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ハンガリーグランプリ(ハンガリーGP, : Hungarian Grand Prix, ハンガリー語: Magyar Nagydíj)は、ハンガリーハンガロリンクで開催されている自動車レースであり、1986年以降行われているF1のレースのひとつ。

Flag of Hungary.svg Hungarian Grand Prix
ハンガロリンク
Hungaroring.svg
レース情報
周回 70
コース長 4.381 km (2.722 mi)
レース長 306.663 km (190.560 mi)
開催回数 34
初回 1936年
最多勝利
(ドライバー)
イギリスの旗 ルイス・ハミルトン (6)
最多勝利
(コンストラクター)
イギリスの旗 マクラーレン (11)
最新開催(2018年):
ポールポジション イギリスの旗 ルイス・ハミルトン
メルセデス
1:35.658
決勝順位 1. イギリスの旗 ルイス・ハミルトン
メルセデス
1:37:16.427
2. ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル
フェラーリ
+17.123s
3. フィンランドの旗 キミ・ライコネン
フェラーリ
+20.101s
ファステストラップ オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド
レッドブル-タグ・ホイヤー
1:20.012

目次

概要編集

1986年のF1初開催時[1]は、共産主義体制下にあった東欧諸国での唯一のF1グランプリとして注目されるレースとなった。

地理的に東欧(特に隣国オーストリア)や北欧からの観客が多い。そのため、母国でGPが開催されない東欧・北欧圏のドライバーにとってはホームグランプリとしての扱いもされる。

開催コースのハンガロリンクは低速コースであり、オーバーテイクが難しいレイアウトである。マシンの性能差が縮まる上、抜くに抜けない車の後方に数台が連なって所謂「トレイン状態」「レーシングスクール状態」になる事も多く、過去幾多の名勝負が繰り広げられた。劇的な展開が突然起こること(番狂わせ)も多く、2002年から2008年まで毎年別々の勝者が生まれており、そのうち3人が初優勝である。2009年からコスト削減の一環としてサマーブレイクが導入されたが、サマーブレイク前の最後のレースとなることが多い。

真夏のバカンス期の開催であるうえ、盆地に位置するので例年晴天、高温のレースになる事が多く、ドライバーの負担及びブレーキの熱負担、エンジン(パワーユニット)の熱負担が非常に高くなる事が多い。さらにシフト回数も多く、ギアボックスの負担も非常に大きい。ドライバー、マシンともに非常に厳しいレースの1つとされる。そのため、予選のグリッドと決勝の戦略が非常に大きいウェイトを占めるグランプリである。だが、これまでのハンガロリンクのポールシッターは33戦15勝であり、勝率は5割を切っている。マシンの速さも当然の事ながら、チームの戦略や采配、ピット作業なども明暗を分けることが多い。2015年から2017年にかけてホンダのパワーユニットを搭載したマクラーレンは、エンジンパワーが他のエンジンサプライヤーと比較して圧倒的に低いなどして3年間振るわない成績であったが、このハンガリーGPに限っては2015年から5位、5位、6位(ドライバーはいずれもフェルナンド・アロンソ2017年にはファステストラップを記録した。)と3年間好成績を残していた。

例年、真夏のシーズン中盤戦に実施されているため、タイトル争いの正念場となるレースになることが多いが、チャンピオン争いが独走となった1992年ナイジェル・マンセル2001年ミハエル・シューマッハはこのレースでチャンピオンを確定させた。2002年のミハエル・シューマッハは2戦前のフランスGPでチャンピオンが決定したため、唯一チャンピオン決定後となっている。

ハンガロリンクでは、2026年まで継続開催される予定である[2]

2005年以降、このハンガリーGPを制したドライバーはその年のチャンピオンになれないジンクスが続いていた。2018年まで、2000年代以降をみてもハンガリーGPを制したドライバーがその年のチャンピオンを獲得したのは2001年・2004年ミハエル・シューマッハのみという状況が続いていた。 2018年にメルセデスのルイス・ハミルトンがハンガリーGPを制し、同年のメキシコGPでチャンピョンを獲得したことで久しぶりにジンクスが破られることとなった。

主な出来事編集

  • 1986年 - 先頭を走るアイルトン・セナロータス)と2位のネルソン・ピケウィリアムズ)が1コーナーでバトルを展開。最初のアタックではインを差したピケのラインが膨らんだ隙にセナが抜き返す。2度目はピケがアウト側から被せ、マシンをドリフトさせながら前に出た。
  • 1987年 - ナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)がレースをリードしていたが、残り6周という所でリアタイヤのホイールナットが外れてリタイアした。
  • 1989年 - リカルド・パトレーゼ(ウィリアムズ)が6年ぶりにポールポジションを獲得。決勝は12番手スタートのマンセル(フェラーリ)が順位を上げ、周回遅れを利用してセナ(マクラーレン)をかわして優勝した。
  • 1992年 - 2位でフィニッシュしたマンセル(ウィリアムズ)が悲願のチャンピオンを獲得。16戦中11戦目という当時最短でのタイトル決定戦となった。
  • 1993年 - デイモン・ヒル(ウィリアムズ)がF1初優勝。父親のグラハムに続き史上初の親子2代ウィナーとなった。
  • 1995年 - アロウズ井上隆智穂がエンジントラブルのためマシンを停めた直後、エンジンから出火。消火器を持って自ら消火しようとした所、後方からやってきたマーシャルカー(救急車)に撥ねられる事故が発生。井上はボンネットに乗り上げ、脚の傷みのため倒れこんでしまった。レース終了後に病院に搬送されたものの、大事には至らなかった。この撥ねられたシーンを含め事故の一部始終は国際映像で放送されていた。
  • 1997年 - アロウズに移籍した前年度王者ヒルが予選3位、決勝でも11周目にミハエル・シューマッハ(フェラーリ)を抜いてトップを快走。アロウズならびにヤマハエンジン、ブリヂストンタイヤにとってのF1初優勝に近づいたが、残り2周で油圧トラブルが発生して急失速、惜しくも2位に終わるも、表彰台に駆け付けた観客からはデイモンコール一色であった。
  • 1998年 - ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が想定外の3ピットストップ作戦を敢行、マクラーレンの2台を逆転して優勝した。
  • 2001年 - ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が優勝し、2年連続4度目のチャンピオンを獲得。また、コンストラクターズにおいてもフェラーリが3年連続11度目のチャンピオンも獲得した。
  • 2003年 - フェルナンド・アロンソルノー)がスペイン人ドライバーとしてF1初優勝。当時の最年少優勝記録も作る。
  • 2006年 - ジェンソン・バトンホンダ)がF1初優勝。ホンダのコンストラクターとしての勝利は1967年イタリアGP以来。
  • 2007年 - 予選Q3でアロンソ(マクラーレン)がピットスタートを遅らし、チームメイトのルイス・ハミルトンがタイムアタックに入る機会を妨害したとして、5グリッド降格処分を受ける。
  • 2008年 - 先頭を走るフェリペ・マッサ(フェラーリ)が残り3周という所でストップし、ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)がF1初優勝。F1通算100人目のウィナーになった。
  • 2009年 - フェリペ・マッサ(フェラーリ)のヘルメットに前走車から外れたパーツが直撃。頭部に重傷を負い、シーズン残りを欠場(この事故が頭部保護デバイス「halo」導入のきっかけとなる)。決勝ではルイス・ハミルトン(マクラーレン)がKERS搭載車として初優勝。
  • 2015年 - 2014年の開幕戦オーストラリアGPから続いていたメルセデスの連続表彰台記録が28でストップ[3]セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がハンガリーGP初優勝。
  • 2016年 - 予選Q1は雨のため4回の赤旗が出され、11台が107%ルールをクリアできないハプニングがあった(例外的な状況と判断され全車決勝に出走した)。ハミルトン(メルセデス)が優勝し、ハンガリーGPの単独最多勝利ドライバーとなる5勝目を記録。

結果編集

F1世界選手権として開催された1986年以降の結果について記載する。ハンガロリンクのコースレイアウトの変遷については、ハンガロリンク#コースレイアウトを参照。

決勝日 ラウンド サーキット 勝者 所属チーム 結果
1986 8月10日 11 ハンガロリンク   ネルソン・ピケ ウィリアムズ 詳細
1987 8月09日 9 ハンガロリンク   ネルソン・ピケ ウィリアムズ 詳細
1988 8月07日 10 ハンガロリンク   アイルトン・セナ マクラーレン 詳細
1989 8月13日 10 ハンガロリンク   ナイジェル・マンセル フェラーリ 詳細
1990 8月12日 10 ハンガロリンク   ティエリー・ブーツェン ウィリアムズ 詳細
1991 8月11日 10 ハンガロリンク   アイルトン・セナ マクラーレン 詳細
1992 8月16日 11 ハンガロリンク   アイルトン・セナ マクラーレン 詳細
1993 8月15日 11 ハンガロリンク   デイモン・ヒル ウィリアムズ 詳細
1994 8月14日 10 ハンガロリンク   ミハエル・シューマッハ ベネトン 詳細
1995 8月13日 10 ハンガロリンク   デイモン・ヒル ウィリアムズ 詳細
1996 8月11日 12 ハンガロリンク   ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズ 詳細
1997 8月10日 11 ハンガロリンク   ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズ 詳細
1998 8月16日 12 ハンガロリンク   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 詳細
1999 8月15日 11 ハンガロリンク   ミカ・ハッキネン マクラーレン 詳細
2000 8月13日 12 ハンガロリンク   ミカ・ハッキネン マクラーレン 詳細
2001 8月19日 13 ハンガロリンク   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 詳細
2002 8月18日 13 ハンガロリンク   ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 詳細
2003 8月24日 13 ハンガロリンク   フェルナンド・アロンソ ルノー 詳細
2004 8月15日 13 ハンガロリンク   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 詳細
2005 7月31日 13 ハンガロリンク   キミ・ライコネン マクラーレン 詳細
2006 8月06日 13 ハンガロリンク   ジェンソン・バトン ホンダ 詳細
2007 8月05日 11 ハンガロリンク   ルイス・ハミルトン マクラーレン 詳細
2008 8月03日 11 ハンガロリンク   ヘイキ・コバライネン マクラーレン 詳細
2009 7月26日 10 ハンガロリンク   ルイス・ハミルトン マクラーレン 詳細
2010 8月01日 12 ハンガロリンク   マーク・ウェバー レッドブル 詳細
2011 7月31日 11 ハンガロリンク   ジェンソン・バトン マクラーレン 詳細
2012 7月29日 11 ハンガロリンク   ルイス・ハミルトン マクラーレン 詳細
2013 7月28日 10 ハンガロリンク   ルイス・ハミルトン メルセデス 詳細
2014 7月27日 11 ハンガロリンク   ダニエル・リカルド レッドブル 詳細
2015 7月26日 10 ハンガロリンク   セバスチャン・ベッテル フェラーリ 詳細
2016 7月24日 11 ハンガロリンク   ルイス・ハミルトン メルセデス 詳細
2017 7月30日 11 ハンガロリンク   セバスチャン・ベッテル フェラーリ 詳細
2018 7月29日 12 ハンガロリンク   ルイス・ハミルトン メルセデス 詳細

複数回優勝したドライバー編集

回数 ドライバー 優勝年
6   ルイス・ハミルトン 2007, 2009, 2012, 2013, 2016, 2018
4   ミハエル・シューマッハ 1994, 1998, 2001, 2004
3   アイルトン・セナ 1988, 1991, 1992
2   ネルソン・ピケ 1986, 1987
  デイモン・ヒル 1993, 1995
  ジャック・ヴィルヌーヴ 1996, 1997
  ミカ・ハッキネン 1999, 2000
  ジェンソン・バトン 2006, 2011
  セバスチャン・ベッテル 2015, 2017

複数回優勝したコンストラクター編集

回数 コンストラクター 優勝年
11   マクラーレン 1988, 1991, 1992, 1999, 2000, 2005, 2007, 2008, 2009, 2011,
2012
7   ウィリアムズ 1986, 1987, 1990, 1993, 1995, 1996, 1997
  フェラーリ 1989, 1998, 2001, 2002, 2004, 2015, 2017
3   メルセデス 2013, 2016, 2018
2   レッドブル 2010, 2014

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ F1世界選手権が始まる前の1936年に1度だけ、ブダペストのネープリゲトで開催されている。
  2. ^ F1ハンガリーGP:ハンガロリンクが2026年までF1開催契約を延長. F1-Gate.com(2016年4月23日).
  3. ^ 歴代2位。1位はフェラーリが1999-2002年に記録した53。

外部リンク編集