FIFAワールドカップにおける賞

FIFAワールドカップにおける賞は、大会終了後に国際サッカー連盟(FIFA)が決める賞である。賞には個人賞からチーム賞までさまざまある。

ゴールデンボール(大会最優秀選手)編集

ゴールデンボールは、大会で最も活躍したとされる選手に与えられる賞である。正式名称は「アディダス・ゴールデンボール」で、記者による投票によって選出され、受賞者にはボールを模った金色のトロフィーが贈られる。得票数2位の選手がシルバーボールを、3位の選手がブロンズボールを受賞する。RSSSFによれば1978年アルゼンチン大会から[1]、FIFAによれば1982年スペイン大会から制定された[2][注 1]

ゴールデンボール賞の選考投票は決勝戦よりも前に行なわれるため、必ずしも優勝チームから受賞者が出るとは限らない。同賞制定以降、優勝チームからの受賞者は9名中4名のみで、94年大会のロマーリオを最後に優勝チームからの受賞者は出ていない。また、ベスト4入りしていないチームからの受賞者が出たことは一度もない。

開催年・国 ゴールデンボール シルバーボール ブロンズボール
1978 アルゼンチン   マリオ・ケンペス   パオロ・ロッシ   ジルセウ
1982 スペイン   パオロ・ロッシ   パウロ・ロベルト・ファルカン   カール=ハインツ・ルンメニゲ
1986 メキシコ   ディエゴ・マラドーナ   ハラルト・シューマッハー   プレーベン・エルケーア・ラルセン
1990 イタリア   サルヴァトーレ・スキラッチ   ローター・マテウス   ディエゴ・マラドーナ
1994 アメリカ合衆国   ロマーリオ   ロベルト・バッジョ   フリスト・ストイチコフ
1998 フランス   ロナウド   ダヴォール・シューケル   リリアン・テュラム
2002 日本/韓国   オリバー・カーン   ロナウド   洪明甫
2006 ドイツ   ジネディーヌ・ジダン   ファビオ・カンナヴァーロ   アンドレア・ピルロ
2010 南アフリカ   ディエゴ・フォルラン   ヴェスレイ・スナイデル   ダビド・ビジャ
2014 ブラジル   リオネル・メッシ   トーマス・ミュラー   アリエン・ロッベン
2018 ロシア   ルカ・モドリッチ   エデン・アザール   アントワーヌ・グリーズマン

ゴールデンブーツ(得点王)編集

ゴールデンブーツは、1つの大会で最も多く得点を決めた選手に与えられる賞である。正式名称は「アディダス・ゴールデンブーツ」で、1966年イングランド大会以降は、得点王にゴールデンブーツという黄金のシューズをかたどったトロフィーが授与されることになった。2006年ドイツ大会以降は、2番目に多く得点した選手をシルバーブーツ、3番目に多く得点した選手をブロンズブーツとしてそれぞれ表彰している。得点数が同数の場合、アシスト数や得点当たりの出場時間の短さなどを考慮して順位が定められる[12]2002年日韓大会以前については、単純に得点数の多い順に並べて記載することとする。

開催年・国 ゴールデンブーツ 得点数 シルバーブーツ 得点数 ブロンズブーツ 得点数
1930 ウルグアイ   ギジェルモ・スタービレ 8   ペドロ・セア 5   バート・パテナウデ
  ギジェルモ・スビアブレ
4
1934 イタリア   オルドリッヒ・ネイエドリー 5   アンジェロ・スキアビオ
  エトムント・コーネン
4   ライムンド・オルシ
  レオポルト・キールホルツ
3
1938 フランス   レオニダス 7   ジェンゲッレール・ジュラ 6   シルヴィオ・ピオラ
  シャーロシ・ジェルジ
5
1950 ブラジル   アデミール 8   オスカル・ミゲス
  エスタニスラオ・バソラ
5   アルシデス・ギジャ
  シッコ
  テルモ・サラ
4
1954 スイス   シャーンドル・コチシュ 11   マックス・モーロック
  エーリッヒ・プロプスト
  ヨーゼフ・ヒューギ
6   ハンス・シェーファー
  ヘルムート・ラーン
  オットマール・ヴァルター
  ヒデクチ・ナーンドル
  フェレンツ・プスカシュ
  カルロス・ボルヘス
  ロベール・バラマン
4
1958 スウェーデン   ジュスト・フォンテーヌ 13   ペレ
  ヘルムート・ラーン
6   ババ
  ピーター・マクパーランド
5
1962 チリ   ガリンシャ
  ババ
  レオネル・サンチェス
  ドラジャン・イェルコヴィッチ
  ワレンチン・イワノフ
  アルベルト・フローリアーン
4   アマリウド英語版
  アドルフ・シェレル
  ミラン・ガリッチ
  ティヒ・ラヨシュ
3   ハイメ・ラミレス
  エラディオ・ロハス
  ホルヘ・トロ
  ウーヴェ・ゼーラー
  ロン・フラワーズ
  イーゴリ・チスレンコ
  ヴィクトル・ポネデルニク
  ジャコモ・ブルガレッリ
  ホセ・サシャ
2
1966 イングランド   エウゼビオ 9   ヘルムート・ハーラー 6   ジェフ・ハースト
  フランツ・ベッケンバウアー
  ワレリー・パルクヤン
  ベネ・フェレンツ
4
1970 メキシコ   ゲルト・ミュラー 10   ジャイルジーニョ 7   テオフィロ・クビジャス 5
1974 西ドイツ   グジェゴシ・ラトー 7   ヨハン・ニースケンス
  アンジェイ・シャルマッフ
5   ゲルト・ミュラー
  ヨニー・レップ
  ラルフ・エドストレーム
4
1978 アルゼンチン   マリオ・ケンペス 6   ロブ・レンセンブリンク
  テオフィロ・クビジャス
5   レオポルド・ルケ
  ハンス・クランクル
4
1982 スペイン   パオロ・ロッシ 6   カール=ハインツ・ルンメニゲ 5   ズビグニェフ・ボニエク
  ジーコ
4
1986 メキシコ   ゲーリー・リネカー 6   ディエゴ・マラドーナ
  カレカ
  エミリオ・ブトラゲーニョ
5   ホルヘ・バルダーノ
  プレーベン・エルケーア・ラルセン
  アレッサンドロ・アルトベッリ
  イーゴリ・ベラノフ
4
1990 イタリア   サルヴァトーレ・スキラッチ 6   トマーシュ・スクラビー 5   ローター・マテウス
  ゲーリー・リネカー
  ロジェ・ミラ
  ミチェル
4
1994 アメリカ合衆国   フリスト・ストイチコフ
  オレグ・サレンコ
6   ロマーリオ
  ロベルト・バッジョ
  ケネト・アンデション
  ユルゲン・クリンスマン
5   マルティン・ダーリン
  フロリン・ラドチョウ
  ガブリエル・バティストゥータ
4
1998 フランス   ダヴォール・シューケル 6   ガブリエル・バティストゥータ
  クリスティアン・ヴィエリ
5   ロナウド
  ルイス・エルナンデス
  マルセロ・サラス
4
2002 日本/韓国   ロナウド 8   リバウド
  ミロスラフ・クローゼ
5   ヨン・ダール・トマソン
  クリスティアン・ヴィエリ
4
2006 ドイツ   ミロスラフ・クローゼ 5   エルナン・クレスポ 3   ロナウド 3
2010 南アフリカ   トーマス・ミュラー 5   ダビド・ビジャ 5   ヴェスレイ・スナイデル 5
2014 ブラジル   ハメス・ロドリゲス 6   トーマス・ミュラー 5   ネイマール 4
2018 ロシア   ハリー・ケイン 6   アントワーヌ・グリーズマン 4   ロメル・ルカク 4

ゴールデングローブ(最優秀GK)編集

ゴールデングローブは、1つの大会で最も活躍したとされるGKに与えられる賞である。正式名称は「アディダス・ゴールデングローブ」で、1994年アメリカ大会に制定され、2006年ドイツ大会まではソビエト連邦代表の名GKだったレフ・ヤシンにちなんでヤシン賞と呼ばれていた。1990年イタリア大会以前については、ベストイレブンに選出されたGKを記載することとする。

開催年・国 ヤシン賞 備考
1994 アメリカ合衆国   ミシェル・プロドーム ベスト16
1998 フランス   ファビアン・バルテズ 優勝
2002 日本/韓国   オリバー・カーン 準優勝、大会MVPと同時受賞
2006 ドイツ   ジャンルイジ・ブッフォン 優勝
開催年・国 ゴールデングローブ 備考
2010 南アフリカ   イケル・カシージャス 優勝
2014 ブラジル   マヌエル・ノイアー 優勝
2018 ロシア   ティボ・クルトゥワ 3位

最優秀若手選手賞編集

最優秀若手選手賞は、1つの大会で最も活躍した21歳以下の選手から選出される。正式名称は「ヒュンダイ・ベストヤングプレイヤー」で、2006年ドイツ大会から制定された。なお、2006年大会はスポンサーがジレットであった。FIFAは1958年スウェーデン大会から2002年日韓大会までの最優秀若手選手もインターネット投票を基に選出している[13][14]

開催年・国 受賞者 年齢
1958 スウェーデン   ペレ 17
1962 チリ   アルベルト・フローリアーン 20
1966 イングランド   フランツ・ベッケンバウアー 20
1970 メキシコ   テオフィロ・クビジャス 21
1974 西ドイツ   ヴワディスワフ・ジュムダ 20
1978 アルゼンチン   アントニオ・カブリーニ 20
1982 スペイン   マニュエル・アモロ 20
1986 メキシコ   エンツォ・シーフォ 20
1990 イタリア   ロベルト・プロシネチキ 21
1994 アメリカ合衆国   マルク・オーフェルマルス 21
1998 フランス   マイケル・オーウェン 18
2002 日本/韓国   ランドン・ドノバン 20
2006 ドイツ   ルーカス・ポドルスキ 21
2010 南アフリカ   トーマス・ミュラー 20
2014 ブラジル   ポール・ポグバ 21
2018 ロシア   キリアン・エムバペ 19

フェアプレー賞編集

フェアプレー賞は、大会に参加したチームの中で、選手に対し掲示されたイエローカードレッドカードなどが少ない等フェアプレー精神を発揮したチームに贈られる。正式名称は「FIFAフェアプレートロフィー」で、1970年メキシコ大会から制定された[15][16]

開催年・国 受賞国
1970 メキシコ   ペルー
1974 西ドイツ   西ドイツ
1978 アルゼンチン   アルゼンチン
1982 スペイン   ブラジル
1986 メキシコ   ブラジル
1990 イタリア   イングランド
1994 アメリカ合衆国   ブラジル
1998 フランス   フランス /   イングランド
2002 日本/韓国   ベルギー
2006 ドイツ   ブラジル /   スペイン
2010 南アフリカ   スペイン
2014 ブラジル   コロンビア
2018 ロシア   スペイン

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)編集

マン・オブ・ザ・マッチ英語: man of the match(MOM)は、すべての試合を対象に、その試合において最も印象的な選手に贈られる賞。2002年日本/韓国大会から制定された。2002年からは技術グループによって2つのエディション(版)が選ばれ[17][18]、2010年からはFIFAのウェブサイトでオンライン投票によって選ばれている[19][20]

開催年・国 最多MOM受賞者 受賞回数
2002 日本/韓国   リバウド 3
2006 ドイツ   アンドレア・ピルロ 3
2010 南アフリカ   ヴェスレイ・スナイデル 4
2014 ブラジル   リオネル・メッシ 4
2018 ロシア   アントワーヌ・グリーズマン
  エデン・アザール
  ハリー・ケイン
  ルカ・モドリッチ
3

受賞総数
2018年7月15日現在

順位 受賞者 受賞回数 受賞したW杯
1 アリエン・ロッベン   オランダ 6 2006, 2010, 2014
クリスティアーノ・ロナウド   ポルトガル 2010, 2014, 2018
リオネル・メッシ   アルゼンチン 2010, 2014, 2018
4 ルイス・アルベルト・スアレス   ウルグアイ 5 2010, 2014, 2018
5 エデン・アザール   ベルギー 4 2014, 2018
本田圭佑   日本 2010, 2014
ハメス・ロドリゲス   コロンビア 2014, 2018
ミロスラフ・クローゼ   ドイツ 2002, 2006
朴智星   韓国 2002, 2006, 2010
トーマス・ミュラー   ドイツ 2010, 2014
ヴェスレイ・スナイデル   オランダ 2010

国別
2018年7月15日現在

順位 受賞回数 選手数
1   ブラジル 22 14
  ドイツ 12
3   フランス 17 11
4   スペイン 16 10
5   アルゼンチン 15 8
6   イングランド 14 12
7   メキシコ 12 10
  オランダ 3
9   韓国 11 7
  ポルトガル 6
  アメリカ合衆国 7

エンターテイニングチーム賞編集

エンターテイニングチーム賞(: FIFA Award for the Most Entertaining Team)は、大会に参加したチームの中で最もファンを魅了したとされるチームに贈られる。1994年アメリカ大会から2006年ドイツ大会まで制定されていた[21]

開催年・国 受賞国
1994 アメリカ合衆国   ブラジル
1998 フランス   フランス
2002 日本/韓国   韓国
2006 ドイツ   ポルトガル

脚注編集

注釈編集

  1. ^ なお、FIFA.comの一部やタブロイド紙の『デイリー・メール』などでは1982年大会以前からゴールデンボールの授与が行われたかの記述があるが[3][4][5][6][7]、1966年大会から1978年大会にかけてFIFAが刊行した各大会のテクニカルレポートには、そのことを裏付ける記述はない[8][9][10][11]

出典編集

  1. ^ FIFA World Cup Golden Ball Awards”. RSSSF.com. 2016年12月6日閲覧。
  2. ^ adidas Golden Ball”. FIFA.com. 2016年12月6日閲覧。
  3. ^ The King of football”. FIFA.com. 2017年1月12日閲覧。
  4. ^ The wounded 'Little Bird' who soared for Brazil”. FIFA.com. 2017年1月12日閲覧。
  5. ^ Knight who led the charge for Ramsey's England”. FIFA.com. 2017年1月12日閲覧。
  6. ^ The Netherlands' Grand Master”. FIFA.com. 2017年1月12日閲覧。
  7. ^ 100 World Cup heroes (100-81): Sportsmail counts down the iconic players... kicking off with stars Valderrama, Scifo and Barthez”. dailymail (2014年3月3日). 2017年1月12日閲覧。
  8. ^ World Championship - Jules Rimet Cup 1966 Final Competition TECHNICAL STUDY (PDF)”. FIFA. 2017年1月12日閲覧。
  9. ^ World Championship - Jules Rimet Cup 1970 Final Competition TECHNICAL STUDY (PDF)”. FIFA. 2017年1月12日閲覧。
  10. ^ FIFA World Cup 1974 - Final Competition TECHNICAL STUDY (PDF)”. FIFA. 2017年1月12日閲覧。
  11. ^ OFFICIAL FIFA Report - WORLD CUP ARGENTINA 78 (PDF)”. FIFA. 2017年1月12日閲覧。
  12. ^ http://www.fifa.com/classicfootball/awards/golden/award=gsa/idcup=17/pastcupawards.html
  13. ^ Pele, Best Young Player Ever”. FIFA.com. 2009年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月14日閲覧。
  14. ^ Best Young Player Award - FIFA World Cup™ Final”. FIFA.com. 2013年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月14日閲覧。
  15. ^ http://www.fifa.com/classicfootball/awards/golden/award=FFP/idcup=17/pastcupawards.html
  16. ^ http://www.rsssf.com/miscellaneous/fifa-awards.html#fplay
  17. ^ 2002 FIFA World Cup Korea/Japan: Report and Statistics, p.44: "Marketing and Partners" and p.49: "Budweiser Man of the Match"
  18. ^ Man of the Match”. 2006 FIFA World Cup Official Website (Yahoo!). 2006年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月20日閲覧。
  19. ^ Man of the Match”. FIFA.com. 2010年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月20日閲覧。
  20. ^ Man of the Match Rules”. FIFA.com. 2014年7月20日閲覧。
  21. ^ http://www.fifa.com/classicfootball/awards/golden/award=met/idcup=17/pastcupawards.html

外部リンク編集