第1期棋王戦

1975年度の棋王戦

第1期棋王戦(だい1ききおうせん)は、1975年度(1974年12月18日 - 1976年4月6日)の棋王戦である。前回(第1回棋王戦)は一般棋戦として開催され、今期よりタイトル戦に格上げされた[1][2]。ここでは、棋王戦の予選として開催された第2回名棋戦についてもあわせて記述する。

第1期 棋王戦
開催期間 1974年12月18日 - 1976年4月6日
第1期棋王 大内延介
棋王戦
第1回(一般棋戦)第2期 >
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概要

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昨年度の第1回棋王戦は、契約金がまだ低いとの理由でタイトル戦とは認められなかった[3]。当年度は、主催者の共同通信社日本将棋連盟に契約金の増額を申し出し、タイトル戦への昇格が認められた[4]。第1期棋王は、前回棋王の内藤國雄九段と本戦トーナメント勝者、敗者復活トーナメント勝者の3名による2回総当たりの決勝リーグ戦により決めることとなった[4]

決勝リーグ戦

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決勝リーグ戦は、前回棋王の内藤國雄九段と本戦トーナメント勝者の高島弘光七段、敗者復活トーナメント勝者の大内延介八段の3者による対決となった[5]。開幕は将棋界初の海外対局でハワイのカハラ・ヒルトン・ホテルで行われた。リーグ戦の結果、内藤と大内が3勝1敗で並び、プレーオフが開催されることとなった[6]。プレーオフの結果、大内が勝利しタイトル獲得。初代棋王となった[6]

順位 棋士 第1局 第2局 第3局 第4局 第5局 第6局 プレーオフ 結果
1976年
1月21日
1976年
2月6日
1976年
2月13日
1976年
2月24日
1976年
3月5日
1976年
3月12日
1976年
4月6日
前回棋王 内藤國雄九段 3 2 ○大内 ○高島 --- --- ○高島 ●大内 ●大内 プレーオフ
全勝通過 高島弘光七段 0 4 --- ●内藤 ●大内 ●大内 ●内藤 --- ---
敗者復活 大内延介八段 4 1 ●内藤 --- ○高島 ○高島 --- ○内藤 ○内藤 棋王獲得

挑戦者決定トーナメント

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勝者組

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1回戦 2回戦 3回戦 準々決勝 準決勝 勝者組決勝
中原誠名人
中原
米長邦雄八段
米長
廣津久雄八段
廣津
田丸昇五段 中原 F
勝浦修七段
勝浦
花村元司八段
石田 勝浦 B
石田和雄六段
升田幸三九段 真部一男四段 G
森雞二七段
桜井
桜井昇六段
桜井 桜井 A
丸田祐三九段
塚田正夫九段 真部
二上達也九段
真部一男四段 真部
真部
佐藤大五郎八段
真部
北村昌男八段
加藤博
加藤博二八段
有吉道夫八段
有吉
桐山清澄七段
桐山 加藤一 C
本間爽悦八段
加藤一二三九段
森安秀光五段 高島
森安秀
灘蓮照八段
高島
木村義徳七段
高島 高島
高島弘光七段
高島弘光七段
関根茂八段
大山康晴棋聖
大山 D
板谷進八段
板谷
森安正幸四段
森安正 大内 E
芹沢博文八段
大内延介八段
西村一義七段 大内
熊谷
熊谷達人八段
熊谷
橋本三治六段
田中
田中魁秀七段

敗者復活戦

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1回戦 2回戦 3回戦 決勝
F 中原誠名人
大内
E 大内延介八段
B 勝浦修七段 大内延介八段
桜井
A 桜井昇六段
大山
C 加藤一二三九段
大山
D 大山康晴棋聖
G 真部一男四段

第2回名棋戦

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第2回 名棋戦
開催期間 1974年10月15日 - 1975年11月5日
第2回名棋 石田和雄
名棋戦
第1回第3回 >
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第2回名棋戦(だい2かいめいきせん)は、1975年度(1974年10月15日 - 1975年11月5日)の名棋戦である。名棋戦はB級2組以下の棋士に参加権が与えられ、第2回名棋戦の上位8名が第1期棋王戦に出場することができる。今回は石田和雄六段が優勝を飾った[7][8]

トーナメント

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1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 準々決勝 準決勝 決勝
石田和雄六段
石田
富沢幹雄七段
五十嵐
五十嵐豊一八段
石田
関屋喜代作六段
関屋
椎橋金司四段 高田
高田丈資六段 高田
佐伯昌優七段 石田
田丸昇五段
田丸
河口俊彦五段
青野 田丸
青野照市四段
剱持松二七段 田丸
佐藤義則六段
佐瀬
松田茂役八段
佐瀬
佐瀬勇次七段 石田和雄六段 優勝 : チ
山口千嶺六段
長谷
長谷部久雄七段
長谷
小堀清一八段
桜井
坂口允彦八段
池田
木村嘉孝五段
池田 桜井
池田修一四段
桜井昇六段 真部
松下力八段
清野静男七段 真部
真部
真部一男四段 真部
下平幸男七段 真部
宮田利男四段
宮田
山口英夫六段 吉田
吉田利勝六段
本間爽悦八段
本間
星田啓三七段
大村
大村和久七段
本間
伊達康夫六段
伊達
北村秀治郎七段
北村秀 伊達
淡路仁茂四段
松浦卓造八段 本間
小阪昇四段
滝誠
滝誠一郎五段 木村義
木村義徳七段
前田祐司四段 木村義
北村文
北村文男五段 北村文
山中和正七段 北村文
大野源一九段 橋本三治六段
坪内利幸五段
橋本
橋本三治六段 橋本
大原英二七段
橋本
二見敬三六段
二見
角田三男七段
若松
若松政和五段
若松
南口繁一八段 橋本
宮坂幸雄七段
宮坂
安恵照剛五段
野本
野本虎次五段
野本 森安
田辺一郎五段
原田泰夫八段
森安
森安正幸四段
森安
木下晃五段

脚注

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  1. ^ 「棋王戦」の仕組みや特徴について|棋戦トピックス”. 日本将棋連盟 (2019年10月24日). 2021年8月7日閲覧。
  2. ^ 田辺(2006), pp. 149–150.
  3. ^ 田辺(2006), p. 149.
  4. ^ a b 田辺(2006), p. 150
  5. ^ 田辺(2006), p. 151.
  6. ^ a b 田辺(2006), p. 153
  7. ^ 名棋戦<共同通信>|終了・休止棋戦”. 日本将棋連盟. 2021年8月7日閲覧。
  8. ^ 田辺(2006), p. 154.

参考文献

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  • 田辺忠幸『将棋 八大棋戦秘話』河出書房新社、2006年2月16日。ISBN 4-309-26870-6 

外部リンク

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