鬼畜系

鬼畜系(きちくけい)とは悪趣味にまつわるサブカルチャーの一ジャンルで、1990年代悪趣味ブームにおいて鬼畜ライター村崎百郎によって確立された造語である。現在では成人向け漫画などにおける反社会的行為、ないし残酷描写が含まれる作品、またその作家を指す言葉として用いられている。

目次

サブカルチャーに於ける鬼畜系編集

黎明期編集

戦後日本における鬼畜系サブカルチャーの元祖的存在は伝説的編集者の高杉弾山崎春美1979年に創刊した伝説的自販機本Jam』の連載企画「芸能人ゴミあさりシリーズ」とされている[1]。同誌では山口百恵かたせ梨乃など有名芸能人の自宅から出たゴミを回収し、電波系ファンレターから使用済み生理用品に至るまで誌面のグラビアで勝手に公開したことで知られているほか、ドラッグパンク特集、果ては皇室臨済禅神秘主義まで取り上げる先鋭的な誌面を展開し、現在に至るまで伝説的存在となっている[2]

鬼畜系文筆家の草分け的存在である青山正明村崎百郎も同誌の影響を強く受けており、青山は慶應義塾大学在学中の1981年にキャンパスマガジン『突然変異』(突然変異社)を創刊。障害者奇形ドラッグロリコン皇室揶揄まで幅広くタブーを扱い[3]、熱狂的な読者を獲得したものの、椎名誠等々の文化人から「日本を駄目にした元凶」「こんな雑誌けしからん、世の中から追放しろ!」[4]と袋叩きに遭い、わずか4号で廃刊。一方の村崎は『Jam』からヒントを得て「鬼畜ゴミ漁り」というスタイルを後に確立することになる[5]

1981年には白夜書房がスーパー変態マガジン『Billy』を創刊。同誌では死体奇形女装スカトロ、果ては獣姦切腹幼児マニアまで悪趣味の限りを尽くし、日本を代表する変態総合雑誌としての立ち位置を不動のものにしたが、度重なる条例違反有害図書指定を受け、1985年8月号をもって廃刊に追い込まれた[6]

成熟期編集

鬼畜系」という言葉自体は1995年に創刊された東京公司編集/データハウス発行の鬼畜系ムック危ない1号』の周辺から生まれた1990年代の特徴的なキーワードおよびムーブメントであるが[7]、鬼畜ブームの直接的な引き金となった『危ない1号』以前にも青山正明1992年に上梓した日本初の実用的なドラッグマニュアル『危ない薬』(データハウス)が10万部を超えるヒットを記録したほか[8]1993年鶴見済が発表した単行本『完全自殺マニュアル』(太田出版)は100万部を売り上げるミリオンセラーを記録している[7]

1994年には『Billy』元編集長の小林小太郎奇形&死体雑誌TOO NEGATIVE』(吐夢書房)を創刊し、同年には死体写真集『SCENE―屍体写真集 戦慄の虐殺現場百態』が発刊されるなど、1980年代後半から始まったバブル景気が崩壊した1993年頃から次第に“危ない”書籍に対して大衆的な注目が集まるようになり[9]、これらは1990年代後半以降に「鬼畜/悪趣味」という一語にまとめられることになる[7]

ライターばるぼらは、これら『危ない1号』以前の「悪趣味」について、どこかフェティッシュで学術的な内容が強い「外部からの視点」のものであるとし、村崎百郎の定義した鬼畜的な行為あるいは妄想に「娯楽性」を見出す積極的意識こそが『危ない1号』以降の「鬼畜系鬼畜ブーム」の本質であることを指摘している[7]

鬼畜・悪趣味ブーム編集

1990年代中頃になると鬼畜系サブカルチャー鬼畜ブーム・悪趣味ブームとして爛熟を迎え、不道徳な文脈で裏社会やタブーを娯楽感覚で覗き見ようとする露悪的なサブカルアングラ文化が「鬼畜系」または「悪趣味系」と称された[10]

芸術総合誌『ユリイカ1995年4月臨時増刊号「総特集=悪趣味大全」では文学映画アートファッションなどあらゆるカルチャーにキッチュで俗悪な「悪趣味」という文化潮流が存在することが提示された。これを境に露悪趣味(バッド・テイスト)を全面に押し出した雑誌ムックが相次いで創刊され一大ブームとなる。

このブームを代表する1995年7月創刊の鬼畜系ムック危ない1号』(東京公司データハウス)では「妄想にタブーなし」を謳い文句に「鬼畜系」を標榜し、ドラッグ障害者ロリコン電波系スカトロフリークス変態畸形屍体強姦殺人風俗盗聴テクノ人肉嗜食(カニバリズム)精神疾患動物虐待肛門性交児童買春ゴミ漁り辺境系AV青山正明全仕事集まで、ありとあらゆる悪趣味を徹頭徹尾にわたり特集した。鬼畜・変態・悪趣味が詰め込まれた同誌はシリーズ累計で25万部を超えるヒットとなり、初代編集長の青山正明は鬼畜ブームの立役者とみなされようになる[10][11]

時期を同じくして鬼畜系電波系ライター村崎百郎は「すかしきった日本の文化を下品のどん底に叩き堕とす」ために1995年より『危ない1号』の編集・執筆に参加して「鬼畜系」を名乗り、この世の腐敗に加速をかけるべく「卑怯&卑劣」をモットーに「日本一ゲスで下品なライター活動をはじめる」と宣言[12]。著書『鬼畜のススメ 世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!! みんなで楽しいゴミ漁り』(データハウス)ではゴミを漁って他人のプライバシーを暴き出す「ダスト・ハンティング」をはじめ様々な鬼畜活動が綴られていた。

これら悪趣味ブームの背景には、それまで日本に蔓延していた軽薄短小なトレンディ文化に辟易していた人々の支持を集めたとする指摘もあるが[13]、その一方で『危ない1号』が創刊された1995年には阪神淡路大震災地下鉄サリン事件など戦後最悪の自然災害テロ事件が立て続けに発生しており、それらに起因する一連の社会現象も悪趣味ブームと深く関わっているとされている[14]

特に1995年は「インターネット元年」[15]と呼ばれるように社会環境が大きく移り変わっていった激動の年でもあり[14]宮沢章夫はこれらの事象による社会の混乱や不安定な情勢が「悪趣味系」と呼ばれる、ある種の世紀末的世界観や終末的空気感を醸し出しているサブカルチャーの土壌になったことを指摘している[14][16]。また宮沢は自身が講師を務めるNHK教育テレビ教養番組ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅲ』の最終回において1995年を「サブカル」のターニングポイントと定義し、根本敬村崎百郎をはじめとする1990年代の鬼畜系サブカルチャーを取り上げている[14]

終焉編集

2001年6月17日青山正明神奈川県横須賀市の自宅で首を吊って自殺した[17]

ともに鬼畜ブームを牽引した村崎百郎は青山の訃報に際して雑誌に次の文章を寄稿している。

サブカルチャー”や“カウンターカルチャー”という言葉が笑われ始めたのは、一体いつからだったか? かつて孤高の勇気と覚悟を示したこの言葉、今や“おサブカル”とか言われてホコリまみれだ。シビアな時代は挙句の果てに、“鬼畜系”という究極のカウンター的価値観さえ消費するようになった。「──鬼畜系ってこれからどうなるんでしょう?」編集部の質問に対し、単行本『鬼畜のススメ』著者であり、故・青山正明氏とともに雑誌『危ない1号』で“電波・鬼畜ブーム”の張本人となった男・村崎百郎の答はこうだった。

鬼畜“系”なんて最初からない。ずっと俺ひとりが鬼畜なだけだし、これからもそれで結構だ。

次に主張しておきたいのは「青山正明鬼畜でも何でもなかった」という純然たる事実である。これだけは御遺族と青山の名誉の為にも声を大にして言っておくが、青山の本性は優しい善人で、決して俺のようにすべての人間に対して悪意を持った邪悪な鬼畜ではなかった。危ない1号』に「鬼畜」というキーワードを無理矢理持ち込んで雑誌全体を邪悪なものにしたのはすべてこの俺の所業なのだ。

俺の提示した“鬼畜”の定義とは「被害者であるよりは常に加害者であることを選び、己の快感原則に忠実に好きなことを好き放題やりまくる、極めて身勝手で利己的なライフスタイル」なのだが、途中からいつのまにか“鬼畜系”には死体写真フリークスマニアスカトロ変態などの“悪趣味”のテイストが加わり、そのすべてが渾然一体となって、善人どもが顔をしかめる芳醇な腐臭漂うブームに成長したようだが、「誰にどう思われようが知ったこっちゃない、俺は俺の好きなことをやる」というのがまっとうな鬼畜的態度というものなので、“鬼畜”のイメージや意味なんかどうなってもいい。

(中略)ドラッグいらずの電波系体質のためドラッグにまったく縁のない俺だが、それでも青山の書いた『危ない薬』をはじめとするクスリ関連の本や雑誌のドラッグ情報の数々が、非合法なクスリ遊びをする連中に有益に働き、その結果救われた命も少なくなかったであろうことは推測がつく。こんな話はネガティヴすぎて健全な善人どもが聞いたら顔をしかめるであろうが、この世にはそういう健全な善人どもには決して救いきれない不健全で邪悪な生命や魂があることも事実なのだ。青山の存在意義はそこにあった。それは決して常人には成しえない種類の“偉業”だったと俺は信じている。

— 村崎百郎非追悼 青山正明──またはカリスマ・鬼畜・アウトローを論ずる試み太田出版『アウトロー・ジャパン』第1号 2002年 166-173頁

青山の没後、村崎百郎が明かしたのは、実際に『危ない1号』に関わった人間で本当に「鬼畜」な人間は、村崎本人以外に誰もいなかったという事実である[7]。これについて周辺文化研究家のばるぼらは「実際に『危ない1号』に関わった人間は、青山も含め鬼畜のポーズを取っていただけであって、つまり『鬼畜ブーム』は実質、村崎一人によって作られたといえるだろう。ただ当時は『危ない1号』は鬼畜な人間が集まって作った、サイテーでゲスな雑誌であるというイメージ戦略によって売り出され、そして結果的に成功した」と解説している[7]

その後も村崎は虚実交えた「鬼畜系」の寄稿を行った末、そのような表現に引きつけられた読者により2010年7月23日に殺害された[注 1][18]。犯人は精神鑑定の結果、統合失調症と診断され不起訴となり、精神病院措置入院となった[19]

ポルノグラフィに於ける鬼畜系編集

成人向け漫画アダルトゲームなどのポルノにおいて、SM緊縛強姦屍姦獣姦カニバリズムスカトロロリコン触手責め拡張プレイ異物挿入焼印孕ませ蟲責め四肢切断など強制的な性行為を強調した作品は「鬼畜系」または「陵辱系」と呼ばれており、これは度が過ぎるサディストを指した用語でもある。それに対して恋愛や合意の上での性行為を重視した作品を「純愛系」と呼ぶことがある[20]。いずれもオタク系の媒体で用いられることの多い表現であり、評論家の本田透は「鬼畜系」の作品群を「萌え」とは対極に位置するものとして区別して扱っている[21]。なお本田は監禁調教といった鬼畜系のジャンルは1990年代半ばまでがピークとして「現在では一部の根強いファンだけに支えられている」とも語っている[22]

また、成人向け漫画の世界で自分の世界を築き上げる作家も多く、もちろん、性的描写を避けては描けない世界というものでもある。また一つには性的描写が必須であることを除けば、それ以外の表現はむしろ一般の雑誌より制約の少ない舞台であり、その自由度の高さから作家独自の嗜好によって特異ともいえる表現が追及され、一般誌では掲載不可能な作風を実現する作家も存在する。

アダルトビデオに於ける鬼畜系編集

V&Rプランニング編集

安達かおる1986年に創業したアダルトビデオメーカーV&Rプランニングは美少女系路線が主流だった1990年代レイプスカトロ蟲責めなどを題材にしたキワモノ系の異色作・問題作を多数リリースした。

V&R作品は当時台頭していた規制の少ないインディーズメーカーを差し置くほど過激極まりない内容で[23]、当時加盟していた日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)からはしばしば発売禁止・審査拒否の対象となった。1993年に制作したスカトロビデオ『ハンディキャップをぶっとばせ!』(監督:安達かおる)では身体障害者が出演したことが問題視されお蔵入りとなるが[24]2015年アップリンク渋谷で上映され、制作から22年目にしての解禁となった[25]

井口昇監督/卯月妙子主演の『ウンゲロミミズ エログロドキュメント』(1994年)では排泄物食糞塗糞脱糞に始まり嘔吐物ミミズなどを扱った過激な演出からマニアの間でカルト的人気を博した。また翌1995年には続編も制作されている。

平野勝之監督の『水戸拷悶2 狂気の選択』(1997年)では過激な描写を追求する余り2名が負傷し、3名が引退宣言した[26]。また撮影の舞台となった渋谷はパニック状態に陥り、警察が出動する騒ぎとなった[26]。当然ビデ倫からは「論外の外」と審査拒否され、自主規制した不完全版のみが流通した[26]。ちなみに下水道を舞台にした平野監督の『ザ・ガマン』(1993年)でも撮影中に警察官水道局員が大挙する騒動に発展している[26]

AV史上最大の問題作とされるバクシーシ山下監督のデビュー作『女犯』(1990年)は既存のレイプ作品では到底考えられないほど迫真に迫ったリアルな描写・演出から女性人権団体から抗議が殺到、社会問題化した[27]。しかし、後に山下が語るところによれば作品は意図的に後味の悪さを狙ったもので、事前に山下は本気で嫌がるよう女優に説明し、あえて男優にその事実を教えなかったという[27]。これらを踏まえて著作家本橋信宏は「実際に弄ばれていたのは女優でなく男優だった」と述べている[27]。また山下が監督した路上ドキュメント『ボディコン労働者階級』(1992年)では山谷ドヤ街日雇い労働者AV女優との交接を描き物議を醸した[27]。ちなみに死体写真家釣崎清隆は人権団体と争ってまで作品を送り出すV&Rプランニングの姿勢に感銘を受け、過去にAV業界で活動していたこともある。

2004年にはV&Rプランニングの制作陣によってV&Rプロダクツが発足し、現在も事業を継続中。

バッキービジュアルプランニング編集

アダルトアニメに於ける鬼畜系編集

日本初といわれる、鬼畜系アダルトアニメ1971年東京テレビ動画が制作した谷岡ヤスジ原作の劇場用アニメ映画ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』とされている。本作はそれまで子供向けであると言われたアニメの世界にエログロバイオレンス表現を大胆に取り入れたもので、強姦獣姦幼児姦近親相姦といったハードコア要素を存分に詰め込んだアブノーマルな世界観に仕上がっている[28]。しかし映画倫理委員会からのクレームで最終的に11カ所がカットされ、主人公がメスゴリラ姦通した後、割腹自殺を遂げるラストシーンは前年の三島事件を連想させるとのことで全面的に撮り直された[28]。公開後も2週続映が1週で打ち切られるなど興行は大失敗に終わり、本作を最後に東京テレビ動画は解散を余儀なくされた[28]

鬼畜系漫画家編集

主に鬼畜系、陵辱系、猟奇系(リョナ)の漫画を執筆している漫画家を生年順に挙げる。

1940年代生

1950年代生

  • 平口広美
  • 内山亜紀
  • 丸尾末広 - レトロなタッチに過激・幻想・怪奇・グロテスクな描写を交えた猟奇的な作風を特徴としている。代表作に『少女椿』(青林工藝舎)など。
  • 森園みるく - 鬼畜系・電波系ライターの夫・村崎百郎が原作を担当し、妻の森園が作画を担当した漫画作品が多数ある。
  • 根本敬 - 自称・特殊漫画家東洋大学文学部中国哲学科中退。『ガロ』1981年9月号掲載の「青春むせび泣き」にて漫画家デビュー。しばしば便所の落書きと形容される猥雑な絵柄と因果で不条理なストーリーで知られ、日本オルタナティブ・コミックの作家の中でも最も過激な作風の漫画家である。『平凡パンチ』から『月刊現代』、進研ゼミの学習誌からエロ本まで活動の場は多岐に渡り、イラストレーションから文筆、映像、講演、装幀まで依頼された仕事は原則断らない。主著に『生きる』『因果鉄道の旅』他多数。

1960年代生

1970年代生

1980年代生

1990年代生

生年不詳

鬼畜系ライター編集

関連雑誌編集

休廃刊編集

刊行中編集

関連項目編集

関連書籍編集

  • 青土社ユリイカ』1995年4月臨時増刊号「総特集=悪趣味大全」
  • 宮台真司『終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル』筑摩書房 1995年7月(1998年3月に同社より文庫化)
  • 別冊宝島228『死体の本―善悪の彼岸を超える世紀末死人学!』宝島社 1995年8月
  • 別冊宝島250『トンデモ悪趣味の本―モラルそっちのけの,BADテイスト大研究!』宝島社 1996年3月
  • 別冊宝島281『隣のサイコさん―電波系からアングラ精神病院まで!』宝島社 1996年11月
  • 村崎百郎『鬼畜のススメ―世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!! みんなで楽しいゴミ漁り』データハウス 1996年7月
  • 東京公司+鬼畜ナイト実行委員会『鬼畜ナイト―新宿でいちばんイヤ~な夜』データハウス 1996年8月
  • 根本敬村崎百郎電波系太田出版 1996年9月
  • 青山正明危ない1号』第4巻「特集/青山正明全仕事」データハウス 1999年9月
  • アスペクト編『村崎百郎の本』2010年12月

参考文献編集

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 2010年7月23日、村崎は読者を名乗る32歳の男性に東京都練馬区羽沢の自宅で刺殺された。当初犯人は根本敬を殺害する予定であったが、根本が不在だったため『電波系』(太田出版)の共同執筆者であった村崎の自宅に向かったという。
  2. ^ 「鬼畜系作家」というのは自称でなく通称であり、京極夏彦の対談では「鬼畜系作家」でなくハートレスな「キクチ系作家」として呼んで欲しいとのこと。

    京極:平山さんは、いうなれば鬼畜系ですよね。
    平山:それを言われると嫁が泣く(笑)。ネットで「鬼畜系作家」と書かれているのを読んで、「あなた鬼畜系なの?私は鬼畜の嫁なの?」って泣いたんだよね(笑)。まあいいんだけど、漢字だと重たいから、できればカタカナにしてもらえたら(笑)。
    京極:表記の問題なのか(笑)。でも音で区別はつかないから。発音を変えて対談するしかないじゃないですか。「キチク」……「キクチ」ならいい?
    平山:そうそう、「キチク」とか「キクチ」とか……「キクチ」だね。
    京極:じゃあ「キクチ」系にしましょう(笑)。で、「キクチ」系作家の平山夢明さんとしては、ハートフルな小説というのはあまりお書きになりませんね?ハートレスですよね(笑)。
    平山:ハートレスだね。(中略)僕が書くこわい話なんかは、どっちにしろ死んでるやつのほうが多く出てくるわけ。そういう生き物より死人のほうが多いような小説はともかく(笑)。でも、そうじゃない小説って、みんな愛の方向にもっていくでしょう?
    京極:もっていきがちですわね、愛の方向に。
    平山:愛なんて所詮、算数でいうゼロみたいなもの。幸も不幸もゼロを掛ければみんな同じ。駆け込み寺みたいな安易な逃げ場所なんだけど、酷いことを書いて、そのまんまで終わらせちゃうとだいたい鬼畜系作家とか言われちゃうわけだよね。

    対談 京極夏彦×平山夢明 - レンザブロー

出典編集

  1. ^ a b 太田出版Quick Japan』19号、198頁。
  2. ^ 赤田祐一「──はじめに」『SPECTATOR』vol.39「パンクマガジン『Jam』の神話」p.30-35 幻冬舎 2017年
  3. ^ 吉永嘉明『自殺されちゃった僕』(幻冬舎アウトロー文庫)第3章「青山正明の思い出」の中「幻のキャンパス・マガジン」より。
  4. ^ 天才編集者 故青山正明インタビュー 平野悠. BURST 2000年9月号
  5. ^ ばるぼら「『Jam』創刊号を完読してみる」『SPECTATOR』vol.39「パンクマガジン『Jam』の神話」p.50-65 幻冬舎 2017年
  6. ^ a b ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第37回「変態雑誌ビリーにおける青山正明」
  7. ^ a b c d e f ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第18回
  8. ^ ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第1回
  9. ^ ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第13回
  10. ^ a b 吉永嘉明『自殺されちゃった僕』(幻冬舎アウトロー文庫)第3章「青山正明の思い出」の中「『危ない1号』の創刊」より。
  11. ^ 扶桑社SPA!』1996年12月11日号 青山正明×村崎百郎鬼畜カルチャーの仕掛け人が語る欲望の行方
  12. ^ 村崎百郎『鬼畜のススメ 世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!! みんなで楽しいゴミ漁り』データハウス 1996年 著者略歴
  13. ^ 扶桑社SPA!』1996年12月11日号特集「鬼畜たちの倫理観──死体写真を楽しみ、ドラッグ、幼児買春を嬉々として語る人たちの欲望の最終ラインとは?
  14. ^ a b c d ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅲ90'sリミックス 第4回(最終回)サブカルチャーが迎えた「世紀末」 - NHK公式サイト
  15. ^ マイクロソフト1995年Windows 95日本語版を発売。同年の新語・流行語大賞のトップテンには「インターネット」が選出されている。
  16. ^ 遊園地再生事業団と主宰・宮沢章夫のサイト
  17. ^ イメージの治癒力──「諦観」と「リズム」でハイな毎日を 青山正明. BURST 2000年9月号
  18. ^ 週刊新潮』2010年8月5日号「包丁男に48ヶ所滅多刺しにされた“鬼畜作家”村崎百郎」134-135頁。
  19. ^ 町山智浩ホームページ 2010年12月4日/根本敬 『人生解毒波止場』 幻冬舎文庫 2010年 286-288頁。
  20. ^ 高橋直樹『エロ萌え☆テクニック~はぁはぁテキストのお作法~』双葉社 2011年 37頁。
  21. ^ 本田透『萌える男』ちくま文庫 2005年 158頁。
  22. ^ 「男たちが群がる『監禁ワールド』をのぞいてみた!連続する監禁事件」『週刊朝日』2005年6月3日号、pp.126-129
  23. ^ こじままさき「ウンコ、ゲロ、低能、病原菌……キワモノ系変態ビデオを正視せよ!」、『危ない1号』第2巻、 34 - 35頁。
  24. ^ 青山正明「全盲青年がウンコ喰らって勃起する!!『ハンディキャップをぶっとばせ!~僕たちの初体験~』」、『危ない1号』第2巻、 70 - 71頁。
  25. ^ カンパニー松尾やバクシーシ山下の師・安達かおるの発禁作、20年の沈黙破り上映”. 映画ナタリー (2015年8月6日). 2018年1月27日閲覧。
  26. ^ a b c d 史上最大の問題作『女犯』弄ばれていたのは男優だった”. 本橋信宏. NEWSポストセブン (2016年8月24日). 2018年1月27日閲覧。
  27. ^ a b c 記憶のかさブタ 幻のポルノアニメ特集
  28. ^ ねこぢる『ぢるぢる日記』(二見書房 1998年)75頁。
  29. ^ しずかちゃんが黒ベエに犯され喰われる──真のパロディ作家:エル・ボンテージの底知れぬヒロイン愛”. 昼間たかし. おたぽる (2016年1月6日). 2017年6月29日閲覧。
  30. ^ BURST 2001年9月号.吉永嘉明×木村重樹×園田俊明「鬼畜系ライターの草分け的存在・天才編集者 青山正明追悼座談会」
  31. ^ 刊行後すぐ発禁となり改訂を余儀なくされた。
  32. ^ 【日本のアダルトパーソン列伝】「変態」を追究した編集者にしてジャーナリスト・梅原北明”. 橋本玉泉. メンズサイゾー (2011年9月30日). 2017年9月11日閲覧。
  33. ^ “「麻薬組織取材で勧められ」 写真家、覚醒剤所持の疑い”. 朝日新聞DIGITAL. (2017年8月3日). http://www.asahi.com/articles/ASK834DJHK83UTIL017.html 2017年9月11日閲覧。 
  34. ^ 史上最大の問題作『女犯』 弄ばれていたのは男優だった”. 本橋信宏. NEWSポストセブン (2016年8月24日). 2017年9月11日閲覧。
  35. ^ 綾辻行人氏命名!“鬼畜系特殊設定パズラー”白井智之が放つ異形の本格ミステリ『東京結合人間』、9月30日解禁!!”. 2017年11月12日閲覧。
  36. ^ ジャック・ケッチャムの鬼畜な世界 - All About
  37. ^ ジャック・ケッチャム著、金子浩訳『隣の家の少女』(扶桑社)解説/スティーブン・キング
  38. ^ 四国新聞 2001年7月14日号「ホームレス差別で新刊回収/データハウス社、絶版に」
  39. ^ 叢書エログロナンセンス 第Ⅰ期 グロテスク 全10巻+補巻 - ゆまに書房
  40. ^ 幻の自販機本『HEAVEN』にUGルーツを追え!”. Cannabis C4. BLUEBOX (2001年11月18日). 2017年6月17日閲覧。
  41. ^ 青山正明は『別冊宝島345 雑誌狂時代!』(宝島社 1997年)掲載の永山薫との対談記事の中で「面白かった時代っていうと、やっぱり『ジャム』『ヘヴン』の頃。要するに、エロとグロと神秘思想と薬物、そういうものが全部ごちゃ混ぜになってるような感じでね。大学生の頃にそこらへんに触れて、ちょうど『ヘヴン』の最終号が出たくらいのときに、『突然変異』の1号目を作ったんです」と語っている。
  42. ^ 吉永嘉明『自殺されちゃった僕』(幻冬舎アウトロー文庫)第3章「青山正明の思い出」の中「幻のキャンパス・マガジン」より。
  43. ^ ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第30回「ロリコンにおける青山正明(2)」
  44. ^ 『宝島30』1994年9月号(宝島社)青山正明×志水一夫×斉田石也「受験と女権とロリータ文化」138-145頁。
  45. ^ 『宝島30』1994年9月号(宝島社)青山正明「ロリータをめぐる冒険」167頁。
  46. ^ ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第11回
  47. ^ BLACK BOX:鬼畜 =ビリー=
  48. ^ ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第83回「こじままさきインタビュー」part2
  49. ^ 町山智浩ホームページ内 2010年12月04日付/根本敬『人生解毒波止場』幻冬舎文庫2010年、pp.286-288
  50. ^ ドクタークラレのWebサイトより。
  51. ^ “東海村爆発物事件 爆発物マニュアル本 県内の書店で撤去の動き=群馬”. 読売新聞 朝刊 (東京): pp. 35. (2000年1月15日) 
  52. ^ ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 第19回
  53. ^ アンソロジー『激しくて変』シリーズ

外部リンク編集