戦後
この記事は世界的観点から説明されていない可能性があります。(2023年11月) |
この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。 |

概要 編集
「戦後」という用語は、異なる地域や国によって異なる意味を持ち、各地での戦争の影響や戦後処理によっても期間が異なってくる。ここでは、戦後の主要な出来事を簡単に示す。
日本での「戦後」の位置づけ 編集
21世紀の2023年(令和5年)現在の日本において、戦後とは、直近の戦争で20世紀の1945年(昭和20年)の第二次世界大戦の終結(終戦)後を指す。日本人にとって精神的に大きな影響を与えた1945年(昭和20年)8月15日(終戦の日)以降を戦後の始まりとし、「戦前・戦中」「戦後」として区分し、認識されている場合が多い。この1945年(昭和20年)を「戦後0年」として、その後の年は「戦後n年」と表現される。2023年は「戦後78年」に当たる。「近代」の終わりと規定する考察もある。
日本においては戦後に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)により様々な戦後改革が実施されたこと、連合国軍占領期以降イギリスやアメリカ合衆国、フランスなどからの文化が戦前より広範にもたらされたこと、新技術が開発されたこと、高度経済成長を遂げたことなどにより、戦前・戦中に比べて社会システムが急速に大きく変化したため、他の国よりも「戦後」という言葉のもつ意味合いは大きい。日本は第二次世界大戦以後、大規模な国際紛争・戦争に巻き込まれていないため、「戦後」=「第二次世界大戦後から現在」というイメージが固定されている。
ただし、その時期については明確な定義はなく、戦中の始まりを満州事変とするか、盧溝橋事件とするか、真珠湾攻撃とするかなど人によって差異がある。日本が再び国際社会の一員となり、「もはや戦後ではない」[注 1] といわれた1956年(昭和31年)までの激動の期間と定義する意見もある。 太平洋戦争(大東亜戦争)終結を具体的にいつとみなすかは種々の意見があるため、“戦後”の始まりについても同様に種々の意見がある。
- 玉音放送によってポツダム宣言を受諾し日本が降伏したことを多数の日本国民が知ることになった日(1945年(昭和20年)8月15日)を戦後の始まりとする意見
- 1945年(昭和20年)8月23日終結のソ連に対する樺太の戦いの終結をもって始まりとする意見
- 占領期間中に日本国憲法が施行された1947年(昭和22年)5月3日(憲法記念日)とする意見
“戦後”という用語・概念は、日本人・日本にとって大きな変革を及ぼした。第二次世界大戦の経験を踏まえ、国民主権と戦争放棄・恒久平和主義を謳う日本国憲法を新たに制定した日本はアメリカ合衆国と軍事同盟を締結し西側陣営の資本主義・民主主義国家の一員として国際社会に復帰し、高度経済成長を経て世界一二を争う経済大国となったが、1990年代以降低成長期に転じ、さまざまな論争が行われている。
第二次世界大戦後の日本の主な年表 編集
戦後混乱期 編集
戦後復興期 編集
- 1950年(昭和25年) 朝鮮戦争(朝鮮特需)。
- 1951年(昭和26年)9月8日 一部の連合国との日本国との平和条約(サンフランシスコ講和条約)、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧安保)調印。
高度経済成長期 編集
- 1955年(昭和30年)
- 1956年(昭和31年)
- 1957年(昭和32年) なべ底不況。
- 1958年(昭和33年) 岩戸景気。
- 1960年(昭和35年)6月19日 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(新安保)調印。
- 1962年(昭和37年)から、オリンピック景気が始まる。
- 1964年(昭和39年)
- 1965年(昭和40年)6月22日 大韓民国(韓国)との間に日韓基本条約を締結。
- この年から、いざなぎ景気が始まる。
- 1966年(昭和41年) 日本の総人口が1億人を突破。
- 1967年(昭和42年)2月11日 前年施行の改正祝日法適用および「建国記念の日となる日を定める政令」施行により、1873年(明治6年)に定められ1948年(昭和23年)に廃止された旧祝祭日の紀元節[注 2] が、国民の祝日の一つ「建国記念の日」として事実上復活。
- 1970年(昭和45年)3月14日 - 9月13日 大阪府で初の日本万国博覧会開催。
- 1971年(昭和46年) ニクソン・ショック。
- 1972年(昭和47年)
安定成長期 編集
- 1973年(昭和48年) 第一次オイルショック。
- 1976年(昭和51年) ロッキード事件。
- 1978年(昭和53年)8月12日 日中友好条約調印。
- 1979年(昭和54年) 第二次オイルショック。
- 1982年(昭和57年)11月27日 中曽根康弘が「戦後政治の総決算」を掲げ第72代内閣総理大臣に就任。
- 1985年(昭和60年)
バブル経済期 編集
- 1986年(昭和61年)12月から、バブル景気(平成景気)が始まる。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年) リクルート事件。
- 1989年(昭和64年/平成元年)1月7日 昭和天皇が崩御、皇太子明仁親王が第125代天皇に践祚。
低成長期 編集
- 1991年(平成3年)
- 1993年(平成5年)8月9日 細川護熙が首相に就任、細川内閣成立により55年体制崩壊。
- 1995年(平成7年) 戦後50年
- 1996年(平成8年) 民主党結成。
- 1997年(平成9年) アジア通貨危機。
- 1998年(平成10年)
- 2000年(平成12年)
- 2001年(平成13年)1月6日 中央省庁再編
- 2002年(平成14年)5月31日 - 6月30日 サッカーワールドカップを大韓民国と日本が共催。
- 2003年(平成15年)12月1日 3大都市圏である東京・大阪および名古屋のNHK3局、民放16社から地上デジタル放送開始。
- 2005年(平成17年)戦後60年。日本の総人口の減少が始まる。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 1月9日 防衛庁が防衛省に移行。
- 5月14日 日本国憲法の改正手続に関する法律成立(同年5月18日公布)。
- 2008年(平成20年) 世界金融危機(リーマン・ショック)。
- 2009年(平成21年)9月16日 鳩山由紀夫が首相に就任、鳩山由紀夫内閣が発足(民主党による本格的政権交代が実現)。
- 2010年(平成22年) 欧州ソブリン危機。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)12月13日 特定秘密保護法公布。
- 2014年(平成26年)12月10日 特定秘密保護法施行。
- 2015年(平成27年)戦後70年。
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 6月16日 天皇の退位等に関する皇室典範特例法公布。
- 9月25日 民進党左右分裂、希望の党結成。
- 10月3日 民進党左派が立憲民主党結成。
- 北朝鮮によるミサイル発射実験激化。
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
今後の予定 編集
その他の戦後 編集
アメリカ合衆国 編集
第二次世界大戦(1939年 - 1945年)以降も10年から20年単位で不正規戦争を繰り返しているアメリカ合衆国では、「戦後(post-war)」という概念は存在しない[要出典]。辛うじて同国史上唯一の内戦である南北戦争を境に「戦前(antebellum, pre-war)」「戦後(postbellum, post-war)」といわれることもある。
イギリス 編集
イギリスでは、1945年のクレメント・アトリー政権から 1979年のマーガレット・サッチャー政権までの期間を、Post-war consensus(戦後コンセンサス期間)という。
スイス 編集
スイスで「戦後」は一般的に1815年以降(ナポレオン戦争後)のことを指す。1815年のウィーン会議においてスイスは国家としての「永世中立国」が認められたからである。第一次世界大戦と第二次世界大戦でも武装中立を維持し積極的に戦争には加わらなかったため、他のヨーロッパ諸国とは違い1815年からの「戦後」は続いた。
その他 編集
- 韓国・北朝鮮 - 朝鮮戦争後(1953年 - )。特に韓国では、日本の植民地支配から解放された1945年8月15日を境に「解放前」「解放後」という表現が用いられ、「戦前」「戦後」よりも「解放前」「解放後」の使用頻度が高い。朝鮮半島が南北に分断された1945年を「分断0年」として、現在の年を「分断n年」と表現することもある(日本の「戦後n年」に相当)。
- 旧ユーゴスラビア連邦諸国 - ユーゴスラビア紛争後(およそ1995年 - )
- 京都においては、『この前の「戦」』が第二次世界大戦ではなく応仁の乱を指し、戦後とはそれ以降であるといわれることがある。これは細川護貞が「前の戦争(応仁の乱)で細川家の宝物が焼けた」と言ったという話が元になっている。京都市民の間でもそのように捉えている人は少数にとどまり[3]、京都府の公文書などの公的な場でこのような表現が行われることはない。
- 福島県会津地方(旧会津藩、主に現在の会津若松市)においては、同様に『この前の「戦」』が戊辰戦争を指し、戦後とはそれ以降であるというジョークがある。第二次世界大戦での戦災が比較的少なく、それよりも戊辰戦争による旧長州藩(現在の山口県萩市にほぼ相当)に対する遺恨が深いためである[4]。
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
関連項目 編集
外部リンク 編集
- シリーズ・戦後60年[リンク切れ](2005年、西日本新聞社)
- 上記サイトのアーカイブ - ウェイバックマシン(2013年5月25日アーカイブ分)