アレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ

スペインの男子テニス選手

アレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ(Alejandro Davidovich Fokina、1999年6月5日 - ) は、スペインマラガ出身の男子プロテニス選手[1]ATPランキング自己最高位はシングルス21位、ダブルス196位。これまでにATPツアーでシングルスの優勝はない。ダブルスでは1勝を挙げている。身長183cm。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

アレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ
Alejandro Davidovich Fokina
2023年全米オープンでのアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ
基本情報
フルネーム Alejandro Davidovich Fokina
国籍 スペインの旗 スペイン
出身地 同・マラガ
生年月日 (1999-06-05) 1999年6月5日(24歳)
身長 183cm
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2019年
ツアー通算 1勝
シングルス 0勝
ダブルス 1勝
生涯獲得賞金 3,522,215 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 2回戦(2020・22-24)
全仏 ベスト8(2021)
全英 3回戦(2023)
全米 4回戦(2020・22)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 1回戦(2022)
全仏 1回戦(2021)
全英 2回戦(2023)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 21位(2023年8月21日)
ダブルス 196位(2022年2月21日)
2024年2月28日現在

生い立ち 編集

1999年にスペインマラガで生まれた。父親はボクサーであり、スウェーデンロシアの二重国籍である。母親はロシア人である[2]。兄弟が一人いる。3歳の時に父親とテニスを始め、5歳になるとカラフローレスで練習を始め、やがてセラマールでマノーロ・ルビアレスの指導を受けた。2009年からはホルヘ・アギーレに指導を受けている。U-12スペイン選手権、U-15スペイン選手権で優勝し、17歳の時にU-18スペイン選手権で優勝した。

選手経歴 編集

ジュニア時代 編集

ITFグレード1のカナダ国際ジュニアでは準決勝でフェリックス・オジェ=アリアシムを破り、決勝でリアム・カルアナ英語版を破って優勝した。 2017年4月のバルセロナ・オープンで予選ワイルドカードをもらい、予選1回戦ではロベルト・カルバリェス・バエナに勝利したが、予選2回戦ではサンティアゴ・ヒラルドにフルセットで敗れた。全仏オープンジュニア男子シングルスでは準決勝でアレクセイ・ポピリンに敗れた。ウィンブルドン選手権ジュニア男子シングルスに第8シードとして出場し、決勝でアクセル・ヘリェール英語版に勝利して優勝した。

2018年 フューチャーズ初優勝 編集

2018年3月のポルトガルのキンタ・ド・ラゴでITFフューチャーズ初優勝を飾った。ATPツアー・マスターズ1000マドリード・オープンでは予選ワイルドカードをもらったが、予選1回戦でテイラー・フリッツに敗れた。7月のウィンブルドン選手権では予選2回戦でピーター・ポランスキー英語版に敗れた。9月にポーランドのシュチェチンチャレンジャーでは、初めて決勝に進出したがギド・アンドレオッシ英語版に敗れた。

2019年 チャレンジャー初優勝 編集

 
2019年全仏オープン

2019年全豪オープンでは予選2回戦でキマー・コッペヤンス英語版に敗れた。2月にタイのバンコクで開催されたATPチャレンジャーでは、決勝でジェームズ・ダックワース英語版に敗れた。4月のハサン2世グランプリでは予選を通過しATPツアー本戦初出場。1回戦でフィリップ・コールシュライバーに敗れた。5月のミレニアム・エストリル・オープンでは本選1回戦でテイラー・フリッツを、2回戦でジェレミー・シャルディーを、準々決勝でガエル・モンフィスを破ったが、準決勝でパブロ・クエバスに敗れた。全仏オープンではラッキールーザーとして本選に出場し、グランドスラム本選初出場を果たした。1回戦でジョーダン・トンプソンに敗れた。9月にジェノヴァ・チャレンジャーでは、決勝でロレンツォ・ソネゴに敗れて準優勝だった。9月にスペインのセビリア・チャレンジャーでは、決勝でハウメ・ムナルを破り、ATPチャレンジャー大会初優勝を飾った。

2020年 グランドスラム4回戦進出 編集

2020年全豪オープンでは1回戦でノルベルト・ゴンボス英語版を破りグランドスラム初勝利を挙げた。全米オープンでは2回戦で第24シードのフベルト・フルカチュを破るなど、4回戦まで進出した。年間最終ランキングは52位。

2021年 全仏ベスト8 編集

年始の全豪オープン新型コロナウイルスの陽性反応により、不参加となった。南フランス・オープンではベスト8入り。ABNアムロ世界テニス・トーナメントでは2回戦でマートン・フチョビッチに敗退。オープン13では2回戦でアーサー・リンダークネッシュに敗れた。ドバイ・テニス選手権では3回戦でフィリップ・クライノビッチに敗退。

 
2021年全仏オープン

クレーシーズンに入ると好調さを見せ、モンテカルロ・マスターズでは1回戦でアレックス・デミノー、2回戦でマッテオ・ベレッティーニ、3回戦でリュカ・プイユをら破り、ATPマスターズ1000初のベスト8入り。準々決勝ではステファノス・チチパスに7-5の1セット終了時に途中棄権。その後のエストリル・オープンではベスト4入り。準決勝ではアルベルト・ラモス=ビノラスに敗退。マドリード・オープンでは2回戦でダニール・メドベージェフに敗れた。BNLイタリア国際では予選を通過して、1回戦でグリゴール・ディミトロフ、2回戦でキャメロン・ノーリーらを下して本戦3回戦進出。3回戦ではノバク・ジョコビッチに敗れた。そして全仏オープンでは3回戦で第15シードのキャスパー・ルードをフルセットで下して、4回戦でフェデリコ・デルボニスを破り、グランドスラム初のベスト8入り。準々決勝では第6シードのアレクサンダー・ズベレフにストレートで敗れた。

その後は失速状態になり、ウィンブルドン選手権2021年全米オープンでは初戦敗退。他にはナショナル・バンク・オープンウエスタン・アンド・サザン・オープンパリ・マスターズでも初戦敗退。BNPパリバ・オープンでは2回戦敗退。ヨーロピアン・オープンではベスト8入りするも、準々決勝でジェンソン・ブルックスビーに敗退。年間最終ランキングは50位。

2022年 マスターズ準優勝 編集

 
2022年モンテカルロ・マスターズ

ATPカップではスペイン代表として初出場。グループステージではペドロ・マルティネスと組み、ダブルスでノルウェーチリ戦で勝利して、チームの決勝進出に貢献した。

全豪オープンでは2回戦で第9シードのフェリックス・オジェ=アリアシムに6-7(4), 7-6(5), 6-7(4), 6-7(4)で惜敗。南フランス・オープンではアドリアン・マナリノに、ABNアムロ世界テニス・トーナメントではステファノス・チチパスにそれぞれ初戦敗退。カタール・エクソンモービル・オープンでは準々決勝で同国の先輩であるロベルト・バウティスタ・アグートに敗退。ドバイ・テニス選手権ではヤニック・シナーに初戦敗退。

BNPパリバ・オープンでは1回戦でボルナ・チョリッチを破るも、2回戦ではデニス・シャポバロフに敗退。マイアミ・オープンではセバスチャン・コーダに初戦敗退。しかし、モンテカルロ・マスターズでは2回戦で世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチを6-3, 6-7(5), 6-1で破る大金星を挙げ、3回戦でダビド・ゴファン、準々決勝でテイラー・フリッツ、準決勝でグリゴール・ディミトロフらを破り、ATPマスターズ1000初の決勝進出。決勝では昨年度覇者のステファノス・チチパスに3-6, 6-7(3)で敗れた。

ATPツアー決勝進出結果 編集

ダブルス: 1回 (1勝0敗) 編集

大会グレード
グランドスラム (0–0)
ATPワールドツアー・ファイナル (0–0)
ATPワールドツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPワールドツアー・500シリーズ (0–0)
ATPワールドツアー・250シリーズ (1–0)
サーフェス別タイトル
ハード (0–0)
クレー (1–0)
芝 (0–0)
カーペット (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2020年3月1日   サンティアゴ クレー   ロベルト・カルバリェス・バエナ   マルセロ・アレバロ英語版
  ジョニー・オマラ英語版
7–6(7–3), 6–1

ATPチャレンジャーツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 5回(2勝3敗) 編集

大会
ATPチャレンジャーツアー (2–3)
サーフェス別決勝進出回数
ハード (1–1)
クレー (1–2)
芝 (0–0)
カーペット (0–0)
結果 勝-敗 日付 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 0–1 2018年9月   シュチェチン英語版 クレー   ギド・アンドレオッシ英語版 4–6, 6–4, 3–6
準優勝 0–2 2019年2月   バンコク英語版 ハード   ジェームズ・ダックワース英語版 4–6, 3–6
準優勝 0–3 2019年9月   ジェノア英語版 クレー   ロレンツォ・ソネゴ 2–6, 6–4, 6–7(6–8)
優勝 1–3 2019年9月   セビリア英語版 クレー   ハウメ・ムナル 2–6, 6–2, 6–2
優勝 2–3 2019年10月   柳州英語版 ハード   デニス・イストミン 6–3, 5–7, 7–6(7–5)

成績 編集

四大大会シングルス 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2018 2019 2020 2021 2022 2023
全豪オープン A Q2 2R A 2R 2R
全仏オープン A 1R 2R QF 1R 3R
ウィンブルドン Q2 Q1 NH 1R 2R
全米オープン A Q1 4R 1R 4R

大会最高成績 編集

大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
Next Gen ATPファイナルズ RR 2019
インディアンウェルズ QF 2023
マイアミ 3R 2023
モンテカルロ 2R 2022
マドリード 4R 2023
ローマ 3R 2021, 2023
カナダ SF 2023
シンシナティ 2R 2023
上海 2R 2023
パリ 3R 2020
オリンピック 3R 2021
デビスカップ 1R 2023
ATPカップ F 2022

ジュニア・グランドスラム決勝進出結果 編集

シングルス: 1回(1勝0敗) 編集

結果 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 2017年英語版 ウィンブルドン選手権 グラス   アクセル・ヘリェール英語版 7–6(7–2), 6–3

脚注 編集

  1. ^ Alejandro Davidovich Fokina”. ATP World Tour. 2019年4月29日閲覧。
  2. ^ Rando, Javi (2009年7月28日). “Davidovich, un tenista mezcla de genes rusos y carácter español”. Málaga hoy. 2018年10月19日閲覧。

外部リンク 編集