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日本における同性結婚(にほんにおけるどうせいけっこん)では、日本における同性結婚の歴史と現状について説明する。

2019年平成31年)現在、日本国内において同性結婚は法的に認められていない。G7のうち、同性結婚もシビル・ユニオンも法制化されていない国は日本のみである。

憲法24条の解釈編集

日本国憲法第24条編集

日本国憲法第24条1項「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」、及び同条2項「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」の解釈をめぐり、争いがある。

違憲論編集

24条の「両性」とは男女のことを指すため現行憲法は同性婚を認めておらず、同性婚の法制化には憲法の改正が必要とする解釈がある。2014年6月には青森市役所で憲法24条の規定を理由に同性婚の届け出が却下されたこともあった[1]

中央大学教授である法学者植野妙実子の2000年の著書によれば、「日本国憲法二十四条一項は、婚姻が両性の合意のみに基づいて成立するとしているので、婚姻は異性間でしか行われない」として、憲法24条が想定する婚姻が異性婚に限られる[2]。同様の見解として、弁護士の藤本尚道は2015年4月に「ここでは明確に『両性の合意のみ』と規定されていますから、『同性婚』は想定されていないというのが素直な憲法解釈でしょう」と述べている[3]日本女性法律家協会所属の津田塾大学教授である武田万里子も2011年の著書で、憲法上の同性婚の許容性については述べていないものの、憲法24条が「異性間の婚姻・家族を前提としていることは明らかである」としている[4]

このような理解を前提に、憲法学者八木秀次は2015年3月に、憲法の規定は「同性婚を排除している」と主張している[5]。憲法学者の辻村みよ子は2008年の著書で、憲法24条の規定が「『超現代家族』への展開にブレーキをかけうる」として同性婚合法化の障壁になっているとの見解を示している[6]

上記のとおり、憲法24条は異性婚を前提とした規定であり、同性婚を想定したものではないという見解が多数説である。辻村みよ子は2016年4月の著書で「通説は24条下では同性婚は容認されないと解してきた」と分析し、従来の憲法学者の相当数が同性婚違憲説に立っていたことを示している[7]。自身が同性愛者であることを公表している市民活動家明智カイトは、司法関係者の間に「憲法を改正しなければ、同性婚は法的に成立しない」という意見もあると述べている[8]

また、2019年6月26日、自由民主党政務調査会が出した報告では、同性愛の理解を推し進めると宣言している一方、結婚の問題については、憲法24条を理由に「同性婚容認は相容れない」としている[9]

合憲論編集

これに対し、憲法24条1項の規定は「家族形成の自由」と「婚姻における男女の平等」、家や親ではなく結婚する当人個人の意思の尊重などを意図したものであって、同性婚の禁止を意図したものではないとし[10]、現憲法下での同性婚の法制化は可能であるという解釈が存在する。

首都大学東京教授である憲法学者の木村草太は2017年5月に、憲法24条1項は「異性婚」が両性の合意のみに基づいて成立することを示しているにすぎず、同性婚を禁止した条文ではないと述べている[11]。「主要な憲法の教科書を見ても、『憲法24条の保護は同性婚に及ばない』と解説するものはあっても、『同性カップルの共同生活に法的効果を認めると憲法違反だ』とか、『同性カップルに、里親資格を認めると憲法違反だ』と書いたものは見当たりません」[12]

東京弁護士会所属の弁護士である濵門俊也も2015年6月に、憲法24条で規定されている「婚姻」には同性婚が含まれず、憲法は同性婚について何も言及していないため、同性婚の法制化は憲法上禁じられていないと考察している[13]大阪電気通信大学教授である法学者の中里見博も2015年に、憲法24条は婚姻の成立の「当事者主義」を打ち出すことに力点を置いており、同性婚の排除を宣明する目的で書かれたものではないとの見解を示している[14][15]

憲法14条1項(法の下の平等)や13条幸福追求権)の規定から、日本国憲法下での同性婚の許容性や必要性を見出す解釈も存在する[10]早稲田大学教授である法学者の棚村政行は2015年2月に、「憲法24条の主眼は、婚姻をかつての『家制度』から解放することにある。当時、同性婚を念頭に置いた議論はされておらず、排除しているとまでは言えない」と述べた上で、「憲法14条の法の下の平等などに照らせば同性婚を認めないのは問題だ」と指摘している[16]明治大学教授である憲法学者の辻村みよ子は、個人の尊重や幸福追求権が重視される昨今では、状況の変化をもって同性婚を認めるのも無理な解釈とは言えないと説明している[17][18]

これらの学説に加え、憲法24条2項(個人の尊厳と両性の本質的平等)の規定を根拠とした合憲論も存在する[19]神戸学院大学准教授である憲法学者の福嶋敏明は2015年に、「個人の尊厳と両性の本質的平等」への立脚を命じた24条2項の規定が同性婚法制化を阻むとは考え難いとの観点から、同性婚を積極的に排除する意図を憲法から見出すことは困難であると述べるとともに、同性婚を認めるために憲法を改正する必要はないと論じている[20][15]大阪弁護士会所属の弁護士である三輪晃義は2017年に、24条2項が「個人の尊厳」に立脚した家族制度の制定を要請していることから、同項を根拠にして同性婚が法制化される可能性を主張している[21][22]

さらに、「両性」は「男女」の組み合わせに限定されず、「それぞれの独立した両方の性」として「女性と女性」「男性と男性」の組み合わせも含まれると解釈することで、憲法24条1項が同性婚の権利をも保障しているとする見解もある[23]

日本弁護士連合会は、2019年7月24日付けで法務大臣、内閣総理大臣、衆議院議長および参議院議長宛てに提出した意見書の中で、次のように述べている。

24条1項は当事者の合意のみを要件とする婚姻の自由を保障しているが、これは、自己の意思に反する婚姻を強制されず、また、婚姻の成否への両当事者以外の第三者の意思の介入を禁じることを目的としたものである。最高裁も、同項について、「婚姻をするかどうか、いつ誰と婚姻をするかについては、当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきであるという趣旨を明らかにしたものと解される。」と判示しているところであり(最大 判平成27年12月16日民集69巻8号2586頁)、同項の趣旨は婚姻が当事者の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきものを明らかにする趣旨であって、同性婚を禁止する趣旨ではない。そして、同条2項は、「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」と規定し、個人の尊厳と両性の本質的な平等が、家庭生活において法律を通じて具体化されなければならないことを定めている。
同項の趣旨についても、上記最高裁判決は、「具体的な制度の構築を第一次的には国会の合理的な立法裁量に委ねるとともに、その立法に当たっては、同条1項も前提としつつ、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきであるとする要請、指針を示すことによって、その裁量の限界を画したもの」とした上で、「憲法上直接保障された権利とまではいえない人格的利益をも尊重すべきこと、両性の実質的な平等が保たれるように図ること、婚姻制度の内容により婚姻をすることが事実上不当に制約されることのないように図ること等についても十分に配慮した法律の制定を求めるものであり、この点でも立法裁量に限定的な指針を与えるもの」であると判示した。
このように、憲法24条全体の趣旨は、明治憲法時代の家父長制度の解体と個人の尊厳と両性の本質的平等を徹底した新しい家族制度の構築にあり、制度の構築に当たって立法裁量を画する意義をも有するというべきであり、このような同条2項の趣旨から同性婚を禁止する趣旨を読み取ることはできない。次に憲法24条の趣旨にかかわらず、「両性の合意のみ」との文言自体が同性婚を禁止しているという議論が可能かが問題となる。しかし、憲法の制定当時は、同性愛は精神障害として治療の対象とされていた時代であり、憲法の制定に当たって、同性婚を想定するようなことはあり得なかった。当然、憲法制定会議の議論においても、同性婚を禁止すべきか否かが議論されることもなかった。したがって、「両性の合意のみ」との文言が同性の婚姻を禁止する趣旨まで有すると考えることはできない。

その上で

したがって、憲法24条は、同性婚を法律で認めることを禁止しておらず、その基本的な趣旨に照らせばむしろ許容しているものと考えるべきである。

と日本弁護士連合会は結論づけている[24]

民法編集

民法は、第二章「婚姻」第一節「婚姻の成立」第一款「婚姻の要件」において婚姻の成立要件について規定しているが、婚姻が異性カップルにのみ成立すると規定する条文はない。第739条は、婚姻の届出について、「婚姻は、戸籍法 (昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる」(第1項)、「前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない」(第2項)と規定している。

なお、家裁レベルでは戸籍法第113条に基づく戸籍訂正を認める前提として、同性結婚は民法742条の「婚姻をする意思がない」該当し無効であるという判例がある[25]

戸籍法編集

戸籍法は、第6節「婚姻」第74条において、婚姻の届書に記載する事項として、「夫婦が称する氏」と記載しており、同性結婚は想定されていない[26]そのため、日本において同性結婚を認めるためには、この文言を改める必要があると考えられるとする主張する者もいる[要出典]

他国において同性結婚した者の日本における扱い編集

同性結婚を認める国家が増大しつつある中、それらの国において同性結婚した者の配偶者を、日本への入国および在留においてどのように扱うかについては、日本において同性結婚が認められないからといって、それらの国家では法律で結婚した同性配偶者の入国および在留を、異性配偶者と異なる扱いをすることは、国際慣習法人権人道上の問題から排除出来ない。

こうした事情から、外務省2003年以降、外交官の同性配偶者の入国および在留に際し、事実上異性配偶者と同様の扱いをしてきている。また、在日米軍関係者の同性配偶者や、その他民間の同性配偶者についても、事実上異性配偶者と同様の入国および在留が認められている。

パートナーシップ法と日本の内縁関係編集

一方で、パートナーシップ法(シビル・ユニオン)などで、夫婦と同一の権限を同性のカップルにも認める法律を制定し、夫婦としてでなく家族として籍の登録を認めることが同性婚の代替として提案されている。この点で日本は戦前は結婚に親の承諾が必要であったため、駆け落ちなどで結婚をせずに内縁関係の「夫婦」となるケースが多かったため、戦前から、内縁関係の夫婦にも正式に結婚した夫婦に近い権利を与える判例が多かった。

また近年、異性間の婚姻届を出さない「事実婚」カップルでも、住民票に「妻(未届け)」などと記載すれば、事実上の婚姻関係が証明されるようになりつつある[27]

この延長で、同性カップルの共有財産権などを、男女の内縁関係に類似した関係とみなし、ある程度は法律が保護するような判断を下した判決もあり[要出典]、日本でも、同性カップルの権利が法的に全く無視されているとも言い切れないところもある[注記 1]。そのため、日本の場合、既に認められている権利と認められていない権利の基準があいまいで、司法関係者や行政の窓口の担当者によって判断が違う。同性愛者のカップル自身が、どこまで法的な保護をあてにできるのか、はっきりと分からないところが最大の問題であると指摘する声もある。

異性と結婚(1960年代半ば頃まで)
1965年(昭和40年)頃までの日本の同性愛者は、明治期以降の家制度にならい、いえを継承する跡継ぎを設けるために、あるいは世間体を繕うために、同性愛者であっても異性と結婚することが多かった(後述)。地方によっては、夫が自分に関心がない事実を知っていても、妻が忍耐するのが常識であった。
代替制度としての養子縁組
江戸時代頃まで[注記 2]日本では同性愛の関係が「衆道」といって、年長者と年少者の擬似的な親子関係とみなされ得るものもあったことや、養子関係といっても、1日でも誕生日が違えば養子縁組が可能なことから、ごく最近まで同性愛者間のパートナーシップは、戸籍上は養子縁組の形で登録されてきたという事情もある[注記 3](詳細「同性結婚#同性結婚の前史参照」。
しかし遺産相続権をめぐって同性愛の関係であることを理由に、片方の親族から養子縁組関係の無効を要求する訴訟を起こされるようなケースが想定される[要出典]。よって、実務的な観点からはパートナーシップ法(シビル・ユニオン)などの明確な立法化が望ましいとされる。

同性婚やパートナーシップ法実現の要求編集

2019年に発表された電通の調査によれば、20~59歳の日本人のうち78.4%が同性婚の合法化に「賛成」あるいは「どちらかというと賛成」と回答している[28]

最近では、海外での同性婚合法化の波を受け日本の同性愛者の間でも、親子擬制の養子縁組ではなく、男女の結婚のようなきちんとした婚姻関係かそれと同等の関係を結びたいという声も高まってきている。「特別配偶者法全国ネットワーク」は、民法配偶者の規定に、同性カップルに適用できる「特別配偶者」という枠をつくり、同性カップルにも男女間と同等の権利を保障すべきだと訴えている[27]

日本においては社会民主党が選挙公約にフランスのPACSをモデルとした新制度の創設を目指す[29]とし、日本共産党は欧米各国のパートナーシップ法などを参考に、日本でも同様の制度を実現するとした[30]。その他、下節でも触れるように、日本維新の会が「レインボープライド愛媛」が実施した政党アンケートで、同性婚に賛成とした。

国会では、2019年6月3日に、同性同士で結婚できることを法律に明記するべきだとして、民法を改正する法案(婚姻平等法案)を、立憲民主党日本共産党社民党の野党3党が、衆議院に提出した。

同性結婚に対する政党の立場編集

2014年(平成26年)12月の第47回衆議院議員総選挙に際し、LGBT団体「レインボープライド愛媛」が各政党に対して行ったアンケートによると、同性結婚に対する各党の態度は以下のようになっている。
「Q8 同性婚について」
【A】同性でも婚姻制度を適用できるようにすべきだ:次世代の党社民党
【B】現在の結婚に変わる制度、異性同性を問わず利用できるパートナー制度が出来るべきだ:日本共産党
【C】こうした制度は異性間のものであるべきで特に必要ない:自由民主党
【D】答えられない/分からない:
【E】その他自由筆記:民主党(性的少数者の意志を尊重できるよう、今後検討していきたい)

同性結婚に関連した動き編集

  • 1968年昭和43年)11月19日号『週刊プレイボーイ』に、「世界最初のホモ結婚式を挙げたゲイボーイ、アンリー寺田と花婿冬木誠」という記事がある。
  • 2007年平成19年)、尾辻かな子が、パートナーと愛知県名古屋市中区の池田公園で女性同士の「結婚式」を行なった。
  • 2009年(平成21年)3月27日、同性結婚が認められた国家に住む外国人と、相手国での同性結婚を行えるようになるとの報道がなされた[31][32]。日本は国内での同性結婚を認めていなかったことから、同性のパートナーとの国際結婚をするために、必要な書類の申請が行われた場合は拒否されていた。この変更によって、同性結婚を望む人に独身の成人である証明書を発行するよう、法務省の通達がなされた。
  • 2011年(平成23年)5月、京都市にある臨済宗妙心寺派春光院は、ゲイ・レズビアン・プライド月間英語版の一環として、翌6月の間は同性結婚式を同寺にて執り行える旨を発表した[33]
  • 2012年(平成24年)5月15日東京ディズニーリゾートミリアルリゾートホテルズ)内の3つのホテルで、同性結婚式を挙げることが可能だと、オリエンタルランド広報担当者が述べた[34]
  • 2013年(平成25年)3月1日東京ディズニーランドにて初の同性婚挙式が行われた。行ったのは元宝塚歌劇団花組男役の東小雪[35]
  • 2014年(平成26年)2月、「2020年の東京オリンピックまでに同性婚を日本で実現する」事を掲げたNPO:EMA日本(いーまにほん)が発足[36]
  • 2015年(平成27年)
    • 2月、東京都渋谷区区議会が「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行するという条例案をまとめ、3月に提出することを発表する。日本の地方自治議会では初の試み[37]
    • 3月31日、同性カップルを結婚に相当する関係と認め、「パートナー」として婚姻届と同等として証明する東京都渋谷区の『渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例』が、渋谷区議会本会議で、賛成多数で可決、成立[38][39][40]。採決結果は、定数34のうち自民党区議ら計11人が反対した[38][39][40]。同条例は、男女平等や多様性の尊重をうたった上で、「パートナーシップ証明」を実施する条項を明記[38][39][40]。パートナーシップを「男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える関係」と定義[38][39][40]。同性カップルがアパートの入居や病院での面会を断られるケースなどに配慮し、不動産業者や病院に、証明書を持つ同性カップルを夫婦と同等に扱うよう求めている[38][39][40]。条例の趣旨に反する行為があり、是正勧告などに従わない場合は、事業者の名前を公表する規定も盛り込まれている[38][39][40]
    • 4月1日、東京都渋谷区がパートナーシップ宣誓制度を開始。全国で[38][39][40]
    • 11月1日、東京都世田谷区がパートナーシップ宣誓制度を開始。全国で2例目[41]
    • 11月30日兵庫県宝塚市がパートナー宣誓書を提出した同性カップルに、2016年6月から宣誓を証明する受領証を発行し、さまざまなサービスが受けられるよう、要綱を定めると発表した。
    • 12月10日、全国で2番目となる「性の多様性を尊重する都市・なは(通称・レインボーなは)」を宣言した沖縄県那覇市は、同性カップルの「パートナーシップ」に関する施策の導入に向け、検討を始めた。
    • 12月25日三重県伊賀市が、申請があった同性カップルに対し、翌年4月よりパートナーと認める証明書を交付する方針を固めた。
  • 2016年(平成28年)
    • 4月1日、三重県伊賀市がパートナーシップ宣誓制度を開始[42]。全国で3例目。
    • 6月1日、兵庫県宝塚市がパートナーシップ宣誓制度を開始[43][44]。全国で4例目。
    • 7月8日沖縄県那覇市がパートナーシップ証明制度を開始[45]。全国で5例目。
  • 2017年(平成29年)
    • 2月から30代と40代の男性カップルが、大阪市に委託され10代男児を預かっており、同市に里親認定されている。同性カップルの里親認定は全国初とみられる[46]
    • 6月1日北海道札幌市がパートナーシップ宣誓制度を開始[47]。全国で6例目。政令指定都市では日本初。
  • 2018年(平成30年)
  • 2019年(平成31年)
    • 1月1日群馬県大泉町がパートナーシップ宣誓制度を開始[52]。全国で10例目。
    • 1月29日千葉県千葉市がパートナーシップ宣誓制度を開始[53][54]。全国で11例目。
    • 2月14日、日本国が同性婚を認められないこと自体が憲法で定める婚姻の自由を侵害、かつ法の下の平等に反するとして、全国各地の13組の同性カップルが国を相手取る訴訟を起こす[55]。なお、弁護団によれば同性婚の合憲性を正面から国に問う訴訟は日本初であるとしている[56]
    • 3月25日茨城県議会はLGBTへの差別禁止を盛り込んだ男女共同参画推進条例改正案を可決した。ただし、当初改正案にあった「その他必要な施策を講ずる」との文言は、県議会最大会派の自民党が、パートナーシップ制度導入につながると反発。当該部分は同日の審議で「相談体制の整備を行う」と修正された。大井川和彦知事は記者会見で制度導入の検討を継続する方針を示した[57]
    • 4月1日東京都江戸川区豊島区、東京都府中市神奈川県横須賀市小田原市大阪府堺市枚方市岡山県総社市熊本県熊本市がパートナーシップ宣誓制度を開始[58][59][60][61][62][63][64][65]。導入した自治体は全国で20となった。同じく4月1日導入を目指していた岐阜県飛騨市は市議会の賛同が得られず、制度開始が延期された[66][67]
    • 6月3日、栃木県鹿沼市がパートナーシップ宣誓制度を開始[68]。全国で21例目。
    • 6月3日、同性同士で結婚できることを法律に明記するべきだとして、民法を改正する法案(婚姻平等法案)を、立憲民主党日本共産党社民党の野党3党が、衆議院に提出した[69]
    • 6月10日、宮崎県宮崎市がパートナーシップ宣誓制度を開始[70]。全国で22例目。
    • 7月1日、福岡県北九州市がパートナーシップ宣誓制度を開始[71]。全国で23例目。
    • 7月1日、茨城県がパートナーシップ宣誓制度を開始。都道府県規模では全国初となる[72]。制度導入に反対を示してきた茨城県議会の最大会派「いばらき自民」[57]からは「残念だ」との声が上がった[73]。全国で24例目。
    • 7月25日、日本弁護士連合会は、同性同士の結婚(同性婚)ができないのは「憲法に照らし重大な人権侵害」だとして、国に対し、同性婚を認め、関連する法令の改正を求める初の意見書を公表した[74]
    • 9月1日、愛知県西尾市がパートナーシップ宣誓制度を開始[75]。全国で25例目。
    • 9月2日、長崎県長崎市がパートナーシップ宣誓制度を開始[76]。全国で26例目。

薔薇族と結婚編集

かつて男性同性愛者の雑誌『薔薇族』の交際欄「薔薇通信」に、偽装結婚の相手を探すための「結婚コーナー」があり、同性愛者向けに異性と結婚して子供を作るためのガイダンスが編集長の伊藤文学(異性愛者)に書かれたこともあった。これらは後の世代の同性愛者たちからは批判されることになる。伊藤は、当時の時代的制約があったとはいえ、ゲイ同士の婚姻や同棲に否定的で女性との結婚を勧めていたため、同性愛者からの評価は芳しくない。JGS(ジャパンゲイセンター)はミニコミ『CHANGE』(1981年8月号)で「拝啓 伊藤文学殿」と題して伊藤の結婚観に抗議し、ゲイ雑誌『Badi』も伊藤の同性婚を「甘え」と否定したコラムを批判したことがある。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 戦前の旧民法では、婚姻には戸主の承諾を必要としたため、婚姻できない事実上の夫婦、内縁者が多かった。そこで日本の民法判例では、内縁者の権利を保護するため、事実婚(内縁関係)を法律婚の法的な権利に準じて解釈してきた慣例があることも影響している。(参照:事実婚
  2. ^ 衆道の風習は明治期まで地方によっては残っていたとの異説あり。
  3. ^ このケースの有名な例を挙げると、男性では日景忠男沖雅也、国文学者折口信夫とその弟子藤井春洋など、女性では作家吉屋信子と門馬千代など。

出典編集

  1. ^ 青森の女性カップル 婚姻関係がないと制度上「生きづらい」”. 2019年8月7日閲覧。
  2. ^ 植野妙実子「第二十四条家族の権利と保護」(法学セミナー 545号82頁、2000年)
  3. ^ 渋谷区「同性パートナー条例」成立にある懸念点
  4. ^ 芹沢斉ほか編『新基本法コンメンタール憲法』(日本評論社,2011)214頁〔武田万里子〕
  5. ^ 日本の家族観に基づく法判断を 麗澤大学教授・八木秀次
  6. ^ 辻村みよ子『ジェンダーと人権』(日本評論社,2008)250頁
  7. ^ 辻村『憲法と家族』129頁
  8. ^ 同性婚と憲法改正
  9. ^ 性的指向・性同一性(性自認)に関するQ&A”. 自由民主党政務調査会 性的指向・性自認に関する特命委員会 (2019年8月3日). 2019年6月29日閲覧。
  10. ^ a b (北海道新聞)「生と性」守る24条 家族を考える講演会
  11. ^ 『同性婚と国民の権利』憲法学者・木村草太さんは指摘する。「本当に困っていることを、きちんと言えばいい」(2017年5月3日、ハフィントン・ポスト
  12. ^ 同性婚「憲法で認められない」は間違い、憲法学の通説は「違反しない」…木村草太教授が解説”. 2019年7月12日閲覧。
  13. ^ 日本国憲法第24条と同性婚
  14. ^ 中里見博「『同性愛』と憲法」三成美保編『同性愛をめぐる歴史と法 ―尊厳としてのセクシュアリティ』(2015年、明石書店) p.85-86
  15. ^ a b 日本における同性婚容認の可能性 ―アメリカ合衆国最高裁判所の同性婚容認判決の論理を示唆として―創価大学法学会『創価法学』47 (1), 1-31, 2017-07-20, 上田広和
  16. ^ 安倍首相「同性婚は現憲法で想定されていない」 法律家やLGBT支援者から異論も(2015年2月19日、ハフポスト
  17. ^ 辻村みよ子『憲法と家族』(2016年、日本加除出版) p.128
  18. ^ 「同性」カップルの日本での婚姻について鈴木朋絵森あい, 日本弁護士連合会『自由と正義』2016年11月号)
  19. ^ 津田大介公式サイト | なぜ同性婚が必要とされているのか (津田大介の「メディアの現場」vol.76 より)
  20. ^ 福嶋敏明「同性婚と憲法 渋谷区パートナーシップ証明制度を契機に考える」(2015年、『時の法令』1976号) p.53
  21. ^ 三輪晃義「同性婚と人権保障」(日本評論社、『法学セミナー』2017年10月号 通巻753号) p.17-21
  22. ^ hanare×Social kitchen:Event:Cafe LGBT+ 『同性婚は憲法違反?! Vol.2』
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  28. ^ 「自分はLGBT」8.9%=同性婚賛成は8割近く-電通調査 - 時事通信
  29. ^ 2012年社民党選挙公約13「子ども・女性・若者」人生丸ごと支援5.法務・人権 〜司法制度改革に取り組み、あらゆる差別に反対〜
  30. ^ 2012年総選挙政策 各分野政策34、いのち・人権の保障
  31. ^ 海外での同性婚可能に 法務省が新証明書発行へ
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