PASPY(パスピー)は、広島県を中心とした広島地区の鉄軌道(広島電鉄広島高速交通)・バス事業者各社局で導入されているサイバネ規格の非接触型ICカード乗車カードである。

PASPY
PASPY(広島電鉄).jpg
PASPY
通称 パスピー
導入 2008年
規格
通貨 日本円 (最高チャージ金額20,000円)
有効期限 10年
取扱事業者
  • 広島電鉄
  • 広島バス
  • 広島交通
  • 中国ジェイアールバス
  • 鞆鉄道
  • 中国バス
  • 広島高速交通
販売場所
  • PASPY取扱事業者のバス車内
  • 広島電鉄路面電車車内
  • アストラムライン駅自動券売機
  • 広島バスセンター
  • PASPY取扱事業者の主要な定期券売り場
ウェブサイト http://www.paspy.jp/

概要編集

名称の由来は、PASS(乗車券)・HAPPY(幸せ)・SPEEDY(早さ)の3つの英単語の組み合わせである[1]

ソニーの非接触型ICカードFeliCaの技術を用いている。ジェイアール東日本メカトロニクス、ソニー、パナソニックが開発した高性能カードを使用しており、マイレージ機能、社員証学生証等の機能を最大3個まで追加できる[2]広島県バス協会が商標を管理している(登録商標第5121817号[注 1])。2019年現在180万枚発行されている[3]

なお、乗車カード以外の電子マネーとしての利用は単独では行われておらず、ひろぎんPASPYにポストペイ型電子マネー「QUICPay」「Visa Touch」および地域電子マネー「HIROCA」を搭載する形で実施されている(詳細後述)。

2014年9月のICカードシステム(センターサーバ)更新[4]の際、東芝[5]からNEC[6]へ、全国で初となるICカードシステムの「ベンダースイッチ」を行った。

交通系ICカード全国相互利用サービスの片利用(該当カードのPASPYエリアでの利用)に対応している(詳細後述)。

導入の経緯編集

広島地区では、1993年から磁気式プリペイドカード型の乗車カード「バスカード」(アストラムカード、パセオカード)が導入されていたが、経年による機器の取り替え時期が近づいてきたことや、磁気ストライプカードよりセキュリティが高く容量の大きいICカードの交通分野での実用化を踏まえ、国土交通省中国運輸局主導の下、広島県内の9つの交通事業者(広島電鉄広島バス広島交通芸陽バス中国ジェイアールバス備北交通鞆鉄道呉市交通局広島高速交通)を中心に協議が行われ導入が決定された。また、この9つの交通事業者に加え、後日参加を発表した中国バスがそれぞれPASPYを発行している。またこの10社で「PASPY運営協議会」(代表会社は広島電鉄)を構成している。

2004年8月22日付け中国新聞「時流」欄[7] が導入検討時の様子について報じている。「関係者の話を総合すると」として、導入の想定時期については各社間で温度差もあると報じており、関連する事業者のコメントとして、西日本旅客鉄道(JR西日本)社長(当時)の垣内剛の「広島地区への(ICOCA)導入については当面は考えていない」、広島電鉄社長(当時)大田哲哉の「ICカードを導入するならJR(ICOCA)と互換性のあるPiTaPa式しかないだろう」という発言が掲載されていた。その後、JR西日本が2007年に広島地区にICOCAを導入し、広島県バス協会はPiTaPaへの参加を見送り、独自にPASPYを立ち上げている。

マスコットキャラクター編集

マスコットキャラクターは、中国山地から降りてきたツキノワグマの「くまぴー」(名称は公募による)。体毛色はグレーでつぶらな瞳を持ち、サングラスとPASPYのロゴがプリントされた白いマントを装備。職業はスパイで神出鬼没、乗務員や受付係員に変身することもある[8]

導入事業者と導入路線編集

カード発行事業者編集

この節ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。(Template:色)

事業者名左側の色は、その事業者のカードの色

上述のように、裏面の17桁の英数字の頭二文字のアルファベットは発行事業者により区分されている(かつて発行していた呉市交通局はKU、備北交通はBK、芸陽バスはGBとなっている)。

利用のみ可能な事業者編集

精算については、各社ごとに指定された発行会社を通じて行っている[4][9]

  • 自社単独で精算するが、PASPYの自社発行を取り止め、広島電鉄のPASPYが自社発行に準じた扱い(広島電鉄の連結子会社)
  • 広島電鉄を通じて精算し、同社のPASPYが自社発行に準じた扱い(広島電鉄の完全子会社)
  • 広島電鉄を通じて精算し、同社のPASPYを委託販売
  • 広島電鉄を通じて精算。PASPYは発売しない。
    • 瀬戸内産交 - 沖友天満宮 - 中国労災病院間
    • さんようバス - 沖友天満宮 - 呉駅 - 広島バスセンター間
    • 広島観光開発 - 宮島ロープウエー(山麓紅葉谷駅切符売場での乗車券購入時に限る)
    • 宮島松大汽船 - 宮島航路
    • JR西日本宮島フェリー - 宮島航路
    • 瀬戸内海汽船 - 広島港・呉港 - 松山観光港航路(各港窓口での乗車券購入時に限る)
    • いわくにバス - 高速バスを含む全線 ※高速バスおよび岩国錦帯橋空港発着便ではPASPY割引が適用されない[13]
    • 君田交通[注 2] - 川の駅三次線(JR三江線廃止代替バス)
    • 広島電鉄から移管された呉市生活バス
      • なべタクシー - 音戸さざなみ線、田原藤の脇線
      • 富士交通 - 横路交叉点循環線、白石白岳交叉点循環線、仁方小須磨線、安浦地区生活バス
      • 野呂山タクシー - 広長浜線
      • 朝日交通 - 昭和循環線・北コース、昭和循環線・中央コース、昭和循環線・南コース
      • 東和交通 - 呉苗代下条線、北原神山峠線、見晴町線
      • 呉交通 - 阿賀音戸の瀬戸線
      • 倉橋交通 - 倉橋地区生活バス(長谷線を除く)
      • 瀬戸内産交 - 広川尻線
  • 中国ジェイアールバスを通じて精算。PASPYは発売しない。
  • 広島交通を通じて精算し、同社のPASPYが自社発行に準じた扱い(広交グループ)
  • 広島高速交通を通じて精算し、同社のPASPYを委託販売
  • 中国バスを通じて精算し、同社のPASPYが自社発行に準じた扱い(両備グループ・中国バスの完全子会社)
利用可能なコミュニティバス

過去に利用できた事業者編集

カードを発行し、利用可能だった事業者
  • 呉市交通局 - 2012年3月31日の営業をもって事業廃止。PASPYの発行も終了した。翌日から広島電鉄に事業譲渡され、引き続き各路線でPASPYが利用できる。
なお、旧呉市交通局発行のカードは、広島電鉄発行のカードに無手数料でチャージ残高を移行させることが可能となっている(広島電鉄以外の事業者発行のカードへの発行替えは、実質的に有手数料による払い戻しと同様の対応となる)。定期券を載せないのであれば、2020年現在も継続して利用可能である。
利用のみ可能だった事業者
  • 井笠鉄道 - 2012年10月31日の営業をもって事業廃止。福山駅前案内所とPASPYリーダー装備車の車内では、鞆鉄道発行のカードを委託販売し、精算も同社を通じて行っていた。翌日から中国バス・井笠バスカンパニー(→中国バス・井笠バス福山カンパニー→井笠バスカンパニー 福山営業所)に事業譲渡され、引き続き各路線でPASPYが利用できる。
利用のみ可能だったコミュニティバス
  • 安芸高田市お太助バス」 - 2016年9月30日の営業をもって備北交通による運行が終了。翌日から運行事業者が安芸高田市内の各タクシー事業者へ変更になり、PASPYが利用できなくなった[19]

その他編集

  • 2008年4月9日付の広島銀行ATMでのチャージ機能導入に関するプレスリリース[20] ではエンゼルキャブ全路線にて2009年度に導入予定と明示されていたが、2009年1月26日付けプレスリリース[21] では当該記述が削除されており、何らかの理由で導入計画が取りやめになったものと推察される。なお、導入が実現していれば第一タクシー(現:フォーブル)と同様PASPYの自社発行は行わず、広島高速交通のPASPYを委託販売する予定だった[22][注 3]
  • 2017年10月6日付の中国新聞[24]で、JR三江線の廃止代替バスを運行する大和観光川本美郷線)でもPASPYの導入が検討されていると報道されたが、導入が見送られている。

他の交通系ICカードの利用について編集

 
相互利用関係(クリックで拡大)
ICOCAへの対応(片利用)
2008年4月1日から、西日本旅客鉄道(JR西日本)のICカード・ICOCAの対応を開始した[25][26]。相互利用ではなく、ICOCAをPASPYエリア内で乗車カードとして使用出来るというものであり、PASPYをICOCAエリア内で利用することは出来ない。また、ICOCAをPASPYエリア内で使用する際に割引制度などに制限がある(詳細後述)。
交通系ICカード全国相互利用サービスへの対応(片利用)
2017年1月13日に中国新聞が、2017年度末の交通系ICカード全国相互利用サービス(片利用)対応を前提にシステム改修を予定していると報じ[27]、2017年9月28日に広島県バス協会・広島電鉄・広島高速交通・JR西日本の連名で2018年春からPASPYエリアで全国相互利用サービス対象カードの片利用を開始することが発表された[28]
その後、2018年2月27日に同4者の連名で詳細が発表され、2018年3月17日からサービスを開始した[29][30]。なお、ICOCAと同様に相互利用ではなく片利用であり、PASPYエリア内で使用する際に割引制度などに制限がある。また、PASPYエリアのバス車内および広島電鉄電車車内を除いて、チャージする事が出来ない(詳細後述)。

カード券種編集

 
旧呉市交通局のPASPY(現在発行停止)

事業者が発行するもの編集

下記の5種類が発行され、各発行事業者のシンボルカラーに沿った10色のデザインがある。このうち、呉市交通局(事業廃止)・芸陽バス備北交通は自社での発行を終了しており、現行で発行されているのは7色である。色については「カード発行事業者」の項を参照。

PASPY購入の際はデポジット500円とチャージ1,500円の計2,000円からの発売となっている。払い戻しの際はデポジットの500円とチャージ残額の合計から払い戻し手数料200円が差し引かれる。なお、払い戻し・紛失時の再発行(無記名式PASPY除く)は発行事業者で行う必要がある(例:広島電鉄発行のPASPYを広島高速交通での再発行は不可)が、紛失登録はどの事業者でも可能である[31]

なお、無記名式PASPY・記名式PASPYでも小児割引・特別割引を受けることも出来る(利用時に乗務員に申し出て、乗務員の操作を受ける必要がある)。

無記名式PASPY
無記名式の持参人有効のカード。広島高速交通で発行したものは、取扱窓口にて記名式カードに切り替えることも可能。紛失時の再発行不可。
各事業者の取扱窓口のほか、各事業者の電車・バス車内、アストラムラインの自動券売機でも発売される。
記名式PASPY
カード購入時に名前、生年月日、性別、電話番号を登録したカードで、紛失時にカードの利用停止と再発行などが受けられる。申込者とその同行者のみが利用可能。各事業者の取扱窓口のみで発売。
こどもPASPY
子供用の記名式PASPY。年齢確認のため、購入時に公的証明書(保険証など)の呈示が必要。各事業者の取扱窓口のみで発売。
「12歳の誕生日経過後の3月31日まで」の有効期限があり、有効期限日の13日前(3月18日)から通常の(成人用)記名式PASPYに切り替えることが可能。
定期券を付加することも出来る(定期券の有効期限内に記名式PASPYへの切り替えは出来ない)。
割引PASPY
療育手帳身体障害者手帳保健福祉手帳を持つ人に発行する記名式PASPY。購入時・利用時に各手帳の呈示が必要で、本人とその同行する介護者のみが利用可能[注 4]。無記名式PASPYからの切り替えは出来ない。各事業者の取扱窓口及び,広島バスセンターのPASPY取扱窓口のみで発売。
有効期限は2年間で、期限が切れる前に更新手続きが必要。子供用もあり、有効期限はこどもPASPYに準ずる。
PASPY定期券
記名式PASPY・こどもPASPY・割引PASPYに定期券機能を付与したもの。
当該区間を運行する事業者が発行するPASPYに定期券機能を付与するが、自社でPASPYを発行しない事業者は、それぞれ発行元のPASPYに定期券を付与する形でPASPY定期券を発行している[32]
PASPY利用区間外や事業者間をまたぐPASPY定期券は発行できない[33]
PASPY定期券機能付与体制
付与できるPASPYの発行事業者 定期券区間運行事業者 備考
    広島電鉄 広島電鉄、エイチ・ディー西広島、なべタクシー、富士交通、野呂山タクシー
朝日交通、東和交通、呉交通、倉橋交通、瀬戸内産交、江田島バス
芸陽バス かつて芸陽バスが発行したPASPYも付与可
備北交通、君田交通 かつて備北交通が発行したPASPYも付与可
    広島バス 広島バス
    広島交通 広島交通、広交観光
    中国ジェイアールバス 中国ジェイアールバス
    鞆鉄道 鞆鉄道 紙製定期券の発行も継続
    中国バス 中国バス、井笠バスカンパニー 紙製定期券の発行も継続
    広島高速交通 広島高速交通、フォーブル
  • 廃業した呉市交通局は自社発行のPASPYに付与、井笠鉄道は鞆鉄道発行のPASPYに付与していた。
  • 中国バスでは他社との乗継定期券や企画定期券も発売しており、これらは従来通り紙製定期券で発行している。
    • 旧井笠鉄道バス路線を(中国バス社内カンパニー継承を経て)井笠バスカンパニーに移管した際、同社の車両でPASPY定期券をタッチすると、他社のPASPYとして認識されチャージ額から引き去られる可能性が判明した。このため、リーダーにタッチしても両社共通扱いとして認識できる定期券への無手数料での再発行を中国バスの定期券発売窓口で受け付けている。同時に再発行手続きが済んでいない定期券は井笠バスカンパニー車両ではタッチせず乗務員への呈示とすることを呼びかけている[注 5]。ただし、福山〜井原線の蓮池〜井原間・福山〜篠坂線の坪生峠〜篠坂を含む区間は発行しない[注 6]

事業者以外が発行するもの編集

ひろぎんPASPY
2009年4月13日より広島銀行が発行を開始した、PASPYに中国新聞読者向け会員組織「ちゅーピーくらぶ」会員証と非接触型クレジットカード「QUICPay」(JCB)または「Visa Touch」(DC VISA)を同梱したカード。交通事業者・銀行・マスコミ企業が提携したICカードとしては全国初で、サイバネ規格に準拠した8KBのプリペイド(前払い)機能とポストペイ(後払い式)機能を同時に搭載するマルチアプリIC(多機能)カードの発行も全国初[34]
広島銀行のクレジット一体型キャッシュカード「バリューワン」の子カードとして発行される(従って、ひろぎんPASPY自体にはキャッシュカード及び磁気式クレジットカードの機能は有しない)。バリューワンにはDC Masterブランドも発行されているが、このブランドではひろぎんPASPYを発行できない。またJCBブランドは家族カードのひろぎんPASPYの申し込みは不可。
ひろぎんPASPYの発行額は無料(デポジットも不要)であるが、チャージ額0円で発行されるので初めて使う前にチャージが必要となる。クレジットカードの子カードではあるが、クレジットカードからのチャージはできない。また定期券機能は利用できない。
2016年3月23日から、広島銀行が発行し広島県内の一部商業施設等で使用可能な地域電子マネー「HIROCA」を同梱したひろぎんPASPYの取り扱いを開始した[35]。JCBブランドにのみ対応し、ICカード乗車券(PASPY)・ポストペイ型電子マネー(QUICPay)・プリペイド型電子マネー(HIROCA)の3種を同梱したカードとして発行される。
サンフレッチェPASPY(新規発行終了)
2009年11月21日に申し込みを開始した[36]Jリーグサンフレッチェ広島シーズンシート券(シーズンパス)として発行されるPASPY[37]。サンフレッチェ広島の試合会場やオフィシャルショップ「V-POINT」およびサンフレッチェ広島の公式サイトからのオンライン販売で発行する[37]。Jリーグが導入したJリーグ全試合対象観戦記録システム「ワンタッチパス」に対応し、このPASPYでサンフレッチェの公式戦会場にも入場出来る。試合観戦に来るサポーターに対し、公共交通機関を利用してもらうため企画された[38]。デザインは、サンフレッチェのエンブレムとサポーターナンバーの「12」をあしらった。
新規販売価格は「シーズンパス料金+2,000円」で、デポジットと1,500円分のチャージが含まれている(継続購入時はデポジット・チャージ分の2,000円が不要)。ファンクラブ(サンフレッチェクラブ)会員以外でも購入可能だが、料金が異なる。「シーズンパスが付随したPASPY」であるため、PASPY単独での解約は出来ない。ただし、シーズンパスの有効期限が切れてもPASPY機能のみで使用することは出来る[39]
シーズンパスとしては開幕当初時点で開催が確定しているサンフレッチェ広島主管のホームゲームである、リーグ戦(17試合)・JリーグYBCルヴァンカップまたはAFCチャンピオンズリーグ (ACL) の各グループリーグ戦(3試合)のみ使用可能[37]。ルヴァンカップとACLの決勝トーナメント戦、ポストシーズンであるJリーグチャンピオンシップ(現在は廃止)、ならびに広島県サッカー協会主管の天皇杯全日本サッカー選手権大会及び全広島サッカー選手権大会(天皇杯広島県予選)では使用出来ない[37]
なお「サンフレッチェPASPY」としてのシーズンパス発行は2016年シーズンをもって終了し、2017年シーズン以降のシーズンパスはPASPYが搭載されない(旧シーズンパスは引き続きPASPYとして利用可能)[40][41]
いきいきパス
呉市が2012年4月より高齢者・障害者の外出支援事業として発行する、PASPY機能を利用した福祉乗車証[42]。満70歳以上の呉市民を対象にした「いきいきパス敬老」と、身体障害者手帳(第1種及び第2種第1-3級)を所持している呉市民を対象とした「いきいきパス障害者」の2種類があり、前者は1乗車当たり100円、後者は無料で乗車が可能。
福祉乗車証としての利用範囲は呉市内の広島電鉄・瀬戸内産交の路線バス(他市に乗り入れる路線は呉市内のみ)および呉市生活バスで、PASPY非対応の川尻・倉橋(長谷線のみ)・下蒲刈の各地区生活バスでは、いきいきパスを提示して現金を支払う。その他の路線は通常の記名式PASPYと同じ扱い。

記念PASPY編集

  • 市内電車サービス開始記念PASPY 発売額2,000円(デポジット500円含む)
    発行会社・広島電鉄 発売日2009年3月1日 発行枚数1万枚(先着7,000枚までは記念台紙付き)
    この記念PASPYも定期券機能をつけることが可能である。
  • 「広島東洋カープ×広島電鉄コラボPASPY」 発売額2,000円(デポジット500円含む)
    発行会社・広島電鉄 発行枚数3万枚(専用の台紙付き)
    2017年3月にハガキによる事前申し込みで抽選を行い、当選者に発送される引き換えハガキと引き換える形で2017年6月に発売。
    この記念PASPYも定期券機能をつけることが可能である。

利用方法編集

 
PASPY読み取り機(乗車時用)
 
PASPYチャージ機(広島バスセンター
 
PASPYのチャージに対応したATM(広島信用金庫)
 
「タッチ&ゴー」の動き

チャージ編集

チャージは、以下の何れの方法でも1,000円単位で最大20,000円までのチャージが可能となっている。

このうち、全国の交通系ICカードのチャージは、バス車内および電車車内(広島電鉄)でのみ可能である。ICOCAのチャージに限り、アストラムライン各駅の券売機・のりこし精算機でも可能であるが、その他の方法ではPASPY以外のICカードにチャージ出来ない[43]

販売窓口
PASPY販売窓口に申し出てチャージする。
バスカード、アストラムカード、パセオカード(以下「バスカード」と総称)といさりびカードは窓口でPASPYへの残高移し替えによるチャージが可能である(2012年3月31日まで、バスカードについては一部社局が取り扱いを2020年3月31日までに延長。)。広島市発行のいきいきカードと井笠バス専用バスカード山口県共通バスカード岩国市交通局いわくにバス発行分を含む)は移し替えが出来ない。
自動券売機のりこし精算機(アストラムライン)
アストラムラインの券売機・のりこし精算機を操作することにより、一定額(1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、10,000円)を現金でチャージする。
領収書も発行でき、券売機ではカードの利用履歴の表示や印字もできる。
専用チャージ機
広島バスセンターや広電電車のホームなどに設置されている。PASPYをホルダーに差し込んで使用し、券売機同様に一定額を現金でチャージする。
バス車内
バス乗務員に申し出てPASPYを運賃箱にかざし、運賃箱の紙幣投入口に現金を投入してチャージする。バス車内では残額が1万円を超える場合はチャージが出来ない。「広島地区共通バスカード」とは異なり、購入・チャージ時にプレミア金額は上乗せされないが、運賃支払い時に最大1割引となる(後述)。
電車車内(広島電鉄)
先頭または最後尾の運賃箱にある「チャージ」ボタンを押し、運賃箱の紙幣投入口に千円札を投入してチャージする。1回の操作で1,000円ずつしかチャージ出来ないため、2,000円以上をチャージする場合にはこの操作を繰り返す。
ATM
広島県内の広島銀行広島信用金庫呉信用金庫しまなみ信用金庫広島みどり信用金庫の一部ATMでPASPYにチャージすることができる。IC乗車カードのATMでのチャージは全国初[44]
ATMでのチャージは現金の他に、キャッシュカード・通帳を使用して口座から直接チャージもできる。クレジットカードでのチャージやオートチャージインターネットバンキングには対応していない。

バス・電車での利用編集

バス・広島電鉄では、乗車時にカードリーダーにタッチして乗車情報を記録し、降車時に運賃箱のカードリーダーにタッチして事前にチャージ(入金)した金額から区間料金を精算する(運賃前払いの路線では乗車時のタッチ時に精算を行う)。均一区間でも乗車時に乗車情報を記録する必要があるほか、誤乗車の場合は窓口で入場記録を消去するまで使用出来ない。

アストラムラインでは、乗車駅で自動改札機のカードリーダーにタッチし、乗車駅や時刻などの情報を記録する。PASPYが正確に認証された場合は電子音とともにゲートが開き、正確に認証されない場合、またはカードが使用できない場合は電子音や音声が鳴って即座にゲートが閉まるようになっている。下車駅では、乗車時と同じように自動改札機のカードリーダーにPASPYをタッチすると、乗車時に記録された情報を元に運賃が計算され、チャージ金額から運賃分が引き去られる。

船舶・ロープウェイでの利用編集

宮島ロープウエーは改札がPASPYに対応しておらず、山麓紅葉谷駅切符売場にて乗車券を購入して利用する(山頂獅子岩駅でのPASPYを使っての乗車券購入は不可)。また、PASPY割引は大人・小人ともに往復のみ適用され、片道・障害者乗車券の場合は適用されない。

宮島航路では、乗下船時とも宮島側に設置された読み取り機にタッチすることにより利用可能。ICOCAへのチャージは宮島口側では桟橋ではなく、近接する山陽本線宮島口駅広島電鉄宮島線広電宮島口駅前のセブン-イレブン広島宮島口店で対応する。宮島側ではJR西日本宮島フェリーの窓口でのみ可能(宮島松大汽船はICOCA非対応の自動チャージ機がある)。

瀬戸内海汽船の場合、広島港・呉港・松山観光港の窓口で高速船・フェリーの乗船券を購入することにより利用可能。共同運航の石崎汽船便にも対応している。

その他編集

  • ひろしまカレッジの受講証として利用可能。
  • 2012年10月、地域の企業でつくるICカードの活用を考える「ひろしま地域カード連携コンソーシアム」に参加した。コンソーシアムを通じてICカードの活用に前向きな病院や大学や企業に、診察券や学生証、社員証との一体化を提案するとしている。

割引サービス編集

以下の割引サービスが設定されている[45]。なお、全国の交通系ICカードで利用した場合は「1人1枚で利用した場合の電車乗り換え制度」以外は適用されない[25]

PASPY割引
現金で利用した場合の運賃に対して10%割引(10円未満の端数は切り上げ)により残高を引き去る。ただし、一部適用されない路線・事業者もある。
例えば、230円区間の場合、PASPYからの引き去り額は、230円の10%引き=207円の端数切り上げ=210円となる。
小児割引または特別割引が適用される場合はそれらの当該割引が優先される。
乗継割引
バスとバス、または路面電車とバスを1時間以内に乗り継いだ場合、2回目に乗車したバスまたは路面電車で20円(小児・割引運賃適用者は10円)の割引。ただし、一部適用されない路線もある。
アストラムラインとフィーダーバスフォーブル)を1時間以内に乗り継いだ場合、2回目に乗車したアストラムラインまたはフィーダーバスが20円(小児・割引適用者は10円)割引となる。
電車乗り換え制度
広島電鉄の路面電車の市内線の全電停で降車した電停(紙屋町東・紙屋町西本通は同一電停扱い)で60分以内に再乗車する場合、後戻り乗車になっていない限り継続乗車扱いとなる[46]
2019年9月30日までは広島電鉄の路面電車の指定された乗換電停(紙屋町東・紙屋町西・本通は同一電停扱い)で30分以内に行先が異なる電車へ乗り継ぎの場合、継続乗車扱いとなっていた。
現金決済時に配布される「乗換カード」の機能をPASPYに持たせたもの。

歴史編集

  • 2007年平成19年)
    • 7月2日 - 広島県内のバスや路面電車などで運賃支払いができる共通ICカードの名称が「PASPY」に決まった事を公表[47]
    • 9月24日 - 「ひろしまバスまつり」で、PASPYのマスコットキャラクター候補の人気投票やエイチ・ディー西広島(ボン・バス)の車両に搭載された読み取り機での乗車体験など広報宣伝を行う[48]
  • 2008年(平成20年)
    • 1月 - 中国バス・井笠鉄道(2008 - 2009年度導入)が参加を表明し、広島県発行の「ひろしま県民だより」にも掲載される。
    • 1月12日 - 導入日を正式に発表。
    • 1月23日 - PASPY取り扱い窓口でPASPY発売開始。
    • 1月26日 - 広島市内中心部と一部郊外線、福山市内循環線の路線バスと広島 - 呉・蒲刈線のバスや広島 - 三次・庄原・東城線、広島 - 広島空港の高速バスからサービス開始。
    • 3月1日 - 西日本旅客鉄道(JR西日本)のICOCAがPASPY利用路線で使用可能になる[26]。広島電鉄が軌道線の白島線に導入。
    • 10月25日 - 広島電鉄などバス7社52路線294両にPASPYを導入[49]
    • 12月20日 - 広島電鉄などバス6社38路線189両にPASPYを導入[50]。広島電鉄が運行を受託している府中町「つばきバス」にもPASPYを導入[51]。広島県内のコミュニティバスへのPASPY導入は初めて。
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)
    • 1月31日 - バスカード(井笠バス専用バスカードを除く)、アストラムカード、パセオカードをPASPY導入している会社すべてで販売を終了。
    • 4月8日 - ソニーの「SFCard Viewer2」でPASPYの残高、利用履歴が確認できるようになる[63]
    • 4月10日 - 府中市で市街地循環バスの試験運行を開始し、PASPYを導入[64]
    • 8月2日 - 石見交通運行の「いさりび号」でもPASPYが利用可能になる[65][注 7]
    • 10月1日 - 試験運行を行っていた府中市の市街地循環バスを「府中ぐるっとバス」として本格運行開始(右まわり便のみ)。引き続きPASPYも利用可[67]
    • 10月2日 - 三次市街地循環バス「くるるん」の運行を開始し、PASPYを導入[68]
  • 2011年(平成23年)
    • 3月31日 - バスカード、アストラムカード、パセオカードのサービスを終了。
    • 4月23日 - ひろしまカレッジのIC受講証サービス開始[69]
  • 2012年(平成24年)
    • 3月31日 - 呉市交通局、バス事業廃止による広島電鉄への事業譲渡に伴いPASPYの販売を終了。
    • 7月1日 - 瀬戸内産交さんようバスの一部路線でPASPYを導入[70]
    • 10月 - 「ひろしま地域カード連携コンソーシアム」に加盟。
    • 10月31日 - 井笠鉄道、バス事業廃止による全路線にバスカードのサービスを終了。
    • 11月1日 - 中国バスの社内カンパニー「中国バス・井笠バスカンパニー」が、井笠鉄道の路線とPASPY定期券発行範囲を継承(定期券に付帯するPASPYの発行会社が鞆鉄道から中国バスに変更)。
  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日 - 中国バス・井笠バスカンパニーの広島県完結分が「中国バス・井笠バス福山カンパニー」に名称変更。PASPY関連は引き続き旧井笠鉄道の範囲を担当。広島電鉄、高速バス「グランドアロー号」での利用範囲が広島県内のみに変更。
    • 10月1日 - 中国バス・井笠バス福山カンパニーの路線を同年4月から岡山県との越境路線を担当している中国バスの100%子会社「株式会社・井笠バスカンパニー」に移管。PASPY利用会社としての旧井笠鉄道関連の業務も継承。
  • 2014年(平成26年)
    • 9月 - ICカードシステム(センターサーバ)を更新[4]。東芝[5]からNEC[6]へ、ICカードシステムの「ベンダースイッチ」を行う。
    • 9月30日 - 備北交通、自社発行のPASPYの販売を終了(広島電鉄発行のPASPY販売に切り替え)[32]
    • 10月1日 - 広島電鉄の呉市一部路線撤退に伴い生活バス運行7社によるPASPYの利用開始[71]
    • 10月31日 - 芸陽バス、自社発行のPASPYの販売を終了(広島電鉄発行のPASPY販売に切り替え)[32]
  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日 - アストラムライン新白島駅が開業。定期券窓口が新設され、PASPYの取扱を開始。
  • 2016年(平成28年)
    • 9月27日 - 広島県外の事業者としては初めていわくにバス岩国錦帯橋空港シャトルバス専用車両にPASPYを導入[72][注 8]
    • 9月30日 - 安芸高田市のコミュニティバス「お太助バス」での利用が運行業者の変更に伴い終了[19]
    • 10月31日 - 広島電鉄、高速バス「グランドアロー号」の広島県内での利用が終了。
  • 2017年(平成29年)
    • 3月1日 - 広島バスで、PASPY定期券の販売開始[73]
    • 3月13日 - 呉交タクシーが「呉交通」に社名変更[74]
    • 7月1日 - いわくにバスが、高速バス「岩国 - 広島線」でPASPYを導入[75][注 8]
    • 10月1日 - 東広島市で西条市街地循環バス「のんバス」の運行が開始されPASPYを導入[76]
  • 2018年(平成30年)
  • 2019年(平成31年・令和元年)
    • 1月29日 - 君田交通が、「川の駅三次線」で交通系ICカード全国相互利用サービスの片利用を開始[78]
    • 4月 - 海田町「ふれあいバス」にPASPY導入[18]
    • 10月1日 - 広島電鉄が呉市の一部路線を呉市生活バス6社に移管し、広電バスと呉市生活バスとの運賃が通しで計算される直通乗継割引制度を導入[79]
    • 10月26日 - 府中市「府中ぐるっとバス」左まわり便の車両を更新[注 9]し、PASPYを導入[81][82]。これにより、右まわり便・左まわり便ともにPASPYが利用可能となる。
    • (年内) - いわくにバス全路線で導入完了[13]
  • 2020年(令和2年)

今後の予定編集

PASPY導入を検討
  • 廿日市市コミュニティバス「佐伯さくらバス・佐伯デマンドバス」、「吉和さくらバス・吉和デマンドバス」
将来的に導入することを検討している[87]
2020年度以降の車両更新を踏まえて、導入時期を検討している[87]
  • 安芸高田市「お太助バス」[注 10]
先述の通り、運行事業者の変更でPASPYが利用不可となったが、運賃体系の見直しと合わせて導入が検討されている。なお、「費用対効果を踏まえて、PASPYなどの交通系 IC カードだけでなく、電子マネーによる決済の可能性についても検討する」としており、デマンド交通の「お太助ワゴン」にも導入の構想がある[88]
導入の意向を明らかにしていないが、尾道市が市内を走るバスの利便性強化策としてICカード導入を掲げており、検討を行っている[89][90]
船舶への導入を拡大し、陸上交通との連携強化を図るとしている[91]
割引サービスの導入を検討
PASPYで運賃を支払っても各種割引が適用されないが、町内を走る一般路線バスとの相互の利用促進を図るため、PASPY割引や乗継ぎ割引の導入について検討を行うとしている[92]


この他、将来的に電子マネーに対応し、店舗でも利用可能な構想が発表されているが、具体的な時期などは決まっていない。

脚注編集

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注記編集

  1. ^ ただし、別分野ではすでに他社が商標登録している。
  2. ^ 備北交通のシステムを利用してPASPYを導入している[14]ため、備北交通を介して広島電鉄と精算する形となる。
  3. ^ エンゼルキャブはPASPYを導入しないまま2020年9月30日で路線バスの運行から撤退し、翌10月1日からフォーブルに移管され、同社の平和台(団地)線として運行されている[23]
  4. ^ 同行する介護者の割引条件とその内容は旅客輸送業で異なる。
  5. ^ 2013年9月28日付で、中国バス営業部名で福山駅前案内所1・2番窓口及び両社バス車内に重要事項として掲示されているが、両社の公式ホームページには記載されていない。
  6. ^ 他のPASPY対応路線と重複せず、かつPASPYリーダーを装備していない笠岡営業所の車両も使用されるため、紙製定期券のみ発行する。ただしPASPY定期券発行区間内では笠岡所属車でも中国バス発行分を含むPASPY定期券を券面呈示で利用可能。
  7. ^ 「いさりび号」には同路線対応磁気式乗車カード「いさりびカード」が導入されていたが、同年8月31日をもって発売終了、翌2011年3月31日をもって利用停止している[66]
  8. ^ a b PASPY導入車両では、山口県共通バスカードおよび岩国市発行の敬老優待乗車証の利用が出来なくなった。
  9. ^ 「府中ぐるっとバス」の左まわり便は、2017年10月2日から試験運行を開始し2018年4月2日から本格運行に移行した[80]。右まわり便とは異なり、運行開始の際に交通系ICカード対応車両は導入されなかった。
  10. ^ 安芸高田市地域公共交通網形成計画では「市内完結路線バス」の美土里線、吉田線、高宮線、向原線としている。これらは、安芸高田市内のタクシー事業者に運行を委託しており、2016年10月1日からは芸北タクシー、高宮中央交通、ニコニコタクシー、三ツ矢タクシー、向原タクシーが系統ごとに分担して運行している[88]

出典編集

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関連項目編集

外部リンク編集

PASPY運営協議会加盟各社局 発行
ICカード乗車券

カテゴリ