瀬尾一三

日本の音楽プロデューサー、アレンジャー、シンガーソングライター (1947-)

瀬尾 一三(せお いちぞう、1947年9月30日 - )は、兵庫県生まれの日本の音楽プロデューサー作曲家編曲家シンガーソングライター。主に中島みゆき長渕剛吉田拓郎かぐや姫德永英明伊勢正三などの作品を多数手がけていることで知られ、特に中島みゆきのプロデュースに力を注いでいる。

瀬尾 一三
出生名 瀬尾せお 一三いちぞう (同じ)
別名 師匠[1]
生誕 (1947-09-30) 1947年9月30日(76歳)
出身地 日本の旗 日本兵庫県
学歴 関西大学文学部中退
ジャンル
職業
担当楽器
活動期間 1969年 -
レーベル
共同作業者
公式サイト 隔月間プロサウンド誌2005年10月号 プロデューサー・ニッポン/瀬尾一三

経歴 編集

関西大学文学部中退。学生時代から関西フォーク・シーンで音楽活動を始め、1969年より翌年にかけて金延幸子中川イサト松田幸一らとともにグループ「」として活動。ロックボサノヴァの要素も取り入れたユニークなスタイルのフォークグループとして注目を集め、2枚のシングルを残した(うち1枚は「秘密結社○○教団」名義)。

1970年アルファレコードに入社したが、1972年に退社し、シンガーソングライターとしてソロデビュー。1973年には赤い鳥サディスティック・ミカ・バンドのメンバーが参加したソロアルバム『貘』(東芝EMI)を発表した。ほんの一部で評価を得た本作だったが、商業的成功は得られず、瀬尾がセッション・ミュージシャン、プロデューサーへと転身する契機となった。

1973年吉田拓郎のアルバム『たくろうLIVE'73』を吉田と共同でプロデュース、1974年斉藤哲夫のアルバム『Goodtime Music』でクレジットはされていないが、初めて単独プロデュースを手がける。その後杏里の「オリビアを聴きながら」やバンバンの「『いちご白書』をもう一度」など、手がけた作品が次々と大ヒット。一躍ニューミュージック界を代表するアレンジャー/プロデューサーとなる。1977年にはのアルバム『海風』で、当時まだ珍しかったアメリカ西海岸での海外録音を行う。以降彼は現在まで長くロサンゼルスでのレコーディングを続け、主要なプロデュース作品の多くはロサンゼルスでレコーディングもしくはミックスダウンされている。また、『3年B組金八先生』の劇中音楽も初作からテレビスペシャル第6作まで担当しており、この縁で小山内美江子が脚本を担当したテレビドラマ風にむかってマイウェイ』に宮本信子が演じる吉野ミドリの夫・忠義役でドラマ出演を果たしている。

1980年代以降は徳永英明甲斐よしひろなどのアルバムや楽曲を手がけたほかに、長渕剛が俳優として出演したドラマ『家族ゲームII』の音楽も担当した(長渕の歌唱及び作曲による主題歌「GOOD-BYE青春」他3曲も瀬尾による編曲)。1987年の長渕のアルバム『LICENSE』の全曲をプロデュースし、それ以降に発表されたアルバムのうち数枚で瀬尾は彼との共同プロデューサーとしてクレジットされている。

また、チャゲ&飛鳥1979年のデビュー曲「ひとり咲き」から、1988年発売のアルバム『ENERGY』に至るまでの楽曲のうち半数の編曲を手掛け、1980年にはシングル「万里の河」をヒットさせている。

1986年OVAガルフォース』の音楽を担当した。

1988年中島みゆきのアルバム『グッバイガール』をプロデュース。なお瀬尾はこの作品以降に発表された全ての彼女のオリジナル・アルバム及びシングルで、プロデュース・アレンジ・演奏などに携わっている。1990年代以降中島がロサンゼルスで頻繁にアルバムのレコーディングを行うようになったのは瀬尾の進言であり、1989年から渋谷のBunkamuraシアターコクーン1998年まで行われた(それ以降は不定期で開催)彼女の実験的な音楽劇夜会』の音楽監督も10年連続で務めるなど、近年は中島のパートナーと言っていい存在となっている。

1990年、德永英明の「壊れかけのRadio」で第32回日本レコード大賞編曲賞を受賞。

リタ・クーリッジが日本のヒット曲を英詞でカバーした1991年のアルバム『ダンシング・ウィズ・エンジェル』は、クーリッジの自作曲を含む全曲が瀬尾のプロデュースによるものである。彼女はこのアルバムが縁で、同年に発表された中島みゆきのアルバム『歌でしか言えない』に参加した。1970年代から海外で仕事を進めてきた彼の人脈は広く、手がけた作品にはビル・ペインやヴィニー・カリウタ、ニール・スチューベンハウスをはじめとする多くの大御所も参加している。

2000年代に入ってからは吉田拓郎と連名でコンサート・ツアーを行い、2005年の中島みゆきのツアーにも参加している。また、彼等との仕事以外ではNSPの19年ぶりの新作にして、リーダーの天野滋にとっての遺作となったアルバム『Radio Days』や、柴田淳のシングル「ちいさなぼくへ」、中島が華原朋美に提供したシングル「あのさよならにさよならを」などの編曲・プロデュースなどを手がけている。

ディスコグラフィ 編集

シングル 編集

  1. かわいいおまえ東芝EMI1973年
    c/w こんなものさ

アルバム 編集

  1. 東芝EMI1973年
  2. 黄金分割 THE GOLDEN SECTION 風 インストゥルメンタル・アルバムクラウン1978年
    • の楽曲をインストゥルメンタルとしてリアレンジしたアルバム。LPのみ発売。

サウンドトラック 編集

  1. ガルフォース ETERNAL STORY オリジナル・サウンドトラックEPIC・ソニー1987年6月21日

コンピレーション・アルバム 編集

  1. 「時代を創った名曲たち」〜瀬尾一三作品集 SUPER digest〜ヤマハミュージックコミュニケーションズ2017年11月22日
  2. 「時代を創った名曲たち 2」〜瀬尾一三作品集 SUPER digest〜(ヤマハミュージックコミュニケーションズ、2019年1月30日
  3. 「時代を創った名曲たち 3」〜瀬尾一三作品集 SUPER digest〜(ヤマハミュージックコミュニケーションズ、2020年1月8日
  4. 「時代を創った名曲たち 4」〜瀬尾一三作品集 SUPER digest〜(ヤマハミュージックコミュニケーションズ、2023年3月1日

編曲・プロデュースに携わった楽曲 編集

あ行 編集

か行 編集

さ行 編集

  • 西城秀樹
  • 斉藤哲夫
    • シングル
      • バイバイグッドバイサラバイ/今日から昨日へ
      • グッド・タイム・ミュージック/ハロー ハロー
      • さんま焼けたか/僕の古い友達
      • 思い出のレター/旅に寄せて
      • Good Night Mr. Moonlight/足音だけのランナー
      • ダンシング ステップ
      • ひょんなことから有頂天
    • オリジナル・アルバム
      • 君は英雄なんかじゃない 
      • バイバイグッドバイサラバイ※ディレクター兼任
      • グッド・タイム・ミュージック※ディレクター兼任
      • 僕の古い友達※斉藤哲夫と共同プロデュース
  • さとうあき子
    • ブルーバタフライ
    • リリシズム
  • 佐藤公彦
    • 遠乗りの果て(アルバム)
      • 暑い砂
      • 雨に歌えば
      • 悲しさを手紙にこめて
      • 学生通り
      • 春のあらし
      • 春から夏の日に
      • 浜辺
  • 柴田恭兵
    • SHOUT
    • AGAIN〜そしてこの夜に〜
  • 柴田淳
  • 渋谷祐子
    • シングル
      • 酔いたい気持
      • 今夜だけ恋人
      • MADE IN JAPAN
    • オリジナル・アルバム
      • Pop LadyII(全編曲)
      • MADE IN JAPAN(全編曲)
  • 四方堂亘
    • シングル
      • 緑の林檎/ミス・キック
      • 西風の中で/どしゃぶりAutumn Rain
      • あんたを超えて/愛しいよ
  • 下成佐登子
    • Mrs.メランコリー
    • やさしい雨
  • シモンズ
    • 恋の悩みは不思議なもの
  • 庄野真代
  • 伸太郎
    • 白い風
    • いちばん(佐藤朋生と共同編曲)
  • 陣内大蔵
    • Dadaism(陣内大蔵と共同編曲)
    • Silent Moon(陣内大蔵と共同編曲)
    • Tonight(十川知司と共同編曲)
  • 杉浦幸
    • ドラマ
    • 友達
  • 鈴木聖美
  • 3B junior
    • 七色のスターダスト
  • ソフトクリーム
    • もしもタヌキが世界にいたら2

た行 編集

な行 編集

は行 編集

ま行 編集

や行以降 編集

主な作詞・作曲作品 編集

コマーシャルソング 編集

劇中音楽 編集

映画 編集

テレビドラマ 編集

OVA 編集

テレビ出演 編集

音楽番組 編集

テレビドラマ 編集

書籍 編集

参考文献 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 中島みゆき著『ジャパニーズ・スマイル』 新潮社1994年7月 ISBN 4103511052
  2. ^ 北海道新聞PR特集ふるさと東北シルバークィーン本日就航(苫小牧-八戸) - 北海道新聞1973年4月25日
  3. ^ 輝き続ける中島みゆき”. 2021年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月9日閲覧。

外部リンク 編集