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工業用水法(こうぎょうようすいほう; 昭和31年(1956年6月11日法律第146号)とは、日本法律である。工業用水の合理的な供給を確保するとともに、地下水の水源の保全を図り、地盤の沈下の防止に資することを目的としている(同法第1条)。

工業用水法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 なし
法令番号 昭和31年法律第146号
効力 現行法
種類 産業法
主な内容 地下水の保全等
関連法令 環境法
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目次

沿革編集

日本において、初めて地盤沈下問題が注目されたのは、大正時代末期、関東大震災後の水準測量で、現在の東京都江東区付近の地盤沈下が確認されたことである。当初は地震によるものと思われたが、昭和時代初期には大阪府大阪市においても同様の地盤沈下が確認され、調査研究の結果、過剰な地下水汲み上げが原因と目されるようになった。昭和20年代には第二次世界大戦による工場操業能力の低下で一旦緩やかになったものの、戦後の復興とともに急速に近代化が進む中で、地下水を工業農業・ビルの冷房のために利用するようになり地盤沈下が進行した。そこで工業用水の揚水を規制するため、昭和31年、地盤沈下の進行防止を目的として、「工業用水法」は制定された。

構成編集

  • 第1章 - 総則(第1条・第2条)
  • 第2章 - 井戸(第3条~第14条)
  • 第3章 - 削除
  • 第4章 - 雑則(第22条~第27条)
  • 第5章 - 罰則(第28条~第30条)
  • 附則

所管官庁編集

環境省経済産業省の共管。

内容編集

本法では、地盤沈下の著しい地域(地下水の採取により地盤沈下等が発生しており、かつ工業目的としての地下水利用量が多く、地下水の合理的な利用を確保する必要がある地域(工業用水道の整備を前提とする))を、政令により指定する(2018年9月現在、17地域)。この指定地域内において井戸により地下水を採取しこれを工業の用に供しようとする者は、井戸ごとに、都道府県知事の許可(ストレーナー深度、吐出口の断面積)を受けなければならない。許可された内容の変更についても申請が要求され、行政職による立入り調査の規定も置かれている。無許可での井戸使用や命令違反に対しては、罰則が設けられている。これらを厳しくすることにより地盤沈下の防止等を図っている。なお、建築物用地下水の採取は、別に建築物用地下水の採取の規制に関する法律により行われている。

工業用水法指定17地域(10都府県63市区町村[1])は以下の通り。

宮城県
仙台市の一部、多賀城市の一部、宮城郡七ヶ浜町の一部
福島県
南相馬市の一部
埼玉県
川口市の一部、草加市、蕨市、戸田市、鳩ヶ谷市、八潮市、さいたま市の一部
千葉県
千葉市の一部、市川市、船橋市、松戸市、習志野市、市原市の一部、浦安市、袖ヶ浦市の一部
東京都
墨田区、江東区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区
神奈川県
川崎市の一部、横浜市の一部
愛知県
名古屋市の一部、一宮市、津島市、江南市、稲沢市、愛西市、清須市の一部、弥富市、あま市、海部郡大治町、同郡蟹江町、同郡飛島村
三重県
四日市市の一部
大阪府
大阪市の一部、豊中市の一部、吹田市の一部、高槻市の一部、茨木市の一部、摂津市、守口市、八尾市の一部、寝屋川市の一部、大東市の一部、門真市、東大阪市の一部、四條畷市の一部、岸和田市の一部、泉大津市、貝塚市の一部、和泉市の一部、泉北郡忠岡町
兵庫県
尼崎市、西宮市の一部、伊丹市

関連項目編集

出典編集

  1. ^ これらの指定は工業用水法施行令別記備考により2000年4月1日における行政区画により表示されている。

外部リンク編集