮やし、ルパン抹殺という強行手段に打って出たことも何度かあるが、結局は失敗に終わっている。挙句の果てに『グッバイ・パートナー』では「実はルパンと共謀している」というデマまで流されてしまった。

しかしそれはルパンたちの実力が相対的に見て高過ぎるためであって、銭形が決して無能というわけではない。『TV第1シリーズ』のOPではルパンから「警視庁の敏腕警部」と説明されているし、PART5の八咫烏五郎はルパン三世専任捜査官である銭形の立場を「絶対に売れない商品を押し付けられた営業マン」と例え、世間の銭形に対する評価は間違っていると抗弁している。事実、『TV第1シリーズ』第4話「脱獄のチャンスは一度」では、ルパンを完璧な罠にかけて逮捕し(ルパン自身も敗北を認めていることをほのめかす台詞がある)、『TV第2シリーズ』第37話「ジンギスカンの埋蔵金」ではジンギスカンに変装したルパンに対して「特別製の扉がある」とわざと発言することでルパンを扉の中(実は護送車の中)に捕らえたり(第2シリーズにおいて「ルパンを逮捕した」と描写されたのはこの時が初だった)、第57話「コンピューターかルパンか」では五ェ門、次元、ルパンを次々と圧倒的な強さで捕えている。また、時には事件の真の黒幕(TVスペシャル『ハリマオの財宝を追え!!』のラッセルやTVスペシャル『盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』のブライアン・マーフィーなど)を逮捕したりする功績があり、劇場版『カリオストロの城』ではゴート札(中世以来ヨーロッパの動乱に必ず関わり、世界経済に影響を与えている偽札)の印刷工場を突き止めるも、政治的理由から摘発に二の足を踏むICPO上層部に業を煮やし、不二子と協力し衛星中継で全世界に公表するという偉業を成し遂げている[注 7]

原作に至っては「銭形流逮捕術の第一人者」であり、さらに「よく知られているルパンの顔や声は実は作られたもので、本当の素顔は(本人を除いて)誰も知らない」という、次元たちですら知らない事実を突き止めていることから相当優秀な刑事であることが分かる。その実力を買われ、ルパン逮捕以外にも現金輸送や金塊輸送、国連からの依頼で要人警護の任務に就くこともあり、TVスペシャル『the Last Job』では後任の警官がルパンを追うが全く勝負にならなかった点から一部のICPOの警官や上層部の幹部達からはルパンを追い続けてきた故の経験と実力を買われている描写がある。また、『警部銭形』やテレビドラマ『銭形警部』では徹底的な現場検証及び地道な聞き込みを通して集めた物証や些細な矛盾に着眼することによってルパン一味の犯行に見せかけた事件の真相を暴き、『警部銭形』では被疑者に対しても紳士的に振る舞い、優れた推理力で冷静かつ論理的に問い詰める姿が描かれた(だが、ルパンを目の前にした際には、爛々と目を輝かせ不敵な笑みを浮かべて声を張り上げる「いつもの銭形」の姿になっている)。

失敗ばかりが続いている印象があるが、実際には前述の通りルパン達を捕まえることに成功した事例も数多くあり、最終的に逃げられてしまうのはルパンを収監しても脱獄されてしまう拘置所の管理体制の不備のせいでもある(場合によっては銭形自身がルパン達をわざと逃すこともある)。『TV第1シリーズ』最終回「黄金の大勝負!」でルパン逮捕に出動しなかった際に警視総監から「たるんどる」と罵られると、「自分は2度ルパンを逮捕している。ところが奴は2度も脱走した。あれはどうしてくれる」と反論し拘置所の不備を糾弾する発言をしている。銭形自身はルパンを何度も捕まえていることに内心では自負があり、『炎の記憶~TOKYO CRISIS~』で酔って管を巻いた際には「ワシ以外に誰がルパンを捕まえられるってえんだ!!」と発言している。

TV第1シリーズ~PARTⅢでは最終回に3度国外逃亡されるという体たらくもあり、ルパン一味に甘く見られる描写が多数あったが(それを逆手に取り、盗まれることを前提とした罠を仕掛けて出し抜いたこともある)、劇場版やTVスペシャル及びTVシリーズPART4以降ではそのような描写が少なく、むしろルパン一味からは非常に厄介な相手だと思われており、『THE FIRST』ではルパンから「世界中のどこにいようがやってくる」とそのしつこさに脱帽されている。

ある意味ではルパンの実力や恐ろしさを最もよく知っているのが銭形であり、銭形がルパンの盗みの対象者や収監する刑務所に対して対策(警備を厳重にするなど)を提案するも、大丈夫だと高をくくられて却下され最終的にはルパンに盗まれる・逃げられるというパターンも非常に多い。また、銭形はほんの僅かな違和感でルパンの変装を瞬時に見破り「コイツはルパンだ!」と主張するが、周囲がそれを信じてくれないという描写も多々ある(ルパンも銭形に変装がばれることを見越し、簡単には顔の変装が取れないように細工していることもある)。ルパンの手口を熟知している為、PART5第20話で銭形が記憶喪失となり泥棒に保護された際にはルパンの模倣犯「怪盗モニエタ(ロシア語で金=銭の意)」として猛威を振るい、「俺の手口を盗んだ最高の泥棒」と最後はルパンからも腕を認められた。一方でルパンも銭形の言動や仕草を熟知している為、頻繁に銭形の姿に変装し情報収集や潜入、逃走及び攪乱等に活用しているが、何故か銭形本人と鉢合わせしてしまうことが多い。

操縦
航空機の操縦もできるようで、TVスペシャル『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』では、米軍のF-15戦闘機(複座型)まで操縦しており(その際耐Gスーツなしという非常に危険な装備で操縦していた)、また劇場版『カリオストロの城』では、オートジャイロの操縦を「やったことない」と言いつつも無難にこなしていた。この時、オートジャイロが流れ弾に被弾しながらも、負傷したルパンの元に向かい、峰不二子と共にルパンの救出に成功している。『ロシアより愛をこめて』でもAn-225の操縦をこなしている。
格闘術
格闘術にも長けており、スラム街で集団に襲われた際にたった1人で返り討ちにしている描写[ep 2]や、劇場版『DEAD OR ALIVE』においてはズフ国の屈強な警官相手に一方的な立ち回りを演じて見せた。実写ドラマ版では柔道の名人という設定となっており、犯人を背負い投げで一気に投げ飛ばすシーンがある。しかし『TV第2シリーズ』第39話「香港の夜空にダイヤは消えた」では、香港マフィアの舎弟たちに叩きのめされた挙句、海に投げ捨てられる場面もある[注 8]
もしルパン一味の個々が単独で勝負すれば、誰も銭形には敵わないとさえ言われており(お互いに殺し合おうとは思っていない為、心底本気を出した状態ではない)、事実『TV第2シリーズ』第57話、第97話「ルパン一世の秘宝を探せ」でルパン・次元・五ェ門の3人と1対1での勝負では立て続けに3人に勝利。『PartIII』第37話「父っつぁん大いに怒る」で哀れな少女・アンの仇を討つためにICPOにルパン射殺許可を申請した際には、五ェ門を退けルパンと1対1の対決を申し込み生死を決しようとした[注 9]
生け捕り術
手錠を使った生け捕り術の達人でもあり、次元や五ェ門をいとも簡単に木の枝に吊したことがある。この次元も「さすが鬼警部、良い腕だ」と脱帽した。なお、この生け捕り術をルパン達にも伝授しており、ルパン達が殺しのエージェント達と決闘した際に役に立っている[ep 3]。TVスペシャル『ロシアより愛をこめて』では、投げた手錠がブーメランのように手元に戻ってくるという離れ技を演じた。しかし、ルパンにかわされた挙句、近くにある物や人に手錠をかけてしまい足枷となったり、仮に手錠をかけたとしても即座に外される場合が多い。また、投げ縄付手錠もよく使い、鉤縄のように使用して飛行機に引っ掛ける、相手の武器を奪ったり引き寄せたりするなどの独特の立ち回りを披露し[注 10]、TVスペシャル『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』では投げ縄付手錠と武術を使ってテロリスト集団を圧倒していた。しかし、手錠を自分の大きな武器として愛用している反面、『TV第2シリーズ』第4話「ネッシーの唄が聞こえる」では麻酔銃を持ち出して遠距離からルパンを狙い、「手錠はもう時代遅れ」と彼らしからぬ発言をしており、設定の矛盾が生じている。
射撃
射撃に関してもTVスペシャル『アルカトラズコネクション』において、ルパンがヘリコプターで巨大金庫を持ち去ろうとした際、金庫を吊るしていた電磁アンカーのケーブルをかなりの遠距離から一撃で切断したほか、黒幕との一騎撃ちで勝利するなど相当な腕前であることがうかがい知れる。TVスペシャル『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』においては、ルパンをして「腕は衰えてねえ」といわしめており、本人曰く「警視庁からの叩き上げ」。テレビドラマ『銭形警部』WOWOW版第4話では、脱獄中の犯人が制服警官から奪い、格闘の最中に叩き落としたニューナンブをとっさに拾い上げて、犯人のナイフを狙い撃つという離れ業を行っている。原作では「拳銃の腕は次元以上かもしれない」といった形の解説をなされている[注 11]
身体能力
身体能力も超人レベルで、驚異的な体力や馬鹿力を発揮したのは枚挙に暇が無い。代表的な例として、TVスペシャル『ハリマオの財宝を追え!!』ではユーロトンネル崩落事故に巻き込まれるもドーバー海峡を泳いでイギリスに辿り着き、TVスペシャル『ルパン三世VS名探偵コナン』においては江戸川コナンに象でも30分は眠っているはずの麻酔を撃たれたにも関わらず僅か30秒(眠ってから起きるまでのシーンの長さが同一)で目を覚まし、コナンは「化け物か!?」と驚愕した。さらにTVスペシャル『ワルサーP38』においては左胸を銃撃され、病院に担ぎ込まれ驚異的な生命力で持ちこたえるも遂に死亡が確認されたが、銃弾が警察手帳を貫いて着弾したため、直接命中するよりは少ないダメージで済んでいた事と臨終の際に居合わせたICPOの長官が発した「ルパン」の名を聞いた途端に飛び起き(直後に気絶したものの)、奇跡の復活を遂げている。またTVスペシャル『the Last Job』では序盤で死んだと思われたが中盤で埋葬された墓場から蘇生(神楽坂飛鳥によって仮死状態にされていた)し、墓参りに来ていた部下達を驚かせた。
その他
原作では交響曲を作曲・指揮しており(実際に作曲しているのかどうかは不明)、アニメでも『PartIII』においてカジノ船で開かれたコンサートの指揮者に扮し、同じ場で演奏者に変装していたルパンと次元に気付かれることなく演奏を完璧に終了させている。
食事以外でも和風なものを好む傾向があり、テレビでは時代劇を好むほか[ep 4]、音楽も演歌以外は聴かないとのこと[ep 5]
包丁で手を切ってしまうなど料理は苦手なようである[ep 6]。しかしその後の話でルパンが脱獄しないように一人で見張りを行った際には、食事も自分で作ったものを渡しており、テントで寝泊まりしていながら鍋と石を積み上げた竈のみでクリームシチューやカレーライスなど、一通りの料理を作り上げる描写もあった[ep 7]
ファミリーコンピュータ用ゲーム『パンドラの遺産』ではルパンたちが長時間同じステージにいると現れる。それも「絶対に倒すことができない無敵の敵キャラクター」として登場する。

行動編集

本人は全く悪気はないが、普段はルパン逮捕のことしか頭になく、そのためには法を犯して行動に出ることもしばしばあるが、その腕は確かであり、ルパンも彼のことは恐れている。相手が警察官や民間人の誰であろうと口癖のように「ワシは(俺は)ICPOの銭形だ!」と迫り、こういった部分が一般の警察官からエリート風を吹かしていると思われ、下町署の警察官たちの画策により責任を負わされクビにされそうになったこともある。またICPOの権限に関して勘違いしている節があり[注 12]、ルパンが関わっているとはいえVIPの数多くいる会場に無断で乗り込もうとし、警備員たちにつまみ出される一面もある。

特に『TV第2シリーズ』ではルパン逮捕のためとはいえ、民間人に「逮捕するぞ!」などと脅して無理矢理ルパン追跡の捜査に協力させ、時にはルパンが一切関与していない事件さえ「ルパンの仕業」と強引に言い掛かりをつけることもあり、果てはルパンたちの世間的評価を下げるために悪人と手を組んで凶悪犯罪者に陥れたり、犯罪シンジケートマフィアと手を組んでわざと冤罪を着させたり、『PartIII』では言葉が通じない現地の漁師に「追え!」と命令するなど、日本の普通の警察官とはあまりにもかけ離れ過ぎた手段を選ぶ行為もしばしば見られる[注 13]

『TV第2シリーズ』第6話「ピサの斜塔は立っているか」では世界規模の危機に陥っていることを無視して、ルパン逮捕のためにイタリア政府と脅迫者の取引を妨害して危うく国外追放になりかかったことがある。また『TV第2シリーズ』第7話「ツタンカーメン三千年の呪い」ではイスラエルの空港にてエジプト行きの航空便について尋ねると、空港職員から「ここはイスラエルの空港であり、アラブへ行く便があるわけがない」と断られた。すると職員に対して横柄な振る舞いをした挙げ句、日本赤軍呼ばわりされて逆に自分が警察に逮捕されてしまった[注 14]。『TV第2シリーズ』第58話「国境は別れの顔」ではモスクワで『白鳥の湖』を鑑賞していたルパンを逮捕しようとして会場からつまみ出された直後に会場を警備していた警察官に対して「インターポールの銭形を何だと思っているんだ!」と暴言を吐いて銃殺されかけた挙句に、モスクワの警察にルパン一味の指名手配を要請したところ、警察から「ソビエト連邦はインターポールに加盟していない[注 15]」と一蹴されて警察署からもつまみ出されたが、いずれも本人にはまったく悪気はない。TVスペシャルやゲームではそこまで滅茶苦茶をする描写はないが、高速道路を逆走するなど、無茶な行為が少なからず見られる。

『TV第2シリーズ』ではルパンに発砲したり「死刑にする」という発言もまれにあったが、あくまでも「ルパン逮捕(=生け捕り)」が目的であるため殺害することはない。たとえ味方であっても彼の命を狙う第三者や事件に絡む巨悪の存在を知った場合はそれを阻止し、ルパン一味と共同作戦を展開する場合が多い。原作でも一度だけ「キミが殺れオレが葬る」で学徒の核爆弾による自爆テロを未然に防ぐためルパン一味に協力を要請している。

『TV第1シリーズ』第1話「ルパンは燃えているか……!?」では、ルパン逮捕に協力した不二子に彼女の逮捕状を引き渡し破棄させるという、実際の警察官にはあるまじき行為を見せている[注 16]

『TV第2シリーズ』第32話「ルパンは二度死ぬ」では、ピューマに殺されて棺の中に納められたルパンを見て初めは認めなかったが、遂には「貴様はワシの生きがいで最愛の友だった」と号泣し仇を討とうと躍起になり、留置所にいた次元と五ェ門に対し「どうして二人でルパンを止めなかったんだ!!」と詰め寄り、ルパンの葬式では人目はばからず、ひくひく泣いていた。似たような展開としては、TVスペシャル『1$マネーウォーズ』で次元達ですらルパンが死亡したと思って埋葬した際に「嘘なんだろ!?いつもみたいに俺をだます作戦か何かなんだろ!?」と涙ながらに口にし、意気消沈した挙句に辞表を書いて字が間違っていないか五ェ門に聞いたりしたが、実は生きていたルパンが目の前に現れて去った後には「生きててよかった!よかったよ~!!」とうれし泣きしている。その一方で『ルパンVS複製人間』『アルカトラズコネクション』では、ルパンの遺体を目の前にしても死を信じなかったこともある(前者では死亡したのはマモーによって造られたクローンであり、その後執念で本物のルパンを探し出した。後者ではテリー・クラウンを欺くためにルパンが打った芝居であることに気づいて協力している)。

『TV第2シリーズ』第38話「ICPOの甘い罠」では「他の者にルパンを捕まえさせたくない」という思いから、ICPOの警察官たちの横槍が入らぬように強引にルパンを連れ出している。

『TV第2シリーズ』第66話「射殺命令!!」ではICPOからハワイでの講演会のゲストとして呼ばれ、その締めくくりとして「ルパンを射殺し、死体として逮捕するということは、『捜査という名を借りた殺人』に他ならないでありましょう!!」と発言しているが、その裏でいつまでたっても銭形がルパンを逮捕できないことに業を煮やしたICPOが、ビューティー警部に「ルパンを射殺しろ」と命令しており(不二子からこの事実を聞かされたときには「ICPOも地に墜ちたもんだよ」と発言している)、次元がとっさに放った接着弾がなければ、ビューティーが放ったダムダム弾によってルパンが射殺される=上記の発言が、あわや現実のものにというシャレにならない事態となった。この「身内(ICPO)による暴挙」というべき行動に対し、その後次元がビューティーへの報復、という場面でもビューティーが捜査協力を要請するもこれを断るという形で、間接的にそれとなく手を貸している。

『TV第2シリーズ』第68話「カジノ島・逆転また逆転」ではカジノ経営者の秘書が起こしていた保険金詐欺事件解決に協力したルパンに謝意を示している。

『TV第2シリーズ』第80話「最後の差し入れはカップラーメン」ではルパンに死刑が執行されたことで意気消沈するも、直後にルパンが無事に脱出したことで「やりおったな!」と喜んでいる(最後の食事にルパンが希望したカップラーメンが届いた際には、チェックをした後で運ぶ看守に「伸びると不味くなる。早く持って行ってやれ」と命令している)。

『TV第2シリーズ』第82話「とっつあん人質救出作戦」では、ヘリコプターの爆発に巻き込まれたルパンに対して「好きだった」という発言もしている(その隣でナポレオン11世に変装していたルパンも、「俺も好きよ」と心の中で発言)。

『TV第2シリーズ』第98話「父っつあんのいない日」では、トリュフォー警視の策動によって暗殺されかけた(トリュフォーの部下で、銭形の射撃の先生であり、また好敵手でもあった男に狙撃された)が、実は撃ち込まれたのは麻酔弾であり、死亡したと誤解されたまま葬儀が執り行われていたところをルパン達に盗まれる(結果的に救出される形になった)。そしてルパン達によって真相が暴かれ、銭形は口封じに部下を射殺したトリュフォーを逮捕し、その後ルパン達は逃亡するが、銭形は自分のために動いてくれた彼等に感謝の念を込めて敬礼をするという場面で終幕する。この回でルパンは「年中ドジで出世はまあまあだが、とっつぁんはICPOの鑑」と銭形を褒め称える発言をしており、五ェ門と不二子も「ルパンが銭形を殺した」というデマを鵜呑みにした際には「貴様を見損なった」「卑怯者!!」とルパンを罵り絶縁を切り出すなど、彼らも銭形を憎からず思っている事が垣間見られた。

ルパンは盗みを働く際には殺人を決して行わない「純粋な泥棒」であることも認めており、他の警官が「殺人犯め」や「卑劣な手で盗みをした」と言うと「殺人犯ではなくルパン」や「ルパンは人殺しなどしない」等と必死に否定をする(ルパンによる殺人を示唆する情報や物的証拠を見聞きした場合でも何らかの工作や誤解・誤認を疑う等、信頼関係のような一面も見える)。ルパンも「本気で俺を捕まえようとしたのはとっつあんだけだったからな。だから俺も盗みまくったのさ。本気でな」と銭形とのライバル関係を認めている発言をしており、それを聞いた銭形は「我が選んだ道に悔い無し」と感涙している[ep 8]

TVスペシャル『ルパン暗殺指令』では「ルパン三世の専任捜査」から解任され自棄になっていた銭形を復帰させるために、新たに命じられた「武器密売組織ショットシェルの壊滅」の任務にルパン一味が総出で協力し(ショットシェルから金を盗むという目的もあったが)、銭形もルパンの友情に感激するが、ショットシェルが壊滅しルパンの専任捜査に戻されてからはいつもの如くルパン達を逮捕しようとする(しかし、直後にぎっくり腰になり逃げられてしまった)。また、同作中で共に行動していた五ェ門がキースに殺害されたと思い込んだ際には「ワシがもっと早くルパン達を逮捕してさえいれば、五ェ門は死なずにすんだ筈です」と教会で懺悔し、その後に一命を取り留めていた五ェ門と再会した時にはうれし泣きしている。

プロフィール編集

原作では身長・体重・生年月日は設定されていない。

  • 身長:181cm
  • 体重:73kg[2]
  • 生年月日:1937年(または1938年12月25日[注 17]。一方『TV第2シリーズ』では「戦中派の自分には辛いんだよなあ」という台詞を発している[ep 9]ほか、年代設定が1968年の劇場版『カリオストロの城』や『PARTIII』第16話ではルパンは銭形を「昭和ヒトケタ」と言っているが、「古臭い」という意味の冗談とも取れる。なお、当時銭形を演じていた納谷悟朗は「昭和ヒトケタ」(昭和4年)生まれである。また、原作では東西京北大学にルパンの3年先輩で在籍していた。
  • 所属 : 警視庁[3]
  • 所属(出向先): 国際刑事警察機構(通称ICPOまたはインターポール)総務局国際協力部第一課
  • 階級 : 警部
  • 特技 : 生け捕り術、手錠投げ、射撃
  • 住所:埼玉県朝霞市都内アパート岐阜県高山市山寺
  • 資格:柔道五段、警視庁背負い投げ技
  • 結婚:独身


設定編集

銭形の設定については、原作とアニメで差異があるほか、アニメでも作品ごとに差異や矛盾が生じている。

警視庁の警部で、所属部署は不明。出向先のICPOでは総務局国際協力部第1課[ep 10]に所属している[注 18]。アニメでは『TV第2シリーズ』以降でICPOにルパン専任捜査官として出向[注 19]。 警視庁所属であるが日本が舞台の2011年のテレビスペシャル「ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜」や同じく日本が舞台の「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」では祖国日本での捜査にも関わらず「警視庁の銭形」ではなくTV第2シリーズ[4]などと同様「ICPOの銭形」と自称している。またTV第2シリーズ第3話「ヒトラーの遺産」では当時の東ベルリン西ベルリンを隔てている検問所で警察手帳(警視庁の警察手帳)を検問所の警察官に文句を言われたため「見せてやる、日本国の警察手帳を!」と言いながら見せていた。『LUPIN the Third』シリーズではいずれともと異なり、『峰不二子という女』ではSPECIAL POLICE(詳細不明)、『血煙の石川五ェ門』では公安部所属。警視庁所属だが、警察庁経由で埼玉県警察本部(当初の地元)に出向歴あり。その名残か、カリオストロ公国では埼玉県の警官隊を引き連れている[ep 11]

年齢はルパンより年上であり、「とっつぁん」と呼ばれている。原作では東西京北大学法学部に籍を置いた、ルパンとは同じ大学の先輩と後輩であり(銭形が大学4年の時にルパンが入学してきた)、不二子はルパンと同じ学部にいたという設定の話もある。原作コミックの第1話には名探偵として明智小五郎が登場しており、原作者には老獪な謎解き担当・明智と若きやり手の行動派・銭形のコンビでルパンと対決させようという意図があったのではないかと言われている。第2話以降、明智は登場していない。アニメシリーズではパイロットフィルム版にのみ登場するが、その際に銭形は明智に変装したルパンに出し抜かれた。

アニメで「とっつぁん」の愛称を最初に使ったのは次元であり、『TV第1シリーズ』第1話にて早くも登場する。『TV第1シリーズ』のオープニング・ナレーションで登場し(「俺の最も苦手なとっつぁんだ」)、『TV第2シリーズ』で「とっつぁん」として定着する。『TV第1シリーズ』では「銭形のダンナ」と呼ばれたこともある。原作では初期は「銭形」、中盤から「銭さん(ゼニさん)」と呼ばれることが多くなるが、アニメの影響で時々「銭形のとっつぁん」と呼ばれることもある。

TVスペシャル『バイバイ・リバティー・危機一発!』では、警察官としての始まりは埼玉県警西大滝町派出所勤務からとされ、TVスペシャル『EPISODE:0 ファーストコンタクト』では、指名手配犯の不二子を追ってやって来たニューヨークで、当時駆け出しだった頃のルパンと出会い、「あんなふざけた奴は許せん」とルパンを追うようになったとされる。コードナンバーは「22-84471」。

ルパンの国外逃亡を許してしまった責任を問われ、警視庁から長野県警信州高畑村駐在所勤務に左遷された事がある[ep 12]。その後にICPOに出向、ルパン三世専従捜査官に任命される。ただし、本人は「派出所勤務ならまだしも、俺はまだ駐在所には勤務したことはない」とも語っている[ep 13]。また、現実には警視庁と各県警をまたいだ人事は、一般的には警察庁採用者(キャリア、あるいは準キャリア)のみであるため、「現場ポストにしがみ付いているため階級も警部止まり」という描写とは矛盾する。これについては「上司の不正を告発したため出世の道が断たれた」とも語っている[ep 14]

TVスペシャル『ルパン三世VS名探偵コナン』では、銭形について「ルパンに関する事件について世界中どの国でも捜査権を認められている」と目暮警部がコメントしている。実際に外国にてルパンの捜査を行う際は、警察手帳らしき物を見せて「ICPO(インターポール)の銭形だ」と名乗る。不二子曰く「ルパンが相手なら天下御免で出動できる」として、各国の利害関係がからむ現場に警察官を大量に率いて出動し、国家(カリオストロ公国)の軍隊的組織と対峙した事すらあり[ep 11]、ルパンに関しては国際法規的に特別な権限を持っている。

給料の額もあやふやで、18万285円[ep 15]だったり、33万8363円(『PartIII』)だったりと、作品によってかなり異なる。一時月給100万円、経費使い放題という身分になったことがある。しかし、ルパンを追って現地へ向かう際に飛行機はファーストクラスに乗ったり、聞き込みで訪れた飲み屋で飲食するなど経費を無駄遣いし、上層部や経理からは不評を受けて経費をストップされることもあった[ep 16]。リストラ時期には出張経費までカットされ、食事はカップ麺だけということもあった(ただし、カップ麺そのものは好物でレストランの料理より気に入っていた)[ep 17]

ルパンファミリーの中では、次元の次に作画変化が見られないキャラクターである[5]

原作とアニメの相違点編集

原作とアニメで特に設定の異なるキャラクターであり、原作者のモンキー・パンチがアニメに対してもっとも不満を漏らしている部分である。

モンキーは銭形について「かなり頭のキレる警部として描いたつもり」と記しており[6]、アニメでの狂言回しのような銭形に不満をにじませていた。実際原作での銭形は口調はクールで物静かな面が多く、大抵の表情も口を真一文字に結んでいて、おちゃらけた表情も見せることはあるものの、取り乱したりしている場面なども含めて、その頻度は少ない。ルパンの巧妙な仕掛けもあっさり見破ってしまうことが多く、非常に厄介な相手だと認識されている。従って、「まずは如何に銭形を出し抜くか」「銭形が来る前に仕事を終わらせるか」に主眼が置かれている。性格は冷徹で、逮捕のために汚い手もあえて平気で使う。ルパンについては、「好敵手」と認めつつ、「苦しませて処刑させる」のを目的としており[ep 18]、「八つ裂きにしても飽きたらないほど憎んでいる」と憎悪を露にもしている[ep 19]。一方ルパンも「俺たち悪党を相手にしてるとは言え、手口が汚い」とたびたび罵っている。劇場版『カリオストロの城』で描写された鋭い敏腕警部としての銭形について、「(監督の)宮崎駿さんの解釈がもっとも正しい」と語り、また自身が監督した劇場版『DEAD OR ALIVE』が公開される前にインタビューにて「銭形は、本当は天才なんです」と発言し、『ルパン三世VS名探偵コナン』でも優秀な警部であるという描写がなされている。もっとも、原作でもルパンにあっさりと落とし穴にはめられるなどのドジな面もあり、またズボンが黒焦げになって下半身丸出しになったり(しかもルパンの忠告を聞かず発砲した結果)などと、酷い目にも遭っていて、軽率さ・間抜けな表情・コミカルな仕草も時折見せてはいる。

この設定の相違は、登場人物が次元を始めクールなキャラばかりなことに懸念を抱いた納谷悟朗が、差別化するため、また納谷自身が舞台では喜劇メインの役者だったこともあり、ディレクターに「銭形を原作より少し崩して描いてはどうか」と提案したことが発端となっている。このことについて納谷は1978年の対談では「人間味があっていい」と発言していた[7]他、後年には「あんな三枚目になるとは思わなかったですけどね」と回想している[8]

但し、納谷が担当した期間中でも銭形が切れ者として活躍するエピソードは何度か描かれており、声優が山寺宏一に交代して以降は、コミカルな描写を残しつつも比較的原作に近い存在として扱われている[注 20][注 21]。特に2015年のTVシリーズでは、対ルパンで裏の裏をかいて逆にルパンを出し抜いたり[ep 20][ep 21]、些細な行為で不二子の変装を見破ったり[ep 20]、遺体の位置と弾の種類だけで次元の行動をほぼ正確に推理[ep 22]したりするなど、優秀で頭の切れる描写がかなり顕著になっている。

女性関係・家族編集

銭形の既婚・未婚・家族構成設定は、作品によってその都度異なっている。原作では家族については触れられてはいない。

父親については描かれたことはないが、『PartIII』第2話では、銭形が自身の母親のことに少しだけ触れている。

『TV第2シリーズ』では単身者として演出されており、第69話では美しき未亡人ローラとのロマンスが描かれ、第85話では、銭形との結婚を夢見る上司、ジャスミン局長から熱烈なアプローチを受け、銭形がプロポーズするまでに至っている。

また『PartIII』第44話でも「温かい家庭も優しい妻も、かわいい子供も、俺には作ることが許されないのだ。妻が欲しい〜子供が欲しい〜」と号泣している。

劇場版『ルパンVS複製人間』では警視総監の発言から、妻帯者であり「としこ(表記不明)」という娘がいる設定になっていることがわかる(この『…複製人間』では銭形の下の名前も通常とは異なっている)。OVA版『風魔一族の陰謀』のオープニングでは妻(純和風の女性)と子供3人(しっかりした感じの小学生くらいの娘、その弟で銭形を子供化したようなわんぱくな少年、さらに物心ついたばかりぐらいの幼い男の子)が登場、その中の女の子が「としこ」とされている。この時住んでいた飛騨の山寺にこの家族を預けたまま、銭形は現在も活動していることになっており、生活費は彼の給料からの仕送りと、風魔との戦いで知り合った墨縄家(五ェ門の婚約者・紫の実家)にも後見を頼んでいるとも言われている。

そのためか、独身という設定になっているTVスペシャルシリーズでも『バイバイ・リバティー・危機一発!』 で、ルパンと同行していたマイケルが身代金目的でさらわれたと思いこんで彼をニューヨークまで面倒を見たり、『ハリマオの財宝を追え!!』では逮捕したルパンとダイアナにカップ麺をご馳走したり、『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』ではドジばかりするエミリー(銭形をだますための演技であったが)に手を焼きながらも娘のように大切に思うなど面倒見が良い一面を見せ、『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』の終盤でまりやに「お父さんみたい」と評された(このとき銭形はガッカリした様子を見せている)。「PART5」でもルパンに託される形でアミを保護しており[ep 23]、その後も彼女とは連絡を取り合っているようで学校での様子を聞くため、担任の教師に挨拶しようとしたり、その際、八咫烏から「親ですか」と苦笑され[ep 24]、最終回では彼女の父であるエンゾもアパートを貸す形で保護をした。『血の刻印 〜永遠のMermaid〜』では、母国である日本に帰国していても、多忙故なのかカプセルホテルで寝泊りしている姿が描かれている。

TVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』では、東京の古アパートに1人暮らし(大家の女性からは「こうちゃん」と呼ばれており、結構古い付き合いだと思われる。なお、このアパートは物語中盤で本作の黒幕によって放火され焼失した)だったが、スタッフは単身赴任とも独身とも視聴者個々の解釈に任せたとのことで、『ルパンVS複製人間』と『風魔一族の陰謀』における銭形の家族も公式設定ではあるが、本編で(必要性が無い限り)は触れられておらず、現行ではほぼ「抹消された設定」に近い形になっている。但しこれは銭形に限った話ではなく、上記のように『ルパン三世』シリーズにおいては、こうした一定しない設定、作品毎に異なる設定、明確にされずに曖昧なままの設定は数多く存在する。

PlayStation 2用ゲーム『ルパンには死を、銭形には恋を』では、護衛対象である銀麗とのロマンスが描かれており、ここでも独身であると話している。また漫画版『ルパン三世Y』や『ルパン三世M』でも女性とのロマンスが描かれており、作中でルパンが「もし銭形が結婚したら幸せボケで仕事がやりやすくなる」という発言をする等、こちらも独身という設定である。

ルパン三世officialマガジン2013年春号の巻頭特集として銭形の特集が組まれた際には、独身設定をもとに銭形のプロフィールが紹介されており、「相思相愛になった女性が二人いた」として、ローラとジャスミン局長について記述されている。

由来編集

アニメでは野村胡堂銭形平次捕物控」の主人公・銭形平次がモチーフになっているような描写をされることが多い(モンキー・パンチはゼニガタアザラシに由来していると説明することもあれば[9]、銭形平次を由来に挙げるケースもある[10])。下の名前については、原作では作者自身「平一」とつけたかったはずなのだが、誤植のために「幸一(原作第8話)」となってしまい、その後この名前を使用する機会がなかった。さらに、作者が下の名を既に付けていたことを忘れ、第64話では「平太郎」と新たに付けてしまった。

後のアニメ版では「幸一(『TV第2シリーズ』)」に加え、「平次[ep 25]」まで登場した。しかし、ほぼ同時期に製作・放映されていた『TV第2シリーズ』第98話では「ICPO 銭形幸一警部」とテロップされていた。

現在のアニメでは公式に「幸一」が正式名称とされ、1998年のTVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』では、アパートの郵便受けに「銭形幸一」と書かれていたり、キャッシュカードに「コウイチ ゼニガタ」と名前が記入されていたシーンがあり、大家からも「幸(こう)ちゃん」と呼ばれている。2000年のTVスペシャル『1$マネーウォーズ』では、辞表を五ェ門に見せるシーンで「銭形幸一」と、フルネームが書かれていることが確認できる。また2005年のTVスペシャル『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』では銭形自ら「銭形幸一」と名乗るシーンが加えられた。また、PlayStation 2用ゲーム『魔術王の遺産』、2004年にリリースされたパチスロ機『主役は銭形』のPRパンフレットにも「幸一」と記述されている。PlayStation 2用ゲーム『ルパンには死を、銭形には恋を』でも、愛称を「幸(こう)ちゃん」としている。実写テレビドラマ『銭形警部』でも本名は「幸一」となっている。

所持品・所有物等編集

ベージュのバーバリートレンチコートと同色のソフト帽を主に着用。先祖代々伝わる十手を大事な宝物としており、常に所持している。劇場版『カリオストロの城』では、この十手を使って、城の衛兵たちのサーベルと互角に渡りあい、一歩も引かない場面を見せた。TVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』でも使用し、遺伝子改造を受け身体能力が大幅に強化された相手にも互角に戦った。得意の手錠術に使用する手錠は現行のアルミ合金製黒手錠ではなく、旧来からのニッケル鍍金の鋼鉄製を使用。

愛用の銃はコルト・ガバメント(M1911の、改良され1927年から登場したA1タイプ)。この銃は「.45ACP弾」という反動が強めの弾薬を使用するのだが、それをツーハンド・ホールドではなく片手で撃つ腕力と握力(特技でもある)を誇る。第二次世界大戦後、GHQが日本の警察官の銃器所持を許可した際、アメリカ合衆国がこれを提供したが、当時の平均身長が160cm代だった日本人警察官には扱い兼ねる代物という事で普及しなかったというものであった。当時としてはかなり大柄な体格の銭形だからこそ扱えた代物と言える。

携帯電話についてはTVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』で「嫌いだ」と言ってはいるものの一応は所持しており、同作以降の作品でたまに使用し、TVスペシャル『天使の策略~夢のカケラは殺しの香り~』では着メロを自身のテーマ曲である「銭形マーチ」にしていた。TVスペシャル『霧のエリューシヴ』では、過去の世界にタイムスリップしているせいで圏外となり、使用できなかった。

愛用しているたばこは「しんせい」「ハイライト」。相当のヘビースモーカーである。

使用車両編集

『TV第2シリーズ』開始当初は、ジープ(左ハンドルであることから三菱製ではなくウィリス社製と思われる[注 22])が愛車として設定され、公私に乗り回していた。

現在、「銭形警部の愛車」として広く知られている日産ブルーバードは、劇場版『カリオストロの城』、『風魔一族の陰謀』、TV第2シリーズ第145話「死の翼アルバトロス」、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』、『プリズン・オブ・ザ・パスト』で登場する。 このブルーバードは銭形の愛車であると同時に日本の白黒パトカー仕様での登場も多く、通常パトカーには所属する都道府県警察が車体に表記されるが、パトカー仕様で登場する作品の内、『カリオストロの城』は埼玉県警・ICPO、『風魔一族の陰謀』は舞台が岐阜県の為、岐阜県警、「死の翼アルバトロス」はICPOとしてそれぞれ表記されている。ただしパトカー仕様であるものの特に表記がされていない作品に『プリズン オブ ザ パスト』がある(なお、ブルーバードが登場したシーンは作品冒頭の北海道でのシーン)。

配役編集

メイン編集

初代
二代目

その他編集

英語吹替版編集

  • ジャック・グライムス
    • 全日空機内上映版 - 『ルパン三世 ルパンVS複製人間』
  • ダン・マーティン
    • パイオニア版 - 『TV第2シリーズ』、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』、『ルパン三世 カリオストロの城』、『ルパン三世 魔術王の遺産』
  • デヴィッド・ポーバル
    • ストリームライン・ピクチャーズ版 - 『ルパン三世 ルパンVS複製人間』、『ルパン三世 カリオストロの城』、『TV第2シリーズ』
  • ダグレイ・グラント
    • マンガ・エンターテイメント版 - 『ルパン三世 カリオストロの城』
  • ショーン・バレット
    • マンガ・エンターテイメントUK版 - 『ルパン三世 ルパンVS複製人間』、『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』
  • マーク・マトニー
    • アニメイゴ版 - 『ルパン三世 風魔一族の陰謀』
  • フィリップ・ウィルバーン
  • リチャード・エプカー
    • ファニメーション版 - 『LUPIN the Third -峰不二子という女-』

関連項目編集

  • クラッシャージョウ- 納谷悟朗は映画版で第三特別巡視隊司令、重巡洋艦コルドバの艦長であるコワルスキー連合宇宙軍大佐を演じており、『クラッシャージョウ大研究』(朝日ソノラマアニメ文庫23)で、「コワルスキーのイメージが僕にとってはなんとなく銭形なんですね。なじみやすい感じですね」とコメントしている。劇中、コワルスキーはジョウたちを犯罪者とみなして追う役ながらも憎めない人物として活躍している。また、宇宙海賊を相手に共闘するシーンもある。

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ アニメ等では7代目(昆孫)、または劇場版『くたばれ!ノストラダムス』『DEAD OR ALIVE』のパンフレットでは、9代目(雲孫)とも表記されていた。
  2. ^ 炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』や『セブンデイズ・ラプソディ』では、「わしとお前は赤い糸で結ばれているんだ」ととんでもない発言もしている。『くたばれ!ノストラダムス』では、リオのカーニバルで女装した銭形はルパンに対してウインクをしている。『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』ではルパンから携帯にメールが送られてくる(銭形の方からは送ることができない)ことが語られている。
  3. ^ 『ワルサーP38』ではとある国家の副大統領の誕生パーティーにいて、テロが起こったが、目の前にいたルパンの逮捕を優先したことがあった。
  4. ^ 目暮警部の発言から
  5. ^ 銭形が帰った後、ルパンは「やってらんねぇよ」と愚痴っていた。
  6. ^ ただしTVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』に登場した警視総監からは、胃痛の種でありながらも信頼されているようである。
  7. ^ これらの事件の解決もルパンの活躍を抜きにしては考えられないが、ルパンはそれを公に認知させることができない立場にある。ゴート札の件ではテレビカメラの前で「ルパンを追っていたら、偶然偽札と印刷工場を発見してしまった」という芝居をし、ICPO長官は「わざとらしくやりおって…」と頭を抱え、重い腰を上げざるを得なくなった。
  8. ^ ただし銭形も余裕そうに構えて舎弟の1人に一矢報いており、全く無抵抗だったわけではない。
  9. ^ 五ェ門にすら「あの殺意は本物だ」と言わしめたほどである。もっとも、この対決劇はアンの策略であり、ルパンは銭形に射殺された「ふり」をして事なきを得たが、真相を知らなかった銭形はこのことを後悔し罪滅ぼしとして警察を辞めてルパンの墓を守ろうとするが、アンの企みを阻止したルパンが生きていたとわかると誰よりも喜んでいた。
  10. ^ アニメではルパンや五ェ門に奪われて逆に利用されたりする場面も少なくない。
  11. ^ ただし『TV第2シリーズ』第60話「インドに自殺の花が咲く」では、自分のこめかみに銃口を当てて発射してさえ当たらないほどの下手くそとされている。
  12. ^ 作中のICPOの描写そのものが現実とは異なる。
  13. ^ 『TV第2シリーズ』は、設定の矛盾やメタフィクション的な終わり方があったり、最終回では、本シリーズのルパン一味が偽者ではないかと思わせる演出があったため、真偽は不明。また、TVスペシャル『アルカトラズコネクション』ではマフィアがルパンをさらった際、不二子が「銭形の仕業?」と言うと、次元は「潔癖症のとっつあんが」マフィアと手を組むはずがないと否定し、信頼されていることがわかる。
  14. ^ 放映当時に起きたダッカ日航機ハイジャック事件をからめた時事ネタである。またダッカ事件以前に日本赤軍は、イスラエルでテルアビブ空港乱射事件を起こしている。
  15. ^ 現在ロシア連邦はICPOに加盟している。
  16. ^ 通常、一度発行した逮捕状は例え何かの理由により不要となった場合でも破棄することは出来ず、裁判所に返納する決まりである。
  17. ^ TVスペシャル『バイバイ・リバティー・危機一発!』での設定。冒頭で銭形がパリ警視庁の職員に見せるIDにより確認できる(1938年とも読める。ただし、この銭形はルパンの変装であるため、本当かどうかはわからない。
  18. ^ 2017年放送の実写ドラマ『銭形警部』では、刑事部国際捜査課所属である。
  19. ^ 実在の国際刑事警察機構は、各国警察の連絡機関に過ぎず、犯罪捜査は行わず、捜査官もいない。
  20. ^ TVスペシャル『東方見聞録』では当初から犯人の1人を見抜き盗聴器を仕掛け、ヒロインの窮地を救うなどの活躍がある。また敵の襲撃を1蹴するなど、従来のTVスペシャルにはない描写も登場する。
  21. ^ 対ルパンにおいては、出し抜かれる場面が減り、逆にルパンが銭形を恐れている描写が増加している。
  22. ^ 民生用三菱ジープも1962年製までは左ハンドルである。

出典編集

  1. ^ a b “『銭形警部』鈴木亮平主演で実写ドラマ化「魂を込めて役作り」”. ORICON STYLE. (2016年9月30日). http://www.oricon.co.jp/news/2079220/full/ 2016年9月30日閲覧。 
  2. ^ 身長・体重はアニメ公式サイトより。『PartIII』第39話では身長175cm,肩幅80cmとされている。
  3. ^ 具体的な所属部署は不明。ただし、2013年の『名探偵コナン』とのコラボ第2弾の映画『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』でのルパン捜査は本来「刑事部捜査第二課」が担当するはずが捜査一課が担当することが目暮警部より話された(後述)。なお、怪盗キッドの捜査は知能犯などを捜査する捜査二課の担当である。
  4. ^ 日本が舞台の回では警視庁所属であることを話すことがある。
  5. ^ ルパン三世 PERFECT BOOK 完全保存版 (別冊宝島 (737))
  6. ^ 中央公論社から出版された『新ルパン三世』第1巻あとがきより。
  7. ^ 双葉社漫画アクション増刊 ルパン三世 その秘密全公開』(1978)「作者vs声優座談会」より
  8. ^ 声優名鑑 -納谷悟朗”. スーパー!ドラマTV. 2020年3月4日閲覧。
  9. ^ 人生は夕方から楽しくなる:漫画家 モンキー・パンチさん”. 毎日新聞 (2017年3月24日). 2017年4月2日閲覧。
  10. ^ ルパン誕生秘話 モデルは007のジェームズ・ボンド「だから女好き」”. スポーツニッポン (2019年4月17日). 2019年4月17日閲覧。

映像作品から引用編集

  1. ^ TVスペシャル『アルカトラズコネクション
  2. ^ TVスペシャル『EPISODE:0 ファーストコンタクト』
  3. ^ 『TV第2シリーズ』第97話
  4. ^ 『警部銭形』第3のシナリオより
  5. ^ 『警部銭形』10番街の殺人より
  6. ^ TV第4シリーズ』第6話
  7. ^ TV第4シリーズ』第13話
  8. ^ 『アルカトラズコネクション』より
  9. ^ 『TV第2シリーズ』第118話「南十字星がダイヤに見えた」より
  10. ^ TV第2シリーズ65話
  11. ^ a b 劇場版『カリオストロの城』
  12. ^ 『TV第2シリーズ』冒頭
  13. ^ TVスペシャル『バイバイ・リバティー・危機一発!』より
  14. ^ LUPIN the Third -峰不二子という女-』第11話「愚か者の祭」
  15. ^ TVスペシャル『ナポレオンの辞書を奪え
  16. ^ TVスペシャル『ヘミングウェイ・ペーパーの謎
  17. ^ TVスペシャル『ハリマオの財宝を追え!!』
  18. ^ 新ルパン三世』第150話「ブック・マジック」
  19. ^ 『新ルパン三世』第68話「銭さんコチラ…!」
  20. ^ a b 第6話「満月が過ぎるまで」
  21. ^ 第13話「ルパン三世の最期」。しかし最終的にはルパンに出し抜かれてしまった。
  22. ^ 第4話「我が手に拳銃を」
  23. ^ 第5話「悪党の覚悟」
  24. ^ 第13話「弓と王女とテロリスト」
  25. ^ 劇場版『ルパンVS複製人間』