死刑の歴史では刑罰としての死刑の歴史について記述している。

中世以前の死刑編集

 
中世ではないが1921年アフガニスタンで行われた刑罰。この事例では強盗犯がかごの中に閉じ込められ餓死した。

死刑は、身体刑と並び、前近代(おおむね18世紀以前)には一般的な刑罰であった。また、「死刑」という刑罰があったわけではなく、多くの「死に至る(ことが多い)刑罰」が並行して用いられていた。たとえば壁に埋め込めたりして餓死させる方法もあった。

懲役・禁錮などの自由刑が普及する前の時代(おおむね18世紀頃まで)には、現代とは異なり、死刑は必ずしも重罪に適用される刑罰とは限らず、比較的軽度の犯罪でも簡単に死刑が適用されるものであった。前近代における死刑は、多様な犯罪に適用される刑罰であったことから、単に「生命を奪う」ということのみを目的とするものではなく、身体刑の要素も含まれた複数の死刑方法が採用されていることが一般的であった。

みせしめの手段として死刑を残酷に演出するために、車裂き鋸挽き釜茹火刑溺死刑、石打ち首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑凌遅刑など、その執行方法は多種に及んだ。また公開処刑も古今東西行われていた。犯罪行為に対するものにかぎらず社会規範を破った事に対する制裁[1] として死刑が行われていた時代もあった[2]

苦痛の多い「重罪用の死刑」や苦痛が少ない「軽犯罪用の死刑」、あるいは「名誉ある死刑」「不名誉な死刑」などが使い分けられており、処刑方法ごとに別種の刑罰と受け止められていた[3]。また、「生命を奪うことを目的とする刑罰」という現代的定義があてはまるとは限らず、「死亡する確率が極めて高い身体刑」という定義も可能だった。このような認識があったことの裏付けとして「生き残った場合には『刑は執行済』として放免される」という現象が見られたことを挙げることができる。「受刑者の死亡」自体が刑の目的となり、現代的な意味での「死刑」という概念が確立されるのは、のちの時代になってからである。他にも神明裁判で「死ねば(死ななければ)有罪」とされるように、結果的に裁判方法と刑が兼ねる場合も存在した(死ななかった場合に有罪とされる場合は、改めて死刑に処された)。死体の処分法も刑に含まれることもあり、特にアブラハムの宗教であるユダヤ教キリスト教では死体を焼かれると最後の審判の時に復活できないとされているため、受刑者の精神的重圧は強かった。

死刑が多様な犯罪への処罰として用いられてきたこと、また多様な死刑が存在していたことの理由としては、自由刑が普及するまでは「犯罪者を長期にわたって拘束・収容する」という発想・制度が存在しなかったことが挙げられる。結果として、再犯を防ぎ社会的な秩序を守るために死刑が適用されることが多かった[4]

この時代の死刑には、犯罪者を社会から排除することだけではなく、犯罪抑制の観点から見せしめ・報復としての機能も重視されていた。そのため、特に重罪向けの死刑の場合は、「より残虐なもの」「より見栄えのするもの」であるよう工夫された。また秘匿して行うという発想はなく、しばしば祭りとして扱われた。古代では裁判・処刑は支配者の特権であり、斬首用のや撲殺刑用の棍棒といった処刑用具は王権の象徴であった。

近代における死刑の変遷編集

近代に至って、西洋人権という新しい概念が開発され、民主主義・資本主義への移行に伴い統治機構の整備・改革が行われるにつれ、死刑の扱いは変更された。

まず、啓蒙時代のカントやロックが、刑罰を「人権侵害に対する国家による報復である」と位置付け、死刑はあくまで生命権を侵害したもの、懲役は自由権を侵害したものに科せられるべきと論じた。そのため死刑は「重大犯罪に対する特別な刑罰」と位置づけられるようになり、比較的軽度の犯罪については新たに普及しはじめた自由刑に移行していった(自由刑の普及には、「受刑者を死なせるよりは、労働力として活用する方が社会にとってメリットがある」といった経済的事情もからんでいる)。

また、祭事性が否定され、非公開とされる傾向が強まった。

さらに、身体刑の要素が削減されて刑罰内容が「生命を奪う」ことに純化され、方法は「強い苦痛を与える方法」を避けて「ギロチン」「絞首刑」「電気椅子」「毒物注射」「銃殺刑」などの比較的短時間にあまり苦痛を伴わずに死ぬようなものに変わっていった。この変化にあわせて、多くの国で死刑の方法が1種類ないしごく少数の種類に統合され、死刑の中での区別が行われにくくなる(行われなくなる)という変遷も生じている[5][6][7]

現代における死刑編集

概要編集

現代の一般的な法体系においては、死刑は一番重い刑罰とされる(極刑とも呼ばれる)。非常に重いとされる罪・主に殺人罪に対して科されるのが一般的である[8]

21世紀初頭の時点では、死刑について、さまざまな国がさまざまな考え方をしており、人類としての合意は存在しない。その結果として、死刑存続国と廃止国の間では外国人が死刑になるような事件が起きると外交問題へと発展する事例も増えている[9]。シンガポールではオーストラリア人の麻薬犯罪者に対して一度死刑を執行したが、外交問題に発展し、以降は執行されなくなった。また、死刑判決が下る可能性がある犯罪者が死刑廃止国へ逃亡した場合には、引き渡しを拒否される事例も増えている。

死刑執行が多い国編集

アムネスティ・インターナショナル2020年の死刑執行数において、イランエジプトサウジアラビアイラクを合わせた執行数は、推計であり不明の中国北朝鮮ベトナムシリアが含まれていないが、少なくとも世界の全執行数の約88%を占める。

2020年では2018年の推定であり年は違うが、推定数を全世界における死刑執行推定数に含めた場合、全世界で執行された死刑囚の数の約81%が中国となる。また、中米対話基金の報告による2018年の推計数値であるが2000人について執行された。中国では死刑方法は銃殺刑と薬殺の2つである。前者は殺人や薬物犯罪等の一般犯罪に対して、後者は汚職等の経済犯罪を犯した場合に執行されており、現在も銃殺刑が主流である。また、2006年まで公開処刑が行われたが、北京オリンピックを前にして、国際世論、特に死刑制度を廃止している欧州諸国からの批判をかわすため、2007年以降は公開処刑は行わなわれていない。そして汚職は近年では、死刑になることは稀であるが、汚職によって得られた金額の大きさや社会的影響、2012年の第18回共産党大会以降に行われたものも含まれているか(この大会の一中全会で習近平中国共産党中央委員会総書記に選出された。更に、習近平は「大トラもハエも一緒にたたけ」とのスローガンを掲げ、権力闘争の一面があると指摘を受けながらも反腐敗運動を展開している)によって、死刑判決が下されることがある[10]新型コロナウイルス感染症が流行した2020年には、新型コロナウイルス感染対策として実施が予定されていた移動制限の実務担当者2人を殺害した男性を事件発生から半年足らずで、死刑執行させた[11]

第2位であると同時に、人口比率で最大なのはイランで人口が8,280万人の中東のイスラーム国家で、246人である。なお、日本(人口:約1億2400万人)では、2017年には4人2018年には15人2019年には3人に対して死刑執行が行われており、1977年以降2008年と2018年のオウム真理教事件加害者13人の執行を除けば、1桁台で推移している。

イランや他のイスラーム国家の場合は、イスラム教の戒律を名目として離教や同性愛や不倫にも死刑が適用される。またレイプ被害者の女性が強姦の事実を認めた後、イスラーム法で定められた4人の証人による立証をしそこなったため死刑になる事例も存在する。加害者は死刑ではなく鞭打ち刑で済むこともある。

死刑の方法に関しても、イスラーム法に依拠した投石や生き埋めなどの死刑方法は、他国から残虐であると非難されている。

これに対しイスラーム国家の擁護者からの反論として、不倫、同性愛は汚らわしい性的倒錯であり、死刑になって当然であるという意見、投石や生き埋めなどの刑罰は慈悲深く慈愛遍きアッラーフのお定めになった神法であるという意見、離教は真実の教えイスラームを受け入れた後そこから離れた許されざる犯罪であるという意見などが出されている。(イランやサウジアラビアの場合は、死刑以外の刑でも常習窃盗犯には断手などの身体刑障害の残る暴行においては手術によって同じ障害を与えるなどの徹底した応服主義に則っているので死刑以外の刑の非難も多い)。

ちなみにレイプ被害者が死刑にされたという事例は、イランで2004年8月14日に死刑判決が下り翌朝執行された16歳の少女である。この少女は13歳の頃に少年と2人きりでいたという理由で鞭打ち刑を受けた経験がある少女で、51歳の既婚の男性からレイプされそのことを黙っていたことによる罪で逮捕され、近所住民から彼女は不道徳であるという訴えを加え、裁判でレイプされたことを実証出来なかった上に着ていたベールを裁判中に投げた結果、死刑判決が下ることとなった。裁判では見た目から彼女の年齢を22歳ということにさせられ、また死刑執行の際に家族に死刑執行することを伝えなかった。また、この加害者の男性は95回の鞭打ち刑で済んだ。この内容を2006年になりBBCが伝えた。

第3位はエジプトで少なくとも107人が執行されている。前年の推定32人から107人と前年に比べ3倍以上に増加しており、死刑執行された23件は政治的暴力に関連した事件で有罪とされた人々に対するものであり、拷問や自白の強要がされていと指摘されている[12]。更に、2016年以降アフリカ諸国で最も死刑執行している国である。

同じイスラーム国家であり、2019年に3位にいたサウジアラビア2020年27人が死刑執行された。またこの年は、薬物関連の犯罪での死刑執行が一時停止された影響により、前年の184人から21人と9割近く減少している[12]

サウジアラビアの死刑囚の大半は外国人労働者であり、死刑が適用される犯罪が、麻薬の密売、売春、国王又はイスラム教(特にワッハーブ派)に対する冒涜といった人命を奪わない犯罪に対しても死刑が適用されている。また、インドネシアとの間で、メッカで働いていた家政婦が雇用主の暴行に反撃し刺殺したインドネシア人家政婦を斬首刑にしたことで外交問題に発展したこともある。

米国では2020年で17件の執行があり、かつて1999年は98件と100件近かったが、2000年以降減少傾向である。2011年以降の執行方法の傾向として、主に薬殺で行われており、2013年1月16日に行われたバージニア州でのロバート・グリーソンへの執行を除き全てテネシー州で電気椅子による死刑が行われる。また、1977年から2020年まで全米で1,529人に執行され、その内の約88%に当たる1,349人が薬殺刑によって執行され、残りの薬殺刑以外の死刑執行においては約91%が電気椅子である[13]。死刑囚の人種別では、2020年10月1日時点において、死刑囚の人種別では、42.15%が白人、13.44%はラテン系、41.60%が黒人、2.81%がその他の人種であった[14]

多くの国では未成年者を処刑することを禁止しているが、犯行時18歳未満であった者を処刑した国が、1990年以降に8ヶ国存在した。このうち、米国は1990年から、連邦最高裁により違憲が出された2005年5月までの間に、犯行時に16歳だった者を含む19人を処刑し、世界一の執行数を記録させた。また、2020年では少なくとも3人が、18才未満で犯した犯罪で処刑された。国別では、全てイランである。また、モルディブもこの要件に相当する死刑囚がいる可能性がある。そして、最多であるイランでは1990~2020年の間に、18歳未満の少年104人の死刑執行が報告されている[15][16][11]

死刑制度の現状編集

死刑制度が存置し、かつ死刑の執行が行われている国の一覧編集

世界の国のなかには死刑制度は存置(刑事事件では適用されなくても戦時犯罪では適用される等)している国も少なくないが、ロシアや韓国のように死刑制度があり、死刑判決が言い渡されていても10年以上死刑執行が行われていなければ、事実上死刑制度停止国としてカウントされている場合もある。そのため下記の表は2020年に死刑の執行が行われた国の一覧である。ただし、これらの数字は確認できる最小限の数字である。なお、いずれも公式な裁判によって死刑が確定し死刑の執行が行われたものであり、治安部隊が秘密裏に故意に殺害した場合や秘密裁判による非公開の死刑執行が行われている可能性のある国は含まれていない。秘密警察などの拷問による死亡や、正規の刑事手続きによる裁判を行わずに、当局が即決で死刑にしたような場合はもっと存在すると言われている。

これは死刑の執行に関して秘密行刑主義を採っている国が多いためであり、中国、シンガポール、マレーシア、北朝鮮といったアジア諸国では公式発表は正確ではないといわれている。特に北朝鮮では密輸や密出国者、窃盗犯を裁判せずに即決の公開処刑しているとの報道もある。また、ミャンマー(ビルマ)は公式には死刑執行はないとされてはいるが、2007年ミャンマー反政府デモでは多くの市民が犠牲になっており、日本人カメラマンの長井健司のように故意(ミャンマー当局は否定しているが)に兵士に狙撃[17] されたほか、別の場所に連行された僧侶の遺体が川に浮かんでいたとの報道もあった。そのため下記の数値は最小のものであり、実際にははるかに多くの死刑執行が行われている可能性が高い。

また、新型コロナ感染症流行の影響により、裁判の遅れや司法手続きの停滞が生じている。また、その影響により  シンガポール  日本は無しであった。ヨーロッパ唯一の死刑存置国である  ベラルーシは、2020年8月に行われたベラルーシ大統領選挙の不正に対する抗議活動等の混乱により執行は無かった。

2020年の執行数[11]
1位   中華人民共和国 1000人以上。少なくとも2000人(2018年推定)[18]
2位   イラン 少なくとも246人(推定)
3位   エジプト 少なくとも107人(推定)
4位   イラク英語版 少なくとも45人(推定)
5位   サウジアラビア 21人
6位   アメリカ合衆国 17人
7位   ソマリア 少なくとも11人(推定)
8位   イエメン 少なくとも5人(推定)
9位   インド 4人
10位   オマーン 少なくとも4人(推定)
11位   ボツワナ 3人
12位   南スーダン 少なくとも2人(推定)
12位   バングラデシュ 2人
14位   台湾 1人
14位   カタール 1人
-位   北朝鮮 未発表。2013年は少なくとも推定82人が公開死刑執行されている。

また、2008年には少なくとも推定161人が公開死刑執行されている[19]

-位   シリア 未発表
-位   ベトナム 未発表。2018年の執行数は少なくとも推定85人であった。

下記の表は2019年に死刑の執行が行われた国の一覧である。なお、いずれも公式な裁判によって死刑が確定し死刑の執行が行われたものであり、治安部隊が秘密裏に故意に殺害した場合や秘密裁判による非公開の死刑執行が行われている可能性のある国は含まれていない。

2019年の執行数[16]
1位   中華人民共和国 未発表[20][21]。少なくとも2000人(2018年推定)[22]
2位   イラン 少なくとも251人(推定)
3位   サウジアラビア 184人
4位   イラク英語版 少なくとも100人(推定)
5位   エジプト 少なくとも32人(推定)
6位   アメリカ合衆国 22人
7位   パキスタン 少なくとも14人(推定)
8位   ソマリア 13人
9位   南スーダン 少なくとも11人(推定)
10位   イエメン 少なくとも4人(推定)
11位   シンガポール 4人(推定)
12位   バーレーン 3人
13位   日本 3人
14位   バングラデシュ 3人
15位   ベラルーシ 少なくとも2人(推定)
16位   ボツワナ 1人
17位   スーダン 1人
-位   北朝鮮 未発表。2013年は少なくとも推定82人が公開死刑執行されている。

また、2008年には少なくとも推定161人が公開死刑執行されている[19]

-位   シリア 未発表
-位   ベトナム 未発表。執行数は、前年に近いと推測されている。

2018年の執行数は少なくとも推定85人であった。

以上のことから、中国の死刑執行が際立って多いが、イスラム法による厳罰主義を採っているアラブ諸国も多い。なお、アムネスティ・インターナショナルによれば、中国は2020年に1000人以上が死刑執行されていると推測している。しかしながら中国は政府に都合の悪い情報公開を行わない国であり、死刑に関する統計は内政問題であるとして国際社会に充分に開示していない。そのため、中国の死刑執行推定数はアメリカのある人権団体「中米対話基金」によれば、減少傾向にあるものの2018年は2,000人が死刑執行されているとの推計を出し、2004年までは1万人以上の死刑執行がされていた[23]。そのため、人口が世界最大とはいえ処刑が多く欧州諸国から人権侵害との国際的非難を受けている。同様に麻薬所持で死刑が執行される厳罰主義のシンガポールも非難を受けている。

また、日本は先進国ではアメリカについて多いが、州知事が死刑執行命令書を出すアメリカと違い、法務大臣が死刑執行命令を出している為、政府が積極的に死刑制度推進を進めているといえるため、前述のように欧州諸国から「日本の人権問題」として中国と同様に非難を浴びる場合もある。

参考に、19世紀ごろのヨーロッパ諸国(イギリスは別途、18世紀後半も含めた期間のデータ)及び日米の死刑宣告数(日米除く)及び死刑執行数を下表に掲げる。

(参考)19世紀のヨーロッパ諸国(イギリスは別途、18世紀後半も含めた期間のデータ)及び日米の死刑宣告数(日米除く)及び死刑執行数

国名 期間 全体 1年平均 執行率
(%)
死刑廃止年 最後の
死刑執行年
死刑宣告数(人) 死刑執行数(人) 死刑宣告数(人) 死刑執行数(人)
  イギリス 1847年1860年 787 141 56.2 10.1 17.9 1998年 1964年
イングランド
1865年1867年 73 29 24.3 9.7 39.7
  フランス 1861年1865年 108 72 21.6 14.4 66.7 1981年 1977年
  ベルギー 1832年1855年 613 47 18.0 1.4 7.7 1996年 1950年
  ポーランド 1849年1862年 327 65 23.4 4.6 19.9 1997年 1988年
  オーストリア 1860年1863年 103 12 25.8 3.0 11.7 1968年 1950年
  スウェーデン 1857年~1860年 325 29 81.3 7.3 8.9 1972年 1910年
プロセイン 1818年~1865年 1372 449 28.6 9.4 32.7 1987年 1981年
(参考)
  日本 1872年 - - - 1,126 - - -
1897年 - - - 21 - - -
1890年1899年 - 468 - 50.7 - - -
  アメリカ合衆国 1825年1849年 - 894 - 35.8 - - -
1850年1874年 - 1,364 - 54.6 - - -
1875年~1899年 - 2,521 - 100.8 - - -
  イギリス
1770年1830年 35,000 7,000 573.8 114.8 20.0 1998年 1964年
イングランド
  • ヨーロッパ諸国の死刑宣告数及び死刑執行数は、1876年(明治9年)10月13日に行われた元老院会議の改定律例249條1項改正ノ件(號外第16號意見書)第3議会における細川潤次郎の発言による[24]
  • プロセインの死刑廃止年と最後の死刑執行年は、どちらも東ドイツである。
  • 1770年~1830年に行われたイギリスの死刑宣告数及び死刑執行数は、「死刑の在り方についての勉強会」 の添付資料による[25]
  • 日本の死刑執行数は、昭和43年版白書[26]で記録の有る1872年(明治5年)~1900年(明治33年)の中で、最多年(1872年[明治5年])と最少年(1897年[明治30年])及び1890年代の累計死刑執行数と1年平均死刑執行数を掲載している。
    但し最多年の死刑執行数は、鞠山騒動によりこの年の4月3日敦賀県の裁判で自裁が下され自裁した4人[27]加賀本多家旧臣の敵討ち(明治の忠臣蔵と言われている。本多政均暗殺事件に関わった人物らを加賀本多家旧臣ら15人により殺される。また、1873年(明治6年)2月7日布達の太政官第37号「復讐禁止令」が出される以前の最後の仇討ちである。)により、この年の11月4日石川県刑獄寮の裁判で自裁が下され自裁した旧臣12人がいるが、それら16人の切腹は含まれていない[28]
  • アメリカはNPO団体『死刑情報センター(Death Penalty Information Center)』の「EXECUTIONS OVERVIEW Executions in the U.S. 1608-2002: The Espy File」[29]の1825年~1899年の間のデータである。

死刑制度を全面的に廃止した国の一覧編集

下記の表であるが、法律上死刑を廃止した年と、戦時を除く通常犯罪に対する廃止年である。また参考に最後に死刑執行が行われた年も判明している場合記載している。これから判るように長期の死刑執行猶予期間を経て死刑が廃止される国も少なくない。実際に「ギネスブック」に「1798年に世界で最初に死刑を廃止した国家」として掲載[30] されているリヒテンシュタイン公国の実際の死刑制度廃止年は1987年(最後の死刑執行が行われた年は1785年)の事であり、それまで2世紀にわたり事実上死刑存置国であった。また平時で死刑が廃止されていても、戦時では死刑が執り行われる場合もある。

国名 全面死刑廃止年 通常犯罪のみ廃止年 最後の死刑執行年
アルバニア 2007年 2000年
アルメニア 2003年 - -
アンドラ公国 1990年 - 1943年
アンゴラ 1992年 - 1977年(ニト・アルヴェス[31]
オーストラリア 1985年 1984年 1967年
オーストリア 1968年 1950年 1950年
アゼルバイジャン 1998年 - 1993年
ベナン 2016年[32] - -
ベルギー 1996年 - 1950年ナチス強制収容所所長
ボスニア・ヘルツェゴビナ 2001年 -
ブータン王国 2004年 - 1964年
ボリビア 2009年 1997年 -
ブルガリア共和国 1998年 - 1989年
ブルンジ 2009年 - 1997年[33]
チャド 2020年[11] - 2015年ボコハラム戦闘員10人)[34]
カンボジア王国 1989年 -
カナダ 1998年 1976年 1962年
キプロス 2002年 1983年 1962年
キルギスタン 2007年 - 独立以来執行例無
カボベルデ 1981年 - 1835年
コロンビア 1910年 - 1909年
クック諸島 2007年 - 自治以来執行例無
コンゴ共和国 2015年[35] - -
コスタリカ 1877年 - -
コートジボワール 2000年 - -
クロアチア 1990年 - -
チェコ共和国 1990年 - -
デンマーク王国 1978年 1933年 1950年
ジブチ 1995年 - 建国以来執行無
ドミニカ共和国 1966年 - -
東ティモール 1999年 - -
エクアドル 1906年 - -
エストニア 1999年 - 1991年
フィジー[36] 2015年 2002年 1964年
フィンランド 1972年 1949年 1941年(戦時)
1825年(平時)
フィリピン 2006年 - -
フランス 1981年 - 1977年
ガボン 2010年 - 1981年[37]
ギリシア 2004年 - -
グルジア 1997年 - 1994年
ドイツ連邦共和国 1987年(旧東ドイツ
1950年西ドイツ
- 1949年(西ドイツ)
1981年(東ドイツ)
ギニアビサウ 1993年 - 1986年
ギニア 2017年 2016年[38] 2001年[39]
ハイチ 1987年 - 1972年
ホンジュラス 1956年 - 1940年
ハンガリー 1990年 - 1988年
アイスランド 1928年 - 1830年
アイルランド 1990年 - 1954年
イタリア 1994年 1947年 1947年
カザフスタン 2021年[40] 2003年 2003年
キリバス 1979年 -
ラトビア 2012年 1999年
リベリア 2005年 - -
リヒテンシュタイン公国 1987年 - 1785年
リトアニア 1998年 - 1995年
ルクセンブルク大公国 1979年 - 1949年
マダガスカル 2015年[41] - -
マラウイ 2021年[42] - 1994年[43]
マケドニア共和国 1991年 -
メキシコ 2005年 - 1937年
マルタ 2000年 1971年 1943年
マーシャル諸島 1991年 - 独立以来執行例無
ミクロネシア連邦 1991年 - 独立以来執行例無
モルドバ共和国 1995年 - -
モナコ公国 1962年 - 1847年
モンゴル 2017年[44] - 2008年[41]
モンテネグロ 2002年 - -
モザンビーク 1990年 - 1986年
ナミビア 1990年 - 1988年
ナウル 2016年[36] - 独立以来執行例無
ネパール 1997年 1990年 1979年
オランダ 1982年 1870年 1952年
ニュージーランド 1989年 1961年 1957年
ニカラグア 1979年 - 1930年
ニウエ(ニュージーランド保護領) 2004年 - -
ノルウェー 1979年 1905年 1948年(国家反逆罪)
ベラウ共和国 1986年 - 独立以来執行例無
パナマ 1903年 - 1903年
パラグアイ 1992年 - 1928年
ポーランド 1997年 - 1988年
ポルトガル 1976年 1867年 1849年
ルーマニア 1989年 - 1989年(被死刑囚は大統領夫妻)
ルワンダ 2007年 - 1998年(民族大虐殺罪による22人の執行)[45]
サンマリノ共和国 1865年 1848年 1468年(?)
サントメプリンシペ 1990年 - -
セルビア 2002年 - -
セーシェル 1993年 - -
セネガル 2004年 - -
スリナム 2015年[41] - -
トーゴ 2009年 - 1978年[46]
トルコ 2004年 - 1984年
トルクメニスタン 1999年 - -
モーリシャス 1995年 - 1987年
ルワンダ 2007年 -
スロバキア共和国 1990年 - -
スロベニア 1989年 - -
サモア 2004年 - -
ソロモン諸島 1981年 1966年 -
南アフリカ共和国 1997年 1995年 1991年
スペイン 1995年 1978年 1975年
スウェーデン 1972年 1921年 1910年
スイス 1992年 1942年 1944年(戦時)
ツバル 1981年 - 独立以来執行例無
ウクライナ 1999年 - -
イギリス 1998年 1973年(北アイルランド 1964年イングランド
ウルグアイ 1907年 - -
ウズベキスタン 2008年 2005年[47] -
バヌアツ 1981年 - 独立以来執行例無
バチカン市国 1969年 - -
ベネズエラ 1863年 -
出典:亀井静香『死刑廃止論」花伝社 2002年とアムネスティ・インターナショナルの「死刑廃⽌の歩み(1976年以降)」[48](2003年~2018年)から2021年4月28日までの最新データの追加の上、更新して改変。
中華人民共和国のうち香港マカオは死刑を廃止している。
アメリカ合衆国のうち23州とコロンビア特別区、海外領土は死刑を廃止している(2021年4月時点)。
ロシア韓国など死刑制度凍結国は除く。

脚注編集

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  1. ^ たとえば、中世ヨーロッパでは姦通を犯した既婚者女性は原則的には溺死刑に処せられていた。
  2. ^ ただし、現在でもイスラム法を重要視している国では不倫や婚前前性交渉を理由に死刑になる場合も存在する
  3. ^ たとえば、結果として死亡する刑罰として、日本の江戸時代には「切腹」「斬首」「」「鋸挽」「火罪」「下手人」「死罪」「獄門」の8種が規定されており、それらは別種の刑罰とされ、適用される罪もそれぞれ異なっていた。うち「切腹」は武士に対する名誉を保った死刑、「斬首」は武士に対する不名誉死刑であり、結果として死ぬことは同じであるにせよ、「切腹」と「斬首」の間には天と地ほどのひらきがあった。死刑の種類は、地域的・歴史的に実に数多くのヴァリエーションが存在した。
  4. ^ なお、犯罪者を社会から隔離し再犯を防止するための手法として、流刑が存在した。イギリスにおけるオーストラリアへの流刑や、日本における伊豆諸島への流刑・所払いなどの事例をあげることができる。これらは「自由刑」と理解することも可能なものではあるが、現代的自由刑とは発想が異なり、コミュニティからの追放・排除を主たる目的とするものであった。
  5. ^ 近代になると死刑執行方法として最終的には絞首刑と斬首刑が残ったが、どちらが人道的な刑罰なのかについては国によって意見が分かれている。フランス、ドイツ、スェーデンなどでは絞首刑を廃止して斬首刑のみになっているが、イギリスを初めとするイギリス連邦諸国では斬首刑を廃止して絞首刑のみになっている。日本も斬首刑を廃止して絞首刑のみとなった国である。フランスでは死刑の方法を単一化するに当たって、絞首刑と斬首刑のどちらにするかで議論が起きている、その結果として斬首刑を行う専門の装置となるギロチンが誕生している。
  6. ^ 例外的に、アメリカでは近代になるほどガス室、電気椅子、薬殺など多様な死刑執行方法が開発され、並行して使われるようになった。
  7. ^ 現代でも斬首刑、絞首刑、銃殺刑が平行して実施されている国としては、サウジアラビアなど一部のイスラム法の国を挙げることができる。
  8. ^ ただし、このあたりは各国法制度の設計にはかなりの幅があり、重い経済犯罪や強姦・麻薬などに対しても死刑が選択される国もある。
  9. ^ 死刑を宣告された犯罪者が死刑を廃止した国の国民である場合には、外交問題への発展を避けるために、減刑や執行停止が行われる事例が多発している。
  10. ^ “国有会社元トップの死刑を執行、中国史上最大の収賄受領で” (日本語). AFP通信. 東方新報. (2021年2月7日). https://www.afpbb.com/articles/-/3330345?cx_part=search 2021年5月8日閲覧。 
  11. ^ a b c d アムネスティ―・インターナショナル (2021-04-21) (PDF). 死刑廃止 - 最新の死刑統計(2020) (Report). https://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/death_penalty/statistics.html 2021年5月2日閲覧。. 
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  14. ^ Death Penalty Information Center. “Racial Demographics”. 2020年1月17日閲覧。
  15. ^ “イラン、17歳2人の死刑執行 人権団体が非難” (日本語). CNN. (2019年5月1日). https://www.cnn.co.jp/world/35136482.html 2020年8月10日閲覧。 
  16. ^ a b アムネスティ・インターナショナル (2020-04-21). 死刑廃止 - 最新の死刑統計(2019) (Report). https://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/death_penalty/statistics.html 2020年5月17日閲覧。. 
  17. ^ 2008年9月28日の毎日新聞によれば、軍事政権がカメラマンを銃撃する命令を兵士に伝達していたという。そのため軍事政権が事前に「処刑」命令を出していたといえる。
  18. ^ 中米対話基金 (2019年). “Death Penalty Reform(死刑改革)”. 2020年9月5日閲覧。
  19. ^ a b 韓国統一研究院 (2015-07-01) (PDF). 북한인권백서 2015(北朝鮮人権白書2015) (Report). pp. 60. https://repo.kinu.or.kr/handle/2015.oak/2403 2021年5月9日閲覧。. 
  20. ^ “China executions shrouded in secrecy”. BBC News. (2009年12月29日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/8432514.stm 2010年4月14日閲覧。 
  21. ^ [1]
  22. ^ 中米対話基金 (2019年). “Death Penalty Reform(死刑改革)”. 2020年9月5日閲覧。
  23. ^ 中米対話基金 (2019年). “Death Penalty Reform(死刑改革)”. 2021年5月8日閲覧。
  24. ^ 明治法制経済史研究所 (1968). “改定律例二百四十九條一項改正ノ件・〔號外第十六號意見書〕” (日本語). 元老院会議筆記 (元老院会議筆記刊行会) 前期3: 243-244. doi:10.11501/1348658. 
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  46. ^ Togo abolishes the death penalty(英語),2021年5月8日閲覧。
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関連項目編集

注釈及び引用編集

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