東大阪市(ひがしおおさかし)は、大阪府中河内地域に位置する中核市に指定されている。

ひがしおおさかし ウィキデータを編集
東大阪市
東大阪市旗
2019年1月1日制定
東大阪市章
1967年2月1日制定
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 大阪府
市町村コード 27227-2
法人番号 8000020272272 ウィキデータを編集
面積 61.78km2
総人口 485,401[編集]
推計人口、2024年2月1日)
人口密度 7,857人/km2
隣接自治体 大阪市大東市八尾市
奈良県生駒市生駒郡平群町
市の木 クスノキ
市の花 ウメ
市民の花 キキョウ
東大阪市役所
市長 野田義和
所在地 577-8521
大阪府東大阪市役所本庁舎:
大阪府東大阪市荒本北一丁目1番1号
北緯34度40分46秒 東経135度36分03秒 / 北緯34.67936度 東経135.60089度 / 34.67936; 135.60089座標: 北緯34度40分46秒 東経135度36分03秒 / 北緯34.67936度 東経135.60089度 / 34.67936; 135.60089
東大阪市役所
東大阪市役所

地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

東大阪市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト

人口は約48万人であり、大阪市および堺市の両政令指定都市に次いで大阪府第3位の人口を擁する。大阪市の衛星都市ベッドタウンである一方、大阪都市圏中心都市に属する。

ラグビーの聖地である東大阪市花園ラグビー場を擁する「ラグビーのまち」として、また技術力の高い中小企業が多数立地するものづくりのまちとして全国に知られる。

地理

大阪平野の東部に位置する。市域の大半は平坦な低地で河川の多くは天井川であり、この地形的要因から1972年(昭和47年)の大東大水害では大きな被害を受けた。

市東部は生駒山系の山々が連なっており、豊富な自然が残されている。

主な河川には長瀬川恩智川玉串川第二寝屋川などがある。

歴史

市域は、令制国河内国中部にあたる。古代にはこの一帯は河内湾と呼ばれる大阪湾の奥にある小さな湾であったが、次第に海から分離して湖となった。その湖が大和川を経て上流から運ばれてくる土砂が堆積したことによって徐々に陸地化したが、こうした経緯から湿地・深田が多く、また洪水に見舞われやすい土地であった。

古代には物部氏が本拠地を置いた場所であり、物部守屋の最期の地は衣摺(きずり、市西南部)であるなど、早くから開けた地域であった。飛鳥時代には中国大陸への玄関口であった難波津との街道筋にあたり街道筋には多くの集落ができた。奈良時代になると、平城京と難波津を結ぶ街道が整備され、その街道筋にも多くの集落ができた。

平安時代になり、熊野詣高野山上皇貴族参詣に訪れるようになると、その街道として生駒山麓を辿る高野街道が利用された。この沿線にあたる市の東部には多くの集落が点在しており、今なお旧村として市内に静かなたたずまいを残している。平安時代には、枚岡神社の勢力が大きく、それを背景とする水走氏が有力な領主として市東部を中心に活動した。

室町時代初期、河内守護に任ぜられた畠山氏若江城を築き、河内を統治する拠点とした。以後畠山氏の守護代の遊佐氏がこの城を治めるが、応仁の乱やその後も続いた家督争いによって衰え、城主は細川氏遊佐河内守長教三好氏など転々とする。最終的に城は織田信長の家臣となった三好義継の旧臣の若江三人衆が治め、石山本願寺攻めが始まると織田方の拠点とされ、織田信長もこの城で指揮を執るなどしたが、両者が和睦した後に廃城とされた。またこの付近は大坂夏の陣における若江の戦いの舞台としても知られ豊臣方の将木村重成の終焉の地でもあることで知られる。

江戸時代中期以降、中甚兵衛らの嘆願によって大和川の付け替え工事が行われると新田開発が大坂の商人らによって積極的に推進された。また商品作物の栽培も盛んで、木綿の産地として名の知られた存在だった。

東大阪市の中央部は長い間、北にある深野池や西にある新開池、そこに注いでいる付け替え前の大和川の為に長らく湿地帯で、東大阪市の市域で早くに開けたのは、確かにこれら大和川の流域と高野街道沿いの地域ではあるが、開発は遅れがちであった。室町時代以降、河内国の行政の中心であった若江城でさえ、四方を沼地に囲まれた難攻不落の平城として記録されている。

1934年(昭和9年)9月21日室戸台風の暴風雨。強風により楠根小学校弥刀村小学校の木造校舎が倒壊。児童らが下敷きとなり多くの死傷者を出した[1]

市成立後の沿革

 
東大阪市中心部周辺の空中写真。1985年撮影の24枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
 
布施市、河内市、枚岡市がそれぞれ占めていた領域

主な出来事

ご当地キャラクター

  • 2012年(令和元年)東大阪市マスコットキャラクター「トライくん」
  • 石切参道商店街 「いしキリンちゃん」
  • 東大阪社会福祉協議会 「しゃきょうりゅうクン」
  • 布施商店街 「ふせロボくん」
  • 東大阪消防局 「消防トライくん&消防ミライちゃん」
  • 社会福祉法人川福会 「かわふくん」
  • 社会福祉法人若草会 「わかちゃん」

楽曲

作詞:上出満 作曲:外山雄三
  • 東大阪市音頭 - 1971年選定
作詞:足立万里 作曲:鈴木量視
  • 東大阪 めっちゃ元気な「まち」やねん - 2005年選定
作詞:南英市 作曲:つんく♂
中核市移行記念「がんばろう! 東大阪」イメージソング。

行政

歴代市長

氏名 就任日 退任日 備考
初代 辰巳佐太郎 1967年2月19日 1970年6月14日 1期
2代 伏見格之助 1970年6月14日 1982年6月13日 3期
3代 北川謙次 1982年6月14日 1989年12月6日 2期、病気療養を理由に辞職
4代 清水行雄 1989年12月24日 1998年5月20日 3期、辞職
5代 長尾淳三 1998年7月12日 2002年7月11日 1期
6代 松見正宣 2002年7月12日 2006年7月11日 1期
7代 長尾淳三 2006年7月12日 2007年9月14日 1期、市議会における不信任決議で失職
8代 野田義和 2007年10月28日 現職 4期目

議会

市議会

定数は38人。

大阪府議会(東大阪市選出)

  • 定数:5名
  • 任期:2019年(令和元年)5月28日~2023年(令和5年)5月27日
議員名 会派名 備考
広野瑞穂 大阪維新の会大阪府議会議員団
山下浩昭 公明党大阪府議会議員団
塩川憲史 自由民主党・無所属大阪府議会議員団 党籍は自由民主党
西野弘一 改革保守 党籍は無所属
内海公仁 日本共産党大阪府議会議員団

衆議院

選挙区 議員名 党派名 当選回数 備考
大阪府第13区(東大阪市) 岩谷良平 日本維新の会 1 選挙区
宗清皇一 自由民主党 3 比例復活

産業

日本有数の中小企業の密集地であり、高い技術を持った零細工場が多数集まっている。2002年12月に東大阪宇宙開発協同組合(現・宇宙開発協同組合SOHLA)を設立し人工衛星の開発を進めるなど、世界シェアを占める企業も多い(近畿大学には小規模の物ながら研究用の原子炉を保有)。面積に対する工場の割合では全国1位。工場の数も大阪市横浜市などの政令指定都市を除くと1位である。

しかし近年は減少傾向であり、工場跡地に住宅が建てられるケースもある。2007年には製造品出荷額で隣市の八尾市に抜かれ、2011年のみ東大阪市が上位に返り咲いたものの[3]、その差は広まりつつある。

江戸時代には旧大和川川床などにおける木綿栽培が行われ、大阪の中心、船場に近いという地の利があり、木綿を加工するための小規模な工業が発展していた。明治維新で家内的な木綿工業は一気に壊滅したが、残された技術が、現在の当地を支える原動力になっていった。生産機械のための機械作りやその部品作りである。 1958年、日本で初めての回転寿司店である元禄寿司が開店した町でもある(旧布施市:現在の近鉄布施駅付近)。

東大阪市に本社を持つ企業

東大阪市にて創業した主な企業

スポーツ

ラグビー

野球

サッカー

姉妹都市・提携都市

日本国内

日本国外

地域

人口

平成22年(2010年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.83%減の509,533人であり、増減率は府下43市町村中26位、72行政区域中45位である。

 
東大阪市と全国の年齢別人口分布(2005年) 東大阪市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 東大阪市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

東大阪市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


教育

 
近畿大学

高等学校(および相当校)以上について記載する。

大学・短期大学

高等学校

その他

日本郵政グループ

(2012年12月現在)

集配郵便局は、布施 本局(永和)・枚岡(鷹殿町)・河内(菱江)の3局がある。この他、窓口業務のみを行う郵便局が市内に53箇所ある。
大阪支店布施出張所が、布施/永和郵便局内に置かれている。また、市内には各郵便局などに65箇所(布施出張所を含む)に現金自動預け払い機 (ATM) が設置されており、うち19箇所(同)でホリデーサービスを実施している。
東大阪支店が、布施駅前に置かれている。

※ 東大阪市内の郵便番号は以下の通り。

  • 577-00xx577-08xx : 市の西部に相当し、布施郵便局が集配を担当している。
  • 578-09xx : 市の中部に相当し、河内郵便局が集配を担当している。
  • 579-80xx : 市の東部に相当し、枚岡郵便局が集配を担当している。

隣接している自治体・行政区

大阪府

奈良県

市内の地名

交通

 
布施駅
 
荒本駅
 
東大阪JCT

鉄道

同位置に所在する乗換駅などをまとめると26の駅がある。比較的発展していた3市が合併して誕生した市であるので、中心的な役割を果たす駅は特定できない。

乗降人員は近鉄奈良線近鉄大阪線が合流する布施駅が最も多く、近鉄百貨店東大阪店を中心に商業圏が広がっている。また、JTBパブリッシングが発行する「JTB時刻表」も布施駅を代表駅としている。また、旧枚岡市域では瓢箪山駅を市東部の玄関口と見る向きもある。なお、東大阪市役所本庁の最寄り駅は荒本駅である。

以下のうち、Osaka Metro中央線近鉄けいはんな線は一体的な運行系統となっており、当市にある長田駅を介して直通運転を行っている。

また、おおさか東線の高井田中央駅JR河内永和駅JR俊徳道駅はそれぞれOsaka Metro中央線高井田駅・近鉄奈良線河内永和駅・近鉄大阪線俊徳道駅と近接しており、それぞれ乗り換え可能となっている。

西日本旅客鉄道(JR西日本)

近畿日本鉄道(近鉄)

大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)

路線バス

高速バス

  • 大阪バス
    • 布施駅(東大阪布施駅停留所)から東京、京都への高速バスを運行。また、長田駅に名古屋、京都への高速バスが停車する。空港リムジンバスが布施駅・長田駅と関西国際空港を結ぶ(近鉄バス、関西空港交通と共同運行)。

一般路線

  • 近鉄バス
    • 布施線、中央環状線、加美線、春宮線、萱島線、花園線、瓢箪山線、四条畷線、吉田線、東大阪病院線、経法大線、近大シャトル線
    市内に本社を持ち、営業所も4箇所(布施・布施観光枚岡稲田)あるが、1990年代以降路線の休止・廃止が相次ぎ、バス路線空白地が多く存在する。新路線(新石切駅前 - 石切駅前、花園駅前 - 吉田駅前、吉田駅前 - JR住道)の開設も行われているが、近年、運転士不足と利用客減少を理由に再び市内各路線での減便傾向が続く[4]。また東大阪市などの補助により低公害ノンステップバスの導入も行われている。
  • 大阪シティバス(旧・大阪市営バス
    • 86号系統 布施駅前 - 上新庄駅前、12号系統 布施駅前 - あべの橋
    市内には、布施駅前停留所があり、上記系統が発着している。なお、12号系統は市バスの操車場があったことから布施三ノ瀬へ乗り入れていたが2013年より布施駅前へ乗り入れることになった。
  • 大阪バス
    • 布施八尾線、東大阪西地区循環バス、俊徳道駅・近畿大学線
    同社の市内路線バスは2016年7月29日に運行が開始された布施八尾線を皮切りに、2022年3月の時点で3路線が運行されている。 これらの路線は公共交通空白地域を解消する目的から東大阪市や八尾市・大阪府などとの協業により開設された路線である[5]
  • 大東市コミュニティバス(近鉄バスが運行)
    • Aコース 南新田・朋来方面
    当市内を通過するが、停留所は存在しない。

道路

南北方向には大阪府道2号大阪中央環状線国道170号大阪外環状線)、東西方向には中央大通と呼ばれる国道308号があり市内の大動脈となっている。

しかし、その他の道路は東西南北すべての方向において貧弱であり、主要地方道でも狭隘な道路(八尾茨木線の一部)や渋滞が激しい道路(八尾枚方線など)もあり、路線バスの運行にも影響がある。

名所・旧跡・観光スポットなど

 
若江城の石碑
 
東大阪市花園ラグビー場
 
東大阪市文化創造館
 
大阪府立中央図書館
記念館・資料館
施設・競技場
寺院・神社
遺跡・城跡・古墳[注釈 1]
その他

東大阪市出身の人物

歴史上の人物

政界・学界・言論界

芸能界・放送界・エンターテイナー

宝塚歌劇団

スポーツ選手

その他

ゆかりのある人物

東大阪市を舞台にした作品

テレビドラマ

映画

  • ナノハナ - 地元の子どもたちと大学生が市内を歩くドキュメンタリー映画。2007年、東大阪青年会議所の設立50年を記念して制作された。監督は金秀吉
  • 市子 - 2023年。

小説

脚注

注釈

  1. ^ 現在、これらは殆どが保存されることなく開拓・開発工事で消滅している。
  2. ^ 瓢箪山駅を挟んで北側(中央商店街)に サンロード、南側(イナリ前商店街)に ジンジャモール の愛称が付いている。

出典

  1. ^ 高潮の阪神沿道で三百人行方不明『大阪毎日新聞』昭和9年9月22日号外(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p330 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  2. ^ 塩素ガス漏れ住民バタバタ 東大阪約百人が入院『朝日新聞』1976年(昭和51年)3月26日夕刊、3版、11面
  3. ^ 八尾市の製造品出荷額が大阪府下第3位になりました。 - 八尾市長 田中誠太のオフィシャルブログ(2014年12月2日付、2016年4月11日閲覧)
  4. ^ 【平成28年6月1日】吉田住道線、石切線、久宝寺(南系統)ダイヤ改正及び金剛団地線(津々山台系統)の廃止のお知らせ - 近鉄バス公式Webページ(2016年5月6日付)
  5. ^ バスラマインターナショナル No.179. ぽると出版. (2020年4月25日). p. 13
  6. ^ a b c d 名誉市民”. 東大阪市. 2022年8月11日閲覧。
  7. ^ 「がんばろう!東大阪」イメージソング(2015年12月14日付、2016年4月20日閲覧)
  8. ^ http://topics.jp.msn.com/entertainment/general/article.aspx?articleid=5947243

関連項目

外部リンク