末松信介
末松 信介(すえまつ しんすけ、1955年12月17日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の参議院議員(4期)、参議院予算委員長、自民党兵庫県連会長。
末松 信介 すえまつ しんすけ | |
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![]() 文部科学大臣就任に際し公開された公式肖像写真 | |
生年月日 | 1955年12月17日(67歳) |
出生地 |
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出身校 | 関西学院大学法学部卒業 |
前職 | 全日本空輸従業員 |
所属政党 | 自由民主党(安倍派) |
親族 | 父・末松三芳(兵庫県議会議員) |
公式サイト | 参議院議員 末松信介 ホームページ |
内閣 | 第2次岸田内閣 |
在任期間 | 2022年4月1日 - 2022年8月10日 |
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内閣 |
第1次岸田内閣 第2次岸田内閣 |
在任期間 | 2021年10月4日 - 2022年8月10日 |
選挙区 | 兵庫県選挙区 |
当選回数 | 4回 |
在任期間 | 2004年7月26日 - 現職 |
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選挙区 | 神戸市垂水区選挙区 |
当選回数 | 6回 |
在任期間 |
1983年 - 1993年 1995年 - 2004年 |
東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣、文部科学大臣(第27代・第28代)、教育再生担当大臣、自由民主党参議院国会対策委員長、国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣(第3次安倍第2次改造内閣)、財務大臣政務官(福田康夫改造内閣・麻生内閣)、参議院議院運営委員長・外交防衛委員長・行政監視委員長、自由民主党幹事長代理、兵庫県議会副議長(第104代)、兵庫県議会議員(6期)を歴任した。
来歴 編集
兵庫県神戸市垂水区(現在の西区)生まれ[1]。神戸大学附属明石中学校、三田学園高校、関西学院大学法学部卒業[2]。大学卒業後、全日本空輸(ANA)に入社[1][2]。
1983年、兵庫県議会議員に初当選した[1][2]。1987年、1991年に再選。1993年、県議を3期目の任期途中で辞職し、第40回衆議院議員総選挙に保守系無所属で旧兵庫1区(定数5)から出馬したが、得票数8位で落選した[2]。1995年、県議に返り咲き、1996年に第104代兵庫県議会副議長に選出された[1][2]。2001年より自由民主党兵庫県連政務調査会長、2003年より同幹事長[1][2]。
2004年、第20回参議院議員通常選挙に自民党公認で兵庫県選挙区(定数2)から出馬し、民主党新人の水岡俊一に次ぐ得票数2位で当選した[2]。2008年、福田康夫改造内閣で財務大臣政務官に任命され、麻生内閣まで務めた。2009年より自民党兵庫県連会長[2]。
2010年の第22回参議院議員通常選挙では、自民党公認で兵庫県選挙区から出馬し、民主党現職の水岡俊一を上回る69万票あまりを獲得して再選。同年10月より参議院行政監視委員長[2]。2013年、参議院外交防衛委員長に就任[2]。2014年より党幹事長代理。
2016年の第24回参議院議員通常選挙では、定数が2から3に増員された兵庫県選挙区から自民党公認で出馬。この選挙では、公明党が24年ぶりに候補者を擁立し、おおさか維新の会も候補を擁立し自民党支持層の取り込みを図っていたが、得票数トップで3選した(公明党新人の伊藤孝江、おおさか維新の会新人の片山大介も当選)[3]。同年8月、第3次安倍第2次改造内閣で国土交通副大臣(災害対策関係施策、土地・建設産業、水管理・国土保全、住宅、鉄道、自動車、国際および気象関係施策の総括[4])、内閣府副大臣ならびに復興副大臣(地震、津波災害からの復興に関する事項担当)に任命され、3つの省庁の副大臣を兼務した[5]。
2021年10月4日、第1次岸田内閣で文部科学大臣として初入閣[6]。末松は文部科学行政の経験が浅く、畑違いの起用であった。そのため、岸田から電話で指名された際、驚きと動揺のあまり、思わず「私は末松信介ですよ!!」と大声で思いっきり聞き返してしまったと同時に、希望を持ち感激したという[7]。
なお、入閣にともない、同年10月6日に自民党兵庫県連会長を退任し、後任の県連会長に西村康稔が就いた[8]。末松は同年7月の兵庫県知事選挙をめぐり県連所属議員らの対応が割れた責任を取り辞任した谷公一の後任として8月に県連会長に就任した[9]ばかりで、わずか2ヶ月での交代であった。
2021年11月10日、第2次岸田内閣でも文部科学大臣に再任。
2022年4月1日、前日の3月31日に堀内詔子東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣兼ワクチン接種推進担当大臣が、「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部」の解散によって閣僚の定数が1減したことに伴って退任したことに伴い、後任の東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣を兼務(ワクチン接種推進担当大臣の後任は松野博一官房長官が兼務。)。
2022年7月10日の参院選で、得票数2位で4選を果たした[10]。
2022年8月10日、内閣改造に伴い、文部科学大臣、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣を退任。同年8月26日、自民党兵庫県連会長に就任[11]。
人物 編集
統一教会との関係 編集
- 2020年から2021年にかけて、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係者2人が末松の政治資金パーティーの会費を1枚ずつ、計4万円分購入した[13][14]。
- 2020年と2022年5月にそれぞれ、教団側からイベントへの祝電を求められ、祝電を送った[15][16][13]。
- 2022年7月22日、閣議後の記者会見で、上記の件について「常識の範囲内であり、やましいことは一切ない」と述べた[13]。
- 同年7月29日、閣議後の記者会見で、2015年に文化庁が認証した、旧統一教会の世界平和統一家庭連合への名称変更について「申請内容が法令の要件を備えていることを確認して認証を行った。現時点で特定の政治家からの働きかけがあったものではないと聞いている」と述べた[17]。文化庁は文科省の外局で、当時の文科相は末松と同じ自民党安倍派の下村博文だった[18][注 1]。
- 2023年1月21日、共同通信社は全国の自民党都道府県連に対して行ったアンケートの結果を発表。末松が会長を務める党兵庫県連は、同年春の統一地方選挙で立候補予定者を公認・推薦する際、統一教会との接点や関係遮断の意思を確認しない方針であることを示した[20]。自民党は2022年10月25日にガバナンス・コードと呼ばれる党行動指針を改訂し、都道府県連に対し統一教会との関係遮断の徹底を通知したが[21]、兵庫を含む12県連は党本部の指令に従わないことが明らかとなった[20]。
その他 編集
- 実父の末松三芳も、生前に兵庫県議会議員を務めた。家族は妻と2男1女[22]。
- 三田学園高校への在学中に、硬式野球部員として野球部寮での生活を経験している[23]。文部科学大臣在任中の2022年には、地元の阪神甲子園球場で催された第94回選抜高等学校野球大会・第104回全国高等学校野球選手権大会の開会式に出席。高校球児に向けて、50年前の寮生活での経験談を盛り込みながら「御祝の言葉」を述べた。
- 2022年6月、宮城県仙台第二高等学校の女子生徒が参院選の方式を説明するポスターを校内に貼り、これが政治的活動だとして学校側に撤去させられたことをツイッターで訴えた際、「文部科学省では、高校生向けの政治や選挙に関する副教材を総務省とともに配布し、政治的教養を育む教育を進めている。政治的中立を確保した上で、選挙の仕組みなど政治的教養を高める活動は大変素晴らしい」と逆に称賛のリプライを送った[24](その後、学校は誤りを認め、処分を撤回した[25])。
政策・主張 編集
憲法 編集
- 9条改憲について、2016年の毎日新聞社のアンケートで「改正して、自衛隊の役割や限界を明記すべきだ」と回答[28]。2022年の毎日新聞社のアンケートで「改正して、自衛隊の存在を明記すべきだ」と回答[27]。9条への自衛隊の明記について、2022年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[26]。
外交・安全保障 編集
- ロシアは2022年2月24日、ウクライナへの全面的な軍事侵攻を開始した[29]。日本政府が行ったロシアに対する制裁措置についてどう考えるかとの問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「適切だ」と回答[26]。同年の毎日新聞社のアンケートで「今の制裁で妥当だ」と回答[27]。
- 2022年6月7日、政府は経済財政運営の指針「骨太方針」を閣議決定した。NATO加盟国が国防費の目標としている「GDP比2%以上」が例示され、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針が明記された[30]。「防衛費を今後どうしていくべきだと考えるか」との問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「大幅に増やすべき」と回答[26]。
ジェンダー 編集
その他 編集
- 2016年の米国大統領選挙について「ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンのどちらを支持するか」との問いに対し、2016年の毎日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[28]。
所属団体・議員連盟 編集
支援団体 編集
- 全国たばこ販売政治連盟(組織推薦候補者)[37]
不祥事 編集
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
- ^ a b c d e 末松 信介(すえまつ しんすけ):参議院
- ^ a b c d e f g h i j 参議院議員 末松信介 ホームページ - プロフィール
- ^ “自民の末松信介氏、組織票積み上げ3選…兵庫”. 読売新聞. (2016年7月10日) 2017年10月22日閲覧。
- ^ 【就任会見】 末松信介国土交通副大臣「災害時の危機管理大事に」 建設資料館2016/08/10
- ^ “副大臣:20人交代 閣議決定”. 毎日新聞. (2016年8月5日) 2017年10月22日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年10月4日). “文科相任命の末松氏「コロナ収束で充実した教育を」”. 産経ニュース. 2021年10月8日閲覧。
- ^ https://www.asahi.com/articles/ASPB554R1PB5UTIL01T.html
- ^ “自民兵庫県連 新会長に西村氏就任”. 神戸新聞NEXT. (2021年10月6日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ “自民兵庫県連会長に末松氏 谷氏辞任、衆院選へ結束”. 産経新聞 2021年8月8日閲覧。
- ^ “兵庫 参議院選挙結果・開票速報”. 参議院選挙2022特設サイト. NHK. 2022年7月11日閲覧。
- ^ 田中陽一 (2022年8月26日). “自民県連会長に末松氏 西村経産相から交代”. 神戸新聞. 2023年1月24日閲覧。
- ^ “衆議院・参議院 常任委員長や特別委員長など人事決まる”. NHK NEWS WEB (NHK). (2022年10月3日) 2023年3月12日閲覧。
- ^ a b c “旧統一教会側、文科相パー券購入 イベントへの祝電も”. 東京新聞 (2022年7月22日). 2022年8月4日閲覧。
- ^ “旧統一協会側、末松大臣のパー券の購入「やましいものない」”. テレビ朝日 (2022年7月22日). 2022年7月29日閲覧。
- ^ “旧統一教会との接点、全国会議員712人に聞いてみた【全回答の一覧付き】FAXで回答”. 共同通信 (2022年8月31日). 2022年8月31日閲覧。
- ^ “全国会議員712人アンケート 旧統一教会と政治の関係”. 共同通信 (2022年8月31日). 2022年8月31日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “旧統一教会の名称変更 末松文科相 “手続き問題なかった” | NHK”. NHKニュース. 2022年7月31日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2022年7月29日). “旧統一教会の名称変更「政治家の働きかけない」 末松文科相”. 産経ニュース. 2022年7月31日閲覧。
- ^ 「統一教会と自民党『本当の関係』」. 文春. p. 30-32
- ^ a b “自民12県連で関係遮断確認せず 統一選の旧統一教会対応”. 共同通信 (2023年1月21日). 2023年1月24日閲覧。
- ^ “「ガバナンスコード」を改訂”. 自民党 (2022年10月25日). 2023年1月24日閲覧。
- ^ “候補者が行く 2016参院選 末松信介さん(60)【自民党・現】地方の声を政策に生かす”. 神戸新聞. (2016年6月27日) 2020年5月6日閲覧。
- ^ “末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年2月4日)”. 文部科学省 (2022年2月4日). 2022年3月19日閲覧。
- ^ 末松公式2022年7月1日午前11時39分
- ^ 高校で参院選解説ポスター張った女子生徒に起きたこと 線引きどこに朝日新聞2022年7月6日
- ^ a b c d e f g h i j k “選挙区 兵庫”. 候補者アンケート - 参院選2022. NHK. 2022年6月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “末松信介 自民 兵庫”. 第26回参院選. 毎日新聞社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ a b c “2016参院選 自民 兵庫 末松信介”. 毎日新聞. オリジナルの2016年6月27日時点におけるアーカイブ。 2022年5月18日閲覧。
- ^ “ロシアが全面侵攻開始、ウクライナは自国を防衛=クレバ外相”. ロイター (2022年2月24日). 2022年2月28日閲覧。
- ^ 川田篤志、柚木まり (2022年6月8日). “防衛費や子ども関連費倍増も 財源検討は参院選後に先送り 政府が「骨太方針」閣議決定”. 東京新聞 2022年6月27日閲覧。
- ^ “高市総務相発言 「電波停止」 波紋広げる理由とは”. 毎日新聞. (2016年2月11日) 2022年7月5日閲覧。
- ^ “高市早苗総務大臣の「放送法違反による電波停止命令を是認する発言」に抗議し、その撤回を求めると共に、政府に対し報道・表現の自由への干渉・介入を行わないよう求める会長声明”. 東京弁護士会 (2016年2月16日). 2023年3月9日閲覧。
- ^ “【衆院予算委】安倍首相、電波停止「民主党政権で同じ答弁」”. 産経新聞. (2016年2月15日) 2022年7月5日閲覧。
- ^ “超党派議員がODA削減反対で一致 政府に申し入れへ”. 産経新聞. (2011年4月14日) 2011年4月14日閲覧。Archived 2011年4月15日, at the Wayback Machine.
- ^ “2020年12月号_2面”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2020年11月25日) 2020年11月30日閲覧。
- ^ “活動報告”. 参議院議員 末松信介 ホームページ (2009年11月9日). 2018年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月29日閲覧。
- ^ “2022年6月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2022年5月25日) 2022年5月26日閲覧。
- ^ “出所不明の政治資金1157万円/自民 末松参院議員(兵庫選挙区)を告発/オンブズマン”. www.jcp.or.jp. 2021年10月8日閲覧。
- ^ a b c 上田耕司 (2021年10月8日). “甘利幹事長だけじゃない 「政治とカネ」醜聞でスネに傷持つ岸田政権10人を総ざらい〈dot.〉”. AERA dot. (アエラドット). 2021年10月8日閲覧。
- ^ “舛添より金に汚い自民党参院立候補者リスト! 政治資金でキャバクラ、エルメス、SMバー...安倍直系議員は暴力団と (2016年7月5日)”. エキサイトニュース. 2021年10月8日閲覧。
外部リンク 編集
- 参議院議員 末松信介 ホームページ
- 末松信介オフィシャルブログ「真剣勝負」 - Ameba Blog
- 参議院議員 末松 信介 (@SSS_suematsu) - Twitter
公職 | ||
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先代 萩生田光一 |
文部科学大臣 第27・28代:2021年 - 2022年 |
次代 永岡桂子 |
先代 堀内詔子 |
国務大臣(東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当) 第10代:2022年 |
次代 廃止 |
先代 土井亨 山本順三 |
国土交通副大臣 田中良生と共同 2016年 - 2017年 |
次代 牧野京夫 秋元司 |
先代 高鳥修一 松本文明 福岡資麿 松下新平 盛山正仁 冨岡勉 高木陽介 山本順三 井上信治 若宮健嗣 |
内閣府副大臣 石原宏高 越智隆雄 松本洋平 赤間二郎 盛山正仁 水落敏栄 高木陽介 伊藤忠彦 若宮健嗣と共同 2016年 - 2017年 |
次代 越智隆雄 福田峰之 松本文明 坂井学 葉梨康弘 水落敏栄 武藤容治 秋元司 伊藤忠彦 山本朋広 |
先代 長島忠美 若松謙維 山本順三 |
復興副大臣 橘慶一郎 長沢広明と共同 2016年 - 2017年 |
次代 土井亨 長沢広明 秋元司 |
先代 宮下一郎 小泉昭男 |
財務大臣政務官 三ツ矢憲生と共同 2008年 - 2009年 |
次代 大串博志 古本伸一郎 |
党職 | ||
先代 関口昌一 |
自由民主党参議院国会対策委員長 2019年 - 2021年 |
次代 岡田直樹 |
議会 | ||
先代 山本順三 |
参議院予算委員長 2022年 - |
次代 現職 |
先代 山本順三 |
参議院議院運営委員長 第65代:2018年 - 2019年 |
次代 松村祥史 |
先代 加藤敏幸 |
参議院外交防衛委員長 2013年 - 2014年 |
次代 片山さつき |
先代 伊達忠一 |
参議院行政監視委員長 2010年 - 2011年 |
次代 福岡資麿 |