月曜ドラマランド

フジテレビで放送された単発ドラマ枠

月曜ドラマランド(げつようドラマランド)は、1983年4月4日から1987年11月9日まで、フジテレビ系列(テレビ山口テレビ長崎テレビ大分テレビ宮崎鹿児島テレビ・1987年3月までの秋田テレビを除く)で毎週月曜日19:30 - 20:54(JST)に放送されていた単発のテレビドラマ枠。

概要 編集

本枠設置前、19:30 - 20:00に放送されていた『エプロンおばさん』の視聴率が10%そこそこ(ビデオリサーチ、関東地方)[1]、その後20:00 - 20:54に放送されていた『おまかせください、オレの女房どの』の視聴率が10%割れ(ビデオリサーチ、関東地方)[1]だったことからそのテコ入れ策として「総じて1時間の連続ドラマは不振」として「好視聴率を挙げているのは2時間ドラマなど長時間の単発ドラマなので、そういう視聴者のニーズに合わせてこの枠もワイド化に踏み切った」(当時の日枝久編成局長・談)[1]ということで本枠も1時間半の単発ドラマ枠となった。

番組開始当初は長谷川町子原作の中原理恵主演『いじわる看護婦』、青島幸男主演『意地悪ばあさん』、石立鉄男主演『どっきり天馬先生』シリーズ等のホームコメディが主流だった。その後、俳優ではないタレントらによる主に4コマ漫画原作のドタバタ・コメディと、アイドル主演による少女漫画や青年誌漫画原作の青春ドラマが主流となる[2]。番組後期の1986年からはフジテレビが抱えるおニャン子クラブのメンバーを主演に置いたものが多数作られるようにもなった。特に漫画原作のドラマ化には非常に積極的で、中には連続ドラマ化されたものもあれば、アニメ化されたものもある。また『ゲゲゲの鬼太郎』などの一部作品を除き、小松政夫塩沢ときが常連として出演していた。

1985年9月頃まで『意地悪ばあさん』などはテレパックが制作していたが、1985年10月以降頃から共同テレビジョンに制作が変更された。一部スタッフが共同テレビジョンに移籍した。

ゴールデンタイムでの放送であることから、内容はライトタッチなものばかりで、基本的に社会派作品や小説原作作品などは題材として扱わなかった[注 1]。そのため、タレントやアイドル主演のものが主流になって以降は、主演の人気タレント、アイドルゆえのスケジュールの都合による撮影期間の短さや役作りの不徹底による演技のつたなさ[注 2]、ドラマ化しづらい漫画原作を特撮的なトリックや、80年代当時はあまり技術が発達していなかったクロマキー合成映像など苦肉の策で再現しようとしていたり、設定の改変を余儀なくされてしまうことも少なくなく、作品によってはかなり荒唐無稽な内容になってしまうことも多かった。そのため、ドラマとしての完成度を求める視聴者からは「学芸会ドラマ」などと揶揄され、嫌悪されていたこともあった[要出典]。ただ、常識的に可能かどうかはほとんど顧慮せずに次々と漫画作品の実写化を行い続けたため、『おそ松くん[注 3]おじゃまんが山田くん』など、今日に至るも唯一の実写版となっている例が少なくない。

番組最高視聴率は1986年8月25日放送の『志村けんのバカ殿様』の回の27.1%[3]。。

番組前半部は各局別のローカルスポンサーのみであったが、当時ドラマ番組では珍しく、途中入れ替えでも「ここまでは、○○の提供でお送りいたしました」→「ここからは、○○の提供でお送りいたします」といったようなスポンサー読み上げコメントを一切行なわず、本編中に画面右下に提供クレジットを表示するのみだった[注 4]。なお、後半部にはネットスポンサーがついており、提供クレジットが画面一面に表示され、スポンサー読み上げコメントも行われていた。

作品ごとに制作会社が異なることなどからソフト化の事例は少なく、2000年代におニャン子クラブの作品とゲゲゲの鬼太郎がDVD化されたのみである。

番組の終了 編集

1987年秋改編により1983年4月から続いた当枠は4年半の歴史に幕を閉じた。最終回関連の放送は下記のとおりである。

主な放送作品 編集

タイトル 放送日(期間) 主演 制作会社など
あんみつ姫(全3作) 1983年5月23日、1983年10月17日、1984年1月9日 小泉今日子 テレパック
とことんトシコ 1983年1月28日、1984年5月7日 山田邦子 テレパック
ぐうたらママ(全4作) 1983年7月4日 - 1984年6月18日 坂口良子 テレパック
どきどき婦警さん 1983年9月26日、1984年3月12日 研ナオコ
  • 第1作は高見知佳とのダブル主演だったが、第2作は研の単独主演となり、高見は別役で端役出演。
  • 第1作は初の2時間枠(19:00 - 20:54)。
七にんめのいとこ (1984.1.16)
ビートたけしのこにくらじいさん 1984年8月20日 - 12月10日 ビートたけし
新・翔んだカップル 1984年1月23日 石川秀美永瀬正敏
てんてん娘 1984年6月25日 原真祐美 テレパック
純ちゃんの奥さまは魔女 1984年7月16日 美保純 アズバーズ
  • アメリカのテレビドラマ『奥さまは魔女』とのストーリー上の関連性はない。
新・翔んだカップルパートⅡ 1984年7月23日 石川秀美、永瀬正敏
なんか妖かい!? 1984年7月30日 柏原芳恵山本陽一
いたずらデパートギャル・女は度胸 1984年10月29日 松本伊代 テレパック
ハーイあっこです 1984年11月5日、1985年10月14日 三田寛子三田村邦彦 泉放送制作
野球狂の詩 1985年1月7日 斉藤由貴 テレパック
はいからさんが通る 1985年4月 三田寛子野口五郎
特別機動少女隊 ホールドアップ!! 1985年4月22日 少女隊 テレパック
いたずらスチュワーデス! お嬢さまお手やわらかに 1985年5月6日 松本伊代 
奥様は不良少女!? おさな妻 1985年6月10日 工藤夕貴国広富之
もーれつア太郎 ニャロメ!!出生の秘密を知ったとき少女に何が起こったのココロ!? 1985年5月20日 久保田篤、荻野目洋子 大映テレビフジテレビ
おさわがせ剣士 赤胴鈴之助 1985年7月8日 木村一八
結婚ゲーム 1985年7月22日 山本陽一、斉藤慶子
ゲゲゲの鬼太郎 1985年8月5日 六浦誠 東映
  • フィルム撮影。
一休さん 1985年8月12日 富田靖子 テレパック
1986年11月17日 浅香唯 共同テレビ
転校生!おれがあいつであいつがおれで 1985年8月19日 石野陽子松野達也
仮面の忍者赤影 1985年8月26日 黒崎輝 テレパック
時をかける少女 1985年11月4日 南野陽子中川勝彦 アズバーズ
おそ松くん イヤミ・チビ太の板前一本勝負 1985年12月16日 所ジョージ ザ・ワークス
セーラー服恋愛教室 愛のレッスンA!B!!C!? 1986年1月6日 工藤夕貴、石野陽子、南野陽子
ママをたずねて三千里 1986年1月20日 間下このみ三浦洋一 泉放送制作
ピンクのラブソング 1986年1月27日 秋本理央
セーラー服応援団!乙女白書 1986年2月3日 佐野量子 アズバーズ
ザ・サムライ 1986年2月24日 沖田浩之 円谷プロ
超少女!はるひワンダー愛 1986年3月24日 松本伊代 共同テレビ
チェッカーズin涙のリクエスト 1986年4月14日 チェッカーズ
転校生!オレがあいつでアイツがおれで2 1986年4月21日 石野陽子 アズバーズ
奥さまは不良少女⁉おさな妻2 1986年6月2日 工藤夕貴、国広富之 アズバーズ
結婚ゲーム2 1986年6月30日 山本陽一、斉藤慶子
ボクの初体験 1986年7月14日 水谷麻里保坂尚輝 アズバーズ
初恋スキャンダル 1986年7月21日 佐野量子、長島ナオト アズバーズ
包丁人味平 1986年8月11日 木村一八横山やすし 東映
月とスッポン 恋のレッスンABC 1986年9月8日 芳本美代子西川弘志
悪魔くん 1986年9月15日 玉木潤 東映
小公女セーコ 1986年10月20日 間下このみ、三浦洋一 泉放送制作
白バイ野郎!トミー&マツ 1986年12月1日 国広富之、松崎しげる アズバーズ
ひみつのアッコちゃん 1987年2月9日 八木さおり オフィス・トゥー・ワン
セーラー服露天風呂卒業旅行 1987年4月13日 松本典子
新ハーイあっこです 1987年4月20日 森尾由美渡辺裕之 泉放送制作
キョンシーズ 霊幻道士 今よみがえる魔界伝説! 1987年4月27日 間下このみ
宇宙少女モルモ10分の1 1987年5月4日 森恵 共同テレビ
タッチ 1987年6月1日 岡本健一浅倉亜季 アズバーズ
生徒諸君! 1987年6月8日 伊藤美紀 ホリプロダクション
みんなあげちゃう 1987年6月22日 山本陽一
スケバン保母さんツッパリ風雲録 1987年7月6日 中森明穂 ジャパンプロデュース
女だらけ 1987年7月13日 少女隊 東映
What's Michael? ホワッツマイケル 1987年7月27日 小比類巻かほる 泉放送制作
原宿初恋探偵社 1987年9月7日 錦織一清 KANOX
ガクエン情報部H.I.P. 1987年9月21日 中村繁之森高千里 KANOX

長谷川町子原作作品 編集

タイトル 放送日(期間) 主演 制作会社など
長谷川町子のいじわる看護婦スペシャル (1983.12.26) 中原理恵
意地悪お手伝いさん 1984年‐、1985年1月21日、1986年6月16日 高見知佳

また本枠とは別に、星野知子主演による『サザエさん』の実写ドラマ版が1981年から1985年まで放送された。

植田まさし原作作品 編集

植田まさし作品の実写化は、テレビ東京系でドラマ化された『すっから母さん』を除き、この枠でしか行われていない。

タイトル 放送日(期間) 主演
のんき君 1983年12月12日 - 1984年10月8日 明石家さんま
ヨイショ君 1985年5月27日 古舘伊知郎
おとぼけ駅員 キップくん 1985年6月24日、1986年2月17日 前川清
まさし君 1985年2月18日 風見慎吾

藤子不二雄原作作品 編集

本枠で放送された藤子不二雄作品については、全て「藤子不二雄の~」と冠されている。

なお、本枠でアニメ『キテレツ大百科』のパイロット版が放送されたことがあるが[注 5]、こちらに関しても例に漏れず「藤子不二雄のキテレツ大百科」のタイトルで放映された。

タイトル 放送日(期間) 主演 制作会社など
藤子不二雄の夢カメラ 1986年3月3日 中山美穂荻野目洋子小泉今日子 KANOX
1987年3月2日 南野陽子富田靖子三田寛子
  • いずれも全3話のオムニバス構成。
  • 1987年放送分は『月曜ドラマランドひな祭りスペシャル』。
  • 後に連続ドラマ化(全4話、 1988年2月25日 - 3月24日、渡辺美奈代主演、東映製作)。
藤子不二雄の赤毛のアン子 1986年11月3日 荻野目洋子 KANOX
藤子不二雄のバケルくん 1987年5月4日 畠田理恵 共同テレビ
  • 複数話のオムニバス構成で、各サブタイトル画面に原作キャラのアニメーションが使用された。

石立鉄男主演作品 編集

タイトル 放送期間 話数
どっきり天馬先生 1983年4月11日 - 10月31日 全13話
どっきり双子先生・乙女学園男子部 1983年11月14日 - 1984年3月19日 全8話
乙女学園すみれ寮 1984年4月23日 - 9月10日 全4話

ジャニーズグループ主演作品 編集

当時ジャニーズ事務所に所属していた男性グループによる主演作品を列挙する。

タイトル 放送日 出演 制作会社など
胸さわぎの放課後 1983年10月24日、12月19日 ジャニーズ少年隊 東宝
少年隊のただいま放課後スペシャル 1984年6月4日 少年隊 東宝
少年隊ショーアップ・ハイスクール 1985年3月4日 少年隊 テレパック
シブがき隊のスシ食いねェ! 1986年5月5日 シブがき隊

おニャン子クラブ出演作品 編集

タイトル 放送日 出演 制作会社など
かぐや姫とんで初体験?! 1985年7月1日 岡田有希子福永恵規 ジャパンプロデュース
ボクの婚約者 1986年1月13日 福永恵規、内海和子 アズバーズ
ピンクのラブソング 1986年1月21日 秋本理央
透明少女 1986年3月10日 河合その子 共同テレビ
三代目はおニャン子お嬢様!? 花吹雪893組 1986年3月17日 国生さゆり アズバーズ
おニャン子学園危機イッパツ とんだ放課後 1986年5月12日 おニャン子クラブ全員 アズバーズ
二十歳の時 1986年6月9日 三田寛子、国生さゆり 共同テレビ
「日生ファミリースペシャル」
あしながおじさん 1986年7月7日 高井麻巳子 泉放送制作
みゆき 1986年8月4日 河合その子(二役) 共同テレビ
もしかして婚約者!? 1986年8月18日 内海和子、福永恵規 アズバーズ
探偵桃語 1986年10月27日 渡辺美奈代渡辺徹 共同テレビ
有閑倶楽部 1986年11月10日 国生さゆり KANOX
What's Michael? ホワッツマイケル 1986年11月24日 吉沢秋絵 泉放送制作
  • マイケルなど猫たちはパペットで登場。
おニャン子捕物帳 謎の村雨城 1986年12月8日 城之内早苗京本政樹 アズバーズ
ねらわれた学園 1987年1月26日 新田恵利 東宝
ないしょのハーフムーン 1987年2月16日 高井麻巳子、中山秀征 共同テレビ
看護婦アカデミー 1987年3月9日 渡辺満里奈樹原亜紀白石麻子
横田睦美貝瀬典子斉藤満喜子
名越美香
アズバーズ
いきなり婚約者!! 1987年3月23日 福永恵規、内海和子 アズバーズ
フローズン・ホラー・ショー 1987年5月18日 松本伊代、新田恵利、福永恵規 SOLD OUT
監督:堤幸彦
プロデュース:秋元康
おさな妻! ママはあぶない17才!! 1987年7月20日 渡辺満里奈 アズバーズ
夏休み妖怪バラエティ オバの魔法使い 1987年8月10日 小堺一機、高井麻巳子 ライオンスペシャル」

その他 編集

タイトル 放送日 出演
名場面・珍場面・㊙ベスト101 たけしさんから今日子由貴おニャン子まで栄光のデビュー作話題作一挙放送 1986年7月28日 ナレーター:神谷明
  • 初の総集編。
第14回ドリフのホノルルマラソン 1986年12月15日 ザ・ドリフターズ
  • 同シリーズ唯一の『月曜ドラマランド』枠での放送。
'86総決算・名場面・珍場面101 1986年12月22日 司会:所ジョージ、白石まるみ
ナレーター:神谷明
特別ゲスト:渡辺美奈代
  • 総集編第2回。
  • 前回の『ホノルルマラソン』と合わせ、史上唯一「2週連続非ドラマ放送」。
  • 特別ゲストの渡辺美奈代は『探偵桃語』の主演者。
さよならドラマランド特別企画 全て見せます!名場面珍場面ベスト101 1987年10月12日
  • 最後の総集編。

本枠終了後も特番として放送 編集

タイトル 放送日 出演 制作会社など
心はロンリー気持ちは「…」I 1984年12月17日 明石家さんま田中美佐子
心はロンリー気持ちは「…」 II 1985年7月15日 明石家さんま、萬田久子
志村けんのバカ殿様 1986年4月28日 - 1987年11月9日 志村けん イザワオフィス
  • ドラマではなく、コントを中心としたお笑い番組。
意地悪ばあさん 1983年10月10日 - 1987年10月5日 青島幸男 テレパック
共同テレビ

エンディングテーマ 編集

※上記以外にもおニャン子クラブ関連の曲は使われている。
※他に主演アイドルの曲も使用されていた。

スタッフ 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 稀に、生命保険会社をスポンサーに付け、家族の絆などを題材にした若干シリアスタッチのホームドラマも放送されていたものの、その際は『月曜ドラマランド』ではなく『第一生命スペシャル』や『ニッセイスペシャル』と銘打って放送された。
  2. ^ 演技経験のない若手アイドルに経験を積ませるための実験的な意図もあったとされる[2]
  3. ^ ただし、主人公の6つ子が大人になった続編的作品である『おそ松さん』は2022年に実写化。
  4. ^ 本番組休止で単発特番が組まれていた場合でも、本番組のスポンサー枠のみ同様の対応をとっていた。
  5. ^ 但し、アニメ作品の為「月曜ドラマランド」とはクレジットされなかった。

出典 編集

  1. ^ a b c 週刊TVガイド 1983年2月4日号 p.24「REPORT・フジが月曜夜七時半に九十分ドラマを新設」
  2. ^ a b 竹書房/イオン編 編「BonusColumn 月曜ドラマランドの時代」『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、pp.174 - 175頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。 
  3. ^ ビデオリサーチ 関東地区調べ

関連項目 編集

フジテレビ 月曜19:30 - 20:54枠
前番組 番組名 次番組
エプロンおばさん
(19:30 - 20:00)
※30分繰上げ
おまかせください、
オレの女房どの

(20:00 - 20:54)
月曜ドラマランド