たのしい幼稚園 (雑誌)

たのしい幼稚園』(たのしいようちえん)は、講談社が発行している幼児向け雑誌1956年11月に創刊。前身は1936年12月創刊の『講談社の繪本』(こうだんしゃのえほん)。これが、1938年3月に雑誌扱いとなり、のち『コドモヱバナシ』(こどもえばなし)から戦後の『こどもクラブ』、『幼稚園くらぶ』(ようちえんくらぶ)を経て現在に至る。『たの幼』(たのよう)と略す。

目次

略歴編集

  • 1936年(昭和11年)12月 - 『講談社の繪本』創刊、当初は絵本のシリーズであった。
  • 1942年(昭和17年) - 前年1941年(昭和16年)2月刊の『子供ヱバナシ』(講談社の繪本170)[1]を経て、月刊誌『コドモヱバナシ』としてスピンオフ[2]
  • 1947年(昭和22年)4月、『こどもクラブ』として新しく創刊、4月号を「第1巻第1号」とする[3]
  • 1955年(昭和30年)12月、同誌名は同年11月の「第11巻第14号」をもって終了する[3]
  • 1956年(昭和31年)1月、『幼稚園くらぶ』と改称、1月号を「第12巻第1号」とする[4]。同誌名は同年11月の「第12巻第13号」をもって終了、同年12月の「第12巻第14号」から『たのしい幼稚園』と改称する[5][6]。以来、現行。

概要編集

主に年中・年長児に当たる4歳から小学校入学前の幼児をターゲットとし、絵本図鑑、子供達に人気が高いテレビアニメ特撮の情報で構成される。競合誌は『幼稚園』(小学館発行)であり、本誌の方が後発である。キャラクターの数がそれより少なめであるためか、既存のキャラクターが関係しないオリジナルコンテンツの比率が高い。近年は未就学児の女の子で特に人気が高い『プリキュアシリーズ[7]の記事を本誌や、3歳児前後をターゲットとする姉妹誌の『おともだち』が看板コンテンツとして独占的に取り上げており、その人気の影響もあってか発行部数では『幼稚園』より優位に立っていて、公式サイト等では「4-6歳向けNo.1雑誌」という記載も見られる。

本誌は『プリキュアシリーズ』以前でも『キャンディ・キャンディ』(1976年 - 1979年)、『美少女戦士セーラームーン』シリーズ(テレビアニメ版は1992年 - 1997年、実写版は2003年 - 2004年)、『カードキャプターさくら』(1998年 - 2000年)などといった、同社刊の小中学生向け少女漫画雑誌『なかよし』で連載した漫画がテレビアニメ化され、女の子に絶大な人気を誇った作品を本誌や『おともだち』が幼児誌としては独占的[8]に取り上げており、アニメが発祥で『プリキュアシリーズ』の2作前にあたる『おジャ魔女どれみ』シリーズ(1999年 - 2003年、2004年)のヒットも併せて、伝統的に女児向けアニメのコンテンツに強く、読者に占める女の子の比率が高いのが特徴である。

最近は『プリキュアシリーズ』を筆頭としてより一層女児向けアニメのコンテンツに支えられている感が強い。これは『プリキュアシリーズ』のキャラクターが大々的に掲載された近年の表紙や、手鏡及び他の付録へのデコレーション用のラインストーンなどといった明らかに女の子だけ対象とした付録が増加していることを見ても一目瞭然である。『プリキュアシリーズ』以外の女の子向けコンテンツとして、『かみさまみならい ヒミツのここたま』、サンリオキャラクターの『マイメロディ[9]、『シナモロール[10]が掲載されている。また、2009年度まで『なかよし』から派生した作品のうち、幼児もターゲットとした作品の絵本や情報も掲載されていたが、2010年度以降は幼児も対象に含めてアニメ化された作品がなく掲載されずに現在に至っている[11]

その一方で、男児向けアニメのコンテンツは姉妹誌の『テレビマガジン』にシフトさせている影響もあってか、『ポケットモンスター』シリーズなどを擁する『幼稚園』に比べて大幅に少ない。特撮のコンテンツもかつては多かったものの、現在は東映の『スーパー戦隊シリーズ』や『仮面ライダーシリーズ』も含めて「小学館の幼児誌」との掛け持ち状態であり、また2000年代初頭以降は本誌で掲載されていた円谷プロの『ウルトラマンシリーズ』や、カプコンの『ロックマンシリーズ』などが、小学館の幼児誌「のみ」へのシフトを進め、本誌から撤退した結果[12]、本誌が掲載権を独占している作品がほとんど無くなっている。『デジタルモンスター(デジモン)』シリーズに関しては、漫画版は一ツ橋グループ集英社の雑誌『Vジャンプ』に掲載されているが、小学館が推している『ポケモン』と競合関係に当たるため、幼児誌での展開に関しては本誌を含む講談社の幼児誌が掲載権を独占する形で掲載された[13]

親の世代にも親しみのある、ファミリー・一般向けアニメのキャラクターについては、講談社とウォルト・ディズニー・カンパニーとの提携関係を活かし、『ミッキー&フレンズ』や『ディズニープリンセス』などの「ディズニーキャラクター」が多数掲載されている。ただし、近年になって小学館の幼児誌・学年誌(『(小学館の)幼稚園』・『小学一年生』など)でも掲載されるようになり、かつてのような排他的な関係ではなくなっている。

付録は『(小学館の)幼稚園』と比べると、やや質素である。CDDVDが付録になる場合があるものの、その頻度は『(小学館の)幼稚園』に比べると少なく、DVDは2009年12月号に、初めてフレッシュプリキュア!の付録DVDが付いた。また1年後2010年12月号及び2011年1月号でハートキャッチプリキュア!のDVDも付録として付いた。そのためDVDが付いたのは、現在のところプリキュアシリーズのみに留まっている[14]。しかし、過去には2006年2月号のように『ふたりはプリキュア』の電池時計とCDが同時に付いたケースもある。また、基本的な定価は670円(JPY:税込)であるが、豪華な付録が付く号の時は、定価が100円以上値上げされて700円前後になることもしばしばで、2008年11月号から本誌と携帯電話を連動させた企画の為である。最近では、前述の通り女児向けの付録が多くなっている。

なお、子供向けトレーディングカードアーケードゲームの限定版を付録にすることについては長らく行われてこなかったが、2008年1月号に講談社の幼児雑誌としては初めてトレーディングカードアーケードゲームの限定カードが付いた(当ジャンルの元祖格にあたり、小学館の幼児誌・学年誌に掲載されていた『甲虫王者ムシキング』と『オシャレ魔女ラブandベリー』からそれぞれ5年・3年が経過している。)。しかしその後はあまり限定カードが付くことはなく、トレーディングカードアーケードゲーム関連付録はカードリスト(ポスターなど)になることが多くなっている。

2001年TBS系で放映されたドラマ『たのしい幼稚園』との関係はない。

また、IQドリルやひらがな練習ドリル・工作ドリルも掲載されているので学習ができる。

2009年頃(開設時期不明)に旧公式サイトが更新停止の後閉鎖された後、暫く公式サイトは無かったが、2011年3月より、「講談社こども倶楽部」という講談社の子供向け雑誌総合サイトを開設。たの幼もその総合サイトに内包されている。

増刊編集

たの幼ひめぐみ
2007年12月に『おともだち』増刊の『おともだちピンク』と同じく、女の子のみを対象とした雑誌として発売された。対象年齢は『おともだちピンク』と比べると高いが『なかよし』よりは低い、主に年中児〜小学校低学年を対象としている。そのため『ぷっちぐみ』(小学館発行)と一部競合するが、漫画の掲載は少なく、絵本が主体である。掲載キャラクターは基本的に本誌や『おともだちピンク』と同一の女の子向けキャラクターが網羅されているが、第8号まではそれに加えて『チーズスイートホーム[15]が掲載されていた[16]。比較的豪華な付録が付いており、価格は880円と本誌や『ぷっちぐみ』より高めである(第4号のみ790円に設定されていた)。不定期ながら続刊し、2017年5月現在は第37号まで発行されている。第1号から一貫して『プリキュアシリーズ』の(発刊されたときの最新作に当たる)主人公[17]が表紙を飾っている。
Aneひめ
2016年9月に、本誌及び『たの幼ひめぐみ』より年齢層が高めかつ『なかよし』より低めに設定し、小学1・2・3年生の女の子をターゲットにした増刊として発売された[18][19]。2017年3月には第2号が発売された。完全に『ぷっちぐみ』との競合誌で、女子小学生以上に人気が高い『ディズニープリンセス』とサンリオキャラクターの記事が主体である。一方で本誌や『たの幼ひめぐみ』で看板コンテンツである『プリキュアシリーズ』の記事は一切ない。
たの幼ゆめぐみ
2008年3月に、幼稚園入園準備雑誌として発売された。付録がCD-ROM化されており、手持ちのプリンターで印刷して使用する。第1号限りであった。
たのしい一年生
学習幼稚園』(小学館発行)に対抗するために増刊として発行された小学入学準備雑誌である。本誌と同じく、アニメ・特撮のキャラクターが使用されている。なお、2006年度の分は『かしこい一年生』を名乗っていた。かつて『たのしい一年生』は小学1年生向けに定期的に刊行されており、小学館の『小学一年生』の競合誌であった[20]。しかし、2008年度以降は『たのしい一年生』は一度も発刊されずに休刊状態となり、その代替として『たのしい幼稚園』には、小学館が発行する学習雑誌である『小学一年生』・『入学準備小学一年生』の広告が掲載されており、講談社と小学館が協力して『たのしい幼稚園』読者の『小学館の学習雑誌』への移行を図る形を採っている。
かつて存在した学年誌については、

現在の掲載作品編集

※()内は掲載期間を表す。

過去の掲載作品編集

1960年代掲載編集

1970年代掲載編集

1980年代掲載編集

1990年代掲載編集

2000年代掲載編集

掲載開始年不明作品編集

※付きの作品は、『めばえ』『(小学館の)幼稚園』にも掲載されているもしくはされていた作品を表す。

発行部数編集

日本雑誌協会が2014年10月 - 2015年9月に集計した数字[24]では、月当たりの発行部数は15.9万部と、競合誌の『(小学館の)幼稚園』(11.0万部)と比べて優勢である。


脚注・補足編集

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  1. ^ 子供ヱバナシ国立国会図書館、2012年10月5日閲覧。
  2. ^ コドモヱバナシ、国立国会図書館、2012年10月5日閲覧。
  3. ^ a b こどもクラブ、国立国会図書館、2012年10月5日閲覧。
  4. ^ 幼稚園くらぶ 12(1)、国立国会図書館、2012年10月5日閲覧。
  5. ^ たのしい幼稚園 12(14)、国立国会図書館、2012年10月5日閲覧。
  6. ^ 講談社100周年講談社Amazon.co.jp, 2012年10月5日閲覧。
  7. ^ 東映アニメーション製作、朝日放送日曜朝8時30分枠のアニメの一つで、2017年度は第14作目かつ12代目にあたる『キラキラ☆プリキュアアラモード』。
  8. ^ 実写版『美少女戦士セーラームーン』のみ小学館幼児誌でも掲載された。
  9. ^ 2005年 - 2009年は『おねがいマイメロディ』シリーズとしてテレビアニメ化が行われた。
  10. ^ a b 2002年のから2008年3月までの間は、小学館系の雑誌が取り上げていた。
  11. ^ 2016年10月時点での最新作は『しゅごキャラ!』シリーズである。『あずきちゃん』・『だぁ!だぁ!だぁ!』・『地獄少女』シリーズ・『かみちゃまかりん』・『さばげぶっ!』・『美少女戦士セーラームーンCrystal』など未就学児を対象としていない『なかよし』関連のアニメ作品は本誌に掲載されていない。
  12. ^ 1990年代中盤から、男子小学生向け漫画雑誌同士である『月刊コロコロコミック』(小学館発行)の躍進と『コミックボンボン』(講談社発行・2007年休刊)の衰退が明確となったことも、男児向けコンテンツの減少に影響している。
  13. ^ 集英社が関係するアニメ作品が幼児誌での展開を行う場合は、同じ一ツ橋グループの『小学館の幼稚園』で掲載されることが多く、特に女児向けコンテンツはほぼ全てが小学館の幼児誌で掲載されるが、男児向けコンテンツは『デジモン』以外にも講談社発行の児童誌に集英社系作品が載ることがいくつかあり、姉妹誌の『テレビマガジン』では『デジモン』以外に『聖闘士星矢』の続編『聖闘士星矢Ω』、『最強ジャンプ』ほかでメディア展開している『超速変形ジャイロゼッター』が掲載されたことがある。
  14. ^ なお本誌より低年齢を対象とした『おともだち』で初めて付録DVDが付いたのは2008年12月号で、本誌より1年早い。
  15. ^ 原作は同じ講談社刊の青年漫画誌『モーニング』に連載されているため、厳密に言うと女児のみを対象にした作品というわけではない。
  16. ^ 『しゅごキャラ!』も『おともだちピンク』の2008年4月発売の号から掲載されるまでは本増刊のみの掲載だった。
  17. ^ 第1号は『Yes!プリキュア5』の"夢原のぞみ(キュアドリーム)"であった。
  18. ^ 講談社MOOK Aneひめ 2016年10月19日閲覧。
  19. ^ 講談社はかつて女子小学生向けに『キャロル』(1983 - 1984年)、『るんるん』(1993 - 1998年)を発売したことがあるが、いずれも『なかよし』と姉妹関係を持たせたB5判型の少女漫画誌であった。
  20. ^ 更に講談社は小学2年生以上の小学生向けに『たのしい二年生』 - 『たのしい六年生』を発刊していたこともあり、小学館の『小学二年生』 - 『小学六年生』の競合誌となっていた。しかし、こちらは昭和30年代の短い期間に存在しただけであり、その後は姿を消した。本誌の『たのしい〜』はそれの名残でもある。
  21. ^ アニメ化以前からキャラクターとして掲載され、現在も掲載。アニメ版放送時(2005年5月号 - 2009年4月号)はアニメ版を中心に掲載。
  22. ^ 2010年7月号以前にも掲載された時期があるが、掲載期間は不明。
  23. ^ 講談社なかよしコミックスで作者の武内直子が欄外コメントに「たの幼」版セーラームーンを宣伝するコメントを書いていた。
  24. ^ JMPAマガジンデータ 男女 子供誌 一般社団法人 日本雑誌協会、2016年1月31日閲覧。

関連雑誌編集

競合雑誌編集

関連商品編集

ニンテンドーDSソフトたのしい幼稚園 ことばとあそぼ!』(コンパイルハート) - 幼稚園児向けの教育用ソフトである。

外部リンク編集