WTAファイナルズ
WTAファイナルズ(WTA Finals)は、毎年10月末から11月上旬に行われるWTAツアーの年間最終戦である。
WTAファイナルズ | |
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WTAツアー | |
開始年 | 1972年 |
回 | 53 (2024) |
開催地 | リヤド (2024) |
カテゴリ | WTAファイナルズ[1] |
サーフェス | ハード - indoors |
ドロー | 8S / 8D (since 2014) |
賞金総額 | $15,250,000 (2024) |
公式サイト | |
wtafinals.com | |
前回優勝 | |
シングルス |
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ダブルス |
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WTAトーナメント |
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歴史
編集1972年にアメリカ・フロリダ州のボカラトンで「バージニアスリム選手権」として第1回が行われ、1979年以降、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた。歴代の冠スポンサーの中には日本のトヨタ自動車も名前を連ねたことがある。1995年から2000年までは「チェイス選手権」の名称であった。
最近は大会会場の変更が多く、2001年はドイツ・ミュンヘンの「オリンピアハレ」で行われ、2002年から2005年まではロサンゼルスで開催された。2006年・2007年の2年間スペイン・マドリードで行われた後、2008年はカタールのドーハに会場を移す。2011年からはトルコのイスタンブール、2014年からはシンガポール、2019年から2028年までは中国深圳市で開催される。2021年は新型コロナウイルスの流行を理由に、会場がメキシコのグアダラハラに変更された。
2002年までは、年間最終ランキング16名の選手に出場資格が与えられ、1回戦からのトーナメントで試合が行われていた。しかし2003年以後、男子年間最終戦の「テニス・マスターズ・カップ」と同じ方式に変更された。出場資格選手は世界ランキング上位8名の選手に減らされ、4人ずつの2組に分かれて総当たり戦(ラウンドロビン方式)を行い、上位選手2名が決勝トーナメントに進出する。その4名で準決勝 → 決勝が行われ、優勝者が決定する。
このWTAツアー最終戦は、1998年までは決勝戦が最大5セット・マッチで行われ、女子テニスツアーでは唯一5セット・マッチで行われるゲームであった。この制度は1984年、当時の世界ランキング1位だったマルチナ・ナブラチロワがあまりにも強すぎたことから導入された。しかし女子選手に5セット・マッチは体の負担が大きすぎるという声が大きく、1999年からは決勝戦も通常の最大3セット・マッチで行われている。本大会シングルスの優勝者にはビリー・ジーン・キング・トロフィー、ダブルスにはマルチナ・ナブラチロワ・トロフィーが授与される。
2009年からは本大会に出場出来なかった選手によるWTAトーナメント・オブ・チャンピオンズが翌週に行われるようになった。2015年からはWTAエリート・トロフィーとして開催されている。
開催地
編集都市 | 開催年 | 会場 | サーフェス | 座席数 |
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ボカラトン | 1972–1973 | – | クレー | – |
ロサンゼルス | 1974–1976 | – | カーペット | – |
ニューヨーク | 1977 | マディソン・スクエア・ガーデン | カーペット | 18,000 |
オークランド | 1978 | オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム・アリーナ | カーペット | – |
ニューヨーク | 1979–2000 | マディソン・スクエア・ガーデン | 屋内カーペット | 18,000 |
ミュンヘン | 2001 | オリンピアハレ | ハード | 12,000 |
ロサンゼルス | 2002–2005 | ステイプルズ・センター | 屋内ハード | 17,000 |
マドリード | 2006–2007 | マドリード・アリーナ | 屋内ハード | 10,500 |
ドーハ | 2008–2010 | カリファ国際テニスコンプレックス | ハード | 6,911 |
イスタンブール | 2011–2013 | スィナン・エルデム・ドーム | 屋内ハード | 15,000 |
シンガポール | 2014–2018 | シンガポール・インドア・スタジアム | 屋内ハード | 10,000 |
深圳 | 2019* | 深圳湾体育中心 | 屋内ハード | 12,000 |
グアダラハラ | 2021 | パンアメリカン・テニス・センター | ハード | 2,592 |
フォートワース | 2022 | ディッキーズ・アリーナ | 屋内ハード | 12,000 |
カンクン | 2023 | ハード | 6,000 | |
リヤド | 2024–2026 | キングサウード大学 | 屋内ハード |
歴代優勝者
編集シングルス
編集年 | 優勝者 | 準優勝者 | 決勝結果 | 備考 |
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1972年 | クリス・エバート | ケリー・レイド | 7-5, 6-4 | |
1973年 | クリス・エバート | ナンシー・リッチー | 6-3, 6-3 | |
1974年 | イボンヌ・グーラゴング | クリス・エバート | 6-3, 6-4 | |
1975年 | クリス・エバート | マルチナ・ナブラチロワ | 6-4, 6-2 | |
1976年 | イボンヌ・グーラゴング・コーリー | クリス・エバート | 6-3, 5-7, 6-3 | |
1977年 | クリス・エバート | スー・バーカー | 2-6, 6-1, 6-1 | |
1978年 | マルチナ・ナブラチロワ | イボンヌ・グーラゴング・コーリー | 7-6, 6-4 | |
1979年 | マルチナ・ナブラチロワ | トレーシー・オースチン | 6-3, 3-6, 6-2 | |
1980年 | トレーシー・オースチン | マルチナ・ナブラチロワ | 6-2, 2-6, 6-2 | |
1981年 | マルチナ・ナブラチロワ | アンドレア・イエガー | 6-3, 7-6 | |
1982年 | シルビア・ハニカ | マルチナ・ナブラチロワ | 1-6, 6-3, 6-4 | |
1983年 | マルチナ・ナブラチロワ | クリス・エバート・ロイド | 6-2, 6-0 | |
1984年 | マルチナ・ナブラチロワ | クリス・エバート・ロイド | 6-3, 7-5, 6-1 | 決勝戦に5セット・マッチ導入 |
1985年 | マルチナ・ナブラチロワ | ヘレナ・スコバ | 6-3, 7-5, 6-4 | |
1986年1月 | マルチナ・ナブラチロワ | ハナ・マンドリコワ | 6-2, 6-0, 3-6, 6-1 | |
1986年11月 | マルチナ・ナブラチロワ | シュテフィ・グラフ | 7-6, 6-3, 6-2 | |
1987年 | シュテフィ・グラフ | ガブリエラ・サバティーニ | 4-6, 6-4, 6-0, 6-4 | |
1988年 | ガブリエラ・サバティーニ | パム・シュライバー | 7-5, 6-2, 6-2 | |
1989年 | シュテフィ・グラフ | マルチナ・ナブラチロワ | 6-4, 7-5, 2-6, 6-2 | |
1990年 | モニカ・セレシュ | ガブリエラ・サバティーニ | 6-4, 5-7, 3-6, 6-4, 6-2 | |
1991年 | モニカ・セレシュ | マルチナ・ナブラチロワ | 6-4, 3-6, 7-5, 6-0 | |
1992年 | モニカ・セレシュ | マルチナ・ナブラチロワ | 7-5, 6-3, 6-1 | |
1993年 | シュテフィ・グラフ | アランチャ・サンチェス・ビカリオ | 6-1, 6-4, 3-6, 6-1 | |
1994年 | ガブリエラ・サバティーニ | リンゼイ・ダベンポート | 6-3, 6-2, 6-4 | 伊達公子が日本人選手として初出場 |
1995年 | シュテフィ・グラフ | アンケ・フーバー | 6-1, 2-6, 6-1, 4-6, 6-3 | |
1996年 | シュテフィ・グラフ | マルチナ・ヒンギス | 6-3, 4-6, 6-0, 4-6, 6-0 | |
1997年 | ヤナ・ノボトナ | マリー・ピエルス | 7-6, 6-2, 6-3 | |
1998年 | マルチナ・ヒンギス | リンゼイ・ダベンポート | 7-5, 6-4, 4-6, 6-2 | |
1999年 | リンゼイ・ダベンポート | マルチナ・ヒンギス | 6-4, 6-2 | 決勝戦を3セット・マッチに戻す |
2000年 | マルチナ・ヒンギス | モニカ・セレシュ | 6-7, 6-4, 6-4 | |
2001年 | セリーナ・ウィリアムズ | リンゼイ・ダベンポート | 不戦勝 | |
2002年 | キム・クライシュテルス | セリーナ・ウィリアムズ | 7-5, 6-3 | |
2003年 | キム・クライシュテルス | アメリ・モレスモ | 6-2, 6-0 | |
2004年 | マリア・シャラポワ | セリーナ・ウィリアムズ | 4-6, 6-2, 6-4 | 大会史上最年少優勝 |
2005年 | アメリ・モレスモ | マリー・ピエルス | 5-7, 7-6, 6-4 | |
2006年 | ジュスティーヌ・エナン=アーデン | アメリ・モレスモ | 6-4, 6-3 | |
2007年 | ジュスティーヌ・エナン | マリア・シャラポワ | 5-7, 7-5, 6-3 | |
2008年 | ビーナス・ウィリアムズ | ベラ・ズボナレワ | 6-7, 6-0, 6-2 | |
2009年 | セリーナ・ウィリアムズ | ビーナス・ウィリアムズ | 6-2,7-6 | |
2010年 | キム・クライシュテルス | キャロライン・ウォズニアッキ | 6-3, 5-7, 6-3 | |
2011年 | ペトラ・クビトバ | ビクトリア・アザレンカ | 7-5, 4-6, 6-3 | |
2012年 | セリーナ・ウィリアムズ | マリア・シャラポワ | 6-4, 6-3 | |
2013年 | セリーナ・ウィリアムズ | 李娜 | 2-6, 6-3, 6-0 | |
2014年 | セリーナ・ウィリアムズ | シモナ・ハレプ | 6-3, 6-0 | |
2015年 | アグニエシュカ・ラドワンスカ | ペトラ・クビトバ | 6-2, 4-6, 6-3 | |
2016年 | ドミニカ・チブルコバ | アンゲリク・ケルバー | 6-3, 6-4 | |
2017年 | キャロライン・ウォズニアッキ | ビーナス・ウィリアムズ | 6-4, 6-4 | |
2018年 | エリナ・スビトリナ | スローン・スティーブンス | 3-6, 6-2, 6-2 | |
2019年 | アシュリー・バーティ | エリナ・スビトリナ | 6-4, 6-3 | |
2020年 | 大会開催なし | |||
2021年 | ガルビネ・ムグルサ | アネット・コンタベイト | 6-3, 7-5 | |
2022年 | キャロリン・ガルシア | [注釈 1] アリーナ・サバレンカ | 7-6(7-4), 6-4 | |
2023年 | イガ・シフィオンテク | ジェシカ・ペグラ | 6-1, 6-0 | |
2024年 | コリ・ガウフ | 鄭欽文 | 3-6, 6-4, 7-6(7-2) |
ダブルス
編集- ^ a b c As of 1 March 2022, the WTA announced that players from Russia will not compete in tournaments under the name or flag of Russia due to the Russian invasion of Ukraine.[2]
優勝回数ランキング
編集太字は現役選手
過去のシングルス出場者
編集年 | 欠場・棄権 | 交代選手1 | 交代選手2 |
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2024 | ペグラ (6位) | カサトキナ ( ペグラの代役) |
コリンズ |
2023 | ムホバ (8位) | クレイチコバ | |
2022 | クデルメトバ | キーズ | |
2021 | バーティ (1位) | ペグラ | メルテンス |
2020 | |||
2019 | 大坂 (3位) アンドレースク (5位) |
ベルテンス ( 大坂の代役) |
ケニン ( アンドレースクの代役) |
2018 | ハレプ (1位) | カサトキナ | セバストワ |
2017 | ムラデノビッチ | クズネツォワ | |
2016 | S.ウィリアムズ (2位) | コンタ | ナバロ |
2015 | S.ウィリアムズ (1位) | V.ウィリアムズ | ナバロ |
2014 | ケルバー | マカロワ | |
2013 | シャラポワ (3位) | ウォズニアッキ | スティーブンス |
2012 | クビトバ (6位) | ストーサー ( クビトバの代役) |
バルトリ |
2011 | シャラポワ (2位) | バルトリ ( シャラポワの代役) |
ペトコビッチ |
2010 | S.ウィリアムズ (3位) V.ウィリアムズ (5位) |
李娜 | ピアー |
2009 | サフィナ (1位) ズボナレワ (9位) |
ズボナレワ ( サフィナの代役) |
ラドワンスカ ( ズボナレワの代役) |
2008 | S.ウィリアムズ (3位) イバノビッチ (5位) |
ラドワンスカ ( イバノビッチの代役) |
ペトロワ ( S.ウィリアムズの代役) |
2007 | S.ウィリアムズ (5位) V.ウィリアムズ (7位) |
バルトリ ( S.ウィリアムズの代役) |
デメンチェワ |
関連項目
編集脚注
編集- ^ “WTA Tour 2021 Media Guide” (PDF). WTA Tour. p. 20. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “Joint Statement by the International Governing Bodies of Tennis”. ATP. 2022年3月1日閲覧。
参考資料
編集- WTAツアー公式メディア・ガイド、1996年版 (189・190ページ/ダブルス記録は190ページに従った)