警察庁広域重要指定115号事件

1984年に発生した殺人事件

警察庁広域重要指定115号事件(けいさつちょうこういきじゅうようしてい115ごうじけん)とは、1984年に発生した殺人事件。元警察官の犯行であったことから元警官連続強盗殺人事件とも表記する場合もある。

警察庁広域重要指定115号事件
日付 1984年9月4日
攻撃手段 発砲、刺傷
武器 ニューナンブM6038口径)、刃物
死亡者 2名(京都府警察の巡査S・(30歳) 大阪府の消費者金融社員S・(27歳))
犯人 元警官 H
対処 死刑判決が確定
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概要編集

1984年9月4日京都市警察官からを奪って射殺し、その後に大阪市消費者金融強盗に入って店員を射殺する事件が発生した。

二つの事件で使用された銃の線条痕が一致したため、警察庁は二つの事件を同一犯によるものとして「警察庁広域重要指定115号事件」に指定。捜査から強盗傷害罪懲役7年の刑で服役して仮出所中の元警官Hが事件の犯人とされた。

Hは事件翌日の9月5日千葉県に所在する実家前でHを乗せたタクシー運転手の通報で追跡していた千葉県警察刑事によって逮捕された。

京都・巡査殺害事件編集

1984年9月4日午後1時頃、Hは京都市北区船岡山公園で警ら中の警察官(京都府警察西陣警察署外勤課所属のS巡査 30歳 死後警部補に昇進)を刃物で襲い、全身16ヶ所を刺した後で奪ったピストルで背中に銃弾を発砲した。その後、瀕死のS巡査が西陣署の通信司令室に「至急、至急、助けてくれ」との緊急連絡を入れたことで事件が発覚。その後散歩中の老人がS巡査を発見し110番通報。近くの病院に収容したが、1時46分に出血多量殉職した。S警部補は現場近くの交番に2人体制で勤務していたが、事件当日は同僚の巡査長が昇進試験で不在だった。

大阪・消費者金融強盗殺人事件編集

1984年9月4日午後4時頃、Hはピストルを持って大阪市都島区京橋駅前の消費者金融に強盗目的で押し入り、カウンター越しにピストルを突きつけ「金を出せ」と脅した。応対した店員のS(27歳)はHを見ると、「冗談でしょう?」と言ったという。その直後、HはSを射殺し、別の店員を脅し現金73万円を奪って逃走した。Sの司法解剖の際に摘出された銃弾が京都で奪われたピストルから発射されたものであることが判明し、警察庁は5日に2つの事件を警察庁広域重要指定事件に指定した。

裁判編集

捜査段階で犯行を認めたが、公判では全面否認に転じ無罪を主張。拳銃、包丁などの直接証拠は見つかっていないため、弁護側は

  • 自白は暴行により強要されたもの
  • 目撃証言はマスコミ報道から思いこんだ可能性が高い
  • 目撃証言は食い違いが多く信用性に欠ける
  • 短銃を発射したとされる被告の手から硝煙反応が出てない

などと主張したが、いずれも退けられ1997年12月19日最高裁でHへの死刑が確定した。

2020年現在、Hは大阪拘置所収監されている。

関連書籍編集

  • 『警察庁広域重要指定事件完全ファイル』ぶんか社