『リップ・ヴァン・ウィンクル』を舞台で演じる俳優ジョゼフ・ジェファーソンと6人の子役達。これは1909年という極めて古い時代のポートレートである。
リップ・ヴァン・ウィンクル』を舞台で演じるアメリカ人俳優ジョゼフ・ジェファーソンと子役達。これは1909年という極めて古い時代のポートレートである。
サイレント映画『キッド』(1921年公開)におけるチャールズ・チャップリンと子役ジャッキー・クーガンの有名なポートレート。チャップリンは放浪者をクーガンは孤児を演じており、この写真では他人の家の出入り口に二人して腰を下ろしている。クーガンはこの作品で子役の黎明期を代表するスターとなった。撮影時は5~6歳。子役としての活動期間は1917年から1933年まで。映画は1931年製まで、少なくとも22作品に出演した。
サイレント映画キッド』(1921年公開)におけるチャールズ・チャップリンと子役ジャッキー・クーガン
クーガンはこの作品で子役の黎明期を代表するスターとなった。撮影時は5~6歳。子役としての活動期間は1917年から1933年まで(映画は1931年製まで、少なくとも22作品。cf. )。
ハリウッド女優シャーリー・テンプルの子役時代の写真。幼児だけが登場するアメリカ製白黒短編映画「ベビー・バーレスク」シリーズの一作『グラッド・ラグズ・トゥ・リッチズ』(1933年公開)の一場面で、撮影時は4~5歳であった。子役としての活動期間は1931年から1947年まで(映画は56作品に出演)。
ハリウッド女優シャーリー・テンプルの子役時代
幼児だけが登場するアメリカ製白黒短編映画「ベビー・バーレスク原題:Baby Burlesks)」シリーズの一作『グラッド・ラグズ・トゥ・リッチズ(原題:Glad Rags to Riches)』(1933年公開)の一場面で、撮影時は4~5歳であった。子役としての活動期間は1931年から1947年まで(映画は56作品。cf. )。
双子の子役 "モーフ・ツインズ"(ビリー・アンド・ボビー・モーフ)の宣材写真。撮影は1930年代後期後半。主な活動期間は1937年から1943年まで。
双子の子役 "モーフ・ツインズ"
ビリー・アンド・ボビー・モーフ英語版(ウィリアム・ジョン・モーフとロバート・ジョセフ・モーフ)。撮影は1930年代後期後半。主な活動期間は1937年から1943年まで。
日本人俳優・片山明彦の子役時代のポートレート。
日本人俳優・片山明彦の子役時代/1941年/昭和16年以前(15歳以前)の撮影。
ロシア人女優エカテリーナ・スターズホーワの子役時代の報道写真。
ロシア人女優エカテリーナ・スターズホーワ (en) の子役時代(8歳時)の報道写真

子役(こやく)とは、演劇や演劇的映像作品(ドラマ性のある映画テレビ番組・テレビCMなど)における、子供(配役)[1]。また、それを演じる子供をも指す[1]。子供のイメージモデル全般も含むとする捉え方もある[2]

英語では、男女を区別して "child actor"、"child actress" といい、日本語でもこれらを音写した外来語チャイルドアクター」「チャイルドアクトレス」が通用する。また、ティーンエイジ(13歳から19歳まで)の子役に対して英語では "teen actor"、"teen actress" も用いられる(※外来語としては確認できない)。フランス語では英単語との混種語で "enfant starアンファン スター)" という。中国語では「童星拼音tóngxīngトォンシィン〉)」という。

日本の子役編集

 
日本の子役・鈴木福/2011年/平成23年(7歳時)撮影。

日本伝統芸能における子役編集

ここでは、日本伝統芸能において、「子役」に相当する配役とその演者について解説する。

能の子方編集

では、少年が扮する役、および、それを演じる少年を、「子方(こかた)」という[3]が、これとは大きく意味の異なるもう一つの語義として、本来は大人が演じるべき大人の役をあえて少年に務めさせるその役、および、それを演じる少年をも、同じく「子方」という[4]。演劇や映画などの分野における「子役」と同じと言えるのは前者のみであり[5]、後者は能に固有の演出法である[5]。子方はシテ方から出るものと決まっており[6]、後者はシテ方を際立たせるための演出法として始まったとも[6]室町時代稚児愛好趣味(cf. 少年愛)に由来するとも考えられている[6]

前者の例としては、『望月』の花若(はなわか)[4]、『善知鳥』の千代童[5]、『烏帽子折(えぼしおり)[字引 1]』や『鞍馬天狗』の牛若丸[5]、『関寺小町』の稚児[5]などがある。後者の例としては、『安宅[5]と『船弁慶』の源義経[4][7]、『花筐』の男大迹皇子[注 1]皇太子時代の継体天皇[5]と『草子洗小町』の天皇(継体天皇)[5]、『大仏供養[字引 2]』の源頼朝[5]、『正尊(しょうぞん)[字引 3]』の静御前[5]などがある。

狂言の子方編集

狂言では、少年が扮する役、および、それを演じる少年を、子方(こかた)といい、子方の出るものが少数ながらある[6]

歌舞伎の子役編集

歌舞伎では、大抵の場合、役者の子が「子役(こやく)」として初舞台を踏む[3]。子役が成長してもっぱら子役を務めている間は「若衆方(わかしゅがた)」と呼ばれ[3][8]、これは配役上結果的の「美少年役」を意味する[8]。子役は、長じては「立役(たちやく)」と「敵役(かたきやく)」、もしくは「娘方(むすめがた)」の、いずれかを務めることになる[3]。なお、娘方は「若女方(わかおんながた)」へと変わってゆき[3]、娘方は若女方の役柄の一つという位置づけになる[9][注 2][9]。歌舞伎の子役には地位による差別は無く[3]、出勤は演目の都合によって決められ[3]、給金は演じるごとに包み金という形で渡される[3]。歌舞伎の場合、「寺子屋」こと『菅原伝授手習鑑』の小太郎、『伽羅先代萩』の千松、『重の井子別れ(しげのい こわかれ)[字引 4]』の三吉など、舞台の出来を左右する大役に子役を配した演目もある[3]

舞台子役と深夜労働編集

※本節において肩書きはすべて当時。

2001年(平成13年)に文化芸術振興基本法が制定されたことに伴い、演劇界はこの規制緩和に積極的に働きかけている。各演劇興行会社が文化庁長官に要望書を提出したり、2003年(平成15年)6月3日には、神奈川県横浜市日本演劇興行協会構造改革特別区域の一つとして22時まで延長する「子役特区」を提案した。鴻池祥肇特命担当大臣が「モーニング娘特区」と名付けて実施を目指していたが、坂口力厚生労働大臣は「義務教育を受けるためにも限界がある」と慎重な姿勢を示していた。内閣府で行われた同年9月3日の会談で坂口厚労相が「21時まで認める」と述べ、2004年(平成16年)11月16日の労働政策審議会に対する答申にて、2005年(平成17年)1月1日より全国的に演劇などへの「13歳未満の子役の出演が従来の20時までから21時まで」に延長されることになった。この議論においても、テレビの収録などはこの範囲ではないとの発言もあり、子役や演劇という言葉の示す範囲の曖昧さが指摘されている[10]

21時までの出演が可能となってからも、世界各国の子役事情と比較し緩和が十分とはいえず、2007年(平成19年)12月4日、日本演劇興行協会より子役出演時間延長の要望書が首相官邸に提出されている[11]

2008年(平成20年)4月7日、日本外国特派員協会において「児童俳優の舞台時間延長問題を考えるパネル」が開かれ、子供の教育を受ける権利や児童の福祉を考慮した上での舞台子役の育成と保護について論じられた[12]

2017年(平成29年)には、WOWOWテレビドラマにおいて、WOWOWの意向でハードワークを課せられた製作陣が、深夜3時から始まる撮影に当時6歳の子役・稲垣来泉を駆り出したうえ、リテイクなどによる徹夜を含む14時間もの撮影を強要した[13][14]。この案件は、『週刊文春』が3月1日にウェブサイト版「文春オンライン」で、明くる2日に本誌で取り上げ、関係者もその事実を認めたと報じられた[13][14]

子役を取り巻く環境と問題点編集

少女向け雑誌の表紙は1960年代の半ばまでは少女子役の写真であり、それ以後は少女モデルの写真になり、漫画表紙が定番になるのはさらにのちのことである[15]

人気を得た子役は幼少時代にサラリーマンを大きく上回る収入を得るため、一般的な金銭感覚を身につけることが出来ず、社会生活に苦労することも少なくない[16]。子役には引退して一般人になった人も数多いが、成功経験を忘れられず身を持ち崩した結果、西川和孝リヴァー・フェニックスのように悲惨な末路をたどる人物も存在する。そのため、子役に対しても適切なポジションや作品の配分が必要とされている[17]

日本の子役・子役出身者編集

1900 - 1940年代生まれ編集

1950年代生まれ編集

1960年代生まれ編集

1970年代生まれ編集

1980年代生まれ編集

1990年代生まれ編集

2000年代生まれ編集

2010年代生まれ編集

アメリカ合衆国の子役・子役出身者編集

 
ハリウッド女優シャーリー・テンプルの子役時代(中央)/1939年製アメリカ映画『テンプルちゃんの小公女』の一場面で、撮影時は10~11歳であった。

起用編集

アメリカの大手のタレントエージェンシーには専門の子役部門が設置されている場合がある[18]

アメリカでは18歳未満の役者を起用する場合は各州で定められた労働局規定に従う必要がある[18]。1日当たりの就労時間、食事時間や勉強時間、休み時間などは、年齢に応じて定められている[18]。撮影現場では州から認定を受けたスタジオティーチャーを雇い、その教師が子どもに対する待遇、勉強時間や休憩時間の順守について監視する役目を担う[18]

18歳未満の役者を起用する場合、未成年の役者は、学校からの最新の成績表や学校からの許可を証明する書類を州の労働局に提出し、仕事に就く日までにエンタテインメント用労働許可書を取得しなければならない[18]

未成年者を雇う製作会社側も、労働局の未成年者雇用の許可を取得し雇用保険も用意しなければならない[18]

アメリカ合衆国では、州によって差はあるものの、映画産業の盛んな州でも撮影現場にいることのできる時間に制限が設けられているケースが多い[19]。そのことへの対応策として、一つの役に双子を交代で起用するなどの方法も用いられている[19]

なお、カリフォルニア州など多くの州では、18歳未満の子役は「クーガンアカウント」という銀行口座を持っていなればならず、報酬総額の15%がその口座に直接送金され成人するまで保護されるシステムになっている[18]

一覧編集

1900 - 1940年代生まれ編集

1970年代生まれ編集

1980年代生まれ編集

脚注編集

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注釈編集

【閲覧者へ】「1900 - 1940年代生まれ」などと表示されている帯(HTML div style のバー)の内部にある文に注釈が掛かっている場合、帯を開いておかないと「注釈」節からリンクされた所定に位置へ飛ぼうとしても飛べません。閉じたままではリンクが機能しません。2020年現在の状況としましては、「1900 - 1940年代生まれ」のみがその問題を抱えており、注釈の3・4・5が機能しません。
  1. ^ 「おおど(ヲホド)」から来ている皇子名で、「男大迹皇子」の読みは「おおどのみこ」「おおあとべのみこ」など異説多数あり。また、「男大迹邉皇子」「大迹部皇子」などの異表記もある。
  2. ^ 娘方は、武家の娘、商家の娘、ただの町娘などの役がこれにあたり、やんごとなき姫君の役をも含む捉え方もある。
  3. ^ サイレント映画時代を代表する子役で、「ザ・ソラックス・キッド (The Solax Kid)」の二つ名でも知られる。活動期間は1910年から1913年まで。
  4. ^ チャールズ・チャップリンのサイレント映画『キッド』(1921年公開)で、黎明期における子役スターの一人となった。
  5. ^ チャールズ・チャップリンのサイレント映画『キッド』(1921年公開)で、黎明期における子役スターの一人となった。クーガン法の成立でも後世に大きな影響を与えている。■右列上段に画像あり。
字引
  1. ^ 烏帽子折”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  2. ^ 大仏供養”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  3. ^ 正尊”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  4. ^ 重の井子別れ”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。

出典編集

  1. ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』、小学館『精選版 日本国語大辞典』、三省堂大辞林』第3版、平凡社世界大百科事典』第2版. “子役”. コトバンク. 2019年9月10日閲覧。
  2. ^ 研究調整部 研究調整課 (2006年6月14日). “労働政策研究報告書No.62 諸外国における年少労働者の深夜業の実態についての研究 ―演劇子役等に従事する児童の労働の実態―”. 公式ウェブサイト. 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 (JILPT). 2019年9月12日閲覧。 “(...略...)特に演劇、オペラ、ミュージカル、テレビ番組製作、映画製作、モデル撮影などメディア・文化の領域で子役として就労している児童の労働保護規制のあり方、法規の運用、就労実態及び健康、教育、財産管理などへの影響を調査しています。”
  3. ^ a b c d e f g h i 平凡社『世界大百科事典』第2版. “子役”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  4. ^ a b c 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “子方”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j 平凡社『世界大百科事典』第2版. “子方”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  6. ^ a b c d 平凡社『百科事典 マイペディア』. “子方”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  7. ^ 三省堂『大辞林』第3版. “子方”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  8. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “若衆方”. コトバンク. 2019年9月14日閲覧。
  9. ^ a b 浅原恒男(文責): “娘方”. 公式ウェブサイト. 歌舞伎用語案内. 2019年9月14日閲覧。
  10. ^ 労働基準局 勤労者生活部 企画課 (2004年11月). “04/11/16 労働政策審議会労働条件分科会第37回議事録”. 公式ウェブサイト. 厚生労働省. 2019年9月13日閲覧。
  11. ^ 演劇子役の出演可能時間の延長について(要望) (PDF)”. 公式ウェブサイト. 日本演劇興行協会 (JAMT) (2007年12月4日). 2019年9月13日閲覧。
  12. ^ 渡辺晴子(日本外国特派員協会 特別企画委員長) (2008年). “児童俳優の舞台時間延長問題を考える”. 公式ウェブサイト. 日本演劇興行協会. 2019年9月13日閲覧。
  13. ^ a b “WOWOWドラマで天才子役が号泣した徹夜の“違法撮影””. 週刊文春 (文藝春秋). (2017年3月1日). http://bunshun.jp/articles/-/1567 2017年3月5日閲覧。 [リンク切れ]
  14. ^ a b WOWOWが6歳女児の「違法撮影」を謝罪! 監督も不安吐露の“鬼スケジュール”が原因か」『日刊サイゾー』サイゾー、2017年3月2日。2019年9月13日閲覧。
  15. ^ 「プ~タオ 2000年春の号 アニメ&ゲーム300」『プ~タオ』2000年春の号 5(2) 通巻第38号、白泉社、2000年5月1日、 86頁、 国立国会図書館書誌ID:0000000994322019年9月13日閲覧。
  16. ^ 「夢を育てよ」#2 最高月収3000万円から仕事ゼロ、そして再ブレイク。内山信二さんに聞く、逆境からの立ち直り方と、これからの夢と家族 大和証券 SODATTE 2019年12月27日
  17. ^ サイクル早く消費される子役たち ORICON NEWS 2015年9月28日
  18. ^ a b c d e f g 高田ゆみ. “平成22年度コンテンツ産業人材発掘・育成事業(有望若手映像等人材海外研修事業)プロデューサーカリキュラム”. 公益財団法人 ユニジャパン. 2020年6月30日閲覧。
  19. ^ a b 猿渡由紀「「東京すみっこごはん」騒動:ハリウッドで子役はどのように扱われているのか」『Yahoo!ニュースYahoo! JAPAN、2017年3月5日。2017年3月5日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集