第29回衆議院議員総選挙
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第29回衆議院議員総選挙(だい29かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、1960年(昭和35年)11月20日に日本で行われた国会(衆議院)議員の総選挙である。
第29回衆議院議員総選挙 | |||
---|---|---|---|
内閣 | 第1次池田内閣 | ||
解散日 | 1960年(昭和35年)10月24日 | ||
解散名 | 安保解散 | ||
公示日 | 1960年(昭和35年)10月30日 | ||
投票日 | 1960年(昭和35年)11月20日 | ||
選挙制度 | 中選挙区制[注釈 1] | ||
改選数 | 467() | ||
議席内訳 | |||
有権者 | 満20歳以上の日本国民 | ||
有権者数 | 5431万2993人 | ||
投票率 | 73.51%(3.48%) | ||
各党別勢力 | |||
党順 | 第1党 | 第2党 | 第3党 |
画像 | |||
党色 | |||
党名 | 自由民主党 | 日本社会党 | 民主社会党 |
党首 | 池田勇人 |
江田三郎 (代行)[注釈 2] | 西尾末広 |
就任日 | 1960年7月 | 1960年10月 | 1960年1月 |
前回選挙 | 287 | 166 | 新党 |
選挙前議席 | 283 | 122 | 40 |
獲得議席 | 296 | 145 | 17 |
増減 | 13 | 23 | 23 |
得票数 | 2274万272票 | 1088万7134票 | 346万4148票 |
得票率 | 57.56% | 27.56% | 8.77% |
得票率増減 | 0.24% | 5.38% | 新 |
党順 | 第4党 | ||
画像 | |||
党色 | |||
党名 | 日本共産党 | ||
党首 | 宮本顕治 | ||
就任日 | 1958年8月 | ||
前回選挙 | 1 | ||
選挙前議席 | 1 | ||
獲得議席 | 3 | ||
増減 | 2 | ||
得票数 | 115万6723票 | ||
得票率 | 2.93% | ||
得票率増減 | 0.38% | ||
選挙状況 | |||
| |||
< 1958年1963年 > | |||
概要
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選挙データ
編集内閣
編集- 選挙時:第1次池田内閣(第58代)
- 内閣総理大臣:池田勇人(第4代自由民主党総裁)
- 与党:自由民主党
- 選挙後:第2次池田内閣(第59代)
- 内閣総理大臣:池田勇人(第4代自由民主党総裁)
- 与党:自由民主党
解散日
編集解散名
編集- 安保解散
公示日
編集投票日
編集改選数
編集- 467
選挙制度
編集- 投票方法
-
- 秘密投票、単記投票、1票制
- 選挙権
-
- 満20歳以上の日本国民
- 被選挙権
-
- 満25歳以上の日本国民
- 有権者数
-
- 54,312,993(男性:25,962,162 女性:28,350,831)
同日実施の選挙等
編集- 国民投票
- 参議院議員補欠選挙
- 埼玉県地方区(定数1)
選挙活動
編集党派別立候補者数
編集党派 | 計 | 内訳 | 男性 | 女性 | 公示前 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
前 | 元 | 新 | ||||||
自由民主党 | 399 | 278 | 63 | 58 | 394 | 5 | 283 | |
日本社会党 | 186 | 119 | 18 | 49 | 179 | 7 | 122 | |
民主社会党 | 105 | 40 | 10 | 55 | 99 | 6 | 40 | |
日本共産党 | 118 | 1 | 15 | 102 | 118 | 0 | 1 | |
諸派 | 34 | 0 | 3 | 31 | 34 | 0 | 0 | |
無所属 | 99 | 1 | 16 | 82 | 96 | 3 | 2 | |
合計 | 941 | 439 | 125 | 337 | 920 | 21 | 448 | |
出典:『朝日選挙大観』 |
選挙結果
編集日米安保条約改定に反対する安保闘争が激しく行われて間も無かったが、投票率は3.48ポイント下がった。安保闘争は選挙への影響はほとんど無かった。逆に、社会党と民社党の分裂により、自民党が議席を増やした。
自民党は経済成長の高まりから「所得倍増計画」を掲げ、安保から経済に争点を振り替えることに成功した。自民党は候補者を前回より14人減らし、399人。23万票あまり(保守系無所属を含めると100万票)減らしたものの、社会、民社が分裂で互いに候補を増やしたことから296議席と議席を伸ばした。追加公認を合わせ300議席、議席率は64.2%。議席率は、自民党最高峰の記録である。そして、日本は高度経済成長の時代を迎えた。
社会党は民社党の離反で候補者数を減らしたものの、186人を擁立。選挙前に浅沼委員長が暗殺されたことで同情を集め、民社党への離党者の分を18議席取り戻した。しかし前回の議席回復はならなかった。また、構造改革の是非について、長きにわたる党内の派閥抗争が始まった。
民社党は社会党に取って代わる意気込みで、105人と多くの選挙区に候補を立てた。しかし、自社両党に挟まれる形で23議席減の惨敗。社会・民社の合計では、候補者は45人増え、得票は125万票あまり(革新系無所属を含めると119万票あまり)増えた。社会・民社両党は積極的な擁立で票を掘り起こしたものの、議席には結びつかなかったと言える。
共産党は2議席増、14万票を増やした。3議席と小勢力であったが、共産党は底を脱した形であった。これからしばらくの間、選挙のたびに得票を増やして行く。
党派別獲得議席
編集党派 | 獲得 議席 |
増減 | 得票数 | 得票率 | 公示前 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
自由民主党 | 296 | 13 | 22,740,272 | 57.56% | 283 | ||||||
日本社会党 | 145 | 23 | 10,887,134 | 27.56% | 122 | ||||||
民主社会党 | 17 | 23 | 3,464,148 | 8.77% | 40 | ||||||
日本共産党 | 3 | 2 | 1,156,723 | 2.93% | 1 | ||||||
諸派 | 1 | 1 | 141,941 | 0.36% | 0 | ||||||
無所属 | 5 | 3 | 1,118,905 | 2.83% | 2 | ||||||
欠員 | 0 | 19 | - | - | 19 | ||||||
総計 | 467 | 39,509,123 | 100.0% | 467 | |||||||
有効投票数(有効率) | - | - | 39,509,123 | 98.96% | - | ||||||
無効票・白票数(無効率) | - | - | 414,346 | 1.04% | - | ||||||
投票者数(投票率) | - | - | 39,923,469 | 73.51% | - | ||||||
棄権者数(棄権率) | - | - | 14,389,524 | 26.49% | - | ||||||
有権者数 | - | - | 54,312,993 | 100.0% | - | ||||||
出典:総務省統計局 |
- 投票率:73.51%(前回比: 3.48%)
- 【男性:76.00%(前回比: 3.79%) 女性:71.23%(前回比: 3.19%)】
党派別当選者内訳
編集党派 | 計 | 内訳 | 男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
前 | 元 | 新 | |||||
自由民主党 | 296 | 226 | 41 | 29 | 294 | 2 | |
日本社会党 | 145 | 103 | 16 | 26 | 141 | 4 | |
民主社会党 | 17 | 13 | 3 | 1 | 16 | 1 | |
日本共産党 | 3 | 1 | 2 | 0 | 3 | 0 | |
諸派 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | |
無所属 | 5 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0 | |
合計 | 467 | 344 | 63 | 60 | 460 | 7 | |
出典:『朝日選挙大観』 |
政党
編集
|
| |
- 諸派:1議席
- 1議席(1団体)
- 佐賀県農業者政治連盟:古賀了(佐賀全県区)
議員
編集当選者
編集自民党 社会党 民社党 共産党 諸派 無所属
補欠当選等
編集年 | 月日 | 選挙区 | 選出 | 新旧別 | 当選者 | 所属党派 | 欠員 | 所属党派 | 欠員事由 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1960 | 12.21 | 京都1区 | 繰上補充 | 前 | 中村三之丞 | 自由民主党 | 水谷長三郎 | 民主社会党 | 1960.12.17死去 |
1961 | - | 福岡2区 | (未実施) | 渡辺本治 | 自由民主党 | 1961.3.14死去 | |||
香川2区 | (未実施) | 福田繁芳 | 無所属 | 1961.3.17辞職[注釈 3] | |||||
富山1区 | (未実施) | 三鍋義三 | 日本社会党 | 1961.8.4死去 | |||||
新潟4区 | (未実施) | 塚田十一郎 | 自由民主党 | 1961.11.12辞職[注釈 4] | |||||
埼玉2区 | (未実施) | 山口六郎次 | 自由民主党 | 1961.11.28死去 | |||||
茨城3区 | (未実施) | 風見章 | 日本社会党 | 1961.12.20死去 | |||||
1962 | - | 東京1区 | (未実施) | 安井誠一郎 | 自由民主党 | 1962.1.19死去 | |||
大阪1区 | (未実施) | 大矢省三 | 民主社会党 | 1962.1.19死去 | |||||
東京7区 | (未実施) | 細田義安 | 自由民主党 | 1962.9.28死去 | |||||
千葉2区 | (未実施) | 小川豊明 | 日本社会党 | 1962.11.17死去 | |||||
岡山2区 | (未実施) | 橋本龍伍 | 自由民主党 | 1962.11.21死去 | |||||
1963 | - | 静岡1区 | (未実施) | 佐藤虎次郎 | 無所属 | 1963.1.1辞職[注釈 5] | |||
奈良全県区 | (未実施) | 服部安司 | 自由民主党 | 1963.1.5退職[注釈 6] | |||||
徳島全県区 | (未実施) | 阿部五郎 | 日本社会党 | 1963.1.23死去 | |||||
宮城1区 | (未実施) | 西宮弘 | 日本社会党 | 1963.1.30退職[注釈 7] | |||||
青森1区 | (未実施) | 三浦一雄 | 自由民主党 | 1963.1.30死去 | |||||
青森2区 | (未実施) | 竹内俊吉 | 自由民主党 | 1963.2.3辞職[注釈 8] | |||||
福島1区 | (未実施) | 伊藤幟 | 自由民主党 | 1963.3.22死去 | |||||
神奈川1区 | (未実施) | 飛鳥田一雄 | 日本社会党 | 1963.3.28退職[注釈 9] | |||||
神奈川2区 | (未実施) | 中嶋英夫 | 日本社会党 | 1963.4.20退職[注釈 10] | |||||
山口2区 | (未実施) | 石村英雄 | 日本社会党 | 1963.4.24死去 | |||||
東京4区 | (未実施) | 花村四郎 | 自由民主党 | 1963.7.1死去 | |||||
福島2区 | (未実施) | 鈴木義男 | 民主社会党 | 1963.8.25死去 | |||||
香川1区 | (未実施) | 藤本捨助 | 自由民主党 | 1963.9.11死去 | |||||
山形1区 | (未実施) | 牧野寛索 | 自由民主党 | 1963.9.22死去 | |||||
出典:戦後の補欠選挙 |
初当選
編集- 自由民主党
-
- 29名
- 日本社会党
-
- 26名
- 民主社会党
-
- 1名
- 諸派
-
- 1名
- 無所属
-
- 3名
返り咲き・復帰
編集- 計63名
- 自由民主党
-
- 41名
- 日本社会党
-
- 16名
- 民主社会党
-
- 3名
- 日本共産党
-
- 2名
- 無所属
-
- 1名
引退・不出馬
編集- 計7名
- 自由民主党
-
- 3名
- 日本社会党
-
- 4名
落選
編集- 計94名
- 自由民主党
-
- 52名
- 日本社会党
-
- 16名
- 民主社会党
-
- 26名
記録的当選・落選者
編集選挙後
編集国会
編集- 衆議院議長選挙(1960年12月7日 投票者数:450 過半数:226)
- 衆議院副議長選挙(1960年12月7日 投票者数:453 過半数:227)
- 内閣総理大臣指名選挙(1960年12月7日)
- 衆議院議決(投票者数:454 過半数:228)
- 衆議院副議長選挙(1961年6月8日 投票者数:368 過半数:185)
- 原健三郎 (自民党) :260票
- 久保田鶴松(社会党) :105票
- 田中伊三次(自民党) : 1票
- 無効 : 2票
政党
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脚注
編集注釈
編集出典
編集関連項目
編集参考文献
編集- 衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年
- 上條末夫 (1990年3月). “衆議院総選挙における女性候補者” (PDF). 駒沢大学法学部研究紀要. 2020年2月閲覧。
- 石川真澄・山口二郎著『戦後政治史』岩波新書、2010年
- 神田広樹 (2014年6月). “戦後主要政党の変遷と国会内勢力の推移” (PDF). 国立国会図書館. 2019年10月閲覧。
- 佐藤令 (2005年12月). “戦後の補欠選挙” (PDF). 国立国会図書館. 2016年5月26日閲覧。
- 衆議院議員総選挙一覽. 第29回 - 国立国会図書館デジタルコレクション
外部リンク
編集- 60年安保闘争後の衆院選 - NHK放送史
- 社会党浅沼委員長刺殺事件 - NHK放送史
- 衆議院議員総選挙の定数,立候補者数,選挙当日有権者数,投票者数及び投票率(明治23年~平成17年) - 総務省統計局アーカイブ
- 衆議院議員総選挙の党派別当選者数及び得票数(昭和33年~平成5年) - 総務省統計局アーカイブ