北区 (大阪市)

大阪府大阪市の行政区

北区(きたく)は、大阪市を構成する24行政区のうちの一つ。大阪都心6区の一角であり、隣接する中央区とともに、大阪市および大阪都市圏中心業務地区(CBD)を成している。大阪市役所大阪市庁舎)所在地である。

きたく ウィキデータを編集
北区
大阪ステーションシティ(大阪駅)
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 大阪府
大阪市
市町村コード 27127-6
面積 10.34km2
総人口 147,700[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 14,284人/km2
隣接自治体
隣接行政区
大阪市都島区福島区西区淀川区東淀川区中央区
区の花 バラ
区のキャラクター のんちゃん・すーちゃん
北区役所
所在地 530-8401
大阪府大阪市北区扇町二丁目1番27号
北緯34度42分19.5秒 東経135度30分36.2秒 / 北緯34.705417度 東経135.510056度 / 34.705417; 135.510056座標: 北緯34度42分19.5秒 東経135度30分36.2秒 / 北緯34.705417度 東経135.510056度 / 34.705417; 135.510056
北区役所
北区役所
地図
外部リンク 大阪市北区
北区 (大阪市)位置図
ウィキプロジェクト
グランフロント大阪
(梅田北ヤード(うめきた)第一期開発区域)
オオサカガーデンシティ
(西梅田地区)
大阪天満宮
(社殿)
大阪市中央公会堂中之島地区)
梅田スカイビル新梅田シティ

概要

梅田北新地中之島堂島天満などの大阪における政治経済文化活動の中心となる街を多数擁し、隣接する中央区と共に大都市大阪の都心部を担っている。梅田・北新地を中心とした広域な繁華街歓楽街キタと呼ばれ、難波心斎橋を中心としたミナミと双璧を成す大阪の一大商業エリアである。区の北端を淀川、東端を大川、南端を土佐堀川が流れている。

梅田地区は、西日本最大の鉄道ターミナルである大阪駅梅田駅を有し、その周囲を超高層ビルが取り囲む、大阪における経済・交通の中心地の一つである。梅田には阪急電鉄阪神電鉄によって早くからターミナルデパートなどの都市開発がなされ、現在では日本屈指の繁華街ビジネス街を形成している。東海道・山陽新幹線の停車駅である新大阪駅淀川区所在)の開業により、梅田地区に位置する大阪駅の遠距離旅客のターミナル機能は大幅に低下したが、大阪駅および隣接する私鉄各社の梅田駅はそれぞれ阪神間京阪間の都市間輸送における最大の拠点であり、加えて阪急大阪梅田駅北摂方面、JR大阪駅は北陸山陰方面からの大阪の玄関口としての地位を維持している。また、梅田は大阪のメインストリートである御堂筋の起点であり、御堂筋は梅田から中之島淀屋橋)を経由して難波までを結んでいる。御堂筋の地下を走行するOsaka Metro(旧大阪市営地下鉄御堂筋線は日本初の公営地下鉄である。

北新地は梅田の南側に位置しており、西日本随一の高級歓楽街として知られる。堂島川土佐堀川付近の堂島堂島浜中之島エリアは、江戸時代から続く大阪の中心市街地であり、歴史的なビジネス地区でもある。江戸時代には世界初の先物取引所である堂島米市場が所在していた場所である。当時においては日本経済の中心として蔵屋敷が立ち並んでいたこのエリアは、現在でも多くの企業が本社・本店などを置く、大阪の中心業務地区(CBD)である。また、中之島には大阪市役所日本銀行大阪支店など、重要な公的機関も立地する。

梅田や中之島のように、都会的な面がある一方で、近世からの市街地である区東部の天満には日本一長い商店街である天神橋筋商店街が発達し、戦災を部分的に免れた長柄中崎町中津などには長屋が密集するなど、下町的な情緒も残る。

また北区は、関西でもっとも活発に都市再開発がなされている地域であり、とりわけ梅田地区は、堂島・中之島や隣接する中央区船場北浜道修町本町など)などの伝統的なオフィス街を凌駕するほどのビジネス街へと発展している。大規模な再開発の進展により、伝統的な大阪の中心業務地区 (CBD) である船場淀屋橋ではなく、鉄道交通の利便性が高い梅田に本社・大阪(関西)支社などを置く企業が増加した[1][2]。再開発は大規模なものではダイヤモンド地区オオサカガーデンシティ(西梅田)、梅田貨物駅跡地のグランフロント大阪うめきた1期)と続き、グラングリーン大阪(うめきた2期)で再開発が進行中。他に新梅田シティ梅田スカイビル)、茶屋町大阪ステーションシティ(JR大阪駅ビル)などの大規模再開発も行われた。

北区の昼夜間人口比率は349.5と中央区(516.6)に次いで2番目に高く[3]2015年から2020年の人口増減率は12.7%と西区(14.5%)に次いで2番目に高い[4]

地名

隣接している区

歴史

旧:北区
旧:大淀区
  • 1925年(大正14年) - 大阪市第二次市域拡張により、西成郡から大阪市に編入される。のちの大淀区に該当する区域はおおむね、東淀川区となった旧西成郡中津町豊崎町の大半と、西淀川区となった西成郡鷺洲町の東部に当たる。
  • 1943年(昭和18年) - 東淀川区のうち淀川南岸の地域を中心に、また北区・西淀川区・此花区の一部も併せて大淀区になる。
現:北区

上町台地から西部に位置し、発足時の旧北区は近世からの市街地だった地域で、蔵屋敷が並ぶ中之島、米取引の中心になるなど商家の多い堂島、青物市場が淀川沿いに並び、商業が盛んな一方大阪天満宮や寺町があるなど閑静な文化地区でもあった天満などからなっていた。一方、曾根崎新地西天満の北側は曾根崎村北野村で、前者のうちの梅田は水田地帯、後者のうちの茶屋町は菜の花畑を見るための茶屋が立ち並び、さらに北の中津など旧大淀区は中津川沿いの近郊農村であった。

近代以降、天満には国の造幣局の建設を皮切りに金属工業が栄え、中之島は蔵屋敷がなくなった後に市役所、学校、中央郵便局などが相次いで立ち並び、東端は公園となった。また梅田には東海道線の鉄道駅・「梅田ステンショ」(大阪駅)が建設され、大阪の表玄関として変貌した。旧大淀区では、中津川のあった場所には洪水対策として淀川の放水路・新淀川が建設され、多くの村が立ち退きにあったが、次第に大阪市街地に取り込まれ住宅地・工業用地になっていった。

昭和初期には中之島・堂島に大阪ビルヂング大阪朝日新聞大阪毎日新聞などのオフィスビルが並び、梅田には阪急や阪神など電鉄会社のターミナルには百貨店が併設され、映画館や劇場も立ち並ぶ繁華街が形成された。

1934年(昭和9年)9月21日室戸台風の暴風雨により豊崎第一小学校(大阪市立豊崎本庄小学校)、豊崎第三小学校(大阪市立豊崎小学校)、豊崎第四小学校(大阪市立豊崎東小学校)の木造校舎が倒壊。校舎の下敷きになるなどして児童の死傷者多数、特に、第四小学校は翌日の新聞報道の時点で死亡19人、負傷13人、行方不明3人と大きな被害を出した[5]

1945年(昭和20年)の大阪大空襲でほとんどの地区は焼け野原となり大阪駅前は闇市になったが、戦後数十年をかけて区画整理された結果高層ビル街となった。また、戦後に発展の方向が北大阪に転じたこともあって、大阪市街の北玄関である梅田は巨大化の一途を辿り、オフィス街・繁華街ともに旧東区の船場や旧南区の心斎橋など伝統的な中心地を次第に凌ぐようになった。

人口

2015年の国勢調査によると、北区の総人口は123,667人である。いわゆる「ドーナツ化現象」の影響で長らく人口は右肩下がりであったが、1990年代以降の都心回帰の流れを受けて回復しており、2005年の国勢調査ではおよそ35年ぶりに人口が10万人の大台に達した。その後も区内では都心型の超高層マンションの建設が盛んで居住人口は増え続けている。

北区(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 102,149人
1975年(昭和50年) 86,425人
1980年(昭和55年) 87,969人
1985年(昭和60年) 91,285人
1990年(平成2年) 87,447人
1995年(平成7年) 85,487人
2000年(平成12年) 91,952人
2005年(平成17年) 100,385人
2010年(平成22年) 110,392人
2015年(平成27年) 123,667人
2020年(令和2年) 139,376人
総務省統計局 国勢調査より

マスメディア

新聞

※1=2009年4月に日刊スポーツの地域発行本社である大阪・名古屋・西部(福岡)本社と組織統合(存続法人は大阪本社)。元々大阪本社は豊中市(広告・販売は福島区)にあったが、2002年に広告・販売部門を北区の旧新朝日ビルに移転。本社の本体業務も2005年に統合・移転された。ただし、2009年1月-2012年12月は新朝日ビルの中之島フェスティバルタワー東棟への建て替えのため暫定的に福島区に移転し、2013年復帰。
※2=2008年1月1日に北区本庄西から野崎町の読売大阪ビルに移転。
  • ※3=2014年4月に中央区博労町から中津のグットヒルグループ大阪ビルに移転。
他に、産経新聞大阪本社が梅田二丁目の大阪サンケイビル(現:ブリーゼタワー)にあったが、2005年8月8日浪速区湊町二丁目の難波サンケイビルに移転した。

テレビ・ラジオ

※FM802が運営するFM COCOLOのスタジオも同居。
朝日放送(現:朝日放送グループホールディングス)の本社が北区大淀南に存在したが、2008年5月18日に本社機能を移転し、同年6月23日福島区福島の再開発施設「ほたるまち」に完全移転した。
かつては讀賣テレビ放送の本社も北区東天満に存在した(1988年6月に中央区〈当時は東区〉城見の大阪ビジネスパークに移転)。またエフエム大阪の本社も北区中之島の朝日新聞ビルに存在した(2002年7月に浪速区湊町湊町リバープレイスに移転)。

交通

鉄道

西日本旅客鉄道(JR西日本)
  東海道本線JR神戸線JR京都線):  大阪駅
  大阪環状線  天満駅 -   大阪駅
  JR東西線  大阪天満宮駅 -   北新地駅
阪急電鉄
  京都本線大阪梅田駅
  神戸本線  宝塚本線:大阪梅田駅 - 中津駅
  千里線天神橋筋六丁目駅
阪神電気鉄道
  本線大阪梅田駅
大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
  御堂筋線中津駅 - 梅田駅
  谷町線:天神橋筋六丁目駅 - 中崎町駅 - 東梅田駅 - 南森町駅
  四つ橋線西梅田駅
  堺筋線:天神橋筋六丁目駅 - 扇町駅 - 南森町駅
京阪電気鉄道
中之島線中之島駅 - 渡辺橋駅 - 大江橋駅 - なにわ橋駅

バス

上記は一般路線バス。この他、大阪駅・梅田周辺に高速バスや空港リムジンバスも多数発着する。

道路

教育

大学

高等学校

小学校・中学校

(中学校)

(小学校)

(小中一貫校)

(生徒数減少に伴う統廃合により閉校)

  • 大阪市立菅南中学校、大阪市立扇町中学校 - 1995年に統合で天満中学校になる。
  • 大阪市立堂島小学校 - 1986年、曽根崎小学校へ統合し廃校。
  • 大阪市立曽根崎小学校、大阪市立梅田東小学校 - 1989年に統合し廃校。大阪北小学校を統合新設。
  • 大阪市立北天満小学校、大阪市立済美小学校 - 2004年に統合し廃校。扇町小学校を統合新設。
  • 大阪市立大阪北小学校 - 曽根崎・梅田東の2校統合で1989年に開校。2007年に扇町小学校に統合し廃校。
  • 大阪市立中津南小学校 - 2010年に中津小学校に統合し廃校。

特別支援学校

公共施設

集合住宅

前述のとおり近年は都心型の超高層マンションの建設が進んでるため集合住宅が増加している。

超高層マンション

  • シティタワー大阪天満
  • グランドメゾン新梅田タワー
  • ザ・パークハウス中之島タワー
  • ザ・梅田タワー
  • OAPレジデンスタワー
  • グランフロント大阪オーナーズタワー
  • シティタワー大阪天満
  • ジオタワー天六
  • レジデンス梅田ローレルタワー
  • ジーニス大阪

大規模マンション

  • ローレルハイツ北天満
  • コープ野村梅田
  • 淀川リバーサイドタウン桜コーポ
  • 淀川リバーサイドタウンさくら
  • 淀川リバーサイドタウンエルベノームさくら
  • 淀川リバーサイドタウンセンチュリーさくら
  • 中津リバーサイドコーポ

住宅団地

  • 都市再生機構天満橋北市街地住宅
  • 都市再生機構リバーサイドながら
  • 都市再生機構リバーサイドほんじょう
  • 都市再生機構さざなみプラザ
  • 市営大淀住宅
  • 市営大淀北住宅
  • 市営豊崎住宅
  • 市営中津住宅
  • 市営長柄住宅
  • 市営長柄中住宅
  • 市営長柄東住宅
  • 同心社宅

名所・旧跡・文化・観光施設

北区に本社を置く企業

梅田
扇町
大深町
大淀
角田町
神山町
小松原町
芝田
曽根崎
太融寺町
茶屋町
豊崎
天神橋
鶴野町
同心
堂島・堂島浜
豊崎
天満
天満橋
堂山町
中崎
中津
中之島
長柄
東天満
西天満
野崎町
万歳町
本庄
南扇町
南森町
与力町

出身者

経済

学術

文化・芸術・芸能

スポーツ

北区ゆかりの有名人

北区を舞台とした作品

脚注

出典

  1. ^ (日本語) 行き場がない!?大阪市のビジネス街で再開発の余波 放送局もクリニックも物件探しに悪戦苦闘...そのワケは?(2020年2月13日), https://www.youtube.com/watch?v=fPRPPkmNHuk 2022年11月4日閲覧。 
  2. ^ Ⅱ.御堂筋エリアのビジョン”. 大阪市. 2022年11月4日閲覧。
  3. ^ 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計結果 結果の概要”. 総務省統計局. 2023年9月27日閲覧。
  4. ^ 令和2年 国勢調査 人口等基本集計結果概要 (大阪市)”. 大阪市計画調整局. 2023年9月27日閲覧。
  5. ^ 高潮の阪神沿道で三百人行方不明『大阪毎日新聞』昭和9年9月22日号外(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p230 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)

関連項目

外部リンク