リンカーン (テレビ番組)

日本のTBS系列にて、2005年10月18日から2013年9月10日まで放送されていたお笑いバラエティ番組

リンカーン』(英称LINCOLN)は、TBS系列にて2005年10月18日から2013年9月10日まで毎週火曜日22:00 - 22:54[注 3]JST)に放送されていたお笑いバラエティ番組。レギュラー放送終了後の2014年からは毎年秋に『リンカーン芸人大運動会』として特別番組で放送されている。ステレオ放送文字多重放送を実施していた。

リンカーン
LINCOLN
ジャンル バラエティ番組 / お笑い番組
企画 荒井昌也
演出 椎葉宏治
出演者 ダウンタウン
浜田雅功松本人志
さまぁ〜ず
三村マサカズ大竹一樹
雨上がり決死隊
宮迫博之蛍原徹
キャイ〜ン
天野ひろゆきウド鈴木
ナレーター 阪井あかね
落合隼亮
奥田民義
坂口哲夫
田子千尋
ほか
オープニング BT『The Revolution』
エンディング Sam & Dave『Soul Man』
製作
製作総指揮 安田淳(EP) / 内藤宏之(MP)
プロデューサー 坂本義幸
制作 TBSテレビ
放送
映像形式文字多重放送[注 1]
音声形式ステレオ放送[注 2]
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2005年10月18日 - 2013年9月10日
放送時間火曜日 22:00 - 22:54
放送分54分
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概要編集

芸人の芸人による芸人のための番組」がコンセプト。放送開始から2009年3月まで使用された番組ロゴの下部に、「THE PROGRAM OF THE GEININ, BY THE GEININ, FOR THE GEININ.」と表記されていた。

第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンゲティスバーグ演説の中で発した有名な一節である「人民の人民による人民のための政治」をもじったもので、番組タイトル名「リンカーン」もこれに由来する。

TBSのプライムタイムで放送される番組の中では珍しく、情報番組教養番組ではない純粋なバラエティ番組であった。松本人志はラジオ番組『放送室』の中で、「『リンカーン』はすごいTBSのイメージ変えたと思うよ。別にダウンタウンがやる必要はないかもしれんけど、『リンカーン』というああいうバラエティがあるっていうのは、絶対必要やねん。ああいうの、やっとかなあかんねん」と語っている[1]

2005年新春特別番組として放送された同局の新春バラエティ番組『史上空前!! 笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ'05』を受け、「この出演者でレギュラー番組を作りたい」というスタッフの意向から本番組の立ち上げとなった。

レギュラー出演者は、『ダウンタウン汁』以来およそ13年ぶりのTBSでのレギュラー番組となるダウンタウンをメインキャストとしてさまぁ〜ず雨上がり決死隊キャイ〜ンの4組のお笑いコンビと既にピン芸人での活躍が多かった山口智充2009年3月まで)。それぞれが多くのレギュラー番組を抱える中堅芸人が共演しているのが番組の特徴である。

当初は、レギュラー陣以外にもおぎやはぎ次長課長品川庄司スピードワゴンバナナマンフットボールアワーなどの当時の若手芸人も準レギュラーとして毎週のように多数出演し、雛壇セットによるスタジオ企画とロケ企画をほぼ半々で放送していたが、2007年頃から徐々に雛壇での企画は少なくなり若手芸人の出演も限られていった。

番組後期は、レギュラー陣8名のみで進行する企画が多かったが、ときどき中堅-若手芸人が呼ばれる企画もある。後期から末期にかけては他局番組のパロディ企画・番組が増えていた(「朝までそれ正解!」「持病でガッテン」「週刊リンカーン批評」など)。

毎年、春と秋の番組改編期には「2時間スペシャル」が放送される(詳細はリンカーンの企画・コーナーを参照)。

正式なタイトルロゴは現在は隅に小さく表示されるのみ。WEBサイトや、系列各局の番組表では掲載されている(一部局はタイトルのみの局もある)。

TBSのみ2009年4月28日より事前番組予告(21:54 - 22:00)を放送していた(2010年1月26日放送終了)が新聞ラテ欄では別扱いになっていた。なお、初期は番組終了時に次回予告があったが2008年頃から無くなった。

地上デジタル放送が全国に広がって以降も4:3のSD制作が続いたが、2009年10月13日放送分(3時間SP)の「芸人大運動会」からハイビジョン制作に切り替わった。

番組の終焉編集

2013年9月10日の2時間SPを以って、約8年間の歴史に幕を下ろした。視聴率の低迷が原因ではなく、レギュラー陣のスケジュール調整が困難になったことが最大の理由である。事実、レギュラー陣が中堅芸人でありコンビだけでなく個人でも数多くレギュラーを持つため、全員が集まる事が困難になった。そのため、集合出来るレギュラー陣だけの企画や、別撮りの企画が数多く存在していた。他にも、雛壇として出演していた当時はほぼ無名であったり、一発屋だった芸人らもリンカーンをきっかけに数多くレギュラーや冠番組を持つようになった事も原因である。火曜22時台のTBS制作の番組では『そこが知りたい』の5年4カ月(但し番組は時間帯を移動して継続)を超え最長記録を更新した(TBS制作でなければ最長は毎日放送制作の『ジャングルTV 〜タモリの法則〜』で8年半である)。

番組終了後編集

番組終了の翌年である2014年から2019年までは、特別番組として『水曜日のダウンタウン』の放送枠を拡大し、レギュラー時代に毎年秋に行っていた企画「芸人大運動会」を原則年1回放送していた。

  • 2019年5月1日(水曜日)21:00 - 22:57
    『~令和初日お笑い祭~大復活! リンカーン×ドリーム東西ネタ合戦SP』(19:00 - 22:57)の第2部[注 5]として
    • 内容は『回転ずし大食い対決』・『東京探し物ラリー』の2本立て。

出演者編集

毎週、様々な企画に対し、レギュラー陣数名-全員が出演する。欠席者がいる場合でもコンビの片方は出演している場合が多く、特にダウンタウンが2人とも欠席しているパターンは非常に少ない。番組後期は欠席者がいる場合でも、下記の準レギュラー陣から人数合わせをする場合が多い。

芸歴はダウンタウン→さまぁ〜ず→雨上がり決死隊→キャイ〜ン(→山口智充)の順番になる。

レギュラー編集

  • ダウンタウン - メインキャスト
    • 浜田雅功 - 発言テロップは[注 8](一部コーナーでの発言テロップは)呼び名は「浜田」[注 9]「浜田さん」「浜ちゃん」ツッコミ(一部では、天然ボケ)
    • 松本人志 - 発言テロップは[注 8](一部コーナーでの発言テロップは)呼び名は「松本」[注 9]「松本さん」「松ちゃん」ボケ(一部では、ツッコミ)
  • さまぁ〜ず
    • 三村マサカズ - テロップは。呼び名は「三村」「三村さん」「ミマタ」[注 10]「三村くん」ツッコミ(一部では、ボケ)
    • 大竹一樹 - テロップはオレンジ(一部コーナーでのテロップは)。呼び名は「大竹」「大竹さん」大ボケ(まれにツッコミ)
  • 雨上がり決死隊[注 11]
    • 宮迫博之 - テロップは。呼び名は「宮迫」「宮迫さん」「宮迫くん」[注 12]ボケ、ツッコミ
    • 蛍原徹 - テロップは青緑(一部コーナーでのテロップは)。呼び名は「蛍原」「蛍原さん」「ホトちゃん」もしくは「蛍ちゃん」ボケ、ツッコミ
  • キャイ〜ン - 一部コーナーでのテロップは、どちらもオレンジ
    • 天野ひろゆき - テロップは茶色。呼び名は「天野」「天野くん」ツッコミ(まれにボケ)
    • ウド鈴木 - テロップはピンク。呼び名は「ウド」「ウドちゃん」ボケ(まれにツッコミ)

準レギュラー編集

番組放送開始から放送終了まで全期に渡って出演していたメンバー

途中降板・途中加入した準レギュラー編集

コーナーレギュラー編集

  • 山口智充DonDokoDon) - 2009年3月までレギュラー出演。テロップの色は水色(一部コーナーでは黄色)。ボケ担当。
本番組の収録と生放送情報番組にじいろジーン関西テレビ制作・フジテレビ系列)』が重なるという理由でレギュラーを降板し[2]、4月以降は「リンカーンRADIO」シリーズのコーナーレギュラーとして出演していた。最終回では過去出演していたVTRこそ流れたものの、8人のレギュラーは山口の存在に特に触れることなく、VTRでの出演も無かった[注 13][注 14]
レギュラー時代は一番後輩だったが、ウドを除くレギュラーメンバー7人からは「ぐっさん」と呼ばれていた[注 15]

ナレーター編集

企画・コーナー編集

オープニング編集

初代(初回から2009年3月)編集

番組開始当初から2009年3月までのオープニングはフルアニメーションで制作されており、メンバーをデフォルメしたキャラクターが登場していた[注 16]。監督・キャラクターデザインは中山大輔、制作はSTUDIO 4℃[3]

電影空間にあるとされる近未来都市「リンカーン」を舞台に、9人のスーパーヒーローたちが戦闘を繰り広げるという内容。最後は全員のシルエットをバックにタイトルロゴとタイトルコールが入る。

2代目~7代目(2009年4月から9月)編集

前述した通り、山口のレギュラー降板に伴い「監督矢作兼」、「助監督小木博明」による、TBSやフジテレビの過去の名作ドラマやアニメをパロディとしたオープニングを月変わりで放送。出演は持ち回り。ちなみに2009年6月9日 - 30日、10月-12月の間はオープニングが流れなかった。

8代目(2010年1月から最終回)編集

レギュラーメンバー8名を漫画の様なタッチでキャラクター化。今回はイギリスのロンドンの夜の街が舞台になっており、浜田扮する大ボスHAMAが率いる悪の秘密結社「ビーチ」、松本扮するMATSUが率いるスパイチームイギリス情報保安局MI5 対世界征服課とのカーチェイスバトルといった内容のアニメーションになっている。これに伴い、番組ロゴも変更されるが、企画を放送中の左上テロップには以前のロゴが使用されている。スタッフとして映画『ファイナルファンタジー』のアートディレクターを務めた瀬下寛之が監督、アニメーション監督に『猫の恩返し』監督の森田宏幸、画コンテに樋口真嗣、キャラクターデザインにSHIKACHAN、音楽は高橋哲也が制作にあたっている。2010年4月以降は、数秒がカットされたバージョンになっている。

楽曲編集

オープニングテーマ編集

  • BT『The Revolution』(初回 - 2009年3月)
  • オリジナル楽曲(作曲:高橋哲也、2010年1月 - 最終回)

エンディングテーマ編集

DVD・配信編集



















配信
  • Paravi (2019年4月24日より)
配信エピソード
  • 『リンカーンVSお笑いG6 勝ったらレギュラー!! 気合で5番勝負~!!』(2010年3月2日、9日放送)
  • 『~令和初日お笑い祭~大復活! リンカーン×ドリーム東西ネタ合戦SP』(2019年5月1日放送)(独占)

スタッフ編集

2013年7月 - 最終回まで・復活特番編集

ネット局と放送時間編集

放送対象地域 放送局 系列 放送日時
関東広域圏 TBSテレビ (TBS) TBS系列 火曜 22時00分 - 22時54分
北海道 北海道放送 (HBC)
青森県 青森テレビ (ATV)
岩手県 IBC岩手放送 (IBC)
宮城県 東北放送 (TBC)
山形県 テレビユー山形 (TUY)
福島県 テレビユー福島 (TUF)
山梨県 テレビ山梨 (UTY)
新潟県 新潟放送 (BSN)
長野県 信越放送 (SBC)
静岡県 静岡放送 (SBS)
富山県 チューリップテレビ (TUT)
石川県 北陸放送 (MRO)
中京広域圏 中部日本放送 (CBC)
近畿広域圏 毎日放送 (MBS)
鳥取県
島根県
山陰放送 (BSS)
岡山県
香川県
山陽放送 (RSK)
広島県 中国放送 (RCC)
山口県 テレビ山口 (tys)
愛媛県 あいテレビ (ITV)
高知県 テレビ高知 (KUTV)
福岡県 RKB毎日放送(RKB)
長崎県 長崎放送 (NBC)
熊本県 熊本放送 (RKK)
大分県 大分放送 (OBS)
宮崎県 宮崎放送 (MRT)
鹿児島県 南日本放送 (MBC)
沖縄県 琉球放送 (RBC)

放送事故・ハプニング編集

  • 2012年5月15日放送分にて、その1時間前に放送された『火曜曲!』の1シーンが放送されてしまった。数秒後に元の放送に戻ったが、翌日(5月16日)番組公式サイトで発表されたお知らせによると、放送機器のトラブルで発生したという見解を示している。また放送日は未定だが、後日再放送を行う旨も記載されている[4]
  • 2012年10月23日放送分では、逆に前番組『火曜曲!』内で起きた放送事故の謝罪テロップが下部に強制的に表示されたため本来のテロップが見にくくなっていた。
  • 2016年10月5日放送分の芸人大運動会スペシャルでは、チーム対抗リレー対決でよゐこ有野晋哉が鎖骨を骨折する事故が起こった。これにより有野は全身麻酔をした上で、鎖骨にプレートを入れる手術を行うことになった。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 実施しない回もあり。
  2. ^ レギュラー放送時はモノラル放送かつモノステレオ放送を実施
  3. ^ 火曜22時枠がTBS制作となるのは『ギミア・ぶれいく』以来13年ぶりとなる。
  4. ^ 中国放送は、クライマックスシリーズ・ファイナル 第1戦 広島巨人を広島県ローカルで中継したため後日振替放送。
  5. ^ 第1部は『ドリーム東西ネタ合戦』。
  6. ^ 2020年5月6日(水曜日) 21:00 - 22:57に再放送(新型コロナウイルス感染拡大の影響による『水曜日のダウンタウン』の収録中断に伴う措置)。
  7. ^ 当番組事実上の最終回である『リンカーン芸人大運動会2019』には宮迫は芸能活動自粛中により出演しなかったため、コンビでの当番組への出演は『~令和初日お笑い祭~大復活!リンカーン×ドリーム東西ネタ合戦SP』が最後となった。
  8. ^ a b 日本テレビ系列「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」と同じスタイルの発言テロップ
  9. ^ a b ナレーターのみ
  10. ^ 三又又三と間違えられる。
  11. ^ 2021年8月17日付けで解散。
  12. ^ 天野のみ
  13. ^ 山口が降板して初めての回で「9人も大物芸人がいてギャラが高い」と冗談で語るシーンがあった。
  14. ^ 2005年10月25日放送の9人初顔合わせ親睦会でレギュラー陣9人がこの番組に対する意気込みを書くというコーナーがあり(最初9人はモニターで「この番組は10年続くといいなと思っています」と書かれているのを見て、意気込みを書いてタイムカプセルに入れ、10年後にタイムカプセルを開けると思っていたが、VTR終了後に「それではここでタイムカプセルを開けてみたいと思います」とモニターで映され、そこで9人全員の意気込みが紹介されるというドッキリが行われた)、そこで山口は「これを開けたときダウンタウンさんに「今はハリウッドで偉いことなってるな」と言われるようになる」と書いており、その意気込みをスタジオで公開された際に「これを読まれる時僕はここにいない」と恥ずかしそうに発言しており、それから3年半後にある意味本当の事となった。
  15. ^ ウドからは「山口さん」と呼ばれていた。
  16. ^ 放送回によってはオープニングの終盤数秒のみ、もしくは放送されなかった回もあった。
  17. ^ a b c d e スタッフロールでの表記はない。
  18. ^ 以前は総合演出を担当。
  19. ^ 制作を担当。

出典編集

  1. ^ 『放送室』第374回、2008年11月29日放送分
  2. ^ “「あれ、ぐっさんは?」TBS『リンカーン』から山口智充が消えた理由”. 日刊サイゾー. https://www.cyzo.com/2009/04/post_1858_entry.html 2010年2月14日閲覧。 
  3. ^ STUDIO4℃ WORKS
  4. ^ http://www.tbs.co.jp/lincoln05/index-j.html 番組公式サイト参照。

外部リンク編集

TBS 火曜21:54 - 22:00枠
前番組 番組名 次番組
もうすぐリンカーン
TBS系列 火曜22時台
世界バリバリ★バリュー
※水曜22時台に移動して継続
【ここまでMBS制作枠】
リンカーン
【ここからTBS制作枠】