クロームドーム(Chromedome)ハスブロタカラ(現・タカラトミー)が展開するロボット玩具シリーズ、トランスフォーマーに登場する架空のキャラクター。

概要 編集

サイバトロンデストロンに加わった新戦士・ヘッドマスターの一人。

2010』の続編であり、いわゆるパラレルワールド関係にある日本版『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』と海外版『トランスフォーマー ザ・リバース』の双方で活躍。スーパーカー(国内版ではパワーカー)に変形する。

ヘッドマスターの設定も双方で異なる。

日本版では等身大の小型トランスフォーマー、マスター戦士が頭部に変形、乗用するトランステクターが変形したボディに合体(ヘッドオン)する。

海外版では、機械外郭(エクソスーツ)を纏った人間およびネビュロン人がパートナーとなり、本体であるビークルからトランスフォームしたボディの頭部として合体し、共に活動する。

ザ☆ヘッドマスターズ 編集

本作品の主人公。サイバトロンヘッドマスターズのリーダー。役職は攻撃指揮官[1]。声優は堀秀行。 初登場は第1話「空から来た四人の戦士」。

概要・特徴(ザ☆ヘッドマスターズ) 編集

400万年前にセイバートロン星の戦火を逃れ、マスター星へと旅立ち、トランスフォーム能力を身につけたサイバトロンヘッドマスターズの一人。ヘッドマスターの名はクローム[2]

地球歴2011年に戦艦マキシマスの艦長フォートレスらと共にメガザラックを追ってセイバートロン星へとやってきてサイバトロン部隊に加わる。

正義感が強く直情的な性格であり、テックスペックではコンボイのような戦士になることを目標としている。かつてエネルギー鉱山で働いていた頃、親友であるアベルを殺害され、シックスショットが仇と分かって以来彼に対し激しい憎しみを抱いている。その直情的な性格から慎重なフォートレスのやり方に感情をぶつけることもあり、すぐ先走ったり独断で行動するなど無茶することも多かったが[3]、ブランカーから「いい戦士になれる」と期待されていた。

年齢は人間で言うなら16~18歳くらい[4]であり、同じヘッドマスターのハードヘッドとは悪友同然に行動、それゆえにハイブロウやブレインストームにフォローされることも多かった。またウィーリーやダニエルにからかわれ怒る一面もある。

変形する際の掛け声は「トランスフォーム、ダッシュ」。武器は二連クロームレーザー。必殺技はレーザー殺法。趣味はイラスト描き[4]

活躍(ザ☆ヘッドマスターズ) 編集

第2話での戦い以降、サイバトロン側の主戦力として活躍。

最終回にて宇宙に逃げたメガザラックを追い、地球を去る。

続編である『トランスフォーマー 超神マスターフォース』では宇宙でのデストロン撃退に活躍。第4話にてメタルホークにトランステクターとマスターフォースを送り、ヘッドマスターJr.誕生に携わっている。

ザ・リバース 編集

サイバトロン戦士の一人だったが、後にサイバトロンヘッドマスターになる。役職はコンピュータープログラマー。

元々は非戦闘員の技術者であったが、数千年を費やしてきたプログラミングの研究がただ一度のデストロンの攻撃で灰燼に帰したことから実戦部隊に志願したという経歴を持つ。

声優は英語版がフランク・ウェルカー、日本語版が安井邦彦。初登場は第1話「ヘッドマスター誕生」。

概要・特徴(ザ・リバース) 編集

セイバートロン星に残留していたが、デストロンが奪ったプラズマエネルギー貯蔵庫の鍵を取り返すために、ホットロディマスやハイブロウらと共シャトルに乗り込む、セレブロスが取り戻すもエネルギーのオーバーロードにより、シャトルがネビュロン星に不時着。

そこに住む、ネビュロン人に星の支配者であるハイブの尖兵のマシーンと勘違いされ拘束されるが、追跡してきたデストロンの登場により誤解は解ける。ハイブのマシーンと戦い、プラズマエネルギー貯蔵庫のキーを守るため、ブレインストームの提案によりネビュロン人の参謀の一人[5]スタイラー/Stylor(声 - 成田剣 / 英 - チャーリー・アドラー)をパートナーにしてヘッドマスターとなる。武器はレーザーガン。

慎重な性格であり、仲間に注意を促す発言が多かった。

活躍(ザ・リバース) 編集

第1話の終盤でヘッドマスターになる。その直前、自分の記憶や思考能力のことを気にかけていた。

第2話でハイブのマシーンを撃破。仲間の救出のためにデストロンと戦う。

第3話ではプラズマエネルギーの起こした太陽エネルギーの吸収によりサイバトロン星が復活した後、残ったハイブのマシンを破壊するためにネビュロン星に残る。

コミック版 編集

テレビマガジンで連載されたコミックでは『トランスフォーマー大戦争』の最終話にてマスター星からの増援として初登場。『ヘッドマスターズ』編より主役メンバーとして活躍する。

伝説の矢「チャージアロー」を巡る戦いではホラートロンに窮地に追い込まれるが、自分のボディを守る歴戦の勇者の助言により、チャージアローを引き、ホラートロンを撃退する。

第5話ではダニエル、ステッパー、アートファイアーと共に東京・新宿で起こった火災の消火活動に当たる。同時に現れたデストロンターゲットマスターも、合体技で撃退している。

最終回では宇宙に逃げたデストロンを追うために地球を出ることになる。そこに情報集めに残ったサウンドブラスターとカセットロンが急襲するが、その後に現れたロディマスコンボイからダニエルの成長を聞き、顔がスパイクに似てきたと評し、地球を去る。

『超神マスターフォース』ではジンライの引継ぎ式に参加。その後、来襲したデストロンの迎撃にあたっている。

『トランスフォーマージェネレーション 2011 Vol.2』に掲載された「ネビュロス星の激闘」ではカップやステッパーと共にネビュロス星へ赴く。そこに待ち受けていたデストロンを撃破する。

玩具 編集

日本では1987年7月に「C-101」のナンバーを与えられて発売。パートナーとしてクロームが付属。また国内版と海外版ではテックスペックの数値が異なる。開発担当は国弘高史。

その他の玩具 編集

トランスフォーマーガム
カバヤから発売。組み立て式の軟質プラ樹脂ミニプラモ。シリーズ第5弾にラインナップ。ボディ部分が黒になっている。
トランスフォーマーJr.
セブンより発売されたミニフィギュア。ギミックが一部簡略化されているが、タカラ版にはない合金パーツが使われている。単品版の他コンボイ、フォートレスマキシマスとの「三大ヒーローセット」も存在する。
スーパーコレクションフィギュア トランスフォーマー ジェネレーション1
彩色済みコレクションフィギュア。ACT-3「ザ・ヘッドマスターズ編」にラインナップ。クリアー版も存在。

補足 編集

  • 『ヘッドマスターズ』の企画に携わった金田益美によると、メインアイテムが既に出揃っていた中、『ヘッドマスターズ』にて彼が主人公に選抜されたのはコンボイ、ロディマスコンボイと同じく車がモチーフのためである。性格のモデルは宇宙戦艦ヤマト古代進[6]
  • 玩具版や『リバース』ではゴーグル状の目になっているが、日本版では両目がある。キャラクターデザインのまがみばんによると「表情を出しやすくするためだったかもしれない」と語る[7]

編集

  1. ^ 海外版の名残で最初期のカタログや雑誌記事では「情報管理員」とも表記されていた。
  2. ^ 当初は海外版と同じスタイラーとなっていた(長潟謙彰編「これがヘッドマスターだ!!」『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ大百科』ケイブンシャ、1987年10月30日、雑誌コード 63345-76、55頁)。
  3. ^ その影響で、ヘッドマスターとは気持ちがバラバラになる場面も見られる
  4. ^ a b 長潟謙彰編「これがヘッドマスターだ!!」『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ大百科』ケイブンシャ、1987年10月30日、雑誌コード 63345-76、55頁。
  5. ^ テックスペックでは若き貴族。
  6. ^ 「スタッフインタビュー 金田益美」『トランスフォーマージェネレーション デラックス』ミリオン出版、2004年3月22日、ISBN 4-8130-1094-6、143頁。
  7. ^ 谷澤崇編「まがみばんインタビュー」『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー ザ☆コミックス』ミリオン出版、2002年10月23日、ISBN 4-8130-0093-2、635頁。