江津市

日本の島根県の市

江津市(ごうつし)は、島根県西部の日本海に面した。山陰地方の中では最も人口が少なく、県内で最も面積が狭い市である。

ごうつし
江津市
江津本町の町並み
江津本町の町並み
Flag of Gotsu Shimane.JPG Symbol of Gotsu Shimane.svg
江津市旗 江津市章
2004年平成16年)11月1日制定
日本の旗 日本
地方 中国地方山陰地方
中国・四国地方
都道府県 島根県
団体コード 32207-5
法人番号 1000020322075
面積 268.24km2
総人口 23,591[編集]
推計人口、2018年4月1日)
人口密度 87.9人/km2
隣接自治体 浜田市大田市邑智郡邑南町川本町
市の木 クロマツ
市の花 ツツジ
江津市役所
市長 山下修
所在地 695-8501
島根県江津市江津町1525番地
北緯35度0分40.6秒東経132度13分15.7秒
江津市庁舎
外部リンク 江津市

江津市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

 表示 ウィキプロジェクト
大崎鼻から敬川・都野津・江津市街地方面を望む

東京からの移動時間距離が全国で一番遠い都市(2007年現在)として知られており高等学校「地理A」の教科書テレビ番組でも取り上げられた[1]

目次

地理編集

島根県西部の石見地方に位置する。北部の東西につづく海岸段丘と、南部の丘陵地帯からなる[2]中国山地山陽側から貫いて流れる数少ない河川であり、中国地方最大の河川である江の川がこの市で日本海に注ぐ。平野部は、この江の川流域と、日本海側を走る山陰本線の沿線を除くと、あまり見られない。

隣接する自治体編集

気候編集

松江地方気象台(1981-2010)(桜江)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) - - - - - - - - - - - - -
日平均気温 °C (°F) - - - - - - - - - - - - -
平均最低気温 °C (°F) - - - - - - - - - - - - -
降水量 mm (inch) 148.5
(5.846)
120.7
(4.752)
143.3
(5.642)
123.5
(4.862)
151.7
(5.972)
210.1
(8.272)
279.6
(11.008)
144.1
(5.673)
212.8
(8.378)
126.2
(4.969)
132.3
(5.209)
155.3
(6.114)
1,948.2
(76.701)
降雪量 cm (inch) - - - - - - - - - - - - -
平均月間日照時間 - - - - - - - - - - - - -
出典: 気象庁[3]

歴史編集

略史編集

「郷田」あるいは「郷津」とも呼ばれ、江の川の渡津集落から発展し、古くから舟運と日本海の海運の要所として繁栄した。近世は幕府領(天領)になり、その中心部を山陰道が貫き、東は大森銀山、西は浜田へと向かっていた。

1671年寛文11年)に上方への西廻り航路が確立されると、千石船の出入りする物品の集散地として、河岸に廻船問屋や倉庫(蔵屋敷)が立ち並んだ。北前船の寄港地および天領米の積出港として、岸辺には四、五十隻の帆船が並び立ち、浜田で入港を待ち合わせるという混雑状態で、大森銀山につぐ石見国第二の町として賑わいを見せた。江の川流域の邑智郡那賀郡で生産される鉄・木材・紙・なども河川を通じて運ばれ、全国に発送されるとともに、日用雑貨もこの港から移入されていった[4]

幕末の1866年慶応2年)には長州軍振武隊(隊長佐々木男也、参謀大村益次郎)の一個大隊450名余りが進駐し、1869年明治2年)までの3年に渡り本陣が設置された。陣屋新築に際して、近隣15ケ村より壮丁を募り、半年後までに本陣など12棟の建築物の陣営を完成させた。また村々より桜樹千株が献上された。現在でも長州軍の志士5名の墓石が残されている。

明治40年には、東宮殿下(後の大正天皇)山陰路御行啓東郷平八郎海軍大将同行)に際し、江津本町地区に駐泊することになった。御便殿の新築などが行われ、町全体での歓迎ぶりであったという。

1920年大正9年)の山陰本線の開通により、舟運は衰え、商業の中心が浜田へ移動した。三江線(三江北線)の開通により、(現在の江津本町駅のある地域から)江津駅周辺に市街地が移動した。

その後、江の川の水資源と砂丘によって、日本レイヨン(現:ユニチカ)、山陽国策パルプ(現:日本製紙)などの工場が誘致され、1942年昭和17年)以降、砂丘地域に、製糸・化学・パルプの工場が進出した。

1995年(平成7年)には地方拠点都市地域に指定された。また、近世、近代の建築物を数多く保存してきた「天領江津本町甍(いらか)街道」は、平成15年度の「夢街道ルネサンス推進会議」により、「モデル地区」に認定された。

年表編集

行政区域の変遷編集

町名・大字編集

歴代市長編集

氏名 就任年月日 退任年月日 備考
飯田豊 1954年5月1日 1958年4月14日
2 千代延定良 1958年4月14日
3 1962年6月12日 任期中死去
4 藤田龍夫 1962年8月1日 1966年7月15日
5 岡田信正 1966年7月16日
6 1974年7月15日
7 佐々木隆夫 1974年7月16日
8 1982年7月15日
9 福原友宏 1982年7月16日
10 1990年7月15日
11 牛尾一弘 1990年7月16日
12 1998年7月15日
13 田中増次 1998年7月16日
14 桜江町と合併
15
16 2014年7月15日
17 山下修 2014年7月16日
18

行政編集

市長編集

  • 山下修(2期目)
  • 任期:2022年7月15日

市議会編集

  • 定数:16人(第17期)
  • 任期:2022年5月31日

市の機関編集

  • 江津市役所
    • 支所 - 桜江支所

財政編集

財政状況編集

  • 普通会計歳入総額:178億7589万3千円(平成27年度)
    • 地方交付税:65億1065万4千円(構成比:36.4%)
    • 地方税:27億248万2千円(15.1%)
    • 国庫支出金:26億8264万6千円(15.0%)
  • 普通会計歳出総額:171億8095万5千円(平成27年度)
    • 民生費:50億793万5千円(構成比:29.1%)
    • 総務費:22億8200万4千円(13.3%)
    • 公債費:21億5546万4千円(12.5%)
  • 地方債現在高:224億3686万円(平成27年度)
  • 積立金現在高(平成27年度)
    • 財政調整基金:6億3454万3千円
    • 減債基金:13億3969万8千円
    • その他特定目的基金:28億5777万1千円

財政指標編集

  • 財政力指数:0.33%(平成27年度)
  • 経常収支比率:91.7%(平成27年度)
  • 健全化判断比率(平成27年度)
    • 実質赤字比率 -%
    • 連結実質赤字比率 -%
    • 実質公債費比率 13.9%
    • 将来負担比率 140.2%

政策課題編集

三江線廃止とバス転換編集

江津市と広島県三次市の間を結ぶJR三江線(108.1km)は利用者低迷により年間10億円近くの赤字となっていた[5]。三江線は2018年3月末に廃止されバス転換が決まり、「三江線沿線地域公共交通活性化協議会」で三江線沿線の公共交通の再編が議論されている[6]

江津市庁舎耐震基準問題編集

江津市庁舎は建築家の吉阪隆正早稲田大学元教授の研究室が手掛けたもので、橋脚の上に橋桁のような建物が載った特徴的なデザインになっており、1961年にA棟・B棟・C棟が完成した。2015年度には、DOCOMOMO Japanによって「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」として192番目の選定を受けた[7]

その後、築50年以上が経過し無理に耐震補強を施すと現存する設計上の揺れを逃がすための構造(A棟の梁にピアノ線を張っている構造)に悪影響を及ぼす恐れがあると、当時の施工図面が見つかっていなかったこともあり、その不安が指摘されていた[8]。関係者のヒアリングから施工図面一式が見つかったこともあり、継続的な利用に向けた話し合いが進められた[9]

改修を前提に市庁舎改修整備検討委員会を設け耐震補強の方法が検討されていたが、耐震補強しても震度6強以上の地震には耐えられないことが判明したほか、2016年4月に熊本地震で市庁舎などが被災したことを受け方針転換され、2016年10月31日に新庁舎を事業費40億円で建設することが発表された(旧庁舎は取り壊さないが使い道は未定である)[10]

県の行政機関・公共施設編集

広域連合・一部事務組合編集

姉妹都市・提携都市編集

人口編集

 
江津市と全国の年齢別人口分布(2005年) 江津市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 江津市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
江津市(に相当する地域)の人口の推移
1970年 33,479人
1975年 32,931人
1980年 32,785人
1985年 32,937人
1990年 31,774人
1995年 30,740人
2000年 29,377人
2005年 27,774人
2010年 25,697人
2015年 24,468人
総務省統計局 国勢調査より

地域編集

教育編集

高等学校編集

中学校編集

  • 江津市立青陵中学校 - 校区は、津宮小学校、川波小学校の通学区域となっている。
  • 江津市立江津中学校 - 校区は、高角小学校、郷田小学校、渡津小学校の通学区域となっている。
  • 江津市立江東中学校 - 校区は、江津東小学校の通学区域となっている。
  • 江津市立桜江中学校 - 校区は、桜江小学校の通学区域となっている。

小学校編集

  • 江津市立郷田小学校
  • 江津市立渡津小学校
  • 江津市立江津東小学校
  • 江津市立川波小学校
  • 江津市立津宮小学校
  • 江津市立高角小学校
  • 江津市立桜江小学校

学校教育以外の施設編集

医療編集

主要医療機関編集

経済・産業編集

漁業編集

漁港編集

製造業編集

江津市の製造品出荷額等は441億円(平成26年)、従業者数は1,473人(平成26年)、従業者4名以上の製造事業者数は54事業所(平成26年)となっている[11]

地場産業として古くから石州瓦の生産の中心地と知られており、製造品等出荷額等では窯業(岩見焼)・土石製品が53億円と最も大きくなっている[11]。近年は住宅着工件数の低迷や住宅の洋風化などで石州瓦の需要が減少しており、2007年にはアメックス協販自己破産を申請するなど厳しい状況が続いている。石見焼においては、生活用品を主として生産され、近年では、タイルや民芸品の商品も開拓し、全国市場を獲得している。

江の川河口には日本製紙ケミカル事業本部の江津工場が立地しており、溶解パルプや機能性化成品が製造されている。2010年にパナソニックエレクトロニックデバイスが撤退したが、近年は江津道路の開通や土地代の安さなどからバイオマス発電所や樹脂加工メーカーなどの企業進出が見られる。

小売業編集

小売業の事業所数は262事業所、従業員数は1,231人、年間商品販売額は2,036百万円、売場面積は34,016㎡となっている[12]。平成19年の商業統計調査では、事業所数は356事業所、従業員数は1,523人、年間商品販売額は2,588百万円、売場面積は38,655㎡となっている[13]。人口減少などで小売業の年間販売額は減少しており、事業所数・従業員数も減少している。

2017年1月には中心市街地に立地し、市内最大の商業施設であったショッピングタウン グリーンモールが売上の低迷などで閉店。10月に経営権を取得したイズミゆめタウン江津としてオープンさせた。

地元購買率(全商品)は旧江津市が75.8%、旧桜江町では25.1%(旧江津市への流出は35.7%)となっている[14]。旧江津市では11.5%、旧桜江町では13.6%が近隣の浜田市に流出している[14]

ショッピングセンター編集

スーパーマーケット編集

コンビニエンスストア編集

  • ポプラ - 江津アクアス前店
  • ローソン - 江津済生会病院前店、都野津駅前店、江津浅利店、江津敬川店、江津桜江町店、江津嘉久志町店、ローソン・ポプラ江津渡津町店、ローソン・ポプラ江津舞乃市店
  • セブン-イレブン - 江津二宮店、江津浅利店、江津和木店

家電量販店編集

衣料品店編集

ホームセンター編集

ドラッグストア編集

書店編集

  • しんぷう堂

本社を置く主要企業・団体編集

工場・事業所を置く主要企業・団体編集

発電所編集

金融機関編集

 
山陰合同銀行江津支店

銀行編集

協同組織金融機関編集

通信編集

電話編集

市外局番は、桜江地区が0855(70〜99)、その他が0855(50〜69)となっている。

  • 0855(50〜69)エリア(江津MA)
    • 大田市(温泉津地区)・江津市(桜江地区を除く)
  • 0855(70〜99)エリア(川本MA)

郵便編集

郵便番号は以下の通りとなっている。2006年10月16日2015年3月2日の再編に伴い、変更された。

  • 江津郵便局:695-00xx、695-85xx、695-86xx、695-87xx
  • 黒松郵便局:699-28xx
  • 波子郵便局:699-31xx
  • 跡市郵便局:695-01xx
  • 市山郵便局:699-42xx、699-41xx、699-44xx、699-45xx

交通編集

 
江津駅

鉄道編集

中心となる駅:江津駅

路線バス編集

一般乗合バス編集

高速バス編集

かつては、江の川号有福温泉発着のいさりび号など広島行きの高速バスも運行されていたが、廃止となった。 このため、広島方面に向かう場合は、浜田駅から「いさりび号」に乗るか、道の駅インフォメーションセンターかわもとから石見銀山号に乗ることとなる。

道路編集

観光スポットなど編集

名所・旧跡編集

自然編集

  • 千丈渓(島根県立自然公園、国の名勝に指定(1932年))

建造物・公園・施設等編集

 
江津市総合市民センター・ミルキーウェイホール

美術館・博物館編集

温泉・温泉施設編集

海水浴場編集

  • 波子海水浴場
  • 浅利海水浴場
  • 黒松海水浴場

名物・特産品編集

イベント・祭事など編集

  • 江の川祭り(8月16日)
    • 江の川を下る大蛇艇競漕大会や花火大会がある
  • 山辺神宮祇園祭(7月第3日曜日)
  • 石見神楽
  • 大元神楽

江津市出身の有名人編集

江津市にゆかりのある人物編集

編集

  1. ^ 道路政策・道路整備に関する意見書(江津市) 国土交通省
  2. ^ 『コンパクト版日本地名百科事典』、監修:浮田典良、中村和郎、高橋伸夫、小学館、1998年
  3. ^ 桜江 1981-2010年”. 気象庁. 2015年4月22日閲覧。
  4. ^ 『郷土資料事典32島根県」、人文社、観光と旅編集部 1998年
  5. ^ “島根)三江線の危機、戸惑う沿線住民 ”. 朝日新聞 . http://www.asahi.com/articles/ASHDH4GYVHDHPTIB007.html  2016年11月12日閲覧。 
  6. ^ “三江線沿線公共交通再編 17年12月めどに実地計画 ”. 山陰中央新報 . http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=562238004  2016年11月12日閲覧。 
  7. ^ 2015年度DOCOMOMO JAPAN 選定作品
  8. ^ 江津市庁舎(江津) 山陰中央新報
  9. ^ 「江津市/6月内に耐震判定初会合/市庁舎の改修/市民向け16年秋シンポ」建設通信新聞 2016-06-08 10面 http://www.kensetsunews.com/?p=67532
  10. ^ “島根)江津市新庁舎建設へ、市長が方針表明 ”. 朝日新聞 . http://www.asahi.com/articles/ASJB04R7LJB0PTIB007.html  2016年11月12日閲覧。 
  11. ^ a b 島根県政策企画局統計調査課(2016)『平成26年工業統計調査 島根県分結果確報(従業者4名以上の事業所)』
  12. ^ 経済産業省(2014年)『平成26年商業統計調査』
  13. ^ 経済産業省(2009年)『平成19年商業統計調査』
  14. ^ a b 島根県商工会連合会(2016)『平成28年度島根県商勢圏実態調査報告書』

外部リンク編集